『覇王アンシュラオンの異世界スレイブサーガ』 (旧名:欠番覇王の異世界スレイブサーガ)

園島義船(ぷるっと企画)

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『翠清山の激闘』編

214話 「緊急招集 その4『ハピ・クジュネの思惑』」

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「せ、千二百万…大金だな」

「そんな額、見たこともねぇぞ…」

「い、家とかも買えちゃうんじゃないのか? なぁ、そうだよな?」

「ま、まあ、小さな家ならな。ハピ・クジュネでなくても、違う街なら土地も余ってるだろうし…それこそ辺境のグラス・ギースでもいいんじゃね?」

「念願の一戸建てか…憧れるな」


 以前アンシュラオンが倒した第四級の根絶級魔獣のハブスモーキーが、一体あたり百万円の報奨金だったので、素材を含めなければちょうど十二体分となる。

 しかし、ラブヘイアのようなブルーハンターでさえ、根絶級一体を倒すのに数日かけて追い込むことも珍しくはなく、場合によっては返り討ちに遭う可能性もある。

 サナが倒したデスガーマリンも同じ根絶級だが、攻撃力だけならば討滅級に匹敵するため、世間一般のハンターが根絶級魔獣を倒すのはかなり大変なのだ。

 仮に敗北した場合、そこで死ぬのならばまだよいが、重度の後遺症が残って日常生活すら困難になれば、まさに路上生活をするしかない。家族がいれば迷惑をかけてしまうだろう。

 よって、下位の者たちは細々と弱い魔獣を狙ったり、警備の仕事をして月四万か五万程度を稼いで無難に暮らす者が多いのが実情だ。

 それが、二百万円。

 ただ参加の意思を表明して山に行くだけで、およそ四年分の収入を得ることができるのである。

 そして、成功すれば追加で一千万円だ。一般人ではまずお目にかかることは不可能な額だろう。

 だが、驚くべき発表は、まだ続く。


「作戦にはもちろん、我々【ハピ・クジュネの正規軍】も参加します。私と次兄ハイザクの軍は、ほぼ全軍参加の予定です。全面攻勢のメリットは、我々も全兵力を投入できる点にあるのです。守りではなく攻撃にすべての力を集中させ、一気に制圧します! 今回の募集は、それを可能にするために行われているのです」


 傭兵たちの不安を取り除くために、ここでスザクが追い討ちの情報を与える。

 この戦いに勝利すれば翠清山の資源が手に入るので、ハピ・クジュネは支出分以上の収益を得ることができるのだろうが、それでも正規軍を大量投入するのは防衛上、相当なリスクを伴うはずだ。

 面倒なことは他者に任せず、あくまで自分たちが先頭に立つ。これこそクジュネ家の訓えそのものといえる。


「マジかよ。ハイザクの第二海軍は、八千人はいたはずだぞ。しかも突撃軍だろう? 全員が武勇に秀でたガチの精兵じゃないか」

「あのマッチョの軍団だろう? ヤバイよな。腕相撲したら絶対負けそうだぜ」

「スザクの軍は何人だ?」

「遊撃予備の第三海軍だったか? 四千人くらいはいたんじゃないか? たまにそこらで演習をやっているのを見かけるぞ」

「いや、噂によると、ハピ・ヤック防衛の褒賞として増員するらしい。訓練兵を正規兵に昇格させるってよ」

「そんな弱兵で役立つのか? ただの数合わせじゃねえか」

「お前、海兵の訓練を見たことがあるのか? 七十二時間耐久訓練なんて当たり前だぞ。あんな地獄の中で生きていたら、どんなやつだって強くなるさ。最低でも全員がレッドハンターだと思ったほうがいいぜ」

「そ、そんなに強いのかよ、海軍は」

「そりゃ軍隊だからな。民間の組織とは質が違うぜ。ただ、いきなり全員を実戦には投入しないだろう。よくて千か二千増員だな」

「だが、それだけでも二軍合わせて一万五千に迫る人数だ。こいつはやばいな。他の都市からも派遣されたら、間違いなく二万は超えるぞ」

「俺たち自身も忘れるなよ。そこにさらに一万プラスだぞ」

「おいおい、南部の戦いじゃないんだ。北部で三万規模の作戦かよ。すげぇな」

「それだけ本気だってことだろう? さすがハピ・クジュネだな。やることがでかい」

「上手くいけば、かなりの稼ぎになるぞ!」

「ああ、俺たちだけが命を張るわけじゃない。リスクも分散できるしな。やるしかないぜ、こりゃ」


 一気に場は熱量を上げ、色めき立つ。

 これだけ大きな作戦が開始されれば、他の依頼は一時的に停止されるだろう。もし参加しないのならば、指を咥えて見ているだけとなる。

 それはそれで安全は確約されるが、今までと変わらない貧相な生活が待っているだけだ。

 戦いを生業としている以上、誰もが一攫千金を夢見ているはずだ。彼らからは次々と前向きな言葉が出てくる。


(演説は成功したようだな。ガイゾックの登場で機先を制し、誰もが驚いている間にスザクが場を掌握した。丁寧で誠実で、どこか甘ったるいあいつの雰囲気に浸されて、すっかりその気にさせられている。オレもライザックに後ろに引っ込んでいろと言った手前、少しヒヤヒヤしていたもんだが杞憂だったな。海賊の子は海賊だ)


