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第四章 高校生活

閑話 彩奈1

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 ■ 閑話 彩奈1
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 ▼ リビングにて ▼
 和人はシャワーを終え、リビングで寛いでいると彩奈がシャワーから上がってきた。
 髪をバスタオルで拭きながらときちんと身なりを整えてそのまま外出できる様な格好でリビングへと姿を表したのだった。
 そこには彩奈なりのけじめというか矜持が有ったのだろう。
 
 「ありがとうございます。おかげさまでスッキリしました。」
 「うん、うん、良かった。ところでどこがスッキリしたのかな?」
 
 和人の言葉に一瞬、意味がわからず首をかしげる彩奈だったがすぐさま和人の言葉の真意に気づき、何も知らないうぶな少女のように顔を耳まで赤く染めてうつむいている。
 和人はしばらく考えた後にすっと背筋を伸ばすと開き直ったかのように言葉を吐き出した。
 
 「はい、公爵様のおかげで色んな所がスッキリとしました。
 和人様、この度の事はこの身を切られるほど未練は残るのですが、わたくしも夫ある妻の身なれば今回限りでご容赦願い口外無用でお願いしたしたく存じ上げます。」
 
 これっきり、喋るなと口止めしながらもなんだか残念そうな表情を浮かべながらも何とか思い切ったように話す彩奈だった。
 
 「あぁ、それで構わないよ。まあ、口止めされなくてもいちいち人に話したりはしないけどね。
 それとわかったよ。奥さんは抱き心地が良かったからまた、楽しみたいのは山々だけど、こちらから呼び出したりはしないと約束しよう。」
 
 「ありがとうございます。」
 彩奈は踏ん切りがつかず、これで良かったのだが……体は全然反対のことを求めている。それがわかっているからこそ言い出すのが辛かった。
 
 ま、こうなることは当然和人にとっても想定内のことだった。
 
 ふっ、ちょっと惜しいけどまあ、仕方ないか……
 あぁ、でも魅了は効いて入れるはずだからどこまで本人が我慢出来るのかは問題か……
 ふっ、これはこれでお楽しみってことだな。
 
 「健吾の事は心配しなくてもいい、普通にしていれば2年以内には帰れるようにしてやる、但し俺との約束は忘れるなよ、俺が要請した時は全て従うこと……わかってるな!」
 
 「はい、もちろんです。当家は公爵様へ恭順することをお約束いたします。」
 
 「ウム、わかってればいいんだ。俺が使徒なのは知ってるはずだが、万が一違えるようなことがあればお前ら個人だけではなく一族で責任を負うことになる。」
 
 「はい、重々承知いたしております。」
 「…………」
 
 「あまり遅いと主人も心配致しますので今日のところはこれでお暇させて頂きます。」
 
 彩奈はガニ股気味で少し足取りも可笑しくひょこひょことした調子で帰っていった。
 
 はぁ、俺も帰るか……
 あぁ、そうそう。ハウスクリーニングに電話入れて置かないと……
 
 ▼ 閑話 彩奈 ▼
 
 彩奈は夫である健一と別れて和人のマンションへと向かっていた。
 
 はぁ、健吾ったら大変なことをしでかして……もう、育て方間違ったかしら……
 【他人が聞いていたら当たり前じゃないって壮絶な突っ込みが入っているところだったが不幸中の幸いで車内には運転手しかいなかった。】
 当然運転手は突っ込みなどはしない。聞いていても聞かない振りをするのがマナーだから……
 
 どっちにしても過ぎてしまったことは仕方ないわ。なんとか対策を考えないと……
 貴族自体がかなり減ったせいで貴族絡みの事件は殆ど聞かないけど、えっとぉ、貴族絡みの事件はいつが最後だったかしら……
 そうそう、確か5,6年ほど前にあったわよねぇ……あの時は公共施設の利用で男爵に対して暴言を吐いて不敬罪を取られたのよね、結果どうなったのかしら……
 
 彩奈はスマフォで過去の貴族絡みの事件を調べてみた。
 男爵に対して暴言を吐いたのは男女のカップルだった。結果、男性は矯正施設に二年間の送致、女性の方は鉱山への矯正労働五年となっていた。
 更に調べて見ると二〇年以上前に伯爵に対しての暴行事件で犯人は死刑を言い渡されていた。その後、強制労働二〇年に減刑されたものの二年後、鉱山にて事故死していた。
 
 はぁ、まずいわねぇ……
 今回は貴族では最上位の貴族……そして使徒様……
 使徒様と言うことは内密にされるとしても判決には考慮されるはず……最悪、一族郎党死刑になる可能性が高いわね。良くても健吾は死刑、一族郎党は私財没収の上、最悪の鉱山あたりに無期限労働ってとこかしら...
 
