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完成した魔道具
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新しい魔石を台座の上に置き、指をナイフで切りつけでた血を先に魔石に落とした。
本来は順序的に魔法陣を描いた上に魔石を置いて、魔法陣に血を垂らすのが正規だけど一時的に大量生産が必要で面倒くさがった時に編み出した技法だ。
代わりに必要な魔力量が二倍に膨れてしまうから、普通の魔道具師には推奨ができない技法ではある。
作業道具から空中に魔法陣がかけるペンを手に取って、毒を検知する魔法陣を空中に描いていく。
描き終わった魔法陣を魔力で定着させて、定着させて魔法陣を魔石に刻み込んでいく。
かなり神経を使う作業だけど、一番手っ取り早い作業ではあるからこの場では一番都合がいい。
魔石に魔法陣を刻み込んだあと、魔石にしっかりと魔法陣が定着しているかを確認し、先に魔道具が問題なく毒を検知するかを確認しなければならない。
ただこの貴族が大勢いる場所でかなり弱い毒であっても確認の為にこの場に出すのは忍びない。
「確認が必要であれば毒を出すぐらいは許そう。魔道具師候補が毒を持っているのは当たり前であろう?」
「ありがとうございます」
毒を出す許しを得られたから、毒を出して魔石に近づければ毒々しい赤紫色の強い光を放った。
問題なく機能することを確認できたから、台座に魔石を嵌め込んで最後に台座の強度を戻したら無事ネックレス型の毒を検知する魔道具が完成した。
ネックレス型は一応合法の範囲内だから大丈夫だろう…。
「こちらが毒を検知する魔道具でございます。確認して頂きました通り、水で希釈したほぼ効果のない毒にも反応致しましたので、動作は問題ないかと存じます」
ネックレスをあまり触らないようにしながら、ハンカチ毎金髪の貴族に傅きながら差し出した。
「下手な魔道具師よりも作業が数倍早いな…。これでまだ候補とは口惜しい」
貴族に目を掛けられて魔道具師になるのは正規ルートではない…。
それでは余計に風当たりが強くなるのは目に見えているから、絶対にそのルートでは魔道具師になりたくない。
「バラルトロイ確認し給え」
「預かってもよろしいかな?」
「ご随意に…」
ハンカチの上に乗ったネックレスをバラルトロイ様が手に取った姿を見てから手をすぐに引いた。
問題なく機能したのを見たのに、反応がなければどうしよう。
バクバクと早鐘でなる心臓が酷く痛い。
バラルトロイ様がネックレスを薬に近づけた途端、毒々しい光を魔石が放った。
ああ…黒だ。
薬にも毒性があるものがあるが、それは薬として必要な成分であるため毒を検知する魔道具からは検知されないように設定されている。
念の為にフレット先生の伝手を借りて薬師の人から薬の成分の勉強をさせて貰い、不要な検知物は全て除去しほぼ確実に悪意のある毒だけを検知するようにしている。
そんな魔石が光ったのであれば黒でしかない。
「陛下の…薬に本当に毒があるだなんて…」
バラルトロイ様の驚く表情が、本当にこのことを信じられていないのだとひしひしと伝わってくる。
本来は順序的に魔法陣を描いた上に魔石を置いて、魔法陣に血を垂らすのが正規だけど一時的に大量生産が必要で面倒くさがった時に編み出した技法だ。
代わりに必要な魔力量が二倍に膨れてしまうから、普通の魔道具師には推奨ができない技法ではある。
作業道具から空中に魔法陣がかけるペンを手に取って、毒を検知する魔法陣を空中に描いていく。
描き終わった魔法陣を魔力で定着させて、定着させて魔法陣を魔石に刻み込んでいく。
かなり神経を使う作業だけど、一番手っ取り早い作業ではあるからこの場では一番都合がいい。
魔石に魔法陣を刻み込んだあと、魔石にしっかりと魔法陣が定着しているかを確認し、先に魔道具が問題なく毒を検知するかを確認しなければならない。
ただこの貴族が大勢いる場所でかなり弱い毒であっても確認の為にこの場に出すのは忍びない。
「確認が必要であれば毒を出すぐらいは許そう。魔道具師候補が毒を持っているのは当たり前であろう?」
「ありがとうございます」
毒を出す許しを得られたから、毒を出して魔石に近づければ毒々しい赤紫色の強い光を放った。
問題なく機能することを確認できたから、台座に魔石を嵌め込んで最後に台座の強度を戻したら無事ネックレス型の毒を検知する魔道具が完成した。
ネックレス型は一応合法の範囲内だから大丈夫だろう…。
「こちらが毒を検知する魔道具でございます。確認して頂きました通り、水で希釈したほぼ効果のない毒にも反応致しましたので、動作は問題ないかと存じます」
ネックレスをあまり触らないようにしながら、ハンカチ毎金髪の貴族に傅きながら差し出した。
「下手な魔道具師よりも作業が数倍早いな…。これでまだ候補とは口惜しい」
貴族に目を掛けられて魔道具師になるのは正規ルートではない…。
それでは余計に風当たりが強くなるのは目に見えているから、絶対にそのルートでは魔道具師になりたくない。
「バラルトロイ確認し給え」
「預かってもよろしいかな?」
「ご随意に…」
ハンカチの上に乗ったネックレスをバラルトロイ様が手に取った姿を見てから手をすぐに引いた。
問題なく機能したのを見たのに、反応がなければどうしよう。
バクバクと早鐘でなる心臓が酷く痛い。
バラルトロイ様がネックレスを薬に近づけた途端、毒々しい光を魔石が放った。
ああ…黒だ。
薬にも毒性があるものがあるが、それは薬として必要な成分であるため毒を検知する魔道具からは検知されないように設定されている。
念の為にフレット先生の伝手を借りて薬師の人から薬の成分の勉強をさせて貰い、不要な検知物は全て除去しほぼ確実に悪意のある毒だけを検知するようにしている。
そんな魔石が光ったのであれば黒でしかない。
「陛下の…薬に本当に毒があるだなんて…」
バラルトロイ様の驚く表情が、本当にこのことを信じられていないのだとひしひしと伝わってくる。
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