 壇上のスザクは余裕の笑みを浮かべているが、内心ではほっと胸を撫で下ろしているだろう。

 彼も日々成長を遂げているようで何よりだ。


「マキさんは、今の演説を聞いてどう思った?」

「そうね…私たちはだいたいの事情を知っているからまだいいけれど、初めて聞く人は相当驚いたに違いないわ。私だっていまだに信じられない気持ちだもの。でも、周りの反応を見ていると誰もが好意的なようね」

「大きな仕事が舞い込んできたわけだからね。興味を引かれるのは当然だよね。もしマキさんが何も知らないハンターだったら、参加したいと思う?」

「どうかしら。たしかに金銭面は魅力的だけれど、強い傭兵やランクが高いハンターにとっては、さほどの金額ではないわよね。そのあたりでまだ説得が足りないような気もするわ。ただ、北部全体が活性化するという言葉には、心にぐっとくるものはあったわね。南部を含めた大きな情勢変化は、けっして他人事じゃないもの。誰もが不安に思っていることをあえて挙げて、それを打開する策を提示したのはすごいわ」

「なるほど、北部出身者には効果的なアピールだったんだね。傭兵経験の長いゲイルの意見は?」

「こんなスケールのでかい話は初めて聞いたからな。今すぐにどうこう言えることじゃないが、少なくとも嘘は言っていないようだぜ。ハピ・クジュネが長年の間、魔獣の調査を続けていたのは事実だろうよ。そういう依頼がハローワークにもよく出ていたからな。魔獣の異変も最近はよく聞く話だ」

「魔獣の凶暴化ってやつだよね? オレもハビナ・ザマに行く途中で凶暴化したやつを倒したけど、あれって翠清山の魔獣が影響を及ぼしているのかな?」

「魔獣がここまで大胆に動くってことは、そう考えるのが妥当だろうが…断定するには情報が足りないな。海軍のやつら、まだこっちに教えていない重要な情報を持っているはずだ。そりゃ軍事機密だから簡単には話せないんだろうが、周りの連中はそれを含めて見極めている最中なのさ」


 多くの者は好意的に捉えているが、経験ある傭兵たちは疑う大切さを知っている。さまざまな状況を想定して損得勘定をしている様子がうかがえた。

 スザクもそれを理解しているため、あえて何も言わずに彼らの議論を見守っているのだ。


「オレはずっと単独で行動していたから、ぶっちゃけて訊いちゃうけどさ、こんな烏合の衆に価値があるのかな? 正直、千二百万の価値もなさそうな役立たずのほうが多いよね。そんなに数が必要?」

「ははは、兄弟は容赦ないな。だが、その通りだ。ベテランの傭兵ならばともかく、駆け出しの連中は海兵の訓練生と大差ないだろう。ただし、海軍はやっぱり海軍だ。山での戦いは専門じゃない。普段から山や森で活動しているハンターたちの知恵と経験は欲しいだろうよ」

「ああ、そっか。普通に盗賊たちと戦えていたから忘れてたよ。主戦場は海だもんね」

「数自体にも意味はあるぜ。ハピ・クジュネが数をそろえるだけで、他の都市も安心して人員を出しやすくなる。それに、できれば『ハピ・クジュネだけで事を成し得たい』んだろうよ。各都市合同とは言っちゃいるが、実質的に使える軍を持っているのはグラス・ギースかハピ・クジュネだけだ。ここで大きな予算を投入して格の違いを見せつけることで、他の都市への支配力をさらに増そうって魂胆さ。今のうちから傭兵連中を囲い込みたいのさ」

「そっちの思惑もあるのか。ハピ・クジュネを傭兵とハンターたちの拠点にしちゃうってことだよね」

「今でも最大の拠点ではあるが、あの山脈が制圧できれば魔獣の脅威は減る。そうなるとハンターたちは魔獣が多いグラス・ギース側に集まることになるだろうぜ。それを阻止したいんだ。行くのは止められないが、あくまで俺みたいなハピ・クジュネからの出向にしておきたいのさ」

「すでに制圧後のことも考えて、か。ライザックらしいよ」


 これは合同を謳いながらも、実質的にハピ・クジュネが独り勝ちするための戦略であるようだ。

 相変わらずライザックは、えげつないことを考えるものである。


「となると、グラス・ギースが出す戦力が問題になるよね。というかハピ・クジュネだけで三万を超える軍を作ったら、あんな都市じゃ太刀打ちできないんじゃないの? そもそも相手にする必要ある?」

