10 / 36
魔人 ニケ編
神拓真とニケⅠ
しおりを挟む
『to be continued』
スクリーンに映し出されたその文字に俺は唖然とした。いや、そもそもこの映画(?)の内容そのものに俺はずっと唖然としていた。
俺は今、映画館にいる。何のためにここに来て、映画を観ているのか、それすらも分からない。ただ、異様な状況ということは分かる。観客が俺以外にいない。そして、持っているスマホも圏外となっている。
結局、出口を探すも見当たらず、上映開始のブザーが鳴り響き、仕方なく、映画を観ることにしたのだった。
「全くもって意味が分からない。だけど……」
映画の中に登場した人物に知っている奴がいた。一人は、この映画の主人公だった『ニケ』と呼ばれる可愛い女の子。この子が受けていた仕打ちは見ていられないものだった。もう一人は、神島と呼ばれる神様。コイツのクズ具合には本当に腹が立つ。だが、俺は二人をなぜ知っているのか分からなかった。
「あと……」
この映画の終盤に、神島がニケに対して、『ある青年』を殺すように命じられていた。ニケは結局、その青年を守るために嘘をついて『人間界』に向かうが、神島もその青年を殺すために『人間界』に向かっていった。
映画の内容の中枢を担うその青年……それは、『俺』だった。
「マジで訳わかんねー。この後、俺はどうなるんだ? 殺されるのか? ニケが守ってくれるって言っても多分無理だろうなぁ」
認めたくなかった。これは夢なんだ。悪い夢なら覚めろ。……頼むから。
「……死にたくねぇなぁ。……てか、『元』神。アイツが俺の……」
物心ついた時には、施設にいた。自分と同じような子が集まる場所で、もちろん、『親』という存在はいた。でも、自分だけを見ていてくれるわけではない。無意識に、『愛してほしい』という感情は押し殺して生きていた。
だから、引き取り手が見つかったと聞かされた時、とても嬉しかった。やっと自分だけを見てくれる人が出来るんだと。でも、そうじゃなかった。俺を引き取ったのは、『お金』の為だった。結局、俺はまた施設に逆戻りで、その後は施設にいた。
成長するにつれて、自分は『なぜ生きているのか』そんな疑問が生まれた。誰に必要とされているわけでもなく、ただ、生きているだけ。それは、『死んでいる』のと同じではないか。そう考えると、ますます『生きる意味』が見いだせなかった。もちろん、それは今も見つかっていない。
17歳の夏。近所の公民館で『哲学集会』というイベントが行われることを知った。『哲学』なんてこれっぽっちも興味がなかったけど、そのテーマに惹かれた。
『なんのために生きるのか』
「あの集会で出た答えって何だっけ?」
思い出せない。何か大切なことだったような気がする。……こうして、俺は『哲学』に興味を持ち、京都の大学で『哲学』を学ぶことを決意した。
『ブーーーーーーーー』
映画が開始するブザーが鳴り響く。
「は? また始まるのか?」
館内が暗くなり、スクリーンにカウントダウンが始まる。5、4、3、2、1……
『うわーん、うわーん』
スクリーンに、室内で泣くびしょびしょに濡れた女の子が映し出された。……ニケだ。魔人のニケ。そして、この部屋にも見覚えがある。……。俺の……部屋?
