お助けキャラに転生したのに主人公に嫌われているのはなんで！？

お助けキャラに転生した！

なんとか乗り切れた！

父さんと母さんが戻ってきた頃には痛みが少し落ち着いていた。

「父さんお仕事お疲れ様！今日もどうだった？」

「ありがとう。今日もお客様が沢山来て大繁盛だったよ」

「えへへ」

父さんに優しく頭を撫でて貰えて嬉しい！
一緒に席に着いて食事を始めた。

大きなお肉は母さんが切り分けてくれて、俺の皿には一番大きなお肉を入れてくれた。
切り分けてくれたお肉を口にしたら、普段食べている硬いお肉とは違って直ぐに噛みちぎれた。

あまりにも柔らかくてびっくりして母さんと父さんを交互に見て賛同を求めた。

「お父さんルドを見て。すごいキラキラした目で見ているわ」

「ルドそんなに美味しいかい？」

口の中にまだお肉がいるから、首を縦に勢いよく振った。
勢いが良すぎて背中が痛んだけど、それ以上に柔らかくて美味しいお肉を食べれて幸せだ！

口いっぱいにお肉を入れてむぐむぐと食べた。

「これも食べなさい」

父さんが自分のお皿からお肉をくれるけど、俺は首を横に振って受け取りを拒否した。

「どうしてだい？」

返事をしたいから口にあるお肉を飲み込んだ。

「美味しいから父さんにも沢山食べて欲しいの！だから絶対父さんの分は父さんが食べてね！」

「ルドは本当にいい子だね。それじゃあお父さんもルドと同じようにいっぱい食べるね」

無事父さんからのお肉受け取りを拒否できた。
こんな美味しいものを俺だけ沢山食べるのは罪悪感がすごい。

「ルドはどちらに似たか分からないぐらいいい子に育ったわね」

母さんが嬉しそうにしてる姿を見て俺も嬉しかった。
皆で楽しく話しながらご飯を食べた。

全部食べ終わったらお腹がパンパンでちょっと苦しい。

「片付けはしておくから、体を拭いて寝巻きに着替えて寝るんだよ？」

「ん、分かったぁ…」

お腹がいっぱいになってちょっと眠たい。
目を擦りながら自分の自分の部屋に置いてる桶とタオルを取って、井戸までフラフラしながら向かった。

本当はつるべを引いて水を汲まなきゃいけないけど、まだ5歳で水を汲むのは危ないから井戸の外に置いている大きな桶に父さんが水を常に張ってくれている。
大きな桶から桶で水を掬ってタオルを水の中に入れた。

水が滴ったままでは服も濡れちゃうからしっかりと絞って、びしょびしょにならない様に桶の縁にタオルを引っ掛けた。
先に上半身を拭きたいから上の服を脱ぐけど、背中が痛くて中々脱ぐことができない。

頑張って脱ぎ終わった頃にはちょっと息が上がってた。
湿ってるタオルでお腹側と両腕を拭いて、絶対痛いけど背中にタオルを回した。

ヒリヒリとかじゃなくて泣きたくなる激痛がタオルを当てただけで襲ってくる。
泣きたくなるじゃなくて…もはや泣いた。

息も絶え絶えの状態で拭き終わったタオルを見たら半分近く真っ赤になっていて驚いた。
もしかしてと慌てて服を見たけど、奇跡的に血はついてなかった。

父さんと母さんにバレてない事に一安心した。
上半身が拭き終わったから頑張って服を来て、下半身を拭き終わった後血で汚れたタオルを洗って血で汚れた水を地面に流した。

自室に戻って桶とタオルを定位置に置いて、頑張って寝巻きに着替えて漸く安心して寝る事ができた。