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「海賊たちの凱歌 後編」

194話 「海鷲と不死鳥 その1」

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 それから三日後の夜。

 アンシュラオンとサナが港に到着すると、アルが待っていた。


「よく来たネ。準備はいいアルか?」

「準備といっても着の身着のままだけどな。心の準備はできているよ」


 マキは家の警備のために置いてきたので、一緒に来たのはサナだけだ。

 交渉結果によっては逃げねばならない事態に陥る可能性もあるため、できるだけ身軽なほうがいいという判断からだ。


「で、ライザックはどこにいるんだ?」

「すぐ目の前ネ。あっちの港、その『船の中』アル」

「たしか領主は船に住んでいるんだよな。ライザックが船にいるのも当然か」

「軍人だからネ。そのほうがすべてにおいて楽アル。スザクは陸地で活動することが多いけど、他の三人は船暮らしヨ。会おうと思っても、なかなか捕まえられないネ」

「だから三日かかったのか。納得だ」

「しかもライザックたちがどこに停泊するかは、その時々によって違うアル。公開もされないし、いちいち教えることもないネ」

「よくそれで都市の管理ができているもんだ。それだけ優秀な部下がいるのかな。それよりも場所を突き止めるアル先生のほうがすごいのか」

「裏の業界には知り合いが多いからネ。一日中張っている情報屋もいるくらいアル。じゃあ、さっそく行くヨ」


 アルと一緒に港に移動する。

 そこはハピ・クジュネにいくつもある軍港の一つであり、大きな軍船が至る所に並んでいた。

 海兵たちも普通にいるが、アンシュラオンが歩いていても気にしたそぶりはない。


「一般人の立ち入りは規制されないんだな」

「これだけの海兵がいるからネ。暴れてもすぐに取り押さえる自信があるアル。そもそも船は各船員が責任を持って守るのが決まりヨ。それができないやつに海兵は務まらないネ。もし死んでも自業自得で放置されるアル」

「そのあたりは海賊らしいな。厳しいもんだ。しかし軍船か。こうして間近で見ると壮観だよ。ハピ・クジュネの軍事力はかなりのものだよな」

「数だけはネ」

「棘のある言い方だな。実際に海兵が戦うところも見たけど、グラス・ギースと比べると悪くなかったぞ?」

「それは比べる相手が違うヨ。ハピ・クジュネが見ているのは、北じゃなくて南アル。南と比べると全然足りないネ」

「それはそうかもしれないが、キリがないだろう?」

「ライザックの行動原理を見極めるには、大局を見る目が必要ヨ。都市の存続を第一に考える男アル」

「統治者としては当然だが…それができていないところも多いか。グラス・ギースとか最悪だったもんな」

「立場がある人間は、ミーたちとは違う景色を見ているアル。さて、ライザックの船はあれネ」


 アルの視線の先には、巨大な船があった。

 大きさは三百メートル以上はあり、豪華客船のような造りになっている大型軍船だ。

 外の装甲も金属で覆われており、そこらの銃弾程度ではびくともしない堅牢さを誇っている。強度を維持しつつ浮かぶために、いくつか補助エンジンのようなものも見えた。

 その中で一番目を引くのは『主砲』だろうか。


「あの主砲、すごいな」

「戦艦のものを強引に取り付けたらしいヨ。旧型の戦艦は西側からけっこう流れてくるアルが、そのまま使うにはボロいし、ああやって使える部品だけ拾うネ」

「まるで闇市場だ。ジャンク品で作った船だと思うと、それはそれですごいな」

「でも、これが現実アル。これだけ豊かで強い海兵もいるけど、数も質も西側勢力には敵わないヨ」


(ダビアのクルマを破壊した戦艦と比べると、たしかに弱そうだな。南に目を向けろ…か。これだけの軍備があっても全体的には弱小勢力なのか。火怨山から来たオレからすると、すべてが南なんだけどね)


「一応、領主のガイゾックが使っているものは、海底遺跡から発掘した特殊戦艦だけどネ。使えるのはせいぜいそれくらいアル」

「スザクの武具も海底遺跡から発掘したとか言っていたな。その遺跡ってのは、そんなに良いものがあるのか?」

「過去にいろいろな文明があったアルが、主に使えそうなものは『旧文明』のものネ。一万年以上前に存在したといわれているけど、真偽は不明ヨ。ただ、実際に物は存在するから使っているだけアル」

