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第2章 狩って狩られて弱肉強食
第33話 勘弁してくれ
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「話……って」
うわごとのように、牙人がつぶやいた。
古びた灯りに、蛾が集まっている。ぼんやりとした光に照らされたアパートの通路で、牙人とすてらの間に奇妙な沈黙が流れる。
「……それ、今じゃないとだめ?」
なんとか牙人がひねり出した質問を受けて、すてらが瞬きを一回。ゆっくりと、右を見て、左を見た。そして、また牙人を見つめて、首を傾げる。
「何か、まずい?」
「やー……時間もあれなんで」
「なるほど」
うなずいたすてらは、少し考えるようなそぶりを見せた。
「明日の昼?」
「じゃあ、それで」
「ん」
拍子抜けするほどにあっさりとうなずいて、すてらは流れるように一〇二号室に消えていった。
残された牙人は、頭を掻きながらため息をついて夜空を見上げた。分厚い雲がかかっていて、星はほとんど見えない。
傑とは別の意味で、何を考えているのかわからない人物だ。
話とやらの心当たりはまるでない。お礼を言われるようなこともしていないし、ましてやトラブルになるようなことも起こしていない……と思う。
「実は、めちゃくちゃいびきうるさかったりするのかな、俺……」
そうだとしたら、ちょっとショックだ。
神妙な顔でそんなことを考えながら、牙人は込み上げてきたあくびを噛み殺した。
ひとまず、今は体が休息を必要としている。考え事をするには、頭もぼんやりとしすぎている。きっと、面倒くさいことは明日の自分がなんとかしてくれるだろう。そうに違いない。
重たくなってきたまぶたをこすりながら、牙人はドアノブに手をかけた。
翌日。
正午ぴったりに鳴ったチャイムを少し不気味に思いながら、牙人はドアを開けた。
昨日と全く同じブレザーの制服姿で立っていたすてらが、短く「公園に行く」とか言い出すので、おとなしくついていく。
まだ夏休みだというのに、律儀に毎日制服を着ているのだろうか。
道中の会話は、ほとんどなかった。せいぜい、「引っ越しそばありがとう」「うん」くらいの短いものが二、三回あった程度だ。
そうして人気のない公園に着くと、すてらはベンチに腰掛けた。促されて、牙人も隣に座る。
「……んで、話というのは何ですか」
Tシャツの首元を前後に動かして服の中に風を送り込みながら、牙人は本題を投げかけた。
すてらが、ゆっくりと牙人を見る。この暑いのに、汗一つかかずに涼しげな顔をしていた。それにしても、きれいな顔立ちだ。学校では、さぞ男子生徒諸君に人気を博していることだろう。
「八月二十一日」
ぼんやりとくだらないことを考えていた牙人は、唐突に鼓膜を揺らした言葉に、ぴくりと眉を動かした。その口が質問を紡ぐ前に、すてらが続きを話し始める。
「あなたは、何か奇妙な存在と接触したはず」
「っ!?」
思わず目を見開いた牙人の頬を、一筋の汗が、つう、と伝う。
——八月二十一日。
それは、牙人たちが藤枝でドラゴンと遭遇した日付だ。
奇妙な存在。……ドラゴンというのは、少なくとも牙人にとっては、大いに奇妙たりえる存在だった。
しかし、あの件は“局”もしくは“宵闇”の人間しか知りえないはずだ。それを、すてらは口にした。
あてずっぽうのたわごとが偶然当たったか。いや、それは考えにくい。とすれば——。
猛スピードで思考を巡らせた牙人は、低い声ですてらに問いかける。
「……何者だ、あんた」
「ワタシは」
“局”の関係者であれば、特に問題はない。が、もしも“宵闇”側だった場合は……。
牙人は少しだけ腰を浮かせ、変身の用意をする。犯罪組織のメンバーがわざわざこちら側に接触してきたとすれば、芳しくない要件であることは明らかだ。最悪、戦闘も辞さない。
牙人が拳を握り締めたのを気に留める様子もなく、すぅ、と小さく息を吸ったすてらの小さな口が、凛とした声を放つ。
「——こことは別の世界……平たく言うならば、異世界から来た」
「……」
「……」
「……へぁ?」
牙人は、思わず警戒を忘れ、間抜けな声を発した。あまりに、予想外の角度から放たれた言葉だったからだ。
イセカイ。
その音のつながりが「異世界」なのだと理解するまでに、少し時間を要した。数秒の間ぽかんと口を開け呆けていた牙人は、気を取り直すように咳払いをした。
「……ちゃんと答えてくれ」
「? ちゃんと答えた」
