異世界でラム肉やってます

園島義船(ぷるっと企画)

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「牧場を拡張しよう」編

三十四話めぇ~ 「ヒツジチームだよ」

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「いやー、前回のリーパちゃん、格好良かったねー」
「そうか? 俺は怖かったぞ」

 ヒツジの身としては笑えないぞ。
 正直、どん引きした。
 人間ってマジこえー。

「大丈夫。リーパちゃんはヒツジだけに最強だから。他は無害だよ」
「まあ、ヒツジだしな。あいつらやっぱりただの動物だし、銃のほうが強いよな」

 思えばこいつが銃を買ったからこんなことになっている気がする。
 やっぱり幼女に銃はやばいだろう。

「つーか、リーパのスキルって俺に対して無敵じゃねえか!!!」

 冷静に考えてみると、リーパのスキル「ヒツジの絶対者」はヒツジに対して100%の支配力を発揮する。
 たしかにヒツジだけにしか通じないかもしれないが、俺はヒツジだ。

 ってことはまさか…

「うん、シゲキ君はリーパちゃんに絶対服従だよ」

 ちょっとおぉおおおおおお!!!
 なにその力関係!?
 俺がヒツジである限り、リーパに逆らえないじゃんか!

「いいじゃん。幼女に踏まれたいんでしょ?」
「俺が変態みたいじゃねえか!!」

 そんな願望ねーよ!!
 それは幼女好きというより、もう違う趣味の人じゃねえか!
 しかもハイレベルだよ!!

「それにしても初めての挿絵があの話ってどうなんだ?」

 そう、作者が初めて挿絵を描いたのは喜ばしいが、よりによってあの話だ。
 リーパ、超こえーよ!

 しかも主人公とヒロインを差し置いて描いてもらえるとは、幼女優遇しすぎだろう。
 ぷるん、お前は悔しくないのか!?

「うーん、そういえばそうだね。でも、表紙に私一応いるし」
「俺は見えてねーけどな!!」

 そう、俺は完全に文字で隠されている。
 描いてほしかった。俺を描いてほしかった。
 だって主人公だもの!

「安心してよ。シゲキ君も作者に描いてもらったよ!」

 マジで!?
 あいつ、やりやがった!!!
 やる気出せばできる子なんだよ!!!


「じゃじゃーん、シゲキ君、初披露だよーーー!」

 いやっほーーーー







 ( д) ゚ ゚ スポポポーン


 ちょとぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
 これなに!? これなんなの!?

「知らないの? ラム肉だよ」

 知ってるよ!! 見た瞬間にわかったよ!!
 悪意満々だからすぐにわかったよ!!

「ラム肉で検索するともっと違うのが出るんだけど、あえてわかりやすくしたんだよ」

 そこで努力するなよ!!!
 そうじゃない、そうじゃないんだよ!!

「これ描くのに一分もかかったんだよ」
「リーパには二時間くらいかけたじゃねえか!!!」

 なんだよ、この差は!!
 ジョナスンよりも俺は格下なのか!!

「気に入らないの?」
「当たり前だ!!」
「もー、シゲキ君は面倒くさいな。じゃあ、ちゃんとやるよ」

 まったく、俺が抗議しないと正そうともしない。
 なんてやつらだ!

 だが、描き直すなら許してやらんことも…

「はい、新しいシゲキ君」





 そこじゃなーーーーーーーーーーーーい!!

 そういうこと言っているんじゃないって!!
 ちょっと色足しただけじゃんか!!
 これマジで5秒レベルだよ!

「シゲキ君、アルファポリス先輩は1作品につき画像は200枚までなんだよ。その百分の一をここで使ったんだよ。その意味がわかる?」

「ただの無駄遣いじゃねえか!!」

 ただの嫌がらせだろうが!!
 枚数出して牽制してくるなよ!!
 だったらちゃんと描けって!!

「ということで、今後シゲキ君のキャラ紹介にはこれを使うからね」

 嘘!? 嘘でしょう!?
 やめて、本当にやめて!!!
 作者、菜食主義者でしょ!? やめたげて!!

