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お助けキャラに転生した!
耐えられない恐怖
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「殿下、こちらの死体は如何致しましょうか」
執事が自身の主人である王子に問うた。
問われた主人である王子は執事の質問に答える事なく、神官の遺体に近寄りじっと見下ろした。
「でーんーかー?」
「ああ…すまない。なんだったか?」
「はぁ…そのご趣味いい加減になさって下さいね。その神官の死体どうされますか?」
「この死体に…余り興味がわかない…。それよりも…いや、これ以上は辞めておこう。この神官の死体は大神官の部屋にでも投げ込んでいればいい。きっとこの神官を測定の場に当てたのは大神官だろうから」
「大神官様のお部屋にですか?殿下が怒られてしまいますよ?」
王子は執事の方に振り返り、冷めた表情で見つめた。
「何故大神官如きが王子である僕に意見できると思っている?お前もこれと同じようになりたくなければ、さっさと大神官の部屋に死体を投げ込んでこい」
「か、かしこまりました!」
執事は慌てて神官の死体を肩に担ぎ、教会の入り口とは真反対の道を進んで行った。
一人廊下に残った王子はぼんやりと残った血溜まりを見つめている。
「死体に興味が出なかったのは初めてだ」
死体に興味が出なかった原因がなんなのかと、頭の中で探し続けていたが王子にはその原因が何かを突き止める事は叶わなかった。
「ただ…」
ポツリと、口から言葉をこぼそうとしたが王子はぐっと押し黙った。
無駄な言葉を溢せば取って食われるのではないかと、思われる口の閉ざし方だった。
「早く戻って来いフレミネ」
黒髪の執事の名前を呼んだ以降、それ以上は言葉を口にする事はなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「ルド少しは落ち着けた?」
教会の中にある井戸を借りて、酸っぱくなってしまった口の中を濯ぐ事ができて少しだけ落ち着く事ができた。
「ちょっとだけ…」
でもあの光景を忘れるのはかなり時間がかかりそう。
生々しい血の匂いに目の前で転がる頭、倒れる胴体。
あんな光景は見たくなかった。
覚悟もできてない状態であの凄惨な光景を見たくなかった。
気持ち悪くなってまた胃から迫り上がってきたけど、ここで吐いてしまったら余計に父さんを心配させてしまう。
喉元まで上がってきたけど、なんとか飲み込んでこの場で吐くというのはなんとか回避できた。
どうして平然としてられたんだろう。
大人の記憶を持っていても、あんな光景耐えられない。
今でもあの光景がちらつくだけで手が震えて、ひどい吐き気も催してくる。
「もう少しだけゆっくりしたら、お家に帰ろうか」
父さんの言葉に頷いて、小さく息を吐いた。
少しでもいいからあの光景を頭から離れさせたくて、周りの景色で何か特徴的な物がないかと探したけど井戸の周りということもあって、広い花壇に植えられた花ぐらいしかなかった。
気をそらせる材料が無さすぎて、絶望的でしかなかった。
ずっと頭の中で頭が落とされるシーンばかりが繰り返し続けて、少しだけ落ち着いた感じも段々無くなっていく。
あの状況に戻ったら今耐えている物も台無しになっちゃう。
「ルド、吐きたかったら吐いていいんだよ。我慢しなくていい」
父さんには全部ばれていたみたい。
でも、バレるのは仕方がないか。
明らかにおかしい呼吸をしてるし、顔は真っ青だろうからバレるか…。
もうバレてるなら吐いてもいいかな…。
水捌けをよくする為に作られていた溝みたいな場所が近くにあったから、そこにまでふらふらと歩き到着したと同時にゲボっと吐いた。
吐いている最中はずっと父さんに背中を摩ってもらって、少しだけ楽に吐く事ができた。
最後の方は胃液しか吐いてなくて、喉がイガイガして気持ち悪い。
吐きすぎて体力が奪わたのか、立ちあがろうとしたらくらっと目眩がして地面に尻餅をついてしまった。
目の前がチカチカしてる。
吐きすぎるとこんなことになるんだ。
