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お助けキャラに転生した!
主人公は転生者でした
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大事に本を両手で抱えながら、来た道を戻って行く。
ふわーっといい匂いがして、匂いがする場所に行ったら沢山の串焼きが焼かれていた。
「アリシアのとこの坊主か。今日はお使いでもしてきたのか?」
「そうだよ!それとねこれはお使いじゃなくて、俺が欲しくて買った本なんだ!」
串焼き屋のおじさんに今日の戦利品をドヤ顔で見せた。
「そうかそうか。坊主これ持って帰んな!」
おじさんが焼きたての串焼きを何本かまとめて紙袋の中に入れて俺に渡してくれた。
「いいの!?お金いくら?」
「俺がやるって言ってんだから有り難く受けっとときな!今度は家族で食べに来るんだぞ!」
「へへっ、ありがとう!」
おじさんから串焼きが入った袋を受け取った。
「気をつけて帰るんだぞー」
「はーい!」
両手が本と串焼きの袋で塞がってるから、元気に返事をして串焼き屋から離れた。
まさかの臨時収入にホクホクだ!
「ふふふーん」
嬉しくてルンルンと歩いてたら、急に後ろから突き飛ばされた。
急な事で対応できなくて勢いそのまま転んでしまった。
嫌な打ち付け方をして膝と腕がヒリヒリして痛い。
「いたい…」
痛くて堪えたいけど、目頭が段々熱くなってくる。
「こんなんで転ぶなんてださーい」
聞いた事のある声に顔をあげたらサミュエルが側に居た。
俺が転んだ姿を見てくすくす笑っている姿で、サミュエルが俺を転ばせた犯人だと分かった。
「なんで、こんな事するの…?」
痛くて涙がボロボロと出てきた。
「お助けキャラなんだから僕が何をしてもいーでしょー?そーれーにー」
俺の目の前に転がっている串焼きが入った袋をサミュエルが踏み潰した。
おじさんが好意でくれた串焼き。
「アンタはー、僕が攻略者を攻略するのに必要な道具なんだからー、道具らしく道具を作ってればいいのー」
余りにも身勝手すぎる発言。
「だからそんな物必要ないよね?」
近くにある本を盗られ、目の前でビリビリに破かれてしまった。
お手伝いで貯めたお小遣いで買った本。
何もしてないのにどうして俺はここまでされなきゃいけないの?
「俺の本に酷い事しないでよっ!」
破かれ続ける本をサミュエルから奪おうとしたけど、怪我をした膝が痛くて立ち上がることができなかった。
これ以上破かないでよ…俺の本…。
「ふん!これで分かった!?」
無茶苦茶に破かれた本を地面に捨てられ、最後に見せしめと言わんばかりに靴で踏みつけられた。
破かれたせいでビリビリになり、靴で踏みつけられた所為で土で汚れてしまった。
せっかくザザレーさんが安くしてくれたのに。
悲しくて顔を地面に伏せた。
「そうやって僕にひれ伏してたらいいの!」
背中に衝撃が走って、その後じわじわと痛みが襲ってきた。
何度も何度も衝撃と痛みが背中から伝わってくる。
「もう…やめて…お願い…」
泣きながら懇願しても踏みつけられるのは全くやめられない。
段々背中が痛みで熱くなってきたぐらいで、ようやく踏みつけられるのをやめて貰えた。
「次少しでも口答えをしたらお店潰してあげるから」
サミュエルに言われた最後の言葉は完全に脅しだった。
俺が言う事を聞かなければ家族に迷惑をかけると。
父さんと母さんに迷惑をかける事ができなくて、俺は何も言う事も出来なくなってしまった。
「それじゃあお助けキャラとして、僕を助けるんだよー?お荷物のルドくん?」
「わ、わかり、まし…た」
サミュエルが欲しい言葉を返事すれば、機嫌よく笑いながら俺の側から去って行った。
背中が痛くて痛くて堪らなくて、痛みが引くまで地面に転がったままで居た。
ふわーっといい匂いがして、匂いがする場所に行ったら沢山の串焼きが焼かれていた。
「アリシアのとこの坊主か。今日はお使いでもしてきたのか?」
「そうだよ!それとねこれはお使いじゃなくて、俺が欲しくて買った本なんだ!」
串焼き屋のおじさんに今日の戦利品をドヤ顔で見せた。
「そうかそうか。坊主これ持って帰んな!」
おじさんが焼きたての串焼きを何本かまとめて紙袋の中に入れて俺に渡してくれた。
「いいの!?お金いくら?」
「俺がやるって言ってんだから有り難く受けっとときな!今度は家族で食べに来るんだぞ!」
「へへっ、ありがとう!」
おじさんから串焼きが入った袋を受け取った。
「気をつけて帰るんだぞー」
「はーい!」
両手が本と串焼きの袋で塞がってるから、元気に返事をして串焼き屋から離れた。
まさかの臨時収入にホクホクだ!
