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第3章 西の大陸
第07話 ノア
しおりを挟むヴァルカン山に入ると魔物が徐々に増え始める。
しかも登れば登るほど、魔物のレベルが高くなっていく。同じ種類の魔物でもレベルが高いし、下手をすると上位種になっていたりする。
周辺探索で確認しつつ、出来る限り魔物の少ない所を選んで進んで行く。
本命の火龍戦までなるべく温存しておきたい。だが、西の森程ではないが魔物は多い。しかも、固体の強さだけならこちらの方がワンランク上だ。
そこで、三人ともが持つスキルアーツ『隠蔽』『遮断』を使い、魔物に見つからないように山の中を進んで行った。
スキルアーツとは、元々素質があったり、無くてもやり続ける事で才能が開花し、更に使い続けることで熟練度が上がり、補正・修正を掛けてくれて、より効果的に技を使う事ができるものである。
例としてはソラの調合だ。ソラは元々は調合を持っていなかった。が、調合に興味を持ち、暇な時間には調合を続けた。その結果、『調合』を獲得し、熟練度も上がってきて、今では効果の高い回復薬を作るようになっていた。
もう一つの例はココアの『料理』。ココアは元々『料理』のスキルアーツを持っていたが、頻繁に料理を行なう事で熟練度が上がり、美味しい料理を作れるようになっている。ただ、慣れただけでは説明が付かないほど、美味しく作れるようになっているのだ。
他には魔法や武技などもスキルアーツに当たる。
スキルに同様のものがあれば、尚効果的に技を発動できるのだ。
私達はそのスキルアーツで取得している『隠蔽』『遮断』を使うことによって気配を断ち、なるべく魔物との戦闘にならないように山を駆け上った。
今回使った『遮断』や『隠蔽』はアクティブスキルで、任意発動型だ。自分で使いたい時に効果を発揮する。
逆にパッシブスキルは常時発動型で、ずっと発動している。HP上昇補正などもあるが、私達の持っているもので言うと、魔法や武技や料理などがそれに当たる。
使う時に自動的にスキルアーツが発動し補助してくれるのだ。
『隠蔽』と『遮断』のお陰もあり、避け切れなかった数度の戦闘のみで火龍の棲家に辿り着くことができた。
棲家といってもただの広場だった。山頂近くにある平地の真ん中にデンと居座っているだけだった。今は寝ているようだ。
周囲の樹々からは少し遠いが何とか鑑定できるか。
「【鑑定】」
お、なんとかできたか。
名前: なし
年齢: 821
種族: 龍族(火龍)
加護: なし
状態: 普通
性別: 女
レベル:41
魔法: 火(3)・土・雷
技能: 牙(8)・翼(7)・ブレス(4)
耐性: 熱・風・木・水・雷・
スキル:【変身】【痛覚無効】
ユニークスキル:なし
称号: ヴァルカン山の主
種族が火龍で、称号にヴァルカン山の主となっている。こいつで間違いないな。
【変身】を持っているので、ソラやココアのように人間にも変身できるのかもしれない。だったら話せるやつなのかもしれないな。
二人に小声で指示を出し、作戦通りに火龍の周りに展開した。
後は私が話せる奴なのかを確認するのだが……やはり正面から正攻法で行くしかないか。
周辺探索に出ている赤点とレベルから言ってもココアと同程度か、それ以下の強さと判断できるのだが、主だからそれだけでは判断できない何かがあるかもしれない。何かあってもすぐに反応できるように神経を尖らせて火龍の前に出た。
「おいっ! 火龍!」
勇気を出して火龍に向かって叫んだ。
火龍は頭も上げずに目だけを開け、こちらを一瞥しただけでまた元の姿勢に戻った。
そんな火龍に向けて、続けて私は叫んだ。
「火龍! お前を退治に来たが、話し合いに応じる気はあるか!」
私の姿は確認したはずだ。だから声も聞こえてるはずだが、火龍は他所見をしたまま、フンッ! っと鼻息を吐き、興味無さ気に目を閉じた。
すぐにバトル突入にならなくて安堵したが、このままでは埒が明かない。
興味を引くようなものが何かないものか……
「そこのトカゲ! ご主人様が話し掛けておられるのです。さっさと答えなさい!」
え……ココアさん?
