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ストーリーが開始されました!
私の新しい主人 ※ノルヴェス視点
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本日から私はとあるお屋敷に勤める事になりました。
まだ正式にどのお名前の貴族になられるのかは確定はしておりませんが、とても高貴な方にお仕えすると父から話を聞いておりましたが、そのとても高貴なお方が市井に降られた王弟殿下だとは思いもしませんでした。
王弟殿下の奥様であらせられるアリシア様も、王弟殿下が王子殿下であらせられた時の婚約者様との事でした。
市井に降りられたのも貴族社会のしがらみが煩わしいからという理由で市井に降られたとお聞きしておりました。
最初に王弟殿下ご夫妻にお会いした時は、服装は平民が頑張って背伸びをした服装を身に纏っていらっしゃいましたが、気品がありとても平民として過ごされたとは思えないぐらいでした。
私はこの王弟殿下ご夫妻にお仕えすると思っておりましたが、なんと別の執事をお雇いになられるとおっしゃられました。
そして私は王弟殿下ご夫妻のご子息にお仕えするように厳命されました。
純粋な平民としてお過ごしされ貴族社会を全く知らないご子息にお仕えするのは私にとっては喜ばしくない事です。
私は高貴な方ではなくても、家長にお仕えしたいという思いで仕事を磨き続けましたが、その技術が活かされないと思うとがっかりです。
ただお仕えする方ではあるので精一杯務めるのは当たり前ですが、どうしても育てた技術を使おうと思えないのです。
着任時は旦那様方は先皇陛下の葬儀で出払っており、ご子息のルド様だけが屋敷に居られる状況でしたのでいい機会ですからルドのご様子を見に行こうと思い立ち、ルド様のお部屋に向かいました。
お部屋からは荷物をかたずける音が聞こえますが、ノックをしてお部屋の中に入ると小さなカバンから服を出し床に広げている姿が見えました。
「ルド様失礼致します」
視界に入ったルド様は身長の割には線が細く、服から伸びている手足はほっそりしている。
お顔は王弟殿下ご夫妻からは考えられないほど特徴がなく、ぱっといた感じでは直ぐにでも忘れてしまいそうな程のお顔です。
「お初お目に掛かります。ヴァネッサ子爵家二男、ノルヴェス・ヴァネッサと申します。本日よりルド様の身の回りのお世話を致します。何か必要な事がございましたらお申し付けください」
挨拶ですので最後に一礼します。
本当はかなり長く頭を下げ続けなければならないのですが、頭を下げ続けてしまいますと慣れていないルド様は困惑されるでしょうから早めに頭を上げました。
執事としては主人であるルド様と視線を合わせていけないのですが、身長がお近い為自然と視線が合ってしまいました。
ルド様は特に気にしておられない様子でしたが、どうも私の方が気まずく直ぐに視線だけを逸らしました。
私の行動には気にも止めていらっしゃらないようで、どうやら私がここにいることを訝しんでいられるご様子。
現在先皇陛下の葬儀が行われている最中ですので、貴族である私がここにいるのが不思議なのでしょう。
「貴族である私がここにいるのが不思議なのでしょうか?」
「え、あ、はい…。まだ先皇陛下の葬儀中なのに、どうしてここに居れるのかと思いまして…」
私は先ほど身の回りのお手伝いをする事をお伝えした筈なのに、どうしてルド様はその手伝いである私に敬語を使用されるのでしょうか?
それに話す声が少し上擦っているようで、表情もかなり固く感じられます。
貴族になったから硬いという感じより、貴族そのものに怯えていられる…そんな感じがします。
まだ正式にどのお名前の貴族になられるのかは確定はしておりませんが、とても高貴な方にお仕えすると父から話を聞いておりましたが、そのとても高貴なお方が市井に降られた王弟殿下だとは思いもしませんでした。
王弟殿下の奥様であらせられるアリシア様も、王弟殿下が王子殿下であらせられた時の婚約者様との事でした。
市井に降りられたのも貴族社会のしがらみが煩わしいからという理由で市井に降られたとお聞きしておりました。
最初に王弟殿下ご夫妻にお会いした時は、服装は平民が頑張って背伸びをした服装を身に纏っていらっしゃいましたが、気品がありとても平民として過ごされたとは思えないぐらいでした。
私はこの王弟殿下ご夫妻にお仕えすると思っておりましたが、なんと別の執事をお雇いになられるとおっしゃられました。
そして私は王弟殿下ご夫妻のご子息にお仕えするように厳命されました。
純粋な平民としてお過ごしされ貴族社会を全く知らないご子息にお仕えするのは私にとっては喜ばしくない事です。
私は高貴な方ではなくても、家長にお仕えしたいという思いで仕事を磨き続けましたが、その技術が活かされないと思うとがっかりです。
ただお仕えする方ではあるので精一杯務めるのは当たり前ですが、どうしても育てた技術を使おうと思えないのです。
着任時は旦那様方は先皇陛下の葬儀で出払っており、ご子息のルド様だけが屋敷に居られる状況でしたのでいい機会ですからルドのご様子を見に行こうと思い立ち、ルド様のお部屋に向かいました。
お部屋からは荷物をかたずける音が聞こえますが、ノックをしてお部屋の中に入ると小さなカバンから服を出し床に広げている姿が見えました。
「ルド様失礼致します」
視界に入ったルド様は身長の割には線が細く、服から伸びている手足はほっそりしている。
お顔は王弟殿下ご夫妻からは考えられないほど特徴がなく、ぱっといた感じでは直ぐにでも忘れてしまいそうな程のお顔です。
「お初お目に掛かります。ヴァネッサ子爵家二男、ノルヴェス・ヴァネッサと申します。本日よりルド様の身の回りのお世話を致します。何か必要な事がございましたらお申し付けください」
挨拶ですので最後に一礼します。
本当はかなり長く頭を下げ続けなければならないのですが、頭を下げ続けてしまいますと慣れていないルド様は困惑されるでしょうから早めに頭を上げました。
執事としては主人であるルド様と視線を合わせていけないのですが、身長がお近い為自然と視線が合ってしまいました。
ルド様は特に気にしておられない様子でしたが、どうも私の方が気まずく直ぐに視線だけを逸らしました。
私の行動には気にも止めていらっしゃらないようで、どうやら私がここにいることを訝しんでいられるご様子。
現在先皇陛下の葬儀が行われている最中ですので、貴族である私がここにいるのが不思議なのでしょう。
「貴族である私がここにいるのが不思議なのでしょうか?」
「え、あ、はい…。まだ先皇陛下の葬儀中なのに、どうしてここに居れるのかと思いまして…」
私は先ほど身の回りのお手伝いをする事をお伝えした筈なのに、どうしてルド様はその手伝いである私に敬語を使用されるのでしょうか?
それに話す声が少し上擦っているようで、表情もかなり固く感じられます。
貴族になったから硬いという感じより、貴族そのものに怯えていられる…そんな感じがします。
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