私の愛した召喚獣

Azanasi

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第四章 内政

【混沌2】

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【混沌2】

 美琴の希望で美琴は従者となることになり、従者の契約を行ったが、その結果、通常とは違う状態に陥ってしまってただ、見守るだけしか出来なかった。
 
 「ルーカス様どうなるんでしょう。」
 皆が一様に不安そうに見ている。
 
 「とにかく待つしかないだろう」
 見ていると水色の球体は段々と色が薄くなってきて・・・暫くすると完全な透明になり球体の中に満たされた水の中で美琴は一糸まとわずに漂っていた・・・
 中の美琴さんは随分若くなってる気がする。。。
 美琴は此方を向くと微笑みを返した。
 
 「あぁ、意識は有るみたいだなぁ・・」
 5分ほどその状態が続くと球体はゆっくりと床に落ちてはじけた・・・
 水が床に広がった。
 
 美琴は一糸まとわず、何処も隠す事もなく俺の方に数歩、歩いてくると跪いた。
 「ルーカス様、フィーネ様より叡智を頂きました、今後、ルーカス様の従者として恥ずかしくないように誠心誠意仕えて行きたいと思っておりますので宜しくお願いします。」
 
 「あっ、あぁ・・・・」
 美琴の変わり様に俺は正直なところ戸惑い、声が出なかった。
 
 「美琴さん大丈夫、どこか具合悪くない?」
 「はい、エマ様、とても清々しい気分でこれまで味わったことがないほど気分が良いです。」
 美琴はさっきまでと表情が全然違って生き生きとしている。
 
 「そ、そう、じゃ、お洋服を着ましょう。お部屋に行きましょうね。着替えは有るかしら・・・」
 「はい、用意しておりますので大丈夫です。お見苦しい姿をお見せして申し訳ないです、」
 そう言うと美琴は”パチン”と指をならした・・・
 次の瞬間、美琴は服をきていた・・・・
 
 「えーーーっ、何?、そんなの有りなの」
 みなが壮絶に驚いている。
 な、なんの魔法なの服を着る魔法?、そんなの有ったの?
 
 「床を濡らして申し訳有りません、すぐに片付けますね。」
 そういうと、無造作に床に向かって手を伸ばした・床にこぼれた水はすべてひとかたまりとなったと思うと消えていった。
 
 「ルーカス様、ちょっとお借りしたいんですが宜しいですか?」
 「へっ、な、何をですか?」
 
 「そのままじっとしていて身をお任せ下さい。」
 そう言うと美琴は唇を俺に重ねてきた・・・
 「ん、うぐぐっ・・・ん。・・・」
 美琴は舌を差し入れて濃厚なキスをして来た・・・
 
 「ん、ぱぁっ・・・はぁ・・・」
 「うふっ、行き成りごめんなさいね、でも、必要だったの・・・」
 そう言うと突然消えた・・・・
 
 「えーーーつ・・」
 「ル、ルーカス美琴さん何処行ったの」
 「そ、そ、それに今のキスはなに?」
 
 「わ、わからん、な、なんなんだ一体・・」
 「ん、美琴は今、帰らずの森にいる、高速で移動してるところを見ると飛んでいるな、恐らく最深部に向かってるようだ・・・」
 「どうして?」
 「俺にも分からん・・・」
 
 「ねぇ、ルーカス、美琴さんて何者なの?」
 「いや、ラノベを書いてる程のラノベ好きの主婦って事ぐらいしか知らない」
 
 「従者にしたからって、行き成りあれはないでしょう。しかも転移魔法まで・・・」
 「うん、俺にも訳がわかんない・・・眷属でもああは成らないはずなんだけど・・・」
 
 俺は倒れるようにソファーに座り込んだ。
 「ル、ルーカスどうしたの?」
 アメリアが心配になって俺に声を掛けている、奈津や愛彩も俺をのぞき込んでいる。
 
 その頃、俺の精神はフィーネの所にいた。。
 「大変なことに成りましたわね。」
 「あのう、彼女はどうなったんでしょうか?」
 
 「実は私の方でも想定外の事になってしまったの、偶然の一致と本来なら違う言葉と言葉が持つ意味のが一致した結果なのよ。」
 「つまり、彼女はあなたに近い存在になっているの」
 「へっ、従者契約しただけですよ」
 
 「そうね、従者契約だけど彼女の答えた無い様で意味が変わっちゃったの、彼女は身も心も全てあなたに捧げると言ったでしょう。、つまり一旦彼女はあなたに溶け込まれてさらに再作成された存在でも有るの記憶は元の物を維持してるけどあなたに対する考え方は別人よ、一番にあなた次に家族と順番が入れ替わっているわ」
 
 「あなたの分身でも有るから、自分の持つ魔法の他に接触することであなたの魔法を使えるわよ。もちろん、借りる度に接触が必要になるけど・・・」
 「はぁ、眷属を飛び越えて従属神化するとは思わなかったわ・・・恐らく祖先の持つ因子の影響だわね。」
 
 「向こうの世界で家族が亡くなったらあなたの世界で嫁にするのね・・・」
 「彼女はあなたより強い回復魔法が使えるわ、使用には注意させるのね」
 
 「ルーカス!!、ルーカスぅ」
 「あっ、大丈夫だ・・・女神様の所に意識が飛んでいた・・・」
 どうやら突然意識を失ったみたいでみんな、美琴の事があっただけに余計心配したらしい。
 
 「で、どうなってるの?」
 「つまり、彼女の血筋の所為と俺に対して身も心を捧げると言った事で眷属を飛び越えて従属神化したみたいなんだ・・・」
 
 「彼女は俺とキスする事で俺も持つ魔法ならなんでも借りることが出来るらしい・・それと、彼女の回復魔法はフェンリル化した俺すらも凌そうだ。」
 
 「彼女の家族が死んだら、こっちに引き取って嫁にしろと言われた。」
 
 「はぁ・・・また増えたんだぁ・・・」
 アメリアが呆れている。..
 
