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お助けキャラに転生した!
教会はどうやら腐ってそうです
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真っ暗な廊下を通れば古びた扉がある場所にたどり着いた。
神官が開けられた扉を潜れば、扉と廊下の古びた感じとは違い、真っ白な壁は綺麗で古い感じのところも全く見当たらなかった。
部屋自体はこじんまりとしていて、部屋の真ん中に台座とその上に水晶が置いてある。
「こちらが魔力測定の水晶でございます。この水晶に手を翳して頂きますと、漏れ出ている魔力を吸収して属性と魔力量のご確認をして頂く事ができます」
この水晶もしかして魔道具なのかな?
手を翳す前に水晶の周りをうろちょろと見て回った。
水晶自体に魔石がついている感じが全くない。
もしかして水晶自体が魔石なのかな?
でもどうやって結果が分かるんだろうか?
「後で沢山見たらいいから…、神官殿、私たちの後に魔力測定の予定はございますか?」
「しょ、少々お待ち下さい」
懐から取り出した手帳を神官が必死にページを捲っている。
勢いよく捲っていたページが途中で止まった。
「この後直ぐにご予定があります…。お時間をお作りするのはかなり難しいです。大変申し訳ございません」
「謝って頂かなくても大丈夫です。ルド時間があまりないから、先生に魔力測定の水晶を持って来て貰おう」
「んー…分かった」
水晶の仕組みを見れなくてショック…
時間が押してるのはどうしようもないから、見るのを辞めて水晶に手を翳した。
どうやって結果が出るんだろう。
結果の出方にワクワクしていたら、ガガガガーと何か聞き慣れた音が違う所から聞こえて来た。
音の出所を探し出したら台座の真ん中から紙が出て来ていた。
え?何かゲームみたいに目の前で透明なディスプレイが出てくるとか、水晶に文字が浮かび上がるとかじゃなくてプリント形式!?
最後まで書き終わったのか、台座からポトっと紙が床に落ちた。
落ちた紙を拾って書いてある内容を見た。
魔力量は極大と書いてあり、属性は無…属性ないの!?
「父さん…俺、属性がないみたい…」
ルドって属性はあったよね?
俺がルドに転生した事で属性がなくなったっていう事?
「結果を見せてもらってもいいかな?」
震える手を押さえながら、父さんに魔力測定結果の紙を渡した。
測定結果の紙を渡しても父さんの表情は全く変わらなかった。
「これは属性が無い、という事ではなく無属性という物なんだ。ルドが大好きな魔道具作りに一番合う属性だよ」
無属性が魔道具作りに一番合う属性!?
一番嬉しい魔道具作りに合う属性なら、俺に一番ピッタリじゃないか!
「無属性って俺にピッタリだね!」
「珍しい感性を持たれているご子息ですね」
どういう事?
「無属性と言えば、無能属性と言われる事が多いですから、どうしても嫌われてしまう属性なのです」
無属性が無能属性?
魔道具に役に立つ属性であれば無能属性なんて言われる訳がない。
「魔道具作りに合う属性なら、無能属性と言われる事ないですよね?なんで無能属性と言われているのですか?」
「攻撃魔法がありませんからですよ。攻撃魔法が使えない魔法使いは無能ですから」
今神官は俺の事を無能と言ったのか?
さっきの失礼な大神官と似たような感じで、蔑んだ視線を俺に向けて来ている。
ああ、俺が無属性を持っているのが蔑みの対象になるのか。
俺が蔑む対象になればオドオドとした態度から、嫌な視線を向けて来るのか。
「そうでしたか。それなら俺余計に無属性でよかったです!」
「何故ですか?」
「父さん早く帰ろう!俺ここにいたくないや!」
「そうだね。神官の質がどうやら落ちているみたいだから、今後教会に送る物資の質を下げる事にするよ」
「そうだね!」
「え?え!?」
父さんも教会から早く出る事を考えてくれたようで、俺と一緒に歩いたら遅くなる事がわかって抱っこしてくれた。
神官が引き止める声も聞かず、測定室から出たら俺の後に魔力測定の予定を入れていた人達が居た。
俺よりも身長が高い紫色の髪を持ち、漆黒の瞳を持った少年と、執事服を来た黒髪と金眼を持った男性だ。
漆黒の瞳は前世で見慣れた色で懐かしさを感じる。
「外まで声が聞こえておりました。無属性を無能属性と発言するのは国が禁止しておりましたが、一端の神官が禁止用語を使用していたと教会に抗議させて頂きます」
無能属性は嫌な言葉なのは感覚でわかったけど、国が禁止にしている用語だとは思っていなかった。
「いえ、その他意はございませんでして…。そのこのご子息が無属性だったので、無能属性と呼ばれているとお伝えをっ!?」
神官が勝手に俺の属性をペラペラと語り出した途中で、どこから取り出したかわからない剣を喉に突きつけられていた。
神官が開けられた扉を潜れば、扉と廊下の古びた感じとは違い、真っ白な壁は綺麗で古い感じのところも全く見当たらなかった。
部屋自体はこじんまりとしていて、部屋の真ん中に台座とその上に水晶が置いてある。
「こちらが魔力測定の水晶でございます。この水晶に手を翳して頂きますと、漏れ出ている魔力を吸収して属性と魔力量のご確認をして頂く事ができます」
この水晶もしかして魔道具なのかな?