「これを見せて人間どもに愚かな肉食生活をやめさせたいらしいよ」
「絶対逆効果だよ!!!」

「って、お前が出てきちゃ駄目だろうが!」
「いやー、前書きだからいいかなって」
「だから前書きとか言うな!! さっさと寝てろ!」
「シゲキ君のうんこ! 死ね、うんこ!」
「小学生かお前は!!!」

 だから伏せ字!!!
 もう大人なんだから、伏せ字使って!!
 アラレちゃんやおぼっちゃまくんと同じになるだろう!!!

「私が寝ていたほうが、他のキャラが活躍できていいね。外伝だよ、外伝」
「本編だよ!! 紛れもなく本編だよ! お前がいないほうが話が進むじゃねーか!」

 こいつがいないほうが確実に話は進みそうだ。
 余計な寄り道がないのがいいんだろうな。

 ということで、今回もどんどんいくぞ!!

「おー!」
「だから寝てろ!!」

「シゲキ君、寝ている私のおっぱい触ったくせに」
「死にたい!!」



【ここから本文】



「なあ、バズーを知らないか? あの太ってグラサンかけてたやつ」

 ジョナスンの弟分みたいなやつがいたんだよ。(挿絵にいるやつ)
 ずいぶんとあいつに懐いていたみたいだから、俺もちゃんと面倒をみてやらないと。

 だが、昼からいないんだよな。
 どこに行ったんだ?

「ああ、あれなら解体しましたよ」

 嘘だろぉおおおおおおお!!!
 いきなり解体かよ!!
 いったいどうなってるんだよ!!

「暴走族漫画とかって、必ず一人くらいは太った人いるじゃないですか。だから解体しました」

 意味がわからない!!!
 リーパの言っている意味がわからないよ!!

 そりゃ、たしかにいるよ。
 なんていうか、格闘漫画とかには必ずいるよ。
 北斗の拳なんて、そいつらの宝庫だよな。

「名前もラピュタに似ていたので…」

 全然紛らわしくないから!!!
 パズーはこの世界にいないから!!

「それは冗談ですけど、十分太った家畜は普通に解体します。常識ですよ」
「いやさ、せっかくキャラが出てきたわけだからさ、もう少し待ってくれよ」

 この小説、キャラをすぐに見放す節がある。
 いや、作者そのものがそうなんだよな。
 けっこうさくっと殺すんだ、これが。
 キャラをちゃんと育てようぜ!

「たぶん、ランスをやっていたからです」

 ランスとか言うなよおおおおお!!
 そりゃ、ランスはさくっと殺すさ。
 あまりのあっけなさに、思春期だった俺もびっくりさ!

 俺がPC98買って初めてやったゲームが、ランスでな…。
 人生観変わるよな。

「死んでこそヒツジの花。家畜の生き様です」
「そ、そうなんだろうが…もうちょっと猶予をさ」

「シゲキさん、これが牧場ですよ。リアルの牧場なんですよ!! 遊びじゃないんです!!」
「うっ!!」

 リーパのすごい剣幕に思わずビビってしまう。
 生まれてから牧場で育った子は、それが当たり前なんだよな。
 解体だって自分でやっちまうし…

 自分でやればお金もかからないって発想なんだろう。
 でもなー、なんだかすっきりしないな。

「一定以上太ったヒツジはラム肉のうちに出荷するんです。これは検品用のお肉にしました」

 ああ、そうか。
 肉を卸す相手と契約しないといけないんだよな。
 そのためにも上質な肉は貴重だ。
 放っておいても品質が落ちるだけで意味がないんだ。

「嫌ならシゲキさんでもいいんですけど…」
「ごめんなさい!!」

 包丁を構えたリーパに、必死に土下座する。
 こえー、マジこえー!!

