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第二章 準備

閑話 会議

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 ■ 会議
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 えーぇっ、皆さんお集りの様なのでそろそろA3Ω検討会議を始めさせて頂きたいと思います、進行は人口管理局調査部、部長の私、蓮棟が務めさせて頂きます。
 
 最初にA3Ωの初回、献精が行われましたのでその結果からお伝えします。
 前回採取から得たデータと同一の能力が確認されました。全ての項目に優良以上の判定が出ています。遺伝子の方も前回と同様でとりあえずは問題ありません。
 
 「蓮棟さん、"とりあえず"とはどういう意味かね。」
 「それは後程、説明します。」
 
 では、次に人格形成面についてお知らせします、本質は温厚にて協調性あり、決断力に優れ統率能力有り、必要とあれば冷酷な判断を下せる面も持つ、女性への関心はかなり強く、対象の幅も広く下限は中学生~上限は40代と現在の男性にしてはかなり幅が広い反面、現在の男性にしては中学生以下の幼児に対しては性的な興味はない模様です。
 
 性的な能力は異常と言えるほど高く2回射精後も勃起したまま続けようとしたほどです。
 
 「ちょっと待ちなさい、彼はもう、すでに誰かと交渉を持ったの?」
 「はい、献精の際に、搾精が終わった後、搾精を担当した看護師と交渉に及んだようです。」
 
 「そ、そうなの。。そりゃすごいわね。」
 サポートを頼むのは死にぞこないの爺ぐらいしか居ないって聞いてたけど、それを聞く限りでは女への関心が強いって言う報告も案外盛ってないようね。
 総理としては方向をそのまま、鵜呑みには出来ない、部下は関心を待たせるため、または利益器誘導の為、報告を盛る事は少なくない、なので複数からの報告を受けるまでは信用しない
 
 「続けさせて頂きます、容姿端麗にして複数の言語を操る事が可能です、ちなみIQは病院でおこなった診断法では160以上と出ました。
 
 「おおっ、そりゃすごい、容姿端麗にして秀才かぁ、こりゃ大変だわね
 護衛も二人では足りないんではないか...」
 
 「そうですね、二人では少し足りない気がします、最低でも2名追加したほうが良いと思います。」
 「.....」
 皆、は口を開けて驚いていた。発言の内容にではない、発言したのが人口対策庁ではなく厚労省の生殖者保護局の局長だったからである。
 厚労省はA3Ωが管理局扱いになっているを苦々しく思って横やりを入れていたからだった。
 
 「反対意見はない様なのでうちの保護局から2名ほど選出しましょう。」
 「はい」
 
 管理局の主任が手を挙げた。部長が不在の為、代わりに主任が参加していた。
 
 「どうぞ、古瀬主任」
 「護衛は強ければだれでもと言う訳には行きません、彼の性格に合った人でなければ、A3Ωにあった事もない人からの選出で不安がのこります。ここは管理局が残りも出すべきです。」
 
 「良いかしら?」、
 「どうぞ、相馬局長」
 「私は彼の性格を考えて選出しますので心配は要りません。それと訂正させて頂きますが、あった事もないとは只の言いがかりです。私は彼とは個人的にあった事がありますし、個人的な連絡先を知る以上の関係でもあります。必要と思いましたのでプライベートを話しましたが、これ以上はプライベートは話しませんので...」
 
 「。。。。。。。」
 首相を含めて全員の口が開いたままである、ふさがる様子がないぐらい驚いている。
 
 「あ、あのう、相馬局長、それって妄想してませんよね。」
 「仕方ないわね、」
 相馬局長はスマフォを取り出しスピーカーに設定して目の前のテーブルに置いた。
 通話先には『和人くん』とある
 
 「ぷるるるる。。ピン!、和人くん?」
 「あぁ、志保かぁなに、会議って言って無かったけ?、終わったの?」
 和人はRainでなく通話で掛って来たので、志保の仕事と掛って来た時間で大体の想像は付いていたので志保の話に乗ってあげた。
 
 「今度、いつ会えるかな~?」
 「うーんとねぇ、明日は有希子と約束があるから明後日か明々後日ならOKだよ。」
 
 「分かったわ、じゃ、明後日か明々後日に決めてからまた、連絡するね。」
 「あいよ、志保、今度はアナルいいよね。」
 
 志保は慌ててスピーカーをきりかえた。。。
 ちょっと,そう言う事は今は駄目って、後で、後で連絡するから...
 
 「ゴフォン!、内容に関してはプライベートなので触れないで下さい。」
 やっぱり、思った通り頭のいい子ね、ちょっとは不安もあったけど、話を合わせてくれると信じてた。最後のアナル...はぁ...貸しは返せって事ね、ちょっとだけ怖いわ、貸しは高くついたかしら...。
 
 「ねぇ、有希子って聞こえたけど、それっと管理局の石倉部長の事じゃ?」
 「さぁ、それに付いては私がふれる事ではありませんので...ただ、石倉部長は確か彼の特定交際者だったと思いますけど、通話と同一人物かはお答えできません。」
 
 「いいかな?」
 総理が発言した。
 
 「私は保護局から出していいと思う。厚労省から2人、人口対策庁から2人でバランスが取れてると思うが...1局に偏るのも問題があるわ。」
 総理にそう言われると管理局としても反対は出来なかった。
 
