上 下
142 / 224
第08章 魔王

第04話 隠し部屋

しおりを挟む
 遅くなってすみません。
 office2013が突然認証しろって言ってきて、パッチを当てたり復元したりと大変でした。
 なんなんだ! office2013!
 
 投稿が遅れたのはそのせいであって、面白い他作品があって読みふけっていたとか、飲み会が続いてしまったとかでは、け、決して無いはず? です!

 ……どうもすみませんでした!


―――――――――――――――――――――――――――――



 ルークス卿が呼んだというラーセンさんが来るまで時間があったので召喚の間を調べていた。
 召喚にはあまり興味が無かったので、どんな施設でどんな魔法陣が描かれているかを少し見ただけ。俺の興味はこの広間の壁。この壁の向こうが今回の一枚目の地図が示した場所なのだ。
 どうやって行けばいいのか。今は兵士も集まりだしているし、召喚命のルークス卿が召喚の間の壁を壊すのを黙って見ているはずがない。

 だから、壁の向こうに空間が無いか、よくテレビで見る、コンコンと壁を叩いて音が違わないかを確認していた。ユーもルークスさんの傍では居心地が悪いのか、俺の作業を手伝ってくれている。

「何も分からないわね」
「うーん、そうだね。後できる事は、壁をぶち壊すか、何か起動となるものを探すかだね」
「起動になるもの?」
「うん、ボタンだったり、レバーだったり。一度、樹のダンジョンがあった時は、枝がレバーで起動スイッチになっていたんだよ」
「ふーん、そんなのもあるんだ」
「そうなんだ。だから、ここもベタに、こんな風に壁の一部を押したらクルンと回ったり……」

 クルン   パタン

「え? エイジ?」

 クルン   パタン

「え?」
「え?」

「「え―――――」」
「ここ? ここに何かあったの?」
 俺が一度壁の向こうに消え、すぐに戻って来たからお互いに驚いたが、ユーも日本人だから忍者屋敷は知っていた。同じように”どんでん返し”を起動させようと壁をペタペタやっているが、一向に起動する気配が無い。

「エイジ! どこなのよー!」
「いや、どこって言われても、その辺としか……」
 試しに俺もやってみたが、二度と起動しなかった。

「なんでエイジだけなのよ! 私もやってみたーい!」
 そんな事言われても……

「あっ! なにそれ!」
「え?」
 ユーが俺の胸元を指差した。
 あ、ネックレスだ。いつの間に……

「たぶん、中に入った時に付けられたんだろうな。それで、入手達成したので、もう開かないって事かな」
「なにそれー! 私も入ってみたかったのにー!」
「い、いや、中は真っ暗だったし、それに一瞬だったから俺にも中がどうなってたかなんて分からなかったよ」
「中が見たいんじゃないの。扉を潜りたかったの!」
 確かに見た目は面白そうだから気持ちは分かるんだけど。でも、開かないんだからしょうがないじゃん。

「ゴメン、無理かも」
「え~~~~」
 ダダを捏ねるユーを見て、可愛いと思ってしまうのは仕方が無いとして、できないものは出来ない。今度、衛星に頼んで家の横にでも忍者屋敷を建ててもらおうかな。
 そんな事を考えていると、呼び出しが掛かった。
 ルークス卿が呼んだラーセンさんが来たようだ。

 呼ばれるままに、俺とユーは二人の下に歩み寄った。
 その時、ユーを見て一瞬だが驚く表情を見せたラーセンさんを俺は見逃さなかった。

「お待たせしました、彼がラーセンです」
 ルークス卿が紹介してくれた後、お互いに自己紹介を済ませた。
 ユーは結構、友好的に話してた。ルークス卿に対する態度とは明らかに違っているのだ。
 この人はユーに優しくしてくれてたんだろうか。

 しかし、この時も俺は注意深くラーセンさんを見ていたのだが、目が一瞬だけど、赤くなったように見えた。ほんの一瞬だったし、光の反射によっては見えなくも無いのかもしれないのだが、俺には馴染みのある色だったので見間違いでは無いだろう。
 魔族の魔眼の色だ。