何か他人事の様に感じるのはおかしいだろうか。
でもこのまま意識を失えば少しは楽かなー…。
執事が自身の主人である王子に問うた。
問われた主人である王子は執事の質問に答える事なく、神官の遺体に近寄りじっと見下ろした。
「でーんーかー?」
「ああ…すまない。なんだったか?」
「はぁ…そのご趣味いい加減になさって下さいね。その神官の死体どうされますか?」
「この死体に…余り興味がわかない…。それよりも…いや、これ以上は辞めておこう。この神官の死体は大神官の部屋にでも投げ込んでいればいい。きっとこの神官を測定の場に当てたのは大神官だろうから」
「大神官様のお部屋にですか?殿下が怒られてしまいますよ?」
王子は執事の方に振り返り、冷めた表情で見つめた。
「何故大神官如きが王子である僕に意見できると思っている?お前もこれと同じようになりたくなければ、さっさと大神官の部屋に死体を投げ込んでこい」
「か、かしこまりました!」
執事は慌てて神官の死体を肩に担ぎ、教会の入り口とは真反対の道を進んで行った。
一人廊下に残った王子はぼんやりと残った血溜まりを見つめている。
「死体に興味が出なかったのは初めてだ」
死体に興味が出なかった原因がなんなのかと、頭の中で探し続けていたが王子にはその原因が何かを突き止める事は叶わなかった。
「ただ…」
ポツリと、口から言葉をこぼそうとしたが王子はぐっと押し黙った。
無駄な言葉を溢せば取って食われるのではないかと、思われる口の閉ざし方だった。
「早く戻って来いフレミネ」
黒髪の執事の名前を呼んだ以降、それ以上は言葉を口にする事はなかった。
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「ルド少しは落ち着けた?」
教会の中にある井戸を借りて、酸っぱくなってしまった口の中を濯ぐ事ができて少しだけ落ち着く事ができた。
「ちょっとだけ…」
でもあの光景を忘れるのはかなり時間がかかりそう。
生々しい血の匂いに目の前で転がる頭、倒れる胴体。
あんな光景は見たくなかった。
覚悟もできてない状態であの凄惨な光景を見たくなかった。
気持ち悪くなってまた胃から迫り上がってきたけど、ここで吐いてしまったら余計に父さんを心配させてしまう。
喉元まで上がってきたけど、なんとか飲み込んでこの場で吐くというのはなんとか回避できた。
どうして平然としてられたんだろう。
大人の記憶を持っていても、あんな光景耐えられない。
今でもあの光景がちらつくだけで手が震えて、ひどい吐き気も催してくる。
「もう少しだけゆっくりしたら、お家に帰ろうか」
父さんの言葉に頷いて、小さく息を吐いた。
少しでもいいからあの光景を頭から離れさせたくて、周りの景色で何か特徴的な物がないかと探したけど井戸の周りということもあって、広い花壇に植えられた花ぐらいしかなかった。
気をそらせる材料が無さすぎて、絶望的でしかなかった。
ずっと頭の中で頭が落とされるシーンばかりが繰り返し続けて、少しだけ落ち着いた感じも段々無くなっていく。
あの状況に戻ったら今耐えている物も台無しになっちゃう。
「ルド、吐きたかったら吐いていいんだよ。我慢しなくていい」
父さんには全部ばれていたみたい。
でも、バレるのは仕方がないか。
明らかにおかしい呼吸をしてるし、顔は真っ青だろうからバレるか…。
もうバレてるなら吐いてもいいかな…。
水捌けをよくする為に作られていた溝みたいな場所が近くにあったから、そこにまでふらふらと歩き到着したと同時にゲボっと吐いた。
吐いている最中はずっと父さんに背中を摩ってもらって、少しだけ楽に吐く事ができた。
最後の方は胃液しか吐いてなくて、喉がイガイガして気持ち悪い。
吐きすぎて体力が奪わたのか、立ちあがろうとしたらくらっと目眩がして地面に尻餅をついてしまった。
目の前がチカチカしてる。
吐きすぎるとこんなことになるんだ。
何か他人事の様に感じるのはおかしいだろうか。
でもこのまま意識を失えば少しは楽かなー…。
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