火龍は私と逆に位置するココアに目を向けた。
右手に持った薙刀の石突部分を地面に突き立て、左手は腰に置き、仁王立ちして更に火龍を焚き付けた。
火龍は再びフンッ! っと鼻息を吐き投げ槍に呟いた。
「何を人間風情が偉そうにしておるか。簡単に死んでしまう其方らが妾をトカゲと馬鹿にするとは片腹痛いわ」
「ふん、あなた程度で主が出来るぐらいなら、あなたの言う簡単に死ぬ人間の、私のご主人様でしたらこの大陸の王になれますわ」
「ほーほっほっほ、それは面白い事を言う。其方の主人は大法螺吹きなのじゃな」
なんだろう、確かに【鑑定】ではメスとなってたのだが、あんな五メートル以上ある巨龍が流暢に女の声で話すと凄く違和感があるんだが。
いやいや、それよりココアだ。挑発のやり過ぎじゃないか? 戦闘になったら、こっちの話なんて聞いてくれなくなるぞ。だいたいそんな作戦なんてなかったじゃないか。こうなったら、今のうちに聞いておくか?
「…誰が大法螺吹きだと言いましたか?」
ココアからの圧が大きくなるのが感じられる。
! あ、これってダメなやつだ。アラハンさんの時のやつだ。
「其方の主人に決まっておろう。他に誰がおるのじゃ?」
「むむむ。もはやあなたに生きる価値はありません! 地獄で後悔しなさい!」
あぁ、話せる奴だったら殺すなって言っただろ!
「ココアー!」
「【狼牙突――――!!】」
俺の声が一歩遅かったのか、それとも頭に血が上って耳に入らなかったのか、ココアが懐から出した二本の箸を火龍に向かって投げつけた!
投げられた箸は、ココアから離れるごとにドンドンと大きくなって行く。
それを見た火龍も慌てて回避行動に移り、身体を捻って羽を広げた。
ドシュッ! ドシュッ!
巨大化した二本の箸……式具が、火龍の両翼を貫き風穴を開けた。
式具…ココアも使えたのか……
それより、先走るなって言ったじゃないか! ココアは肝に銘じてって言ってなかったか?
まさか、殺っちゃったのか?
両翼に風穴を開けられた火龍は、ズズ―――ン!! と、大きな音を立てて倒れた。
ダメージは両翼だけのように見えるが、両翼に風穴を開けられては火龍の攻撃力も激減したのではないだろうか。
「はぁ―――っ! 止めだ―――!!」
ココアが薙刀を持ち、火龍に向かって飛び掛った。
「待てココアー!」
私も咄嗟に飛び出した。
火龍がようやく身体を起こそうとした時、ココアが薙刀を振りかぶった。
シュン! ガッキ―――――ン!!
薙刀が火龍に届く寸前に、私の刀が間に合った。既の所でギリギリ間に合った。ココアの薙刀の刃は、火龍に首まで十センチも無かった。
「え? ……」
私が薙刀を止めた事でココアが我に返った。誰に止められたのか気付いたのだろう。
「ココア?」
「ご主人様?」
もう大丈夫そうだが、ココアにはバーサクモードでも付いてるんじゃないかと疑ってしまうぞ。
私も余裕が無かったので、今は火龍の上に乗ってる状態だが、火龍の方はそんな事より首元にギリギリで止まってる薙刀にガタガタと震えてしまっている。
目を見てみるが、もう戦闘の意思は無いように感じられた。
「ココア、もう薙刀をしまってくれ。これでは火龍と話ができない」
「は、はい! 今すぐに!」
ココアの持つ薙刀が淡い光を放ち、尻尾のブレスレッドに変化していく。
そのままスルスルっとココアの腕に巻きつき収まった。
「ふぅ、先走るなと言っただろ。頼むぞぉ」
「は、はい。申し訳ございませんでした」
「まぁ、今回は相手が弱かったからよかったものの、強い相手なら全員で連携しないとやられるかもしれないんだぞ」
「申し訳ございません、以後気をつけます」
「まぁ、今回は怪我がなかったが、後で反省会だ」
「かしこまりました」
ココアはこれでいいか。ソラは…よし動いてないな。じゃあ、あとは火龍だな。
と、思って火龍に振り返ってみると、小刻みに震えながら何か呟いている。
「妾が弱い? 弱い奴? 妾は弱い。此奴ら怖い。弱い、弱い、弱い……」
呪文のように呟いていたが、その目には光が無く、反撃する気配も見えない。
だったら、今聞いてみるか。
「おい、火龍」
まだ何かを呟いている。
「おい火龍!」
ビクッ!
火龍が驚いて少し飛び上がった拍子に、火龍に乗ってる私も少しバランスを崩した。
「おっと、大丈夫だな。火龍、私の仲間にならないか?」
「……」
「火龍? 聞こえてるか?」
コクコクと肯く火龍。
これだけ大きな龍が肯く様って…これが若者の言うシュールというやつだな。
「じゃあ、私の仲間にならないか?」
「……」
「話せるんだろ?」
チャキッ!