『あのー、どちら様?』
ドアが開かれ、カメラがそちらを向く。そこには、黒いメガネをかけた目つきの悪い青年が立っていた……。いや、俺だ。これは俺だ……。
『なんなんですか!!!!!!』
困惑する俺を置いてけぼりにして、映画は進んでいく。
『アナタを神様にするためにここにきました!』
……これはさっきの映画の続きだ。……そして、俺はこれを知っている。知っているぞ。
『とりあえず、分かりやすく、説明してくれないかな? まずは……そう! 君の名前とか!』
スクリーンの中の俺が言う。
『私の名前は、ニケ!』
……か、かわいい。ち、違う! そうじゃない! この後、おれはどうなったんだっけ。
『コンコン、神さーん? コンコン、いるんでしょー?』
新たな登場人物の声に驚く。か、神島だ。そうか、コイツが現れて、俺はニケを……
『ニケ、狭いし、暗いけど、ここに』
クローゼットに押し込んで……
『あのー、えっと、ど、どちら様ですか?』
『おっと、そうかそうか。ワシが先に来てしもうたんか。がははは!』
そうか、ニケが想定していたよりも神島は早く俺のところに来たのか。待て、コイツが来たということは、俺は……
『単刀直入に言うと、お前さんは、人間ではない。そして、』
『? ……!? ……あ……あ……』
『ワシはお前さんを殺しにきた。じゃあな』
俺は……そうだ。コイツに刺されて……。思い出した。全部。
『これで今回の神選も安心や。ほなな』
『Fin』
「はあああああああああああああああああああああああ! 終わりかい!」
待て、待て、待て、待て!
「う、嘘だろ……」
し、死んだのか。俺は。ということは、ここは死後の世界? なんてこった。
絶望で意識が飛びそうになる。倒れこみ、膝をつく。ん? いつのまにか、俺は真っ黒な空間にいた。
そうか。これが『死』か。結局、何もなかったな。俺は何のために生まれてきたのだろうか。
体に力が入らなくなってきた。水の中にいるみたいに、力を入れなくても浮かぶ。もう、上下左右も分からない。……。
真っ黒な闇に俺は包まれた。
……。
どれくらい時間が経ったのだろうか。
考えることを止めると、それすらももう出来なくなってしまいそうで、俺は、常に何かを考えるようにしていた。
三途の川、エンマ大王、天国の極楽浄土。生きていた頃に聞かされたそれらは何もなく、あるのは暗闇のみ。まぁ、『死後の世界は、何もない。暗闇です!』なんて言ったら、それこそ、夢がない。もちろん、一回、死んでから生き返る人なんているわけもなく、それに気づいても伝えられる人がいない……。
あー。声を出すことが出来ないので、こうやっていつまでもいつまでも考えを張り巡らせていた。
……どれくらい経ったのか。もう分からない。最近のブームは、食べたら美味しそうな文房具を考えることだ。
…………『液状のり』とか案外、いけそうだよなぁ。
……。
それは、俺が、消しゴムの調理法を考えている時のことだった。
なんだ? 今まで、ただ浮かんでいただけだった俺の体がどこかに流されている。
近くにある何かとぶつかった。もちろん、周りに何かがあることは気がついていた。だが、何も見えない暗闇の中でそれを確認するのは至難の業だったし、何より、この闇の中では、その何かが近くにあるだけで不思議な安心感があった。
何か音が聞こえる。『音』という概念で合っているのか分からないが、何かが動く音だった。
体が……少し動く。だが、ここから抜け出す力はない。
遠くで何か明かりのようなものが見えた。
力を振り絞り、そっちを向く。
「!?」
ギロチンのようなモノ、いや、大きなギロチンが上下に動いている。そして、その下を、通過していくのが俺たちらしい。