 やっぱり俺も死ぬのは嫌なんだよな。
 実際に死ぬほど痛いからな。
 それを何度も味わうのだから、俺のほうが生き地獄だ。

「安心してください。ヒツジの数が少ないので、増えるまでは羊毛をメインにする予定です」

 羊毛!!
 そうだな。それが一番人道的だな。

 ヒツジにしちゃ「あれ? なんか急に軽くなった!?」とかびっくりするわけだが、前にも言ったように放っておくとすごいことになるからな。
 あれも家畜になったがゆえの現象なんだろうか。

「じゃあ、シゲキさん、リアップお願いします」

 すげー久々に聞いた!!
 そういえばリアップって名前だったんだ!
 くそー、ぷるんの負の遺産が終わらない!

 だが俺が動かねば他のヒツジが犠牲になる。
 今はがんばるんだ、俺!!


「リアップ!!」

 モコモコ モコモコ
 シゲキの毛が増えた


「じゃあ、刈りますね」


 ザッザッ
 リーパはシゲキの羊毛を刈った


「あっ」


 ザクッ!
 シゲキは3のダメージ


「いてっ!! リーパ、また失敗しただろう!?」

 リーパのバリカンが俺の腹を抉った。
 いてー、出血してるじゃねえか!

 俺は日本のテレビをあまり見ないので知らないが、海外の羊毛刈りってけっこう失敗してる。
 羊毛が血に染まっていることなんて当たり前レベルで、いつも失敗している。
 あれでいいのだろうかと毎回思うのだが…

「心外です。失敗は初めてです」
「前もやったじゃんか! 認めろよ!」

 なんか、そのあたりは本当にぷるんに似てきたよな。
 ぷるんがいないはずなのに、同じような展開になっているのがやばい。


「リアップ!」
 ザクッ ガス!

「リアップ!」
 ザクッ ガス!

「リアップ!」
 ザクッ ガス!

「リアップ!」
 ザクッ ガス!


「ふー、こんなところで大丈夫です。他のヒツジの分もありますから」

 俺の年齢が生後20分になってるぅううううう!!
 しかも血まみれだよ、俺!

 これ以上は無理!!
 また死んじゃうから!!!
 やりすぎ! やらせすぎ!!
 無限だと思ってやらせすぎ!!

「あっ、シゲキさんの角が小さくなってますね」

 嘘だろぉおおおおお!!
 やめろよ! 確実にすり減ってるじゃねえか!
 俺の魂がすり減ってるぅううううう!!!

「じゃあ、私は加工をしておきますので、シゲキさんは他のことをお願いします」
「俺は何をすればいいんだ?」

 家畜は集めた。
 お金はあまりないが、一応資産だよな。

 羊毛を加工しておけば多少は売り物になるだろうし。
 あとは何だ?

「そうですね。ヒツジは欲しいですが、そんなにすぐには増えませんし…。やっぱりすぐにお金になるのはモンスターでしょうか」

 そうなんだよな…。
 それは俺もわかっているんだが、いかんせん弱い。
 クマーが出てきたら終わりだしな。

「シゲキさん、逃げるコマンド使ってます? 逃げられますよ」
「え? 逃げられるの?」
「はい。いつでも逃げられますよ」
「え? え? でも、今までは一回も…」
「ぷるんさんが、逃げなかったからです。選択権がリーダーにあるんですよ」

 本当かよぉおおおおおおお!!
 あいつ、全部戦うコマンドやっていたのかよ!!

 ドラクエでもあるよな。
 最初に戦うか逃げるかの選択。
 全部ボタン連打してやがった! どんだけ好戦的なんだよ!

「ヒツジはけっこう素早いですから、ビビルン相手なら逃げられるはずです」

 援軍を呼ばれる前に逃げればいいのか。
 それならなんとかなりそうだな。

「それにヒツジがリーダーだとヒツジをパーティーに入れることができるんです。二人までですけど」

 なんだ、そのシステム。
 弱いヒツジだから群れてもいいってことか?

「じゃあ、うちの牧場で一番強いやつを仲間に入れてくれよ」

 仲間がいれば心強い!
 ヒツジだって集団ならやれるはずだ!
 なにせ俺が率いるヒツジだもんな!