火龍が高速で肯きだした。
その視線を辿り、後ろを振り返ると、ココアがまた薙刀を出して立てていた。
それでも火龍が了承したからだろう、私の額と火龍の額から淡く白い光が発光した。
そういう事じゃないと思うんだ。【仲間】スキルってそうじゃないでしょ。
でも、まぁいいか。【仲間】スキルが発動したから額も光ったんだろうし、使える事が分かっただけでもよかったとしよう。
火龍から降りて、さっき見た火龍のステータスを思い出す。
「そう言えば火龍には名前が無かったな。やはり名前が無いと不便だし、町中で火龍と呼ぶわけにもいかないな。どうだろう、私が名前をつけてもいいか?」
「おお! 名前か! それは是非ともお願いするのじゃ!」
やっぱり巨龍に女の声で話されるのは慣れないな。
でも名前を付けられるのは嬉しいらしい。ソラもココアも名付けの後は嬉しそうだったから、それはこちらでも同じなんだな。
「では……」
分かってますよ、キラキラネームだろ。
ソラとココアをチラ見すると、期待感満載のキラキラした目で注目している。
「ノアってどうだ?」
「「「おおおおお」」」
三人…というか、ソラとココアと火龍が喝采を上げてくれた。
たぶん、ソラとココアは可愛い名前だったので喜んだのだろう。火龍も喜んでくれてるが、別の意味だと思う。単純に名付けられた事を素直に喜んでるんだと思う。
女の子二人とデカイ龍が一緒に喜ぶ姿って…シュールだな。おお、意外と使いどころが多いな。次はフラグに挑戦してみるか。
名付けられたノアの身体が淡く光ると徐々に大きくなって行く。両翼の傷も大きくなると共に塞がっていく。
淡い光が消えた時、ノアの体長は十メートルほどになっていた。
さっきもデカイと思っていたが、これは大き過ぎないか? この状態だったら、三人でも勝てたかどうか……
「ノア! 素晴らしい名前じゃ! 有り難き幸せ、今後は我が主の為に不惜身命の覚悟で仕えるしだいなのじゃ!」
ピカッ! ドッガ――――――ン!!
ノアが宣言すると稲光が落ち、雷鳴を轟かせた。
名付けによっての効果にそんなものは無いから、勢い余ってノアがやったのだろう。
裏切られても困るので、ノアの現状をキチンと把握するため【鑑定】で確認しておくか。
「【鑑定】」
名前: ノア
年齢: 821
種族: 龍族(神龍)
加護: 佐藤 太郎の加護
状態: 普通
性別: 女
レベル:41
魔法: 火(6)・水(3)・土(3)・雷(9)・神聖(1)
技能: 牙Max・翼Max・剣(1)・槍(3)・ブレス(6)・料理(1)・遮断(1)・回避(1)
耐性: 熱・風・木・水・雷・
スキル:【変身】【痛覚無効】【超高速移動】
ユニークスキル: なし
称号: ヴァルカン山の主
凄い! なんだ、このステータスの上がり方は。名付けただけで、ここまで上がるものなのか。
種族まで火龍から神龍に変わってしまってるし、アーツが異常なぐらい増えている。何気に料理まで入っているが。
加護欄に私の名前までちゃっかり入っているし、一体魔物とはどうなっているのだ。
【変身】もあるな。ソラもココアも【変身】スキルを持ってるから人間になれるのだったな。だったらノアもなれるのか聞いてみるか。
「ノアさん、聞いていいか?」
「我が主よぉ、ノアさんは無いであろう。ノアと呼んでくだされぇ。しかし、ノアとはいい響きよの、良い名前を付けて頂いて感謝じゃ」
なんで、すぐに呼び捨てにしろって言うんだろ。まぁ、姿が龍だから呼べそうだな。
「わかった。ノア、【変身】スキルを持ってるんだろ? 何に変身できるのか教えてくれるか」
「おお! 我が主殿は【鑑定】持ちかえ? これは従者になって正解じゃったな。うんうん、善き哉善き哉」
「そうだな、珍しいスキルだと聞いてるが、私は確かに【鑑定】を持ってる。だからノアが【変身】を持ってるのを知ってるのだが、何に変身できるか教えてくれないか」
「了解したのじゃ。妾わぁ、人間の姿と馬になれるぞえ」
「ほ~、二つもなれるのか。そりゃ凄いな。だったら人型の姿を見せてくれないか」
「任せるのじゃ~」
ノアは淡く光ると、その大きな龍の巨体が見る見る縮んで行き、私より少し小さいぐらいで落ち着いた。私の今の身長が一七五センチぐらいだから、一六五センチぐらいではないだろうか。