俺たちというのは、あの明かりに照らされて、周りにあるものが分かった故の表現だ。周りにあったのは、想像通り、"死体"だった。俺のように意識はなく、青白い顔で精気はない。そして、あのギロチンはおそらく、俺たちを『処分』するものなのだろう。
ああ、いよいよ終わりか。もう、文房具調理法について考えなくてもいいのか。
流れは思った以上に早い。もうすぐ俺の番だ。
『ガシャン、ガシャン、ガシャン、ガシャン』
そして……俺の真上にギロチンが来て
『ガシャン』
俺は死……?目の前が真っ暗になった。
唇に違和感を感じた。目を開ける、見覚えのある天井がある。いや、待て、その前に……。
目の前に、ニケがいた。いたというよりもいる。ニケが俺にキスをしている。
あまりにも、突然の展開にされるがままにされている。ニケは目をつぶっているせいか、俺が目を開けていることに気がつかない。
「はぁはぁ」
ニケの吐息交じりのキスが、エロい。
どうしたらいいのだろうか。
よく見ると、ニケは泣いていた。それはもうめちゃくちゃに泣いていた。ニケが一旦、顔を離してキスを止める。とっさに俺は目をつぶる。俺は悪いやつだ。
「う、う……。なんで……。死なないで……。お願いだから。死なないで」
そう言うと、また顔を近づけてキスをする。泣いている。……俺の為に泣いている。泣いてくれている。
そう考えると、胸がギュッと締め付けられて、なんとも言えない感情になる。
ニケのキスは優しくて、安心する。温かくて、力が湧いてくる。
「はぁはぁ」
ニケがまた顔を上げる。今度は、がっちりと目を見開いたままにしてみる。
「……なんで。ぐすっ……。ん? うわあああああああああああああああああああああああ」
涙を拭き終わった後に、ニケと目が合った。ニケは驚き、飛び跳ねる。
「い、生き返った! 生き返った! やった!」
子どものように飛び跳ねるニケ。
俺は体を起こす。痛みはない。だが、服についている血があれが現実だったことを物語っている。
「ありがとな、ニケ」
「……う、う……」
ニケが泣いている。
「実はさ、結構前に、目覚めてたんだけどさ、なんか言いづらくて」
にこやかに話しかける。……ニケの様子がおかしい。
「……目覚めてたんですか?」
ニケが下を向いている。照れているのかもしれない。
「いやぁ、それにしても、ニケのキスはエロかったなぁ! はぁはぁって言っ……ぶはぁ」
ニケの右ストレートが飛んできた。
「ばかああああああああああああああああああああ!」
よろめく俺に更にニケがパンチを繰り出す。
殴られる。思わず、身構える。
ん?ニケは俺を抱きしめていた。
「よかった、ほんとによかった……拓真くん」
「……おう」
小柄なニケに抱きしめられながら、俺は泣いた。
スクリーンに映し出されたその文字に俺は唖然とした。いや、そもそもこの映画(?)の内容そのものに俺はずっと唖然としていた。
俺は今、映画館にいる。何のためにここに来て、映画を観ているのか、それすらも分からない。ただ、異様な状況ということは分かる。観客が俺以外にいない。そして、持っているスマホも圏外となっている。
結局、出口を探すも見当たらず、上映開始のブザーが鳴り響き、仕方なく、映画を観ることにしたのだった。
「全くもって意味が分からない。だけど……」
映画の中に登場した人物に知っている奴がいた。一人は、この映画の主人公だった『ニケ』と呼ばれる可愛い女の子。この子が受けていた仕打ちは見ていられないものだった。もう一人は、神島と呼ばれる神様。コイツのクズ具合には本当に腹が立つ。だが、俺は二人をなぜ知っているのか分からなかった。
「あと……」
