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魔道具作成は思っている以上に地獄です
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ついに…ついに、防御魔法を組み込んだ魔石を全部作り終えた…。
防御魔法の魔石は教室の片隅に積み上げられており、その検査は全てフレット先生が行なってくれている。
組み込みを失敗したり、組み込めたけど規格外だったりするとやり直しをするように言われる。
目の前に魔石が戻ってきた時のあの地獄間は味わいたくない。
「無事魔石の作成が終わりましたので、魔道具にしていきましょうか」
そうだった…、魔道具として利用するのは加工しなくちゃいけないんだった。
これ本来はもっと時間を掛けて作るものなんだろうけど、先皇陛下がお亡くなりになったからこんなに詰め込みの状態になってしまったんだ。
恨むべきは先皇陛下なんだけど、亡くなった人を恨むなんて無意味な考えまでしてしまう。
今はこの魔道具作成をいかに早く完成させる事ができるか考えなきゃ。
魔法陣が組み込まれた魔石を、また大量に目の前に置かれ魔石と材料をぶん投げそうになった。
その気持ちはきっと俺だけではないはずだ。
クラスメイトのみんなも目が空で、俺に散々嫌味を言っていた奴らも呪詛みたいな言葉を吐きながら作業をしている。
どうすれば少しでもこの地獄から意識を逸らす事ができるかをただ考え続ける事しかできない。
黙々と魔道具を大量製作していると、途中で俺に渡されている素材の種類が変わっていた。
さっきまで作っていたのは指輪型だったのに、途中からブローチ型の素材に変わっていた。
素材もかなりいいものでこのブローチだけでも下手な魔道具よりも高価な素材っぽい。
この素材ってことは来賓に王族がくるという事だろう。
普通なら王族用は教師が別で用意するはずなのに、それが俺に回ってきたという事は王族に俺の実力を知らせようとしているんだろうか。
なんの意味を持つかは分からないけど、意味もなく王族用の魔道具を作らせる訳がないと思うから文句も言わず作成をする。
流石に王族用になると少しでもズレたものを作るわけにはいかないから他の魔道具よりも作成がより慎重になる。
王族だからというより、王族が身に纏う衣装の一部になるのだから一つでもズレが生じてしまうと服装に不和が生じてしまう。
そんな事になれば頭と体がおさらばしてしまうから、気を抜くことができなー…あれ?
そういえば俺って一応王族の一員だよね?
下手を打っても流石に一応王族の俺の頭と体がおさらばするからなんて事はあり得なくないか?
そう思えばこの作業も少しは心を軽くしながら行える気がー
「今ルドくんが作成しているのは、隣国の王族の魔道具だから気を抜かないようにね」
フレット先生の言葉にびっくりして、今作業中の魔道具を手から落としそうになった。
万が一落としてしまっても問題はないように机の上にはふっかふかの布に、その下にはスライムの素材で作られたぷにぷにの素材も敷いている。
だから破損をすることも、歪むこともないけど手から落としそうになるのは心臓に悪い。
「慎重に気をつけて、ね?」
「はい…」
精神的に来るものも追加されながら、魔物狩り前日の午後の授業終わり際に全ての魔道具作成を終わる事ができた。
帰ったらゆっくり寝よ…。
防御魔法の魔石は教室の片隅に積み上げられており、その検査は全てフレット先生が行なってくれている。
組み込みを失敗したり、組み込めたけど規格外だったりするとやり直しをするように言われる。
目の前に魔石が戻ってきた時のあの地獄間は味わいたくない。
「無事魔石の作成が終わりましたので、魔道具にしていきましょうか」
そうだった…、魔道具として利用するのは加工しなくちゃいけないんだった。
これ本来はもっと時間を掛けて作るものなんだろうけど、先皇陛下がお亡くなりになったからこんなに詰め込みの状態になってしまったんだ。
恨むべきは先皇陛下なんだけど、亡くなった人を恨むなんて無意味な考えまでしてしまう。
今はこの魔道具作成をいかに早く完成させる事ができるか考えなきゃ。
魔法陣が組み込まれた魔石を、また大量に目の前に置かれ魔石と材料をぶん投げそうになった。
その気持ちはきっと俺だけではないはずだ。
クラスメイトのみんなも目が空で、俺に散々嫌味を言っていた奴らも呪詛みたいな言葉を吐きながら作業をしている。
どうすれば少しでもこの地獄から意識を逸らす事ができるかをただ考え続ける事しかできない。
黙々と魔道具を大量製作していると、途中で俺に渡されている素材の種類が変わっていた。
さっきまで作っていたのは指輪型だったのに、途中からブローチ型の素材に変わっていた。
素材もかなりいいものでこのブローチだけでも下手な魔道具よりも高価な素材っぽい。
この素材ってことは来賓に王族がくるという事だろう。
普通なら王族用は教師が別で用意するはずなのに、それが俺に回ってきたという事は王族に俺の実力を知らせようとしているんだろうか。
なんの意味を持つかは分からないけど、意味もなく王族用の魔道具を作らせる訳がないと思うから文句も言わず作成をする。
流石に王族用になると少しでもズレたものを作るわけにはいかないから他の魔道具よりも作成がより慎重になる。
王族だからというより、王族が身に纏う衣装の一部になるのだから一つでもズレが生じてしまうと服装に不和が生じてしまう。
そんな事になれば頭と体がおさらばしてしまうから、気を抜くことができなー…あれ?
そういえば俺って一応王族の一員だよね?
下手を打っても流石に一応王族の俺の頭と体がおさらばするからなんて事はあり得なくないか?
そう思えばこの作業も少しは心を軽くしながら行える気がー
「今ルドくんが作成しているのは、隣国の王族の魔道具だから気を抜かないようにね」
フレット先生の言葉にびっくりして、今作業中の魔道具を手から落としそうになった。
万が一落としてしまっても問題はないように机の上にはふっかふかの布に、その下にはスライムの素材で作られたぷにぷにの素材も敷いている。
だから破損をすることも、歪むこともないけど手から落としそうになるのは心臓に悪い。
「慎重に気をつけて、ね?」
「はい…」
精神的に来るものも追加されながら、魔物狩り前日の午後の授業終わり際に全ての魔道具作成を終わる事ができた。
帰ったらゆっくり寝よ…。
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