私の愛した召喚獣

Azanasi

文字の大きさ
上 下
110 / 116
第五章 救出に向けて

【自衛隊異世界へ行く7】

しおりを挟む
【自衛隊異世界へ行く7】

 奈津が隊員達の所に向かうと丁度、隊員達は、死んだ盗賊達の遺体を穴に放り込み埋め戻そうとしている時だった。
 
 「ちょっと待って、私が一応焼くから・・・焼いてないとアンデッドかする恐れがあるので焼却処分にします。」
 奈津はそう言うと右手の手を高く上げるとそこには50cm程の火球がふたつ浮かんでいた。。
 さて、どれくらいの温度で焼こうかしら火葬場だと800℃~950℃らしいけど火葬場はほねを残す必要が有るから割と低温で焼いて得るのよね、こっちは骨まで灰にしたいから2000℃ぐらいでいいかな、火球の温度を2000℃に上げて穴に放り込むと、熱せられた事による内部の膨張でちょっとした破裂が起こり、飛び散った内蔵をもろに浴びた隊員が泣き顔で走って行った。
 
 後は土を掛ければお終いなので土魔法で穴を埋めて終了とした。
 あらかたの片付けが終わると迎えの馬車が来たので助け出しだした女性達を乗せて領都へと向かった。
 
 ♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪
 ファンテーヌ領、アルバハ平原陸上自衛隊仮設訓練所
 
  隊員たちは初の盗賊討伐訓練から帰ってきたばかりだった。
  
 「盗賊の捕虜は地下の牢に入れておいてくれ」
 
 確保した捕虜を隊員に命じて地下の牢に入れておくように頼んでいた。
 捕虜の騎士はこらからの成り行きを気にしているのか多少は不安になっているようだった、まあ、当たり前といえば当たり前だ。
 他国の騎士が他国で盗賊行為を働いていたのだからこれを切っ掛けに戦争が始まる可能性もあるのだ。

 「整列!!」
 帰ったばかりで装備をまとめている隊員達に奈津が号令を掛ける。
 
 「おつかれ!!、諸君らの活躍により今回の討伐作戦は無事、成功裏に治める事が出来た事を領主に成り代わり感謝する。
 本日は装備の確認などを行った後はゆっくりと休んでくれ、明日は休養日とする、街に出たい者は申告しておくように。
 人数に合わせて準備して明日の朝10:00に迎えにくる。
 
 以上、解散!!」
 
 隊員A:はぁ、やっと休みかぁ・・・明日は街に行くだろう?。
 隊員B:あぁ、たまには骨休みもしないとな、なぁ、可愛いいるかなぁ?、ケモ耳なんかもいたりして。。
 隊員C:おおぅ、そういえば先発の政府関係者の中にケモ耳娘と結婚してこっちに移住しているってやつもいるらしいぞ!!
 隊員A:ほんとかよぉ、すげぇなぁ。俺もケモ耳あこがれるなあ。..
 隊員D:あんた達、ほどほどにしておかないと”奈津”教官に見つかったら絞られる位じゃすまないわよ、へたするともう、日本の地は踏めないで僻地の鉱山で死ぬまで奴隷かもよ。
 隊員B:だよなぁ・・・”奈津教官”に比べたらうちの隊長なんてあまあまに感じるから不思議だよなぁ・・・
 隊員C:そもそも、死ぬ寸前まで痛めつけて於いて回復魔法で治療してまた痛めつけるなんてもう、鬼畜としか言いようが無いし・・・
 隊員D:陰口は止めておいた方が良いかも、あの人達って身体能力が半端ないから何処で聞かれてるか分からないわよ。
 隊員A:くわばらくわばら・・・
 
 ♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪
 アルバハ平原陸上自衛隊仮設訓練所地下牢
 
 「ようこそ!!、ファンテーヌ領、地下牢へ
 此処は最近新設されたばかりでお前は一番乗りだ、運が良かったな。
 さて、話す気になったかな?」
 
 「・・・・・・」
 男は牢に入れられて拘束をとかれ拘束されていた所をさすりながら手足を伸ばしているが、答える気は一切ないみたいだ。
 
 「まあ、答えたくなければ答えなくてもいいわよ。あなたがダルタニア王国騎士である事は分かっている事だし、立派なテロ行為である事は間違いないから、それを理由にダルタニアを灰にしても良いわね。うちとしては侵略するつもりなんかさらさら無いんだけどあなたが何も言わないじゃそうなっても仕方ないわ。
 何万の一般人が死ぬかしら・・・
 