この映画の終盤に、神島がニケに対して、『ある青年』を殺すように命じられていた。ニケは結局、その青年を守るために嘘をついて『人間界』に向かうが、神島もその青年を殺すために『人間界』に向かっていった。
映画の内容の中枢を担うその青年……それは、『俺』だった。
「マジで訳わかんねー。この後、俺はどうなるんだ? 殺されるのか? ニケが守ってくれるって言っても多分無理だろうなぁ」
認めたくなかった。これは夢なんだ。悪い夢なら覚めろ。……頼むから。
「……死にたくねぇなぁ。……てか、『元』神。アイツが俺の……」
物心ついた時には、施設にいた。自分と同じような子が集まる場所で、もちろん、『親』という存在はいた。でも、自分だけを見ていてくれるわけではない。無意識に、『愛してほしい』という感情は押し殺して生きていた。
だから、引き取り手が見つかったと聞かされた時、とても嬉しかった。やっと自分だけを見てくれる人が出来るんだと。でも、そうじゃなかった。俺を引き取ったのは、『お金』の為だった。結局、俺はまた施設に逆戻りで、その後は施設にいた。
成長するにつれて、自分は『なぜ生きているのか』そんな疑問が生まれた。誰に必要とされているわけでもなく、ただ、生きているだけ。それは、『死んでいる』のと同じではないか。そう考えると、ますます『生きる意味』が見いだせなかった。もちろん、それは今も見つかっていない。
17歳の夏。近所の公民館で『哲学集会』というイベントが行われることを知った。『哲学』なんてこれっぽっちも興味がなかったけど、そのテーマに惹かれた。
『なんのために生きるのか』
「あの集会で出た答えって何だっけ?」
思い出せない。何か大切なことだったような気がする。……こうして、俺は『哲学』に興味を持ち、京都の大学で『哲学』を学ぶことを決意した。
『ブーーーーーーーー』
映画が開始するブザーが鳴り響く。
「は? また始まるのか?」
館内が暗くなり、スクリーンにカウントダウンが始まる。5、4、3、2、1……
『うわーん、うわーん』
スクリーンに、室内で泣くびしょびしょに濡れた女の子が映し出された。……ニケだ。魔人のニケ。そして、この部屋にも見覚えがある。……。俺の……部屋?
『あのー、どちら様?』
ドアが開かれ、カメラがそちらを向く。そこには、黒いメガネをかけた目つきの悪い青年が立っていた……。いや、俺だ。これは俺だ……。
『なんなんですか!!!!!!』
困惑する俺を置いてけぼりにして、映画は進んでいく。
『アナタを神様にするためにここにきました!』
……これはさっきの映画の続きだ。……そして、俺はこれを知っている。知っているぞ。
『とりあえず、分かりやすく、説明してくれないかな? まずは……そう! 君の名前とか!』
スクリーンの中の俺が言う。
『私の名前は、ニケ!』
……か、かわいい。ち、違う! そうじゃない! この後、おれはどうなったんだっけ。
『コンコン、神さーん? コンコン、いるんでしょー?』
新たな登場人物の声に驚く。か、神島だ。そうか、コイツが現れて、俺はニケを……
『ニケ、狭いし、暗いけど、ここに』
クローゼットに押し込んで……
『あのー、えっと、ど、どちら様ですか?』
『おっと、そうかそうか。ワシが先に来てしもうたんか。がははは!』
そうか、ニケが想定していたよりも神島は早く俺のところに来たのか。待て、コイツが来たということは、俺は……
『単刀直入に言うと、お前さんは、人間ではない。そして、』
『? ……!? ……あ……あ……』
『ワシはお前さんを殺しにきた。じゃあな』
俺は……そうだ。コイツに刺されて……。思い出した。全部。
『これで今回の神選も安心や。ほなな』
『Fin』
「はあああああああああああああああああああああああ! 終わりかい!」
待て、待て、待て、待て!