 でも、魔族が目を赤くする時って、いつも衛星がカウンターで気絶させるんだけど、今回はその素振りが無い。
 なぜだろうと考えていたが、俺に向けられたものじゃないからだろうと結論付けた。
 だったら、誰に向けたのか。ユーしかないだろう。

 ユーは異常耐性を持ってるから、魔眼も通じないと思う。だったらなぜ魔眼を発動させたのか。恐らく【鑑定】だな。魔眼は鑑定もできるって聞いてるからな。
 なぜ、ここにいるかは知らないが、こいつは【鑑定】するまでもなく魔族確定だな。一応、【鑑定】はしておくけど。


―――ラーセン・レギオン(魔族):LV51 ♂ 1867歳
  HP:903 MP:1205 ATC:934 DFC:822 SPD:908
  スキル:【魔眼】【話術】【友好】【遠話】
  武技:【杖】Max
 魔法:【水】Max【風】Max【闇】Max
 称号:潜入者


 ……レギオン族は人間の城が好きなのか? ガレンダといいタレランといい。倒した二人はそうでも無かったようだけど、パシャックも城仕えしてた事もあるんだったな。やっぱり魔王の動向を勘違いしてる口なんだろうな。
 目的は達成したので、もうここにいる必要は無い。さっさと終わらせるためにも俺の方から口火を切った。

「ラーセンさん。あなた、ユーが…勇者が攫われた時に関与してますよね?」
「はい? どういう意味でしょうか」
「言ったまんまですが。ねぇ、レギオン族さん」
「な、なぜそれを…」
「これでも色々と知り合いも多く、経験もそれなりにして来たんでね」

 焦りの色を見せだしたラーセンさんに対して更に追い討ちをかけた。

「このままここから去るのでしたら何もバラしませんよ。パシャックともう一人は名前を忘れましたがイケイケな感じの人は倒しましたし、ガレンダとタレランは友達になりました。ここまで言えばもう分かるでしょ?」
 そこまで話すとユーも気付いたのか【鑑定】で確かめたようだ。

「【友好】と【話術】……これで私も騙されてたのね……」
 さっきまでの友好的な表情から一変。ユーはラーセンさんに怒りの表情を見せた。

「ラーセンさん、あなたが私を売ったのね。なぜなのか、理由ぐらいは教えてくれるんでしょうね」
「ほぉ、其奴じゃったか。わらわも話を聞きたいのぅ」
「ちょうどいい時に帰って来たみたいですね。上ではそれらしい人を見つけられませんでしたから」

 クラマとマイアが戻って来た。タイミングがいいと言うのか悪いと言うべきか。悪いんだろうな、ラーセンさんの未来に合掌。

「何も手掛かりが無いから城を吹き飛ばしてしまいそうだったのじゃ」
「ええ、もう誰も痛みを感じないでしょうから、私も同じ事を考えていました」

 え? え? え? 二人共、上で何して来たの? ここの上ってミュージャメン王国の王城か、それに近い所だよね? 召喚の間があるって事はそういう事だろ? 二人はそこで何して来たの!

「エイジ、よいの?」
「エイジ? 任せてくださいますよね?」
「私も参加しようかな」

 俺が疑問を問う間もなく、話が進んで行く。
 三人でラーセンさんに何する気? 聞きたくないけど、聞かないと大変な事になりそうだ。

「任せるって何を?」
「わかっておるじゃろ。エイジも人が悪いのぅ」
「ええ、この方はユーを泣かせた張本人。そちらの方も同罪のようですので、一緒に任せていただけましょうか?」
「私はもちろん当事者だから絶対参加だね」

 何か分かんないから聞いてんだけど、こうやって三人の意見が一致する時って、俺が賛成したくなくなるのは何でなんだろ。

 ほどほどにね、と言い残して、俺は階段を上がって上層を見に行った。
 どんな所かも気になるが、クラマとマイアが何をしたのか非常に不安だったからだ。
 予想通り、一階は城の中だった。すぐに入り口から出て全体像を確認すると、五階建ては優にあるほど高く聳えていて、両サイドは端まで見渡せない。当たり前かもしれないが、大商人バーンズさんの屋敷より遥かにデカイ。

