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第二章 発展
【建国1】
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【建国1】
夜のとばりが下りた頃、一人の従者が馬車でやって来た。
「旦那様、キャヴェンシュ侯爵の従者の方がいらっしゃいました。」
「上がって貰ってくれ」
「崎守殿、我が主がお話があるとの事です、こんな夜分に大変申し訳ありませんが我が主の屋敷までご足労願えませんでしょうか?」
「わかった、今から、夕食なんで明日、一番に伺うと伝えてくれ。」
「いえ、是非とも今すぐお越し頂きたいのです。大変な無礼は承知の上、後ほどいかような責もお受けしますのでここはお願い出来ませんでしょうか?」
そう言って従者は土下座している。
「おい、おい、止めてくれ。何事なんだ。?」
(侯爵の身に何かが起こってるんだろう、ここは急いだ方が良いな。)
俺は外に出ると御者に帰る様に伝えた。
「あっ、どうして馬車を帰されたのですか?」
「あんたが、そこまでするのは余程急いでいるんだろう、行こうか?」
「えっ、」
俺は従者を連れて侯爵宅の庭へ転移した。
従者はパニクっている様なので放置して、侯爵邸の玄関に向かう、メイドに話をして侯爵の所へ案内して貰う。
「良く来てくれたなノブ殿、この様な無様な姿で申し訳ない」
侯爵は体中に包帯を巻いている、どうやら左腕は欠損しているみたいだ。顔からは血の気が無くなっている、かなりの量の出血があったのだろう。
「どうなされました。侯爵殿」
「いや、何、盗賊ふぜいに遅れを取ってしまってな、恥ずかしい話じゃわい」
「どういう事だったんですか?」
「第3王女と儂の孫達を連れてルスタンの帰りに盗賊に襲われての、良く行く道のりだったし今まで一度も襲われた事も無かったので騎士も12名の騎士と供に向かったんじゃがご覧のざまじゃ」
「で、お孫さんは無事ですか?」
「それはお主の方がよく知ってるはずかと思うがの」
侯爵が言っているのは、俺が侯爵の孫の護衛に付けた影狼の事だろう
「騎士の大半がやられたので儂も馬車を出て戦ったが、不覚にも手傷を負って孫も駄目かと思ったら、馬車から下りた孫の影から狼が出てきた時はびっくりしたわい、あれよあれよという間に殆どの盗賊をやつけてしもた。おかげで王女様に怪我をさせずに済んだのは助かったわい。」
「あれはお主の仕事じゃろう、本当に恩に着る」
侯爵は無理に起きようとしてる。」
メイドや執事が止めようとしてるが侯爵は聞かないみたいだ。
「侯爵、そのままで・・・」
「それでは礼が尽くせん、恩人に礼を尽くさずには死んでも死に切れん」
「わかりました、これをお飲み下さい。」
アイテムボックスから小瓶を取り出して起きる前に取り敢えずこれを飲まれて下さい。
「これは・・・」
「大丈夫、毒じゃないぞ」
侯爵は笑いながら飲んでるが、途中から顔をしがめだした。うん、相当不味いみたいだ。
侯爵の体が光に包まれた。
暫くして光がおさまると侯爵の怪我は欠損も含めて完全に治っていた。
「こ、これはもしやエリクサーでは・・・」
伯爵自身も驚いている。
「これで時間は出来ましたな。ゆっくりとされるといいですよ。」
「儂なんかの為に貴重なエリクシールを使うとはお主はわからんな」
「売れば一生、遊んで暮らせる程の財をなせると言うのに」
「儂は一体、幾ら払えば良いのかのう。、儂は引退したゆえたいした額は払えぬ、済まん・・・」
「俺が勝手にした事だ、金は要らん」
「そんな訳には行かん、そもそも、儂はお主に礼を言おうとしてたのにまた、礼を言えんうちにまた、恩を作るとはふがいないのう」