 「ねぇねぇ、相馬局長って40過ぎよね...それで16ってどうなの?、犯罪じゃないの?」
 
 「札びら叩いたとか?、何かで脅してる?、いい歳して恥ずかしくないのかしら...ねぇ、私なら無理かなぁ・・・そお、私ならお金払ってもいい。。貯金全部上げても抱いてもらいたいわ、私、彼、見た事あるの、凄いイケメンよ、すこぶる付きの...おまけに正確良くてお金持ち...あっ、私の貯金じゃ無理だわ...彼はいま、凄いお金持ちんなってるんだったわ。
 
 「静かに...静かにしてください。」
 司会の部長が声を上げて叫んでいた。
 
 次にこれが本会議の一番の重要案件であります。....
 調査部が出した経過ですのでまだ、長期に検証していく必要がありますが、現時点でも報告しておく必要があると判断しましたのでお集まりいただいた次第です。
 
 彼のDNAの特異な性質、言い換えれば正常なDNAについては以前お話した通りですが...
 今回、新たな事が判明しました。確定情報ではありません、あくまでも経過を観察する必要がある事をご了承下さい。
 まず、彼から直接採取した精液から調べたDNAと献精にて搾精した精液から調べたDNAそして彼の口腔内の唾液から採取したDNAは一致しました。
 これはごく当たり前の事なんですが、次の事が不思議なんです。
 献精の時に交渉を持った看護師から採取したDNAは彼のDNAと似てはいますが一致はしませんでした。そして鈴木医師の膣内から採取した彼の精液も彼のDNAと一致せず、看護師から採取したDNAとも一致しませんでした。
 
 「訳が分らないわ、どういう事か分かりやすく言いなさい」
 総理が顔をしかめて説明する部長に分かりやすい説明を求めた。
 
 「分かりやすく言いますと彼のDNAは単に放出しただけでは変わりませんが、女性の体内に入るとちがうDNAに変化するようです、無論彼の因子も残っていますので彼の子孫だと判断する事は可能です。」
 
 「つまり、もしこれが女性毎に変化するのであれば彼の一時的な子供同士が婚姻関係を結んだとしても近親的なデメリットを避ける事が出来ます。そもそも、近親間のデメリットとされる精神的、遺伝的以上も現代では統計的にも数が少なすぎて根拠がないと言われています、あくまでもタブー的な問題かと」
 
 「うん、言ってる事は分かったけど、そんな事って実際に有り得るのかね。犯罪捜査に問題がでるのでは?」
 「犯罪捜査の面では現時点では問題ありません。なぜなら女性の体に入らなければDNAは変化しませんし、女性の体に入った場合。。。仮に彼が強姦したとして現行では罪は成立しません
 それに女性の体に入って変化しても特定は可能ですから。
 
 ただ、彼だけがそう言う特性を持つのか子供まで遺伝するのか不明です。そもそも女性の体内で遺伝子が変化するなど起こり得ない事が起こっているのですから」
 
 「うーん、そうね、あなたの指摘通りならまさに福音ね、人口復活のカギになるでしょう。後は彼の正常な染色体の部分が遺伝すれば問題はない訳だけど...」
 
 「それに付いてはうちの調査班から試験的なデータが出ております。染色体が遺伝するには最適な環境と言う物があるようです、そのデータを取るには特定の間で子供を持たせてみないと何とも言えないのですが、それが可能なら事前に染色体が遺伝するかどうか判断する事が出来るようになる可能性があります。」
 
 「じゃ、彼と最適者で交渉させればいい事でしょう。彼なら大丈夫なんじゃない、女医に看護師に保護局の部長と種馬ぶりを発揮してるじゃない。」
 
 「それが最適者に問題がありまして。。。」
 「どうい事なの。。。」
 
 「最適者は彼の母親です、次に彼女の血を引いた娘、対象者の妹になります。
 ご存知と思いますが、母親と彼とは血縁関係がありません、でも、彼女の子宮内で受精卵は育ったのです、どうやらそこが最適となる要素は大きいと判断しています、そしてその血を引く妹も。。。」
 
 「あぁ。。。それは政府としては国の為近親相姦をしろとは言えないわね。」
 
 「ちなみに女医は妊娠2週目に入った事が確認できております、性別は男です。また、看護師の方も妊娠の可能性が濃厚です。」
 
 「おおーーっ」
 一同が一斉に声を上げた。
 
 「うん、うん、彼は使えるな。。。」
 「総理、安易には考えないほうがよろしいかと、報告によりますと彼は十二分に自分の価値を知っており頭はかなり切れます、16歳の子供とは考えないほうが無難です。安易に利用されるのは止めた方が良いかと具申します。
 
 女医との会話で言っていたそうですが、『利用したければ精々利用するがいいさ  それに見あうだけの見返りは頂くけどね。』と言っていたそうですよ。
 
 「そうだが、彼の母親と娘の件は何とか方法を考えて見なさい。ただ、見逃すには惜しいわ。
 もし、あらかじめ染色体の遺伝が分かるのならこれほど効率のいい事は無いもの...それでなくても沢山、頑張って貰わないといけないわ。」
 
 「分かりました、幸い母親はうちの局におりますし...考えてみましょう。」
 
 「では、報告は以上です、他に質問がなければ終わりにします。」
 


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