「う、嘘だろ……」
し、死んだのか。俺は。ということは、ここは死後の世界? なんてこった。
絶望で意識が飛びそうになる。倒れこみ、膝をつく。ん? いつのまにか、俺は真っ黒な空間にいた。
そうか。これが『死』か。結局、何もなかったな。俺は何のために生まれてきたのだろうか。
体に力が入らなくなってきた。水の中にいるみたいに、力を入れなくても浮かぶ。もう、上下左右も分からない。……。
真っ黒な闇に俺は包まれた。
……。
どれくらい時間が経ったのだろうか。
考えることを止めると、それすらももう出来なくなってしまいそうで、俺は、常に何かを考えるようにしていた。
三途の川、エンマ大王、天国の極楽浄土。生きていた頃に聞かされたそれらは何もなく、あるのは暗闇のみ。まぁ、『死後の世界は、何もない。暗闇です!』なんて言ったら、それこそ、夢がない。もちろん、一回、死んでから生き返る人なんているわけもなく、それに気づいても伝えられる人がいない……。
あー。声を出すことが出来ないので、こうやっていつまでもいつまでも考えを張り巡らせていた。
……どれくらい経ったのか。もう分からない。最近のブームは、食べたら美味しそうな文房具を考えることだ。
…………『液状のり』とか案外、いけそうだよなぁ。
……。
それは、俺が、消しゴムの調理法を考えている時のことだった。
なんだ? 今まで、ただ浮かんでいただけだった俺の体がどこかに流されている。
近くにある何かとぶつかった。もちろん、周りに何かがあることは気がついていた。だが、何も見えない暗闇の中でそれを確認するのは至難の業だったし、何より、この闇の中では、その何かが近くにあるだけで不思議な安心感があった。
何か音が聞こえる。『音』という概念で合っているのか分からないが、何かが動く音だった。
体が……少し動く。だが、ここから抜け出す力はない。
遠くで何か明かりのようなものが見えた。
力を振り絞り、そっちを向く。
「!?」
ギロチンのようなモノ、いや、大きなギロチンが上下に動いている。そして、その下を、通過していくのが俺たちらしい。
俺たちというのは、あの明かりに照らされて、周りにあるものが分かった故の表現だ。周りにあったのは、想像通り、"死体"だった。俺のように意識はなく、青白い顔で精気はない。そして、あのギロチンはおそらく、俺たちを『処分』するものなのだろう。
ああ、いよいよ終わりか。もう、文房具調理法について考えなくてもいいのか。
流れは思った以上に早い。もうすぐ俺の番だ。
『ガシャン、ガシャン、ガシャン、ガシャン』
そして……俺の真上にギロチンが来て
『ガシャン』
俺は死……?目の前が真っ暗になった。
唇に違和感を感じた。目を開ける、見覚えのある天井がある。いや、待て、その前に……。
目の前に、ニケがいた。いたというよりもいる。ニケが俺にキスをしている。
あまりにも、突然の展開にされるがままにされている。ニケは目をつぶっているせいか、俺が目を開けていることに気がつかない。
「はぁはぁ」
ニケの吐息交じりのキスが、エロい。
どうしたらいいのだろうか。
よく見ると、ニケは泣いていた。それはもうめちゃくちゃに泣いていた。ニケが一旦、顔を離してキスを止める。とっさに俺は目をつぶる。俺は悪いやつだ。
「う、う……。なんで……。死なないで……。お願いだから。死なないで」
そう言うと、また顔を近づけてキスをする。泣いている。……俺の為に泣いている。泣いてくれている。
そう考えると、胸がギュッと締め付けられて、なんとも言えない感情になる。
ニケのキスは優しくて、安心する。温かくて、力が湧いてくる。
「はぁはぁ」
ニケがまた顔を上げる。今度は、がっちりと目を見開いたままにしてみる。
「……なんで。ぐすっ……。ん? うわあああああああああああああああああああああああ」
涙を拭き終わった後に、ニケと目が合った。ニケは驚き、飛び跳ねる。
「い、生き返った! 生き返った! やった!」
子どものように飛び跳ねるニケ。
俺は体を起こす。痛みはない。だが、服についている血があれが現実だったことを物語っている。
「ありがとな、ニケ」
「……う、う……」
ニケが泣いている。
「実はさ、結構前に、目覚めてたんだけどさ、なんか言いづらくて」
にこやかに話しかける。……ニケの様子がおかしい。
「……目覚めてたんですか?」
ニケが下を向いている。照れているのかもしれない。
「いやぁ、それにしても、ニケのキスはエロかったなぁ! はぁはぁって言っ……ぶはぁ」
ニケの右ストレートが飛んできた。
「ばかああああああああああああああああああああ!」
よろめく俺に更にニケがパンチを繰り出す。
殴られる。思わず、身構える。
ん?ニケは俺を抱きしめていた。
「よかった、ほんとによかった……拓真くん」
「……おう」
小柄なニケに抱きしめられながら、俺は泣いた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる