私の愛した召喚獣

Azanasi

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第一章 召喚

【教会へ行こう】

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【教会へ行こう】

 前回のながれ・・・
 シロは魔族と疑われて教会で判定を受けることに、そこに女神が現れ素性の公開を拒否されて 正確な素性は分からないまま怪しくはないと言う判定を貰う。
 辺境伯邸に帰って来て、食堂への呼び出しを受けた

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食堂
 食堂には執事とリネーネ様、ソフィーも同席していた・・

 「あれ、シロちゃん話には聞いていたけど、中々の美形だわ、ううん、私の中では一番よ、どう、こんな熊みたいなのは直ぐに捨てるから私を攫ってどこかへ行く気は無い?」

 「お母様、なんて事言うんですか?、冗談にも程があります。」
 リネーネ様の目付きは冗談とは言えない目をしていた・・・
 蛇に睨まれたカエル見たいに俺はちょっとだけ脅えていた。

 「転移が使えるとは凄いのぉ、儂は初めて見たぞ、もう、今では使える者はいないと聞いていたんだが・・・」
 「まあ、そんな事を聞きたい訳じゃ無いんだ、このワイングラスのもっと入手可能かね?」
 「可能ならその価格を教えて欲しいんだ・・・」

 「ワイングラスは入手可能です。一度に運べる量に限りは有りますが、価格、販売、仕入れ価格ともルーク侯爵にお任せします。私の方ではまだ、こちらの世界の事情が分かっておりませんからお任せした方がお互い、良い結果に繋がりそうです。」

 「うむ、50万ルドでどうじゃ?、そうだな取り敢えず500個ほど欲しい、これは初回限定の価格じゃ、数が広がってくると希少価値が落ちるでな価格を引き下げざるおえん。」

 「本日、200個はお渡し出来ます。残りは明日また取りに戻りますのでその時にお渡し出来ると思います。」
 「本日は200個の他に5個入りを特別なケースに入れて5セット用意しいて下ります、こちらはサービスで差し上げますので販促用にお使い下さい。」

 「なんと、明日中に500個そろうとはな?、いやはや恐れ入った。では儂も明日中に白金貨250枚を用意しておこう。」

 「うーん、俺も少し咬ませてもらえんかなぁ?」
侯爵とのやり取りを見て辺境伯が興味を示してきた。

 「止めておかれた方が良いと思います、10個や20個程度なら構わないでしょう。だが、100単位の取引となると商会や暗躍する商人との駆け引きになるのでお知り合いに安価でゆずられる程度にされておいた方が無難です。」

 俺が話しているのを侯爵が聞いてニタニタしながら笑っている。
 
 「いや、執事殿から飲ませて貰ったが、こちらの強い酒もどれも実にうまい、特にこれは王家に出しても珍重される一品だとおもうが、こちらも入手可能だな?」
 
 「可能ですが、値段が高い物ほど一度に入手出来る量は少なくなってきます。一番安いのでしたら一度に100本ぐらい、後は数十本だったり100本だったり、市場の流通具合で変わってきます。」
 
 「ただ、入手は出来ますが、長くは続かないかも知れませんよ。」
 (こやつ何か別なことを考えておるな?)
  俺が持って回った言い方をしたのが侯爵にはちょっと引っかかったみたいだった。
  
 「どういう事かな?」
 「それについては領地も関係してくることですからアメリア様にお尋ね下さい。」
 
 「アメリア殿、どういう事かな?」
 「実は先日からシロと話してまして、当領内でそれの様な強い酒を造ろうかと考えて下ります、もちろん、お父様や次期当主であるお兄様を交えて話をする必要がありますので、今度、お兄様が帰られた時にでもお兄様を交えて相談しようかと思っておりました。」
 
 「なに、ここで作るだと、そんなことが可能なのか?」
 侯爵は驚いて前に乗り出してくる。
 
 「可能は可能ですが、そこにある高いお酒の様な物が一番最初から作れるとは思っていません、最初は低価格で販売しながら納得の行く様な物が出来れば別のブランドとして販売するか、また、高級酒専門の商会を立ち上げてそこで製造販売を考慮しています。」
 