「バズーが一番強かったのですが…」
「そのへん、もっと考えようよ!!!」

 リーパの判断基準が恐ろしい。
 商品になりそうなものは即解体。
 もう完全に金の亡者的キャラになってるぅぅうう!

「あとは、パンとライスですね。連れてきます」

 なんか名前が美味しそうだが、大丈夫か?
 本当に大丈夫か?

「はーはー、あんパンうめー。ふへへ」
「あの僕、僕…お米食べて強くなります!」

 変なのきたーーーーーー!!
 やっぱり変なの選んできた!!
 つーか一匹目のやつ、完全にラリッてやがるじゃねえか!!
 名前の由来がもう適当すぎる!!

「パンはトルエン中毒なので売り物にはちょっと…」

 イソップかよ!!
 しかも、やっぱり選んだ基準がそれだった!
 いらないやつを体よく処分しようとしていたな!

「僕、が、がんばります!」
「あっ、ライスは…もうすぐ死にますから、遠慮なく使ってください」

 なにそれぇえええええ!?
 どういう説明なの!?
 どうして間が空いたんだよ!?
 病気なの!? 何かの病なの!?

「だ、大丈夫です。お米食べれば、三分は、だ、大丈夫です!」

 全然大丈夫そうじゃねええええええ!!
 なんだよ、このメンバー構成!
 俺がまともに見えてくるじゃねえか!!

「じゃあ、ガルドッグを一匹捕獲してきてください。牧羊犬にします」
「え? 捕まえられるの?」
「はい。それなりに準備が必要ですが、罠にかければ捕まえられます」

 なんだか、ぷるんがいかに戦闘特化だったかわかるな。
 あいつはまったくそんな説明をしなかった。

 殺し、素材を奪うこと以外は教わっていない。
 まさにザ・キラーという感じだ。

「それじゃ、頼みますね。それ以外のモンスターは素材も狙ってください」


 そんなリーパの無茶ぶりに困惑しながら、俺たちは旅立った。

 まずはアイアムタウンに行って準備を整えよう。
 罠と捕獲麻酔玉を買うんだ。

 だが、そんな俺たちの前に最初の難関が立ちふさがった。


 ビビルンAが現れた
 ビビルンBが現れた


「さっそく来やがった! お前たち、逃げるぞ!」


 シゲキは逃げた。
 ライスは逃げた。

 だが、パンは逃げられない。


「パン、どうした!!」
「兄貴…。足がふらついて…。何か目眩もして…」

 ラリッてるからだよ!!
 もうちゃんと歩くことすら困難じゃねえか!!


 ビビルンAの攻撃

 シュババ
 トゲを飛ばした

 ブスッ
 パンは4のダメージ

 パンは倒れた


「パーーーーン!!」
「兄貴…。ここはおれっちに任せて…早く!!」
「パン、お前…!」
「おれっち半端もんだけど、せめてこれくらいは…!」


 ビビルンBの攻撃
 シュババ
 トゲを飛ばした

 ブスッ
 パンは4のダメージ

 パンは虫の息だ


 こんなメッセージ初めて見たよ!!
 って、助けないと!!

「いいんだ。兄貴はこんなところでつまずいちゃいけない。兄貴の夢をおれっちたちに見せてくれよ…」
「パン…」
「シゲキさん、い、行きましょう! パンさんの願いを無駄にしちゃいけません」


 ビビルンAは捕食を開始

 どろどろ
 溶解液を出した

 パンの身体が溶けていく!


「パーーーーーーーン!」


 シゲキは逃げた
 ライスは逃げた


「へへ、おれっちだって簡単に喰われてたまるかぁああああああ!」


 パンは笑った

 バンッ
 パンは自爆した

 ビビルンAは死んだ
 ビビルンBは死んだ




 俺たちは、パンを見捨てた。
 そうしないと街にたどり着くことすらできなかったんだ。

「仕方ないです。パンさんだけが遅れていたんですから…」

 ライスの言葉は、けっして薄情ではない。
 これが動物たちの現実なんだ。
 誰かを犠牲にして先に進まねばならないんだ。

 くそっ!何がリーダーだ!
 仲間一人守れないで、何が…!