「よそから見ればそうかもしれないが、ハピ・クジュネにはグラス・ギースへの【コンプレックス】があるんだよ」

「あんな都市に劣等感を抱くものなの? いいところなんてまったくなかったよ?」

「さっきスザクが『古都』って言っていただろう? あれは【昔の首都】っていう意味でもあるのさ。出来た当初のハピ・クジュネはほんの小さな港町だったが、『大災厄』後にグラス・ギースが一度崩壊して、逃げ延びた人々を受け入れたことで急速に発展していった歴史があるんだ。もともとの盟主はグラス・ギースだったのさ」

「ああ、それはちょっと聞いたかも。でも、今はハピ・クジュネのほうが上なんだよね? 昔の話なんてどうでもいいのにね」

「はは、そうもいかないのが『血』ってやつなんだろうぜ。クジュネ家の連中は海賊であることを強調しているが、それもまた過去から連なってきた歴史だ。長い歴史を持つグラス・ギースを無視はできないのさ」

「だからガイゾックたちは、これを機会にどっちが上かをはっきりさせようと思っているんだね」

「そういうこったな。役立たずでもいいから手に入れて、数で威圧したいのさ」

「じゃあ、グラス・ギースはもう終わりだね。このまま主導権を握られて、じわじわと衰退して滅亡だ」

「領主の娘まで派遣したんだ。それなりに本気なんだろうが…こちらに回した兵が傭兵団を含めて八百程度みたいだしな。さすがにお話にならないぜ。しかもあのグランハムの様子だと、本格的に戦闘に参加するつもりはなさそうだぜ。たぶんあのお嬢様の護衛役で来ただけさ」

「そっか。だからあんなに他人事みたいな態度なんだね。最初から勝つつもりはないのか。よかった。安心したよ」

「兄弟はグラス・ギースに恨みでもあるのか?」

「ちょっとした因縁がね。今は完全にハピ・クジュネ側だよ」

「兄弟みたいな貴重なホワイトハンターを逃すなんてよ、グラス・ギースももったいないことをしたよな。まあ、一度逃した魚はもう戻らないもんだ。グラス・ギース方面からどれだけ出すかで制圧後の分け前も変わってくると思うが、どっちにしろ主役はハピ・クジュネ軍だろう。傭兵団は、その補佐にすぎねぇな」

「ゲイルは参加するの?」

「正直、まだ迷っている。乗りたくなる話ではあるが、翠清山の状況がわからない以上は迂闊には参加できねぇ。翠清山を今まで制圧できなかったのは魔獣が強いからだ。まさに命がけになる」

「スザクが言った戦力で勝てると思う?」

「わからねぇ。俺はかなり厳しいと思うぜ。勝てたとしても半数は死ぬな」

「半数か…厳しいね。そもそも山を制圧ってどうやるの? どうすれば制圧したことになるんだろう?」

「そこはハンターの兄弟のほうが詳しいんじゃないのか? 要するに魔獣の支配力を弱めて、人間の邪魔をさせなければいいって話さ」

「それくらいでいいなら、単純に考えて群れのボスの撃破かな。それと次のボスを弱体化させるために、群れ全体へのある程度のダメージも必要そうだ。追いやる場所も重要になる」

「そのあたりはハピ・クジュネ側が調整するだろうよ。問題はさっき門番さんが言ったように、ランクの高い連中をどう引き込むかだな」


 周囲を見回すと、ランクが低そうな傭兵たちのほうが乗り気だ。

 大きな作戦ということで沸き上がって、現実が見えていない者も多いだろう。

 そこでさらにスザクが動く。


「各人に対する報奨金は、今述べた通りの合計1200万です。ですが、命をかけていただく対価としては、それだけでは足りないでしょう。戦場にて著しい戦果を挙げた方には、ハピ・クジュネの『一等市民権』と『土地』、それと『海軍での部隊長以上の地位』をお約束いたします。海軍はさらに規模を拡張させる予定です。今では【第四海軍の設立】も視野に入れているのです!」


 とどめの一撃が、傭兵たちの心を激しく揺さぶる。

 傭兵稼業はけっして楽なものではない。何の保障もなく、怪我をすれば自己負担であることも多い厳しい職種だ。

 本当は誰もが安定した生活を欲しているが、軍隊に入ると一番下からのスタートとなり、一定の実績を持っている傭兵からするとプライドが許さない。

 だが、ハピ・クジュネの海軍における部隊長は、リンウートを見ればわかるが、およそ五十人から八十人規模の隊長であり、他の軍でいえば尉官以上は確定のエリートコースになる。

 今後の南部との争いも考慮しての発言であるが、ゲイルが言ったように、これによって傭兵やハンターたちの取り込みを考えていることがわかる。

 そして、それが傭兵たちの要望と合致していく。


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