「まあ、そんなもんだよな。考古学者じゃない限り、誰も興味ないだろうし。それで、どうやって忍び込む? 海側から侵入するのか?」

「そんな必要はないアル。『受付』に行くネ」

「受付?」

「こっちヨ」

「おい、待てって。…ったく、相変わらず説明が足りないんだよなぁ」


 秘密裏に船に潜入するのかと思いきや、アルが平然と真正面から船に近寄っていくので、仕方なくアンシュラオンもついていく。

 そして、停泊している船の前にいた衛兵に直接話しかける。


「これからライザックを【殺しに行く】ネ。よろしく頼むアル」

「了解した」


 衛兵はタラップを上がって船に乗り込むと、上にいた海兵に何か話している。

 すると、手続きが終わったのか手招きしてくれた。

 言う側もおかしいが、相手も事務的に対応していることに違和感が半端ない。


「おいおい、殺すってなんだ? そもそも向こうの反応もおかしい気もするが…普通は警戒したり拘束したりするだろうに」

「特におかしいことじゃないアル。ライザックは【暗殺を容認】しているヨ」

「容認? 本人が許可を出しているのか?」

「あの男は力無き者の言葉は聞かないネ。だから文句があるなら暗殺してみろといつも言っているアル。べつに行くことを教えなくてもいいアルが、ミーはいつもこうしているネ。このほうが早いヨ」

「いつもということは、何度も行っているのか?」

「そういうことアル。ライザックの殺しの依頼はけっこうあるヨ」

「随分と豪胆なやつだな。だが、じいさんが仕損じているのならば、それだけ腕に自信があるってことか」

「そのあたりは見てのお楽しみネ」

「交渉に来たはずなのに、なんだか変なことになってきたな…」




  ∞†∞†∞




 アンシュラオンたちが受付をする一時間前。

 軍船の中央部分にある大きな一室に『二人の男』がいた。

 部屋は質素だが上質な木材で造られているため、何もしなくても高級感が滲み出ている。

 設置された家具も同様に見た目よりも中身が重視されており、簡素ながらも素材の良さが際立つものばかりだ。

 それはこの男の性質を色濃く示していた。

 深い海色の髪の毛を短く刈り上げ、ポマードでガチガチのオールバック。均整が取れた長身の身体はよく鍛えられており、コートの上からでも筋肉の膨らみがわかるほどだ。

 顔はハンサムだが、常に表情がやや険しいために怒っているように見えるかもしれない。

 服は海兵が身に付けている軍服と変わらないが、胸の部分には船の帆にも描かれている公式エンブレムのドクロマークが刺繍されていた。

 全身から自信と気迫が満ち溢れた三十歳前の男。

 この人物こそ、ハピ・クジュネ領主の長男、ライザック・クジュネである。


「こうして二人で会うのも久しいな」

「お互いに忙しい立場ですしねぇ」

「お前はもっと会いに来られるはずだぞ。どうせ『自由貿易郡』への通り道なのだ。遠慮なく訪ねればいい」

「あなたが船で移動しているせいですよ。居場所が特定しづらいのです」

「それも俺に会うための条件だ。お前ほどの男ならば、すぐに見つけられるだろう。横着するな」

「海は苦手でしてねぇ。吸い込まれそうで怖くなります」

「海の良さがわからんとは、つまらない男だ。死んだら海に落ちればいい。埋葬の必要もないぞ。勝手に海が処理してくれる。これほど便利なものはない」

「どうにもその感覚だけは理解しかねますよ。あなたは海が好きなのか、単に道具として便利だから好きなのか、どちらなのですかねぇ」

「両方に決まっているだろう。合理的だぞ、海は。それがいい」

「あなたらしいですね」

「まあ、酒でも飲んでいけ。いいウォッカが入っている」

「それ、海賊たちが好きなのは知っていますが、アルコールが強すぎるんですよ」

「だらしないやつめ。強い酒が飲めないやつは嫌われるぞ。さぁ、飲め」


 ライザックがなみなみとコップに酒を注ぎ、その男の前に差し出す。

 男は苦笑しながらも受け取り、一気に飲み干した。


「ははは、いい飲みっぷりだな。何本もあるから遠慮しないで飲み干していいぞ」

「今、猛烈に喉が焼けているところですよ。やはり身体に悪いのでは?」

「それがいいのではないか。嫌いではないだろう? 熱いのは」

「否定はしませんがね」


 その男は若干痩せ型の中肉中背であり、ライザックのように臙脂色のスーツから筋肉が浮き出ることはないが、その立ち振る舞いからかなり鍛錬している様子がうかがえる。

 何よりも白茶のふんわりとした髪の毛と整った顔立ちは美麗で、女性が憧れる貴公子そのものであった。

 しかし、おそらく女性がその青い目を見たら好奇心よりも―――


―――怖い


 と思うはずだ。

 常に何かを狙っている猛禽類のような鋭い瞳が、見る者の心を乱暴に射抜いてしまうのだ。

 ただでさえ威圧感の強いライザックとこの男が並ぶと、誰も近寄れない雰囲気を醸し出してしまう。

 だがそれは逆に、両者が似たもの同士であることを示してもいた。


「ハピ・クジュネは、いつ来てもよい都市ですね。活気があり、経済も順調です。南側からも積極的に人を受け入れているので、人口も日々増加傾向にあります。そのわりに治安も悪くない。マフィアをしっかり制御できている証です」