 城を探索すると人にも出会った。一部、壁や天井にめり込んでいる人も見かけたが、こっちはクラマがやったんだろう。生きているようだし、手加減はしてくれているみたいだ。めり込んで無い人達は、ボーっと突っ立ってるだけだった。俺が声を掛けても全然反応がないから、マイアの催眠術かなにかなんだろう。
 さっき、痛みを感じなくなってるとマイアが言ってたよな。確かにこれなら何をされても分からないだろうな。

 あれだけの勢いでクラマとマイアが乗り込んだにしては、被害は最小限で収まってる気がする。
 どの辺りまで、こんな状況なのか確認しても無駄だろうな。一応、死人は出してないようだし、逃げてしまえば追いかけても来ないだろう。

 一応、無事? な事は確認できたので、地下の召喚の間に戻って来た。
 クラマもマイアもユーもいるね。
 ルークス卿もラーセンさんも土下座はさせられてるようだけど、無事みたいだ。今は、ルークス卿となにやら話し込んでるみたいだけど、話して解決するならその方がいいって。

 うんうん、無事でなにより。もしかしたら殺しちゃうんじゃないかと心配してたんだ。それならそれで、仕方ないかとも思ってたけど、生きてたのなら何よりだよ。

「エイジ様。今後、私も奴隷の末席に加えて頂く事になりました。どうぞ、よろしくお願いします」
「エ…イ…ジ…様。私も同じく加えて頂けますでしょうか。今日中に、いえ、すぐにでも必ず御名を言えるように致しますので、どうか、どうかお願い致します」

 二人して何言ってんの? そんな話じゃなかったよね? ユーの過去の事でユーが落ち込んで、そのユーのためにクラマとマイアが怒ってたんだよね? それがなんで俺の奴隷とか言ってんの?

此奴こやつはまだエイジの名も言えぬので奴隷にも認められぬのじゃ」
「はい、そこは譲れませんから」
「ラーセンはすぐに言えたのにね」

 そんなルールなんて無いし、マイアだって初めは言えてなかったじゃん!
 ユーはもうラーセンさんを呼び捨てですか。それにラーセンさんは魔族だから俺の名前をなぜか言えるんだよ。
 その基準だとルークス卿が不利じゃん。…そうじゃなくって、なんで俺の奴隷になるって決めてんの!

「いや、もう間に合って……」
「そうじゃ、此奴こやつから情報も貰っておるのじゃ。魔族領ではよい素材が取れるそうじゃぞ?」
「ええ、ルート的には道程の中ほどで行けばちょうどいいでしょうね」
「魔王か~、どれだけ強いのか見てみたいよね」

 おい! やっぱり俺に決定権は無いのかよ! 主張する気は無いけど、立場的には俺が一番偉い設定だろ? いつもいつもおかしいだろ!
 それにユー。魔王なんて見に行かないからね。
 ……なんかフラグっぽいけど、絶対に行かないからね。

 その後、懇願するルークス卿とラーセンさんに負け、奴隷として認める羽目になってしまった。
 でも、ルークス卿には、名前を言えない事を理由に、この城に残ってもらう事にした。「奴隷になれるように精進します」とか言ってたけど、奴隷になるための精進ってなんなの。

 ラーセンさんは同行する事になった。他の魔族達と合流させるにしても戻らないといけないから面倒だし、素材の場所を知ってるのはラーセンさんだから、案内をさせるために連れて行くとクラマ達に決められてしまった。
 おーい、リーダーは誰なんだよー。
 ラーセンさんの事も、さん付けはするなと言われ、ユーと同じく呼び捨てにしている。他の魔族もそうだし、そこに異論は無い。そこに至るまでの経緯については異論だらけだが。


 ここからだと、来た地下道を行くよりこのまま次の地点に向かった方が早いので、堂々と門から出て出発した。
 本当は、少しミュージャメン王国の王都を観光もしたかったんだけど、移動のための足の確保があると言うので、王都から出て行くクラマを急いで追いかけて行った。
 確かに、魔族とタンデムは俺も嫌だしな。この国の王都観光はまた今度だな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。 まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。 ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。 転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。 それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...

異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。

星の国のマジシャン
ファンタジー
 引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。  そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。  本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。  この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!

udonlevel2
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。 皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。 この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。 召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。 確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!? 「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」 気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。 ★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします! ★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

処理中です...