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耳と尻尾
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「ん……はぁ……やっ」
寝ているぼくの耳に艶っぽい声が入ってきた。誰? そう思って体を起こす。いや、起こそうとしたけど何かが上に乗ってて起きられ無かった。
「本当に可愛い。あなたはここが弱いんですよね」
耳元で穏やかな低い声が聞こえた。
「ひぁっ! ふ……んん……耳と尻尾……だめ」
これは、僕の声?
弱い所を優しく撫でられ、力が抜けてしまった。というか僕、人になってる! 何で? 服も着てるし……。
取りあえず、さっきまでの事を思い出してみよう。
あの時、僕は日向で気持ちよく寝ていた。多分昼頃だったと思う。
「あ、ソラまた寝てる……」
ご主人がそんな僕を見て、寒いと思ったのか毛布を掛けてくれた。これは僕が家に来た時にご主人が買ってくれたものだ。
「ありがとう。この毛布、好き」
そんな言葉はニャーという鳴き声にしかならない。……こういう時、喋れたら良いのにって思う。
「じゃあ、留守番よろしくね」
ご主人はお仕事に行くみたい。さっき誰かと難しい話をしてた。
パタンと閉まるドアの音に淋しさが溢れだす。
「さて、寝直そうかな」
その後、徐々に眠りの世界へ誘われた。
そして今に至る……。
「やめっ……やめて下さ……ぁっ」
耳を撫でてた指が胸に移動して乳首を弄り始める。
「気持ちいいですか?」
不意に耳元で囁かれて、頭が真っ白になる。恐怖と快感でおかしくなりそうだった。
「ほんとに……やだ」
その瞬間、手の動きが緩まった。今だ! 僕は上に乗っている人を押しのけて、抜け出す事に成功した。
「すみません。泣くほど嫌とは思わなくて」
振り返ってみると、申し訳なさそうにしている男性の姿があった。あれ、僕泣いちゃってた。情けないなぁ……。ごしごしと目をこすって涙を止める。
「誰……?」
「自己紹介が遅れました。私は毛布です」
毛布と名乗る人は頭をペコリと下げた。 言われてみれば、着ている服は毛布と同じ色のニットだ。いや、でもなんで人になってるの? 僕もだけど……。
「あの」
「! ……何ですか」
急に声をかけられて、過剰なまでに驚いてしまう。
「……本当にすみませんでした。人になってあなたに触れられると分かったら抑えが効かなくて……」
「……」
何も言えずにいると、毛布さんが立ち上がった。少しさみしそうな目をしている。
「出ていきます。身勝手極まりないですが……。あなたも僕のことは忘れてください」
それだけ言って、毛布さんは出て行った。
「よし、寝よう」
やっと寝られる。そう思って目を閉じた。
なのに!
「……眠くならない」
あーもう! なんで毛布さんの表情がちらつくんだろう。あんな人なんて思い出したくもないのに。
しかたがないので座り込んでいることにした。
寝ているぼくの耳に艶っぽい声が入ってきた。誰? そう思って体を起こす。いや、起こそうとしたけど何かが上に乗ってて起きられ無かった。
「本当に可愛い。あなたはここが弱いんですよね」
耳元で穏やかな低い声が聞こえた。
「ひぁっ! ふ……んん……耳と尻尾……だめ」
これは、僕の声?
弱い所を優しく撫でられ、力が抜けてしまった。というか僕、人になってる! 何で? 服も着てるし……。
取りあえず、さっきまでの事を思い出してみよう。
あの時、僕は日向で気持ちよく寝ていた。多分昼頃だったと思う。
「あ、ソラまた寝てる……」
ご主人がそんな僕を見て、寒いと思ったのか毛布を掛けてくれた。これは僕が家に来た時にご主人が買ってくれたものだ。
「ありがとう。この毛布、好き」
そんな言葉はニャーという鳴き声にしかならない。……こういう時、喋れたら良いのにって思う。
「じゃあ、留守番よろしくね」
ご主人はお仕事に行くみたい。さっき誰かと難しい話をしてた。
パタンと閉まるドアの音に淋しさが溢れだす。
「さて、寝直そうかな」
その後、徐々に眠りの世界へ誘われた。
そして今に至る……。
「やめっ……やめて下さ……ぁっ」
耳を撫でてた指が胸に移動して乳首を弄り始める。
「気持ちいいですか?」
不意に耳元で囁かれて、頭が真っ白になる。恐怖と快感でおかしくなりそうだった。
「ほんとに……やだ」
その瞬間、手の動きが緩まった。今だ! 僕は上に乗っている人を押しのけて、抜け出す事に成功した。
「すみません。泣くほど嫌とは思わなくて」
振り返ってみると、申し訳なさそうにしている男性の姿があった。あれ、僕泣いちゃってた。情けないなぁ……。ごしごしと目をこすって涙を止める。
「誰……?」
「自己紹介が遅れました。私は毛布です」
毛布と名乗る人は頭をペコリと下げた。 言われてみれば、着ている服は毛布と同じ色のニットだ。いや、でもなんで人になってるの? 僕もだけど……。
「あの」
「! ……何ですか」
急に声をかけられて、過剰なまでに驚いてしまう。
「……本当にすみませんでした。人になってあなたに触れられると分かったら抑えが効かなくて……」
「……」
何も言えずにいると、毛布さんが立ち上がった。少しさみしそうな目をしている。
「出ていきます。身勝手極まりないですが……。あなたも僕のことは忘れてください」
それだけ言って、毛布さんは出て行った。
「よし、寝よう」
やっと寝られる。そう思って目を閉じた。
なのに!
「……眠くならない」
あーもう! なんで毛布さんの表情がちらつくんだろう。あんな人なんて思い出したくもないのに。
しかたがないので座り込んでいることにした。
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