お助けキャラに転生したのに主人公に嫌われているのはなんで！？

お助けキャラに転生した！

まさかの転生した！？

普段よりも強い光を感じて俺は目が覚めた。
目を開けようと思ったのに上手く目が開かない。

おかしいと思って目に手を持って行こうとしたら、何故か上手く手が動かない。
こう、両手をばたつかせているだけしかできないのだ。

「あら、起きたのね」

女の人の声が上から聞こえてきて俺の視線が上に上がっていった。
成人男性の大人が女性に持ち上げられるなんて、この女性はもしかして巨人なのか！？

突拍子もないことを思いついたが、そんな事はありえないと我に返った。
一番考えられるのは俺が赤ん坊になっている事だろうが死んだ記憶が全くない。

「元気でママ嬉しいわ」

はい、俺生まれ変わったのが確定しました。
どうやって俺が生まれ変わったのかなんて考えても無駄でしかないから、今はここがどこなのか知る事が先決だ！

漸く目が開いて周りを見渡せば、見た感じ中世の世界みたいなところに生まれ変わったようだけど、蝋燭とか使われてなくて電気が通っている。
他にも意外と現代っぽい所はあるから建物だけは中世の様式のようだ。

漫画とか小説で見るような部屋の広さではなくて、一般的な家庭の家の広さをしている。
貴族のしがらみとかないから一番あたりの転生の仕方だろう！！

嬉しくて両手をバタバタと動かしていると俺の母が穏やかに俺の事を見ていた。
生暖かい視線に感じてばたつくのやめたら今度はしゅんとした表情になった。

そんなしゅんとした表情をされると俺動かざるを得なくなっちゃうじゃん！！
母の思いに答える為にジタバタ動くと、まだ穏やかな表情になってくれた。

これ俺起きている間ずっとしなきゃいけないの？
そんな疑問が脳裏によぎったけど、深くは考えないようにすることにした！

腕をバタバタとして遊んでいたら、部屋に男の人が入ってきた。
勢いよく入ってきたから驚いて俺自身とは関係なくわっと火がついたように泣いた。

「そんな勢いで入ってきちゃダメじゃない」

「すまない…。子供が生まれたと聞いていてもたってもいられなかったんだ」

おぎゃあっと泣きながら聞いていたら入ってきた男の人は俺の父だった。
漸く泣き止む事ができて漸くじっと父の姿と母の姿をじっくり見る事ができた。

母は綺麗な茶色の髪と瞳を持っている。
顔立ちは相当美人ではないけど、そこらのいる人よりは美人だと言えるぐらい美人な人。

父は見慣れた濡羽色の髪に、焦茶色の瞳。
びっくりする程綺麗な人で本当に俺の父なのかと疑うぐらいだ。

父親があまりにも美人な物で驚いて目をぱちくりとさせた。

「アリシアそっくりで可愛いよ」

ぎこちなくも優しい手つきで撫でて貰えるのは嬉しい。
きゃあと喜ぶ声を上げたら、びっくりしたのか撫でる手が止まった。

ぶーっとぶーたれたら撫でる手を再開してくれた。