「俺たちそのものがマフィアのようなものだからな。海賊がギャングを怖れるわけがない。徹底的に力で捻じ伏せればよいだけだ。あとはそれなりに利益を与えれば、勝手に付き従うものだ」

「力だけでは駄目です。あなたにそれだけのリーダーシップがあることが重要なのです。うちではそうもいきませんからね。羨ましいですよ」

「グラス・ギースは相変わらずか?」

「ええ、まあ。変わらないことが取り柄ともいえますが、これでは単なる停滞でしかありません。新しいものを受け入れる土壌がないのです」

「あそこの統治形態は複雑だからな。領主がいなくても機能するシステムは安定するかもしれんが、トップダウンではない以上、対応が遅くなるのは当然だ。だから領主がお飾りになる」

「すべてが打算と妥協によって成り立っていますからねぇ。それで成り立つのならばよいのですが、事業は衰退していくばかりで新規雇用にも限界があります。古くからの既得利権が邪魔をしているのです」

「それも仕方なかろう。人間は一度旨みを知ってしまえば簡単には忘れられん。わざわざ手放す馬鹿はいないさ。ならば叩くしかない。どっちが上かはっきりと教えるしかない。破壊だ。破壊だけがすべてを正す! 俺を見習うのだな」

「簡単に言ってくれるものですねぇ。力ずくでできないから困っているのですよ。この都市には劣るとはいえ、まだまだグラス・ギースは大きな都市です。抵抗勢力のほうが大きい…いえ、私自身が小さな抵抗勢力でしかありません。さすがに勝ち目などありませんねぇ」

「そのわりに楽しそうに笑うものだ。敵が大きいほうが燃えるか?」

「付け入る隙がないわけではありませんからね。可能性がゼロでないのならば諦めはしませんよ。わずかな綻びから火が生まれれば、そこから…とは考えています」

「ソブカ、うちに来ないか。お前ならば俺の代わりに経済をすべて任せてもいい。それならば俺も統治に専念できる。外に手を回す余裕もできるはずだ。オヤジも喜ぶ」

「ライザック、その話は何度も断っているはずですよ」

「なぜだ。グラス・ギースに不満があるのならば離れてしまえばいい。人間は己の能力をもっとも高く評価してくれる者に敬意を払うべきだぞ。つまりは俺だ。俺以上にお前を評価している男がほかにいるのか? いないだろう? では、俺で決まりだ」

「ふっ、あなたも変わらず強引ですね。ですが、私はグラス・ギースを離れるつもりはありませんよ」

「なぜお前ほどの男が『血』に縛られねばならない。ラングラスに富を与えているのはお前ではないのか? そんなお前が『分家』というだけで蔑ろにされ、搾取される。俺には理解できんな。グラス・ギースは考えが古すぎるのだ」

「あなただって血筋で今の地位にとどまっているのでは? 領主の息子でなければ、こんな軍船は簡単に手に入らないでしょう」

「うちのオヤジがタダでくれるわけがないだろう。この船も人員も自らの力で勝ち取ったものだ。俺が見つけ、俺が鍛えて手に入れたものだ」


 この軍船には屈強な海兵が何百人も乗っているが、すべてライザック自らが勧誘した者たちだ。

 時には殴り合いで勝ち、あるいは議論で説き伏せ、飲み屋でたまたま出会った者を口説き、稀にギャンブルで勝って組み入れる。

 常に力ある者を認め、自ら血と汗を流して得た自慢の部下たちである。

 だからこそ、強い。

 ライザック親衛隊『ファルコ・ルーシ〈舞い降りる海鷲〉』は、数こそ他の海軍に劣るものの、各人が最低でもシンテツやバンテツと同階級の武人で構成されている。

 その誰もがライザックを信奉しており、絶対の忠誠を誓っていることも強さの要因だ。

 ハピ・クジュネの統治は血筋だけで務まるものではない。自らの力で存在を証明しなくてはならないのだ。


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