「ふがいないついでに言わせて貰うと、あの影狼、あのまま孫達に付けて貰えんだろうか」
何も初めからそのつもりですから・・・
「それに影狼達も随分お孫さん達に懐いているようですから、今から引き離すのも可哀想です、ま、どうしてもと言うのであれば契約解除って方法も有りはしますけどね。」
「いや、いや、このまま出来ればありがたい。」
「侯爵、体を大事にされて下さい。今日はこれでおいとまします。」
「今日は本当に申し訳なかった、ノブ殿のおかげで時間が出来たようじゃ改めて礼に参るとしよう次回はローランド軍を瞬殺した話を聞かせて貰おうかのう。」
2日後
俺はヒッタービルド王都にいた。
ヒッタビルド王から呼び出しを受けていた。その場にはヒッタービルド王、ローラルド帝国サロス皇太子もいた。
「先日の戦い見事であった。約束通りリリカーナよりローラルドの国境に位置する土地をノブヨシ・レーファント・サキモリに割譲する物とする。ついでにサリーナも付けようとは言っても既にお主の所へ居る結え正式に追認いたそう、なお3ヶ月後にはお主の婚約者として正式に発表する。」
「はっ、有り額頂戴いたします。」
リリカーナ以降は全てと主張していたよりはより広大になったのは意外だったか、ここで断るのも失礼だし有りがたく頂戴しておこう
「割譲結え仮に生産が上がっても我が国には税を払う必要が無いと言うよりは隣国となるのだから友好を結んでは貰わんとこまるがな」
ローラント帝国の皇太子がしゃべり出した。
「我が国もノブヨシ・レーファント・サキモリ殿に対して国境よりフダルの街までを割譲する物とする。
なお、我が国の第一王女シーナを貴殿に嫁に出したいと考えて居る」
「ちょっと待って下さい、行き成り嫁にやると言われても会った事もありませんし、お互い知りもしない相手に結婚と言われても、おまけに此方は平民ですし。」
ちょっと待った、土地は良いとしても姫は要らない。何とかしないとと断り文句を探していると
「会った事が無いのは心配無い、これから会えばいい、どうしても嫌いだと言うなら諦めよう、それなら文句ないであろう。
それに貴殿は平民では無いぞ、発表するまでに3ヶ月ある、その間に国を立ち上げれば良い、両国が後ろ盾になればどの国も反対する国はあるまい。」
これはどんな不細工な女でも気に入らないとは言えないパターンだ、、そんな事を言えば国同士の諍いになりかねない、仕方ない毒をくらわば皿までだ。
「わかりました、折角のご厚意、身に余る物と思いますが、ありがたく頂戴したいと思います。」
ヒッタービルド国王
「お主の国は両国の他にチベスタンと隣接する事となる、チベスタンはここ10年ほどは大人しくして居るが我が国と交戦状態にあった、今までは軍備を拡張していたとの話を聞いている、、万が一の事があれば貴国には助力を期待しておる」
◇それから1週間後、両国の同盟が発表された、その立役者として俺の名前が公開され新たな国が近々建国される事も発表された。
第2王子のグロッカスに付いてはその処遇について揉めに揉めたが結局、遺恨を残すと言う事で関係者と供に処刑された。
それからという物、俺の周りは加速度的に忙しくなっていった。
城は1週間で築城し取り敢えずの拠点として後は済みながら手を加えていく敷かない。
油田を含め、技術関連はレイカに全て一任しスタッフは奴隷を購入して人材の確保を行った。
ラージニア王国王城
俺は現在の拠点をかまえるラージニア王国の王都にある王宮の謁見の間にいた。
周りを見るとキャヴェンシュ侯爵、ギルマスのベイスがいた。
なにやらベイスの機嫌が良さそうだ、それだけに不安が走る。
「王の登場だ」