困惑したように眉をひそめるすてら。そうしたいのはこちらの方だ、と叫びたくなる気持ちをぐっとこらえながら、牙人は油断なくすてらをにらんだ。
しばらく思案していたすてらは、ふと思いついたように、まっすぐ人差し指を立てた。
「実際に見てもらうのが、早い」
——と、何の予備動作もなく、その指先に幾何学模様が展開され、ぽう、と小さな炎がともった。
「なっ!」
思わず飛びのいた牙人だったが、まったく攻撃の意思を感じないすてらに、構えた腕を下ろす。
見たところ、ほとんどライターの炎と大差ない大きさだ。ゆらゆらと揺らめく炎は、風に吹かれて大きくなったり小さくなったりを繰り返しながら、すてらの白い指先にしがみつくように燃え続けている。
「それ……」
牙人が驚いたのは、単純に炎が出たこともそうだが、それだけではない。一番は、その下に浮かんでいる模様に見覚えがあったからだ。
それは小さいながらも、あのドラゴンが漆黒の槍を出すときに見た模様とそっくりだった。
「……ははっ。なんじゃそりゃ」
呆然と開けた口から、意図せず笑い声が漏れる。愉快だからではない。むしろ、その逆。こんなの、笑うしかない。
「魔法」
やけくその乾いた声にも、すてらは律儀に答えてくれた。
「……その炎出す以外のこともできるのか?」
「ん」
こくりとうなずいたすてらが息を吹きかけると、炎は小さく揺らめいて消失した。
すてらが下向きに右手をかざすと、今度は地面に幾何学模様が現れる。すてらが腕を上に持ち上げるような動作をすると、模様の上にあったいくつかの小石が宙に浮かび上がった。
「まじかー……」
異能力というものは、一人一つしか発現しないらしい。
今見せられたのは、炎を出す力と、物体を宙に浮かせる力。全くの別物だ。すてらはこういった力を複数扱えるということになる。つまり、これは異能力ではない。
どうやら、認めざるを得ないようだ。本当に異世界から来たかどうかは別として……これは、あのドラゴンとの関係が全くないという方が、おかしいというもの。
「……とりあえず、話を聞こうか」
「ん」
落ち着いた風を装ってはみたものの、牙人の内心は絶賛混乱状態で、目を回している。様々な思考が入り乱れて、手が付けられない。
ただでさえ、最近飛び込んだ異能力の世界に振り回されているのだ。
それに加えて、今度は「異世界から来た」と自称する者との接触である。
「勘弁してくれ……」
牙人は、小さく弱々しい声とともに、天を仰いだ。
うわごとのように、牙人がつぶやいた。
古びた灯りに、蛾が集まっている。ぼんやりとした光に照らされたアパートの通路で、牙人とすてらの間に奇妙な沈黙が流れる。
「……それ、今じゃないとだめ?」
なんとか牙人がひねり出した質問を受けて、すてらが瞬きを一回。ゆっくりと、右を見て、左を見た。そして、また牙人を見つめて、首を傾げる。
「何か、まずい?」
「やー……時間もあれなんで」
「なるほど」
うなずいたすてらは、少し考えるようなそぶりを見せた。
「明日の昼?」
「じゃあ、それで」
「ん」
拍子抜けするほどにあっさりとうなずいて、すてらは流れるように一〇二号室に消えていった。
残された牙人は、頭を掻きながらため息をついて夜空を見上げた。分厚い雲がかかっていて、星はほとんど見えない。
傑とは別の意味で、何を考えているのかわからない人物だ。
話とやらの心当たりはまるでない。お礼を言われるようなこともしていないし、ましてやトラブルになるようなことも起こしていない……と思う。
「実は、めちゃくちゃいびきうるさかったりするのかな、俺……」
そうだとしたら、ちょっとショックだ。
神妙な顔でそんなことを考えながら、牙人は込み上げてきたあくびを噛み殺した。
ひとまず、今は体が休息を必要としている。考え事をするには、頭もぼんやりとしすぎている。きっと、面倒くさいことは明日の自分がなんとかしてくれるだろう。そうに違いない。
重たくなってきたまぶたをこすりながら、牙人はドアノブに手をかけた。
翌日。
正午ぴったりに鳴ったチャイムを少し不気味に思いながら、牙人はドアを開けた。
昨日と全く同じブレザーの制服姿で立っていたすてらが、短く「公園に行く」とか言い出すので、おとなしくついていく。
まだ夏休みだというのに、律儀に毎日制服を着ているのだろうか。
道中の会話は、ほとんどなかった。せいぜい、「引っ越しそばありがとう」「うん」くらいの短いものが二、三回あった程度だ。
そうして人気のない公園に着くと、すてらはベンチに腰掛けた。促されて、牙人も隣に座る。