 まあいいわ。喋りたくなければ喋らなくてもいいわ。今から素敵なショーが始まるから楽しんでね。」
 
 男の目の前にある対面の牢のカーテンが開かれた。
 牢のカーテンは別に今回の為にわざわざ取り付けられた訳ではない、臭気の対策や男女別の牢はない為、プライバシーへの配慮、また、敢えて暗くする為に備え付けられている訳で目的に応じて使い分けられている。
 
 「マリアーナ、何故此処に...ミリーナまで...
 ウォーーッ、貴様らどう言うつもりだーーっ、妻子には何の関係もないだろう。すぐに解放しろ!!」
 男は自分の妻子が捕まっている事を知ると狂ったように叫びだした...暫く放置しておくと落ち着いたのか解放するように懇願してきた...
 
 「頼む、妻子だけは解放してくれ...」
 男は妻子の見て言える前で平伏している。
 
 「おい、関係ないと行ったな、その通りだ、お前の妻子はお前のした事には何の関係もしていない事は確認済みだ・・・」
 
 「ならどうして。。。妻子を攫ってきてるんだ。...」
 
 「では、聞くがお前が盗賊に化けて襲って殺した女性や子供はお前に殺されなきゃ行けない理由でもあったのか?、えっお前に恨みでもあったのか?、自分勝手な理屈をこねるんじゃない。
 自分がしてきた事はされても文句は言えまい、それなりの覚悟はあったんだろ?
 今からの事をよく見ておくんだな...」
 
 「た、頼む、乱暴な事はしないでくれ...俺は殺されてもいい、だから頼む...騎士としての頼みだ。」
 男は頭を垂れてすがるような目で奈津を見つめ床にすりつけた頭からは血が流れている。
 
 「何をいまさら、おまえが我が領民にしてきた事はもう、お前の命で償えるほど軽くはないという事わかっていないのか?
 心配するな私はなにもしない...お前の妻子に審判を下すのは彼らだ・・・
 奈津がそう言うと、奴隷紋を付けられ首輪に鎖で繋がれているオークが兵士によって連れられて来た。1頭は180cm程度約200kg近くあるだろう、もう一頭は2m越えかもしれない200kgはとっくに越えているだろう。
 オークの繁殖力は高く母体の排卵を誘発させる効果もあって懐妊率は100%近い。
 
 「なっ、なぁ、お、オークだと・・・そんな無茶な。。。や、止めてくれ・・・」
 男は連れられて来たオークをみて、これから妻子に起こる事を想像してガクガクと体を震わせている。
 
 「そんなに嬉しいか?、そうだろう、子供と孫が一度に出来るのだからな。..感謝してくれても良いぞ!」
 奈津が平然と男に話していると男はかっと目を見開き牢の檻にしがみつくようにしてきた。
 
 「お、おまえ、女だろう、同性にこんな事して平気なのか?、」
 男は可能性は無いと思いつつも奈津の女性としての良心に訴えかける作戦に出た。..
 
 「そうだな、同じ女性として見ていて楽しい物ではないな、しかし、我が領民が受けた苦痛に比べると全然足りないな、私は指揮官として成り行きを見守る必要があるのでな。..」
 
 「お嬢さん達、恨むんなら父親を恨むんだな、あんた達の父親や、夫は仲間を使って女子供、それも年端もいかない子供を何人も乱暴した上に殺したんだ・・・」
 
 「おい、オークをいれろ。」
 兵士はオークを入れようとするが、オークは目の前のご馳走に待ちきれずに慌てている為に鎖が牢の扉の所に引っかかって鎖が上手く外れずに兵士は手こずっている。
 
 「ヒッ、ヒーーィ、嫌、イヤーーーッ、やめてーーっ」
 マリアーナはこれから怒るであろう我が身の惨劇を想像しては気が狂わんばかりに泣き叫んでいる、股間には二人とも水たまりを作っている。
 無論、まだ何もされてはいない、惨劇はこれから始まるのだから・・・
 