伏礼を廃す、面を上げてくれ
「そなたがノブ、崎守か?」
「はい、冒険者のノブヨシ・レーファント・サキモリです。」
「うむ、我が娘を救ってくれた。礼をする。」
「いえ、私は何もしておりません。」
「レスカー元侯爵よりそなたの授けた影狼が我が娘を助けたと聞き及んでいるが。」
「はい、それは影狼が助けた事で私が助けた訳では御座いません。」
「あまり謙遜が過ぎると嫌みになるぞ!!」
「ははぁっ、失礼しました。ですが礼であればレスカー元侯爵へお願いします。」
「レスカー元侯爵様からは多分な金銭を頂いておりますのでこれ以上は不要です。」
「お主は欲はないのか?」
「そんな事は御座いません、むしろ業付くほどの欲深きものです。」
「では、なぜ、無用などという。」
「自分が成した事の対価は例え他の物が高いと思えども頂く所存ですが、自分の意に沿わぬ不当な対価を取る事は致して折りません。」
「では、お主はレスカー元侯爵からも影狼に対する対価は求めないと言うのか?」
「はい、そうです、私の中ではその対価は既に支払って頂いて下ります。」
「では、お主はレスカー元侯爵の怪我を治すのにエリクサーを使ったとあるが相違ないか?」
「はい、間違い有りません。」
「その対価は受け取るので有ろうな。」
「頂くつもりは御座いません。」
「何故だ、お主の言う事と違うでは無いか?」
「商いは事前に価格を決め、買う側が納得してからこそ成り立ちます、今回、私は価格は決めずにレスカー殿に飲ませました。それで金貨何枚などと請求するのは詐欺で御座いましょう」
「それが一般的な値段であれば詐欺とは思わんがの」
「確かにレスカー殿が意識が無ければ緊急措置として黙って飲ませてもある程度の金額は請求出来るかも知れません、今回の場合、意識も有り、確認出来る状態にも関わらず確認しなかったのは私の方です。」
「そこまで言うのなら何も言うまい、入手経路はやはり言えんのだろうな」
エリクサーは値段の付けようが無い国宝級の品、いくら聞いても入手先は言うまい。ダメ元で聞いた王であった。
「私が作った物です。」
「なに、そなた作れるのか?」
「はい、魔物を買っている時に偶然、材料となる草を見付けましたので3本だけ作る事が出来ました。」
「ではまだ、持っておるのか?有るなら是非、譲ってくれぬか?」
「はい、良いですよ。」
俺はそう言ってアイテムボックスより残りの2本を出し近くにいた騎士に渡した。
「おおこれが伝説に聞くエリクサーか、2本とも良いのか?」
「はい、どちらか一本は試しとしてお使い下さい、あと一本はどうしてもと言う時以外は使われない方が良いと思います。」
「それは今回、謁見の粗品として献上いたしましょう」
「いやいや、他の物ならば別じゃがエリクサーではそうはいかん、それなりの物を払わんと王としての面子が立たん
「わかりました、では代金は頂くとしましょう。」
「いくらじゃ?」
「私は相場は知りませんし、売った事も無いので価格はそちらにお任せします。」
「さて、これからが本題じゃ」
(はぁ、まだ何かあるのか、良いかげん疲れてきた。)
「そなたはヒッタービルドを進攻したローランド軍を一人で撃破し、チベスタンから王太子を取り戻し国王を幽閉から助け両国の同盟を成し得た聞き及んでいるが誠か?」
(今更、嘘を付いても仕方ないだろうって言うか嘘をつくとデメリットしかない気がする)
「はい、そうですね。」
「ノブ殿は両国の王女を嫁に貰うそうじゃの」
「はい、婚約という形ですが・・・」
「では、我が娘、ルワーヌを嫁がせよう」
「ちょと、待って、くだ・・」
「まさか、我が娘はもらえんとか言うんじゃ無いだろうな?」
王は俺の言葉を遮る様に喋ってると途中にかぶせてきた。