 はぁ、いや、嫌よ。まだ、死にたくないわ。鉱山で労働なんて死ぬより辛いわ……
 なんとしてでも本人から恩赦を頂かないと……
 
 どんな条件を提示すればいいのかしら……やっぱりお金よねぇ……
 うちは今、いくら用意できるかしら……ある程度時間を貰えればそれなりに用意は出来ると思うけど……数日中だとせいぜい数億が関の山。
 
 はぁ、気持ちばかりが焦って考えがまとまらない……そもそも公爵様はお金を欲しがるかしら?
 公爵で使徒という立場であればお金なんてどうにでも出来るはず……
 あぁぁ、それを考えると……あうっ、真っ暗だわ……
 
 結局、考えのまとまらないまま和人のマンションに着いたのだった。
 
 ふぅ~っ、はぁ~……
 和人のマンションの部屋の前で何度も深呼吸を繰り返していた。
 もう、私が此処に来ていることはコンシェルジュから連絡が入ってるからわかっているはず、よし、行くわよ。
 
 彩奈は大きく息を吐き出すと呼び鈴を押した。
 
 出迎えた公爵様に帰れと言われたけど、諦めずに粘ってみる。だって、本気で追い返すつもりなら此処まで来れないはず。ロビーでコンシェルジュに追い払われずに此処までこれたのだから見込みがあるはずだわ。
 
 土下座して粘るはずだったけど、意外にすんなり入れた。むしろあっけなくも有った。
 部屋に入ってから彼の視線が私に突き刺さるように感じる。怒り?、いいえ。違うわ、むしろ欲情に近い視線を感じるわ。
 特に胸に熱いほど視線が突き刺さる。。
 えぇっ、な、なんなの?こんな子持ちのおばさんに欲情なんてありえないわよねぇ。なにか別の目的かしら。
 
 あぁ、でも、彼の視線を受けるとアソコが熱いのぉ……
 駄目、駄目!!何考えてるの?、馬鹿じゃない!今はそれどころじゃないわ。なんとか話に持ち込んで少しでもいい条件で許してもらわないと。
 
 もぅ、こんな時に欲情なんてしていられない。頭を切り替えなきゃ駄目。とにかく謝罪して許してもらわなきゃ。
 謝罪しようにも取り尽くしまもなく……
 
 「一族郎党の首を差し出してもらおうか」
 
 彼の口からその言葉が出たとき、私は目の前が真っ暗になった。まるで後頭部をハンマーで殴られたかの様な衝撃を受けて思わず倒れそうになったけどなんとかこらえた。
 
 「そこまでは望みませんけどね」
 へっ!!どうやらからかわれたようだが此処で怒るわけにもなんとか話をつなぐ……
 
 彼が口を開いた。
 なんと、条件次第では健吾の矯正院送致二年で家族にはお咎めなし?
 ありえないような好条件に驚くもその条件とやらが気になる。
 彼の、公爵様のお考えはどこにあるのやら全く読めない状況だわ。
 
 条件を聞き逃すまいと集中して聞き耳を立ててるが、彼は不意に席を立ち私の後ろに回った。
 えっ!!
 
 「えっ!、な、なに?」
 胸に稲妻が走る。
 彼が私のおっぱいを掴んだのだ。
 こんな感覚を味合うのは何年ぶりだろう。夫におっぱいを触られてもこんなに感じたことはなかった。
 そう、こんな感じは……あれは小学生の頃、初めて自分のアソコに触った時に受けた感じによく似ている。
 それでもこんなに電気は走らなかったような気もするわ。
 
 おお”っ、おっぱいが激しく揉みしだかれる。
 あぁぁっ、あふぅっ、電気が頭まで走って何も考えられなくなるうぅ~
 んん”んっ、はぁっ……
 
 このまま、流れに任せたらどんなに素晴らしいだろう。きっと新しい世界が広がるに違いがないわ。
 下着の中はもう、大変なことになってる。
 
 でも、駄目、駄目よ。私には夫がいる身。
 そしてこれは立派な犯罪……
 もしかしたら公爵様は私を試しているのかもしれない。
 そう、やっぱりこのまま流れるのは危険よね。
 
 私は精一杯、抵抗した。
 
 そして彼から死刑判決が下った。
 
 「わかりました。もう、話は終わりです。帰ってください。処分は管理局を通じて通達します。」
 
 私は体から空気が抜けるように力が抜けていくのを感じた。



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