「ふふふーん」
嬉しくてルンルンと歩いてたら、急に後ろから突き飛ばされた。
急な事で対応できなくて勢いそのまま転んでしまった。
嫌な打ち付け方をして膝と腕がヒリヒリして痛い。
「いたい…」
痛くて堪えたいけど、目頭が段々熱くなってくる。
「こんなんで転ぶなんてださーい」
聞いた事のある声に顔をあげたらサミュエルが側に居た。
俺が転んだ姿を見てくすくす笑っている姿で、サミュエルが俺を転ばせた犯人だと分かった。
「なんで、こんな事するの…?」
痛くて涙がボロボロと出てきた。
「お助けキャラなんだから僕が何をしてもいーでしょー?そーれーにー」
俺の目の前に転がっている串焼きが入った袋をサミュエルが踏み潰した。
おじさんが好意でくれた串焼き。
「アンタはー、僕が攻略者を攻略するのに必要な道具なんだからー、道具らしく道具を作ってればいいのー」
余りにも身勝手すぎる発言。
「だからそんな物必要ないよね?」
近くにある本を盗られ、目の前でビリビリに破かれてしまった。
お手伝いで貯めたお小遣いで買った本。
何もしてないのにどうして俺はここまでされなきゃいけないの?
「俺の本に酷い事しないでよっ!」
破かれ続ける本をサミュエルから奪おうとしたけど、怪我をした膝が痛くて立ち上がることができなかった。
これ以上破かないでよ…俺の本…。
「ふん!これで分かった!?」
無茶苦茶に破かれた本を地面に捨てられ、最後に見せしめと言わんばかりに靴で踏みつけられた。
破かれたせいでビリビリになり、靴で踏みつけられた所為で土で汚れてしまった。
せっかくザザレーさんが安くしてくれたのに。
悲しくて顔を地面に伏せた。
「そうやって僕にひれ伏してたらいいの!」
背中に衝撃が走って、その後じわじわと痛みが襲ってきた。
何度も何度も衝撃と痛みが背中から伝わってくる。
「もう…やめて…お願い…」
泣きながら懇願しても踏みつけられるのは全くやめられない。
段々背中が痛みで熱くなってきたぐらいで、ようやく踏みつけられるのをやめて貰えた。
「次少しでも口答えをしたらお店潰してあげるから」
サミュエルに言われた最後の言葉は完全に脅しだった。
俺が言う事を聞かなければ家族に迷惑をかけると。
父さんと母さんに迷惑をかける事ができなくて、俺は何も言う事も出来なくなってしまった。
「それじゃあお助けキャラとして、僕を助けるんだよー?お荷物のルドくん?」
「わ、わかり、まし…た」
サミュエルが欲しい言葉を返事すれば、機嫌よく笑いながら俺の側から去って行った。
背中が痛くて痛くて堪らなくて、痛みが引くまで地面に転がったままで居た。
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