 「でも、まだ、随分さきの話になるのよね、」
 「そうだな、数十年は先の話になるな・・・」
 じゃ、取り敢えずは気にしないで良いかぁ・・・
 
 美琴が帰って来た。..
 「あのう、私どうなってしまったんでしょう。」
 「エマから説明してやってくれ・・・」
 「はい・・・」
 「わたしのお部屋に行きましょう。」
 
 □■□ エマの部屋 □■□
 
 「契約の時にハイと答えて貰えば何の問題もなく普通に従者としてそれなりに魔法も発動できるように成ったんですが・・・今のあなたはルーカス様の従者であって従者では有りません。」
 
 「どうして身も心も全て捧げると言ったのですか?」
 「駄目だったのですか?」
 (あぁ~私ってバカ、ちょっと自分の小説で書いた文句を思い出しちゃったから思わず言っちゃったんだった。。こんな事になるなんて・・・どうしよう)
 
 「こう言う契約の場合、言葉というのは非情に重要なのです、あなたは文字通り身も心もルーカス様に捧げてしまったのですよ。」
 
 「えっ、私が私では無くなるのですか?」
 「そうでも有り、そうでもないです、美琴さんはルーカスの事、どう思っていますか?」
 
 「はい、尊敬し、敬愛申し上げております。」
 「そうでしょうね、では、先程まではどうでしたか?」
 
 「はっ、そう言えば、どことなく怪しそうなちょっと怖い感じの領主様と思ってました。」
 「そう、あなたの心が変わったのです。」
 
 「あなたにはルーカス様の妻になって頂きます。これはもう決定事項です。」
 「えぇーーっ、それはとっても困るんですが、なんだかとても嬉しいような・・・私おかしいですね。」
 
 「いえ、今すぐではなく数十年後、ご主人が亡くなられてからで良いんですよ。慌てることは有りません、一度、日本にもどって今の家庭を過ごしてからで良いんです。」
 「はぁ、いや、主人より私が先に死ぬかも知れませんし、生きてても、もう歳で妻になんてなれないと思いますが・・・」
 
 「心配要りません、あなたは不老不死です。今の自分の姿を見てください。」
 そう言ってエマは手鏡を美琴に差し出した・・・・
 
 「えーーーっ、わ、若返ってる・・・」
 (えっ、キャーーッ、どうしよう?、うふっ、健吾さん喜ぶかな?、い~っぱい愛されたりして。.キャーーッ、え、なんでここでルーカス様の顔が浮かぶの)
 
 「あなたはもう、そこから老ける事はありませんよ、流石にそれでは日本で暮らすには不便だと思いますので数年に一回老化してみせる魔法をルーカスに掛けて貰うと良いでしょう。」
 
 「暫くは離れて暮らすことになりますが、その後は長く一緒に暮らすことになるのですから仲良くやっていきましょうね」
 「えーーーーっ」
 (えっ、マジ、不老不死キターッって言う場合じゃないんだっけ・・・ん、若返ったのに比べて実感湧かないし。..)
 
 「それから美琴さんには魔法の使い方はもう、教えなくても分かっていますね。」
 「はい、不思議なことに使える魔法や使い方までずっと使ってたみたいに普通に使えるみたいです。先程、試してみました。」
 
 「では、魔法のレッスンは修了です。ふふっ」
 「はい、有り難う御座いました。」
 
 「それからルーカスの秘密も分かっていますね。」
 「はい、知っています。何だか、以前から知っていたような気がしているのが不思議です。」
 
 「では、今日は自由にして下さって結構ですよ。」
 「あっ、では、今日は奈津さんや愛彩さん達と領地に付いていきたいんですが・・・」
 
 「はい、分かりました。私から頼んでおきますね。あなたはもう我々の仲間です。何も規制はありません、メイドも使用人も全てあなたの配下になります。」
 「はい、宜しくお願いします。」
 
 美琴は奈津や愛彩、留美、恵と一緒に固定転送を使って領地へと行った。
 美琴は転送の設定はしていなかったのに普通に通れたのは不思議だった。
 
 美琴さんが俺の嫁さんにねぇ・・・それも何十年か先とか・・・気の長い話だ事で・・・
 随分お古になるなぁ~なんて事は言わない・・・
 
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 美琴さんは領内の治療院で治療をして聖女と呼ばれているらしい。..
 リナは騎士か剣術を習ってると聞いた、剣道をやっていたらしく結構、筋が良いらしい。...剣術の合間に美琴さんを手伝ってるらしい。
 騎士も女子高生相手なら楽しいだろう。.これが奈津とかになると皆尻込みするんだが・・・
 信二は変えるまでに領都の屋台を制覇するつもりらしい・・・
 未来は領都の書庫にこもったきり夕方呼びに行くまで出て来ないらしい。.
 残り実質、あと1日だが、それぞれの過ごし方があって良いと思う。
 
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 3日目の朝
 
 美琴さんを連れて日本に行こうと思ったが、まだ、帰れないの一点張りである。
 どうやら患者が待ってるらしい・・・幾ら言っても聞かないので悠人を呼んで説得させるしかないだろう。
 誰か一人連れて帰るといったら、全員が次の機会で良いと言ってきた。
 誰かが帰るか喧嘩になるかと思ってたから以外だった・・・子供は環境に馴染むのが早いのだろう。帰らないとなると別だが、帰れると分かるとそう慌てなくても良いと思ってるみたいだ・・・
 
 約束通り、悠人のいる場所を検知して転移した。
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