 「うぁーーっ、止めてくれーーっ、もう、何でも話す話すから止めてくれ。.」
 男は奈津に向かって泣き叫びながらオークを牢に入れるのを止めるようにたのんでいる。それを聞いた奈津は不気味な薄ら笑いを浮かべた。
 
 「オークを入れるのは待て・・」
 奈津が命令すると兵士はほっとしたような顔をするとオークに戻るように命令を下す。オークは目の前のご馳走を頂けなかったのが不満だったのか一瞬逆らうような態度を見せたがその瞬間に電流が走ったみたいにビクッと体を硬直させると素直に兵の言う事にしたがった。
 
 「オークはあんな調子だ2度目は止め切れないぞ!!
 さぁ、知ってる事を全て話すんだな。」
 
 「ひとつだけ約束して欲しい、知っている事は全て話す。だから妻子だけは解放してやって欲しい」
 男は奈津の目を見ながら哀願するように頭をこすり付けている。
 
 「良いだろう、信用に値すると思える事を話せばおまえの妻子は解放しよう。帰りたいというのであれば家の近くまで送ろう。こっちで暮らすと言うのなら暮らして行けるように手はずを整えよう。」
 男は奈津の言葉を聞いて少し安心したようだった。
 
 「俺が受けた任務はファンテーヌ領に入り込み、盗賊団を組織して暴れ回る事、盗賊団をしながら仲間を増やし義勇軍を編成して本国の指示を待つ事だった。俺の方ではまだ、義勇軍を編成するには至っていない。
 
 俺たちの拠点から南に50kmぐらい行った処にもう一つの盗賊団がいるが先月の話では50名以上確保していると言っていた、現在はどれくらいいるのかわからないが近いうちに二つに盗賊団を編成し直すと言っていた。
 俺の知っている限りでは北に後1人いるはずだ。二人2組で全部で10名のメンバーが送られているが他のメンバーがどこにいるかは知らされていない。南にいるのを知ったのは偶然に過ぎない。
 
 義勇軍が編成出来た時点で王都近郊で騒乱を起こしつつイスパニアとの戦争状態に陥ったら後方から散発的に攻撃する役割だ。
 各地点間の連絡は1ヶ月に1度馬車がやって来る、青地に白の馬二頭の旗を立てているのが目印だ、補給と盗賊行為で奪ったお宝の回収が任務だ。
 これが俺が知っている事の全てだ・・・」
 
 「良いでしょう。次の馬車はいつ来る?」
 恐らく10日から20日の間だとおもう。いままで20日以上遅れた事はない。。
 「そんな荷物をどうやって国境を越えている」
 
 「それは知らない、本当に知らないんだ・・・嘘じゃない知らされていない。
 これは俺の想像だが、恐らく国境近くの人目の付かない所に隠しているのだと思う、盗品の山を抱えて国境を越えるにはリスクが大きすぎる、それよりは戦乱の混乱時に回収した方が安全だ。」
 
 「頼みがある、家族と同じ牢に入れてくれ。..」
 
 「うーーん、まぁ、良いだろう。」
 
 「俺はいつ、処刑される?、せめて1日ぐらいは家族と過ごさせてくれないか...」
 男はすっかり喋って開き直ったというか、楽になったみたいで諦めも付いたようで来た時に比べると清々しい顔をしている。
 
 「お前の処刑がいつになるかは領主が決めるので私ではわからないが1日ぐらいは家族と過ごす時間ぐらい取れるように進言はしよう。」
 
 「すまない。身勝手はわかっているが宜しく頼む。」
 そう言って男は懐から何やら取り出した。
 どうやら割り符らしい
 
 「俺がいない時や、向こう側が変わっていて面識がないときのための割り符だ、これがあれば俺じゃなくても大丈夫だろう。
 むろん、十分に警戒して置いた方が良い、特に成人していない娘が来た時は要注意だ、恐ろしく強い、そして残忍な正確な上に用心深い、気に入らなければ仲間さえ平気で殺す奴だ。」
 
 「わかった。注意しよう。」
 牢番に男を家族と同じ牢に移すように命令すると牢をでた...


♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*゜♪
最後まで読んで頂きましてありがとう御座います。
誤字、脱字等ありましたらお知らせ頂けると助かります

ブックマークの方もご検討頂けると嬉しいです。
♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*゜♪
 
 
 
しおりを挟む

処理中です...