 アイアムタウンで罠と捕獲麻酔玉を仕入れた。
 もうこれで失敗なんてできない状態に陥った。
 犠牲が出た以上、成功させるんだ。

 その後、俺たちはサンドシャーク討伐の時に野営した場所に来ていた。
 ここはガルドッグの生息地。
 やつらの溜まり場だ。
 そこで罠を仕掛ける。

「ライス、お前は死ぬなよ。大切な仲間だ」
「シゲキさん…。でも、僕はこんなに貧弱で役立たずで…」

 ライスの身体は、異様にやせ細っていた。
 栄養が足りないわけじゃない。

 たくさん食べても太らないのだ。
 だから家畜としてはあまり価値がない。

「言ったのか?」
「え?」
「ジョナスンはそう言ったか? お前が役立たずだって」
「…いいえ。あの人は、僕を助けてくれました。馬鹿にもしなかった」
「なら、自信を持てよ。お前は立派なヒツジになれる。信じろ」
「…はい」

 そうして罠を仕掛けて待つこと三時間。
 すでにあたりは真っ暗になっていたそんな時分。


 ガルドッグAが現れた
 ガルドッグは餌を見ている

 迷っているようだ


 おっ、やってきたな。
 罠は人間が使う鉄の箱みたいなやつじゃなくて、餌の下にシビレ罠を隠してある。
 餌を食べようと足を踏み入れれば、電気ショックで麻痺って仕組みだ。
 そこに麻酔玉を投げて眠らせるんだ。


 ガルドッグAは餌に噛みついた

 ビリリ

 ガルドッグAは感電した


「来た! ライス、今だ!」
「……」
「ライス、どうした! 早く麻酔玉を!」
「シゲキさん…僕は…」


 シゲキはライスを見た

 ライスはガルドッグBに噛みつかれている
 大量出血
 3のダメージ
 2のダメージ


「ライスぅうううううう!!」

 どうして気がつかなかったんだ。
 ガルドッグ「A」って書いてあったじゃないか。

 一匹だったら、わざわざAなんて書かない。
 もう一匹がいたんだ…!!

「待ってろ、今助ける!!」
「僕はもう助かりません! だから早く麻酔玉を…!」
「仲間を見捨てられるか!」


「何のためにここに来たんですかぁああああ!」


 それはライスの初めての絶叫だった。
 いつも身体が弱く、仲間からいじめられていた彼が、初めて叫んだ【声】だった。

 その声に逆らうことなんてできない。
 俺は反転して、麻痺しているガルドッグに麻酔玉を投げつけた。


 シゲキはガルドッグAに麻酔玉を投げた

 ガルドッグAは眠った


「ライス…」

 振り返った俺が見たものは、ただの血溜まり。
 ガルドッグBは、仕留めた獲物(ライス)を引きずって消えてしまった。

 もう追っても無駄だろう。
 この先はきっと、やつらの仲間で溢れているはずだ。




「ちくしょう…」




 俺はそう呟くしかなかった。





「シゲキさん、お帰りなさい」
「…ああ」

 リーパは気持ちよく出迎えてくれたが、俺はそんな気分じゃない。
 たった一匹のガルドッグを捕まえるために、俺は二人も仲間を失ったんだ。

 なあ、ぷるん。
 俺たちが来た異世界ってのは、こんなにも厳しい場所だったのかよ。
 俺は小説が今後どうなっていくのか心配だ。



「大丈夫です。これ全部ギャグですから」



 ギャグとか言うなよぉおおおおおおおお!!
 「あは、また死んだw」とか笑えるかぁああ!


「ギャグじゃない! 俺たちはお前たちの玩具じゃない! 俺たちは生きているんだぁああああああ!」



 シゲキは怒った






 ボンッ








 シゲキは憤死した









 憤死!?




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