 「うーん、莫大な利益を生みそうだの~」
 「当然、その製造方法をしっていると・・・・」
 「もちろんで御座います。」
 
 「最終的にはこのぐらいの酒が造れればと思っています、ま、次期当主の次の代ぐらいに・」
 そう言いながら、一本のブランデーを出した。
 「これはそこの酒と同じ醜類の酒でブランデーと言います。こちらの物価水準に合わせた価格だとおよそ100万ルドと言う高級酒になります、まあ、この10倍の価格のも富裕層では飲まれたりしてますが・・・」
 
 「どうぞ、皆さんで味わってみて下さい。他にもありますので、出来れば一口だけでお願いします。」
 
 「あっ、さっきのとは全然違う、私でもはっきりと分かるわ、まろやかさやのどごしが違うわね。」
 皆それぞれ感想を言い合っている。
 「ちょっと似ていますが、今度はこちらを飲んでみて下さい。お酒の強さは同じぐらいです。」
 「うーん、さっきのが芳醇でまろやかな気がするが、こっちはこっちで捨てがたい物がある」
 「どう違うのかね?」
 「ウィスキーとブランデーの大きな違いは原料です、麦やコーンなどの穀物を原料にするか、ブドウなどの果実を原料に為るかの違いです。」
 
 「ブドウで作ったらワインにならんのかね?」
 「秘密ですが、製造方法が違います。」
 
 「ここにいろんな種類のお酒を持ってきていますので、今日は難し事は考えずにいろいろな味を楽しんで下さい。」
 「出来れば騎士の方や従者の方、メイドさんにも味わって貰えると良いかと思います。」
 俺はそう言って、ブランデー、ウィスキー、バーボン、コニャック、ワイン、ウォッカ、テキーラ、日本酒、焼酎、甘酒、ビール、発泡酒、ノンアルコールビールと各種それぞれ試飲用に持って来た。
 
 「基本的に私が持ち込んで販売する物は当初は、私が仕入れして持ち込みますが、いずれはこの領内、もしくは公爵領内で作れる物ばかりに限定して考えていますので最終的には全て国内で自給生産を行える様に出来ればと思っています。」
 
 「領主様、リネーネ様、ちょっとお話があるのですが、宜しいですか?」
 領主はちょっとがっつきすぎだろう、ただ酒と思って水みたいに飲んでいる、それに比べて侯爵は酒を飲んでいると言うよりはもう、しっかり商人の目をして居る、酒を飲んだ後は水でうがいしながら試飲している、やはり稼いでるところはちがう。
 
 「なに?、シロちゃーん、わたしを連れて逃げる気になったの?」
 「なに、よっぱらってんですか?」
 「冗談よ、なに?、心配事?」
 
 「いえ、明日にでも一人連れて来ようと思ってるんですが、当面間、こちらに置いて頂けませんか?」
 「シロちゃんが連れてくる人なら別に良いけど、どんな人?、化粧や美容の専門家です32歳の女性です、私では無理な部分が多いので彼女にいずれは化粧品の開発、製造から美容のための施術院を開くまでをお願いしようと思ってます。」
 
 「あら、結構、お歳を召した方なんですね、あぁ、それだけの技術を持った方ならそれなりの年齢なのも当然だわね。」
 「いいわよ、良い物は私に一番にしてね。それが条件よ」
 「はい、かしこまりました。」
 リネーネ様は美への追究は半端ないから奈津とも良い意見交換が出来るだろう。
 
 「部屋はあるから後でマーラに準備をさせておくわ・・・必要な物があるなら言って頂戴、用意出来る物はするわって、そんな心配無用だわね。」
 
 「シロ、どういうことなの?」
 「いま、リネーネ様に話した通りだよ」
 
 「もしかして、実はあなたの妻ですなんて言わないわよね」
 「言わないよ、ただ、眷属候補ではあるけどね。」
 この時、一瞬、侯爵の耳がこちらに向いたのは気づかない振りをして置いた。
 