「いえ、そういうわけでは・・・・・」
ルワーヌをこれへ
夜のとばりが下りた頃、一人の従者が馬車でやって来た。
「旦那様、キャヴェンシュ侯爵の従者の方がいらっしゃいました。」
「上がって貰ってくれ」
「崎守殿、我が主がお話があるとの事です、こんな夜分に大変申し訳ありませんが我が主の屋敷までご足労願えませんでしょうか?」
「わかった、今から、夕食なんで明日、一番に伺うと伝えてくれ。」
「いえ、是非とも今すぐお越し頂きたいのです。大変な無礼は承知の上、後ほどいかような責もお受けしますのでここはお願い出来ませんでしょうか?」
そう言って従者は土下座している。
「おい、おい、止めてくれ。何事なんだ。?」
(侯爵の身に何かが起こってるんだろう、ここは急いだ方が良いな。)
俺は外に出ると御者に帰る様に伝えた。
「あっ、どうして馬車を帰されたのですか?」
「あんたが、そこまでするのは余程急いでいるんだろう、行こうか?」
「えっ、」
俺は従者を連れて侯爵宅の庭へ転移した。
従者はパニクっている様なので放置して、侯爵邸の玄関に向かう、メイドに話をして侯爵の所へ案内して貰う。
「良く来てくれたなノブ殿、この様な無様な姿で申し訳ない」
侯爵は体中に包帯を巻いている、どうやら左腕は欠損しているみたいだ。顔からは血の気が無くなっている、かなりの量の出血があったのだろう。
「どうなされました。侯爵殿」
「いや、何、盗賊ふぜいに遅れを取ってしまってな、恥ずかしい話じゃわい」
「どういう事だったんですか?」
「第3王女と儂の孫達を連れてルスタンの帰りに盗賊に襲われての、良く行く道のりだったし今まで一度も襲われた事も無かったので騎士も12名の騎士と供に向かったんじゃがご覧のざまじゃ」
「で、お孫さんは無事ですか?」
「それはお主の方がよく知ってるはずかと思うがの」
侯爵が言っているのは、俺が侯爵の孫の護衛に付けた影狼の事だろう
「騎士の大半がやられたので儂も馬車を出て戦ったが、不覚にも手傷を負って孫も駄目かと思ったら、馬車から下りた孫の影から狼が出てきた時はびっくりしたわい、あれよあれよという間に殆どの盗賊をやつけてしもた。おかげで王女様に怪我をさせずに済んだのは助かったわい。」
「あれはお主の仕事じゃろう、本当に恩に着る」
侯爵は無理に起きようとしてる。」
メイドや執事が止めようとしてるが侯爵は聞かないみたいだ。
「侯爵、そのままで・・・」
「それでは礼が尽くせん、恩人に礼を尽くさずには死んでも死に切れん」
「わかりました、これをお飲み下さい。」
アイテムボックスから小瓶を取り出して起きる前に取り敢えずこれを飲まれて下さい。
「これは・・・」
「大丈夫、毒じゃないぞ」
侯爵は笑いながら飲んでるが、途中から顔をしがめだした。うん、相当不味いみたいだ。
侯爵の体が光に包まれた。
暫くして光がおさまると侯爵の怪我は欠損も含めて完全に治っていた。
「こ、これはもしやエリクサーでは・・・」
伯爵自身も驚いている。
「これで時間は出来ましたな。ゆっくりとされるといいですよ。」
「儂なんかの為に貴重なエリクシールを使うとはお主はわからんな」
「売れば一生、遊んで暮らせる程の財をなせると言うのに」
「儂は一体、幾ら払えば良いのかのう。、儂は引退したゆえたいした額は払えぬ、済まん・・・」
「俺が勝手にした事だ、金は要らん」
「そんな訳には行かん、そもそも、儂はお主に礼を言おうとしてたのにまた、礼を言えんうちにまた、恩を作るとはふがいないのう」
「ふがいないついでに言わせて貰うと、あの影狼、あのまま孫達に付けて貰えんだろうか」
何も初めからそのつもりですから・・・