手を翳す前に水晶の周りをうろちょろと見て回った。
水晶自体に魔石がついている感じが全くない。
もしかして水晶自体が魔石なのかな?
でもどうやって結果が分かるんだろうか?
「後で沢山見たらいいから…、神官殿、私たちの後に魔力測定の予定はございますか?」
「しょ、少々お待ち下さい」
懐から取り出した手帳を神官が必死にページを捲っている。
勢いよく捲っていたページが途中で止まった。
「この後直ぐにご予定があります…。お時間をお作りするのはかなり難しいです。大変申し訳ございません」
「謝って頂かなくても大丈夫です。ルド時間があまりないから、先生に魔力測定の水晶を持って来て貰おう」
「んー…分かった」
水晶の仕組みを見れなくてショック…
時間が押してるのはどうしようもないから、見るのを辞めて水晶に手を翳した。
どうやって結果が出るんだろう。
結果の出方にワクワクしていたら、ガガガガーと何か聞き慣れた音が違う所から聞こえて来た。
音の出所を探し出したら台座の真ん中から紙が出て来ていた。
え?何かゲームみたいに目の前で透明なディスプレイが出てくるとか、水晶に文字が浮かび上がるとかじゃなくてプリント形式!?
最後まで書き終わったのか、台座からポトっと紙が床に落ちた。
落ちた紙を拾って書いてある内容を見た。
魔力量は極大と書いてあり、属性は無…属性ないの!?
「父さん…俺、属性がないみたい…」
ルドって属性はあったよね?
俺がルドに転生した事で属性がなくなったっていう事?
「結果を見せてもらってもいいかな?」
震える手を押さえながら、父さんに魔力測定結果の紙を渡した。
測定結果の紙を渡しても父さんの表情は全く変わらなかった。
「これは属性が無い、という事ではなく無属性という物なんだ。ルドが大好きな魔道具作りに一番合う属性だよ」
無属性が魔道具作りに一番合う属性!?
一番嬉しい魔道具作りに合う属性なら、俺に一番ピッタリじゃないか!
「無属性って俺にピッタリだね!」
「珍しい感性を持たれているご子息ですね」
どういう事?
「無属性と言えば、無能属性と言われる事が多いですから、どうしても嫌われてしまう属性なのです」
無属性が無能属性?
魔道具に役に立つ属性であれば無能属性なんて言われる訳がない。
「魔道具作りに合う属性なら、無能属性と言われる事ないですよね?なんで無能属性と言われているのですか?」
「攻撃魔法がありませんからですよ。攻撃魔法が使えない魔法使いは無能ですから」
今神官は俺の事を無能と言ったのか?
さっきの失礼な大神官と似たような感じで、蔑んだ視線を俺に向けて来ている。
ああ、俺が無属性を持っているのが蔑みの対象になるのか。
俺が蔑む対象になればオドオドとした態度から、嫌な視線を向けて来るのか。
「そうでしたか。それなら俺余計に無属性でよかったです!」
「何故ですか?」
「父さん早く帰ろう!俺ここにいたくないや!」
「そうだね。神官の質がどうやら落ちているみたいだから、今後教会に送る物資の質を下げる事にするよ」
「そうだね!」
「え?え!?」
父さんも教会から早く出る事を考えてくれたようで、俺と一緒に歩いたら遅くなる事がわかって抱っこしてくれた。
神官が引き止める声も聞かず、測定室から出たら俺の後に魔力測定の予定を入れていた人達が居た。
俺よりも身長が高い紫色の髪を持ち、漆黒の瞳を持った少年と、執事服を来た黒髪と金眼を持った男性だ。
漆黒の瞳は前世で見慣れた色で懐かしさを感じる。
「外まで声が聞こえておりました。無属性を無能属性と発言するのは国が禁止しておりましたが、一端の神官が禁止用語を使用していたと教会に抗議させて頂きます」
無能属性は嫌な言葉なのは感覚でわかったけど、国が禁止にしている用語だとは思っていなかった。
「いえ、その他意はございませんでして…。そのこのご子息が無属性だったので、無能属性と呼ばれているとお伝えをっ!?」
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