「……んで、話というのは何ですか」
Tシャツの首元を前後に動かして服の中に風を送り込みながら、牙人は本題を投げかけた。
すてらが、ゆっくりと牙人を見る。この暑いのに、汗一つかかずに涼しげな顔をしていた。それにしても、きれいな顔立ちだ。学校では、さぞ男子生徒諸君に人気を博していることだろう。
「八月二十一日」
ぼんやりとくだらないことを考えていた牙人は、唐突に鼓膜を揺らした言葉に、ぴくりと眉を動かした。その口が質問を紡ぐ前に、すてらが続きを話し始める。
「あなたは、何か奇妙な存在と接触したはず」
「っ!?」
思わず目を見開いた牙人の頬を、一筋の汗が、つう、と伝う。
——八月二十一日。
それは、牙人たちが藤枝でドラゴンと遭遇した日付だ。
奇妙な存在。……ドラゴンというのは、少なくとも牙人にとっては、大いに奇妙たりえる存在だった。
しかし、あの件は“局”もしくは“宵闇”の人間しか知りえないはずだ。それを、すてらは口にした。
あてずっぽうのたわごとが偶然当たったか。いや、それは考えにくい。とすれば——。
猛スピードで思考を巡らせた牙人は、低い声ですてらに問いかける。
「……何者だ、あんた」
「ワタシは」
“局”の関係者であれば、特に問題はない。が、もしも“宵闇”側だった場合は……。
牙人は少しだけ腰を浮かせ、変身の用意をする。犯罪組織のメンバーがわざわざこちら側に接触してきたとすれば、芳しくない要件であることは明らかだ。最悪、戦闘も辞さない。
牙人が拳を握り締めたのを気に留める様子もなく、すぅ、と小さく息を吸ったすてらの小さな口が、凛とした声を放つ。
「——こことは別の世界……平たく言うならば、異世界から来た」
「……」
「……」
「……へぁ?」
牙人は、思わず警戒を忘れ、間抜けな声を発した。あまりに、予想外の角度から放たれた言葉だったからだ。
イセカイ。
その音のつながりが「異世界」なのだと理解するまでに、少し時間を要した。数秒の間ぽかんと口を開け呆けていた牙人は、気を取り直すように咳払いをした。
「……ちゃんと答えてくれ」
「? ちゃんと答えた」
困惑したように眉をひそめるすてら。そうしたいのはこちらの方だ、と叫びたくなる気持ちをぐっとこらえながら、牙人は油断なくすてらをにらんだ。
しばらく思案していたすてらは、ふと思いついたように、まっすぐ人差し指を立てた。
「実際に見てもらうのが、早い」
——と、何の予備動作もなく、その指先に幾何学模様が展開され、ぽう、と小さな炎がともった。
「なっ!」
思わず飛びのいた牙人だったが、まったく攻撃の意思を感じないすてらに、構えた腕を下ろす。
見たところ、ほとんどライターの炎と大差ない大きさだ。ゆらゆらと揺らめく炎は、風に吹かれて大きくなったり小さくなったりを繰り返しながら、すてらの白い指先にしがみつくように燃え続けている。
「それ……」
牙人が驚いたのは、単純に炎が出たこともそうだが、それだけではない。一番は、その下に浮かんでいる模様に見覚えがあったからだ。
それは小さいながらも、あのドラゴンが漆黒の槍を出すときに見た模様とそっくりだった。
「……ははっ。なんじゃそりゃ」
呆然と開けた口から、意図せず笑い声が漏れる。愉快だからではない。むしろ、その逆。こんなの、笑うしかない。
「魔法」
やけくその乾いた声にも、すてらは律儀に答えてくれた。
「……その炎出す以外のこともできるのか?」
「ん」
こくりとうなずいたすてらが息を吹きかけると、炎は小さく揺らめいて消失した。
すてらが下向きに右手をかざすと、今度は地面に幾何学模様が現れる。すてらが腕を上に持ち上げるような動作をすると、模様の上にあったいくつかの小石が宙に浮かび上がった。
「まじかー……」
異能力というものは、一人一つしか発現しないらしい。
今見せられたのは、炎を出す力と、物体を宙に浮かせる力。全くの別物だ。すてらはこういった力を複数扱えるということになる。つまり、これは異能力ではない。
どうやら、認めざるを得ないようだ。本当に異世界から来たかどうかは別として……これは、あのドラゴンとの関係が全くないという方が、おかしいというもの。
「……とりあえず、話を聞こうか」
「ん」
落ち着いた風を装ってはみたものの、牙人の内心は絶賛混乱状態で、目を回している。様々な思考が入り乱れて、手が付けられない。
ただでさえ、最近飛び込んだ異能力の世界に振り回されているのだ。
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