「それに影狼達も随分お孫さん達に懐いているようですから、今から引き離すのも可哀想です、ま、どうしてもと言うのであれば契約解除って方法も有りはしますけどね。」
「いや、いや、このまま出来ればありがたい。」
「侯爵、体を大事にされて下さい。今日はこれでおいとまします。」
「今日は本当に申し訳なかった、ノブ殿のおかげで時間が出来たようじゃ改めて礼に参るとしよう次回はローランド軍を瞬殺した話を聞かせて貰おうかのう。」
2日後
俺はヒッタービルド王都にいた。
ヒッタビルド王から呼び出しを受けていた。その場にはヒッタービルド王、ローラルド帝国サロス皇太子もいた。
「先日の戦い見事であった。約束通りリリカーナよりローラルドの国境に位置する土地をノブヨシ・レーファント・サキモリに割譲する物とする。ついでにサリーナも付けようとは言っても既にお主の所へ居る結え正式に追認いたそう、なお3ヶ月後にはお主の婚約者として正式に発表する。」
「はっ、有り額頂戴いたします。」
リリカーナ以降は全てと主張していたよりはより広大になったのは意外だったか、ここで断るのも失礼だし有りがたく頂戴しておこう
「割譲結え仮に生産が上がっても我が国には税を払う必要が無いと言うよりは隣国となるのだから友好を結んでは貰わんとこまるがな」
ローラント帝国の皇太子がしゃべり出した。
「我が国もノブヨシ・レーファント・サキモリ殿に対して国境よりフダルの街までを割譲する物とする。
なお、我が国の第一王女シーナを貴殿に嫁に出したいと考えて居る」
「ちょっと待って下さい、行き成り嫁にやると言われても会った事もありませんし、お互い知りもしない相手に結婚と言われても、おまけに此方は平民ですし。」
ちょっと待った、土地は良いとしても姫は要らない。何とかしないとと断り文句を探していると
「会った事が無いのは心配無い、これから会えばいい、どうしても嫌いだと言うなら諦めよう、それなら文句ないであろう。
それに貴殿は平民では無いぞ、発表するまでに3ヶ月ある、その間に国を立ち上げれば良い、両国が後ろ盾になればどの国も反対する国はあるまい。」
これはどんな不細工な女でも気に入らないとは言えないパターンだ、、そんな事を言えば国同士の諍いになりかねない、仕方ない毒をくらわば皿までだ。
「わかりました、折角のご厚意、身に余る物と思いますが、ありがたく頂戴したいと思います。」
ヒッタービルド国王
「お主の国は両国の他にチベスタンと隣接する事となる、チベスタンはここ10年ほどは大人しくして居るが我が国と交戦状態にあった、今までは軍備を拡張していたとの話を聞いている、、万が一の事があれば貴国には助力を期待しておる」
◇それから1週間後、両国の同盟が発表された、その立役者として俺の名前が公開され新たな国が近々建国される事も発表された。
第2王子のグロッカスに付いてはその処遇について揉めに揉めたが結局、遺恨を残すと言う事で関係者と供に処刑された。
それからという物、俺の周りは加速度的に忙しくなっていった。
城は1週間で築城し取り敢えずの拠点として後は済みながら手を加えていく敷かない。
油田を含め、技術関連はレイカに全て一任しスタッフは奴隷を購入して人材の確保を行った。
ラージニア王国王城
俺は現在の拠点をかまえるラージニア王国の王都にある王宮の謁見の間にいた。
周りを見るとキャヴェンシュ侯爵、ギルマスのベイスがいた。
なにやらベイスの機嫌が良さそうだ、それだけに不安が走る。
「王の登場だ」
伏礼を廃す、面を上げてくれ
「そなたがノブ、崎守か?」
「はい、冒険者のノブヨシ・レーファント・サキモリです。」
「うむ、我が娘を救ってくれた。礼をする。」
「いえ、私は何もしておりません。」