 「その件については後で、ゆっくりと話を聞かせて頂戴、良いわね」
 「はい」
 
 「シロちゃん部屋と言えばあなたの部屋は用意しなくて良いの?」
 「あっ、俺はアメリア様の獣魔で有り、従者ですから今のままで構いません、彼女の部屋だけお願いします。」
 「あっ、そう、分かったわ。」
 
 「えっ、人の格好でいるのなら部屋ぐらい必要じゃない?、その寝る時とか困るし・・・」
 「そうなのか、困るのか?、俺フェンリルになって寝ても良いし・・・」
 「い、いやそう言う問題とは違う様な気もする。...」
 
 「そこへ、既に酔っ払った辺境伯が乱流してきた・・・」
 
 「アメリアの部屋で寝るなどもってのほかだ、入る事もゆるさん・・・」
 大体、嫁入り前の娘の部屋で寝るなど許される訳ながないだろう、そもそもアメリアの婚約者であるクリストフ男爵の長男クリスト殿への申し開きが立たないでは無いか?」
 
 「今まではフェンリルと思っておった、それはまあ良い、人化出来るとと分かって同衾させたとあってはわびのしようがない。」
 
 「分かりました、アメリアが良ければ別で良いよ。」
 「・・・・」
 
 「ちょっと待って、何時私が、あのオークと婚約したって言うのよ。」
 「もう、決まっていたのだ・・・、今秋にも挙式の予定だ・・
 もう、既に決定事項の様にアメリアに伝える、もう、相談ではなく通達なのだ・・・」
 
 「お前も貴族の娘なら、そのくらい分かっていたはずだ、その嫁ぎ先がランドル家と言うだけだ何も変わりはあるまい」
 
 「冗談じゃ無いわ、馬鹿にしないで・・・」
 アメリアは泣きながら走って出て行った。
  ソフィーもアメリアの後を追って走っていった。
 
 「そんな、大事なことを私が聞いていないってどういう事ですか?」
 「アナターーーッ、ここに座りなさい。」
 辺境伯は今回ばかりは謝ってどうにかなる問題とは違うので動こうとはしない。
 
 「はぁ・・・そうですか?、そう言う態度ですか?」
 「分かりました、実家に帰らせて頂きます。」
 リネーネは夫をゴミでも見る様な目で一瞥すると、目をそらした。
 
 「馬車は大変だからシロちゃん、転移で送ってくれないかしら・・・」
 「はい、リネーネ様、ただ、その前にアメリア様が気になりますので、様子伺ってからで良いでしょうか?」

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 侯爵 Side
 「儂も聞いておらんかったが、儂には言わずとも奥方には相談して決めることじゃなかったかのう」
 「侯爵では無く友人としてのアドバイスだが、ここは奥方に平伏して謝った方が良いと思うがのう」
 
 「謝ってもどうにもならんのですよ、例の王都に献上する金剛石を融通してくれる条件がアメリアの輿入れだったのですから・・ここで反故に為る訳にも行きませんし・・・」
 侯爵は辺境伯が奥方にも言わずに輿入れを決めたことには何らかの裏があるとは思っていたが、金剛石にそんな経緯があったとは思ってもいなかったのでおどろいていた・・・
 
 「そうだったのかぁ、彼奴も随分と足下を見るのう、それだけ周りからも嫌われてる様だが、ただの荒れ地と思って拝領した領地から金剛石が出て今ではその金に物を言わせて王都でもかなり好きかってしておるからのう」
 
 「まあ、奥方にはそれでも謝らんと、色々と問題が起こると思うがのう」
 「いまは、頭に血が上ってますゆぇ、1,2日してから謝ろうと思ってます。」
 
 「アメリアには気の毒ですが・・・あれも貴族の娘、思うところへ嫁げるとは思ってはいなかったでしょうから、時間が経てば落ち着くでしょう。」
 
 (恐らく儂にはどうも悪手の気がするが、これ以上家庭に立ち入るのもはばかれるな・・・アメリアには本当に気の毒だが・・・)
  侯爵はアメリアの幼い頃から知っており、自分の娘同様に可愛がっていたのでなおさらアメリアが不憫に思えた。
  
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誤字、脱字修正しました。  
 
 
 
 
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