「レスカー元侯爵よりそなたの授けた影狼が我が娘を助けたと聞き及んでいるが。」
「はい、それは影狼が助けた事で私が助けた訳では御座いません。」
「あまり謙遜が過ぎると嫌みになるぞ!!」
「ははぁっ、失礼しました。ですが礼であればレスカー元侯爵へお願いします。」
「レスカー元侯爵様からは多分な金銭を頂いておりますのでこれ以上は不要です。」
「お主は欲はないのか?」
「そんな事は御座いません、むしろ業付くほどの欲深きものです。」
「では、なぜ、無用などという。」
「自分が成した事の対価は例え他の物が高いと思えども頂く所存ですが、自分の意に沿わぬ不当な対価を取る事は致して折りません。」
「では、お主はレスカー元侯爵からも影狼に対する対価は求めないと言うのか?」
「はい、そうです、私の中ではその対価は既に支払って頂いて下ります。」
「では、お主はレスカー元侯爵の怪我を治すのにエリクサーを使ったとあるが相違ないか?」
「はい、間違い有りません。」
「その対価は受け取るので有ろうな。」
「頂くつもりは御座いません。」
「何故だ、お主の言う事と違うでは無いか?」
「商いは事前に価格を決め、買う側が納得してからこそ成り立ちます、今回、私は価格は決めずにレスカー殿に飲ませました。それで金貨何枚などと請求するのは詐欺で御座いましょう」
「それが一般的な値段であれば詐欺とは思わんがの」
「確かにレスカー殿が意識が無ければ緊急措置として黙って飲ませてもある程度の金額は請求出来るかも知れません、今回の場合、意識も有り、確認出来る状態にも関わらず確認しなかったのは私の方です。」
「そこまで言うのなら何も言うまい、入手経路はやはり言えんのだろうな」
エリクサーは値段の付けようが無い国宝級の品、いくら聞いても入手先は言うまい。ダメ元で聞いた王であった。
「私が作った物です。」
「なに、そなた作れるのか?」
「はい、魔物を買っている時に偶然、材料となる草を見付けましたので3本だけ作る事が出来ました。」
「ではまだ、持っておるのか?有るなら是非、譲ってくれぬか?」
「はい、良いですよ。」
俺はそう言ってアイテムボックスより残りの2本を出し近くにいた騎士に渡した。
「おおこれが伝説に聞くエリクサーか、2本とも良いのか?」
「はい、どちらか一本は試しとしてお使い下さい、あと一本はどうしてもと言う時以外は使われない方が良いと思います。」
「それは今回、謁見の粗品として献上いたしましょう」
「いやいや、他の物ならば別じゃがエリクサーではそうはいかん、それなりの物を払わんと王としての面子が立たん
「わかりました、では代金は頂くとしましょう。」
「いくらじゃ?」
「私は相場は知りませんし、売った事も無いので価格はそちらにお任せします。」
「さて、これからが本題じゃ」
(はぁ、まだ何かあるのか、良いかげん疲れてきた。)
「そなたはヒッタービルドを進攻したローランド軍を一人で撃破し、チベスタンから王太子を取り戻し国王を幽閉から助け両国の同盟を成し得た聞き及んでいるが誠か?」
(今更、嘘を付いても仕方ないだろうって言うか嘘をつくとデメリットしかない気がする)
「はい、そうですね。」
「ノブ殿は両国の王女を嫁に貰うそうじゃの」
「はい、婚約という形ですが・・・」
「では、我が娘、ルワーヌを嫁がせよう」
「ちょと、待って、くだ・・」
「まさか、我が娘はもらえんとか言うんじゃ無いだろうな?」
王は俺の言葉を遮る様に喋ってると途中にかぶせてきた。
「いえ、そういうわけでは・・・・・」
ルワーヌをこれへ
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