チャイナドレス姿で、髪の毛は真っ黒だが、ソラのように一部白い一筋のメッシュになっている。そういえばソラの奴は、尻尾が五本になったと言ったあたりからメッシュが二筋になっていたな。
スタイルも抜群にいい。腰は括れ、胸はソラより大きい。作り物とはいえナイスバディだ。変身なんだから作り物で合ってると思うが。
見た目年齢は二五歳ぐらいか、町を歩けば絶対に誰もが振り向くような美人だった。
私が付き合うとしたら、もう少し上がいいな。二十台だと、話も合わないかもしれないし、何と言っても体力がな…あ、私は十八になってたか。今は体力もあるし好みの修正を考えるべきか……
しかし、龍と知ってるからな。昔の中国の偉人は龍と寝たから英雄になれたという話があるそうだが、今すぐには私には難しそうだ。
「まだ、ノアの能力について聞いておきたいんだが……先に飯にするか」
ソラからの視線が『おなかが空いた』の信号を送ってきていたので、食事の提案をした。
何となくだが、分かるようになってきた。
私が話をしてる時は、なるべく邪魔しないように遠慮してるみたいだから、こちらも分かった時には歩み寄るようにしている。
今は正解だったようで、ソラは早速獲物を獲りに森へと入って行った。
ココアも同じように森に入って行ったが、ココアは野菜や山菜を採りに行ったのだと思う。最近は手分けしてるみたいだからな。
私はその間に小屋を出し、先に米だけ炊いて、いつ二人が戻って来てもすぐに対処できるように用意をしておいた。
ノアの説明では、この場所には魔物が入って来ないそうだ。
ここはノアの棲家なので、間違えても入って来ないらしい。
ここならゆっくり出来そうだな。
それから一時間後に昼食が始まった。
もう、慣れたもんで、ソラが獲って来た魔物はすぐに私とソラで解体され、山菜や野菜はココアが刻んで行く。
炒め物にするか煮物にするかは私が決め、それに応じて切り方を指示し、その通りにココアが下処理をしてくれる。
今までなら火を起こしたりしていたが、今はニーベルトさんが作ってくれた小屋がある。
小屋の中にはキッチンもあるので、そこで作ってそのまま食卓に並べることができるようになった。
この小屋は作ってもらって大正解だ。
ソラとココア同様、ノアも料理は初めてかと思いきや、ノアは偶に人型になって人間の町に行く事があるそうだ。
理由は酒場。酒を飲みに行く時もあるのだとか。
龍に酒ね。日本の昔話ではよくあるパターンだ。龍が馬に変身ももあるな。
だったら、人間に危害を加えるのは得策では無いと思うのだが。
食事を終えると、スキルも含め、色々とノアに聞いてみた。
「ノアはこの周辺で暴れたりしてたのか? 人間に被害が出てると聞いてるのだが」
「妾は人間になど興味はありませぬ。最近は食事もあまりしてなかったしのぉ、久々に暴れようかと思うておったところに我が主殿達が来たのじゃ。じゃが、さっきの料理というものは美味じゃった、あれなら一日六食でも食べたいのぉ」
「六食って……私達は二食か三食しか食べないぞ。しかし、久々にというとどれぐらい暴れてないんだ?」
「二食は嫌じゃ! せめて三食にしてたもれ。人間の町に行っても、あれ程の美味にはお目に掛かれなかったしのぉ。人間の町では酒を求めて行ってたのじゃ。ゆえに、もう百年以上は暴れてないのじゃ」
酒が無くなると困るしのぉ、とノアは酒の為とはいえ、百年以上暴れてはいないようだ。
だったら、火龍の沈静化の依頼が間違っている? 暴れてないのに沈静化する必要はない。これは少し状況を確認しないといけなくなってしまったな。
この近くの町を探るか。それとも先にケルベロスの所に行ってみるか。
「ノア、この【超高速移動】ってどんな能力だ?」
「そのまんまじゃ、凄く速いスピードで動けるのじゃ。龍の姿になれば超高速で飛べるのじゃ」
「ほ~、だったら一度競争してみたいな。ま、それはまた今度として、この山脈の一番西の端までどのぐらいで行けるんだ?」
「半日も掛からぬかの」
「それは凄い。私達を乗せても行けるのか?」
そうじゃのぉ。と、私達を見回し、
「二人なら大丈夫じゃ。いやしかし、妾も進化して大きくなった。三人でも問題なさそうじゃが、初めてゆえ分からぬのう」
倍近く大きくなったんだから、今まで二人いけたのなら、三人だと余裕じゃないかと思えるのだが、初めてだから不安もあるか。
しかも、半日で着けるのなら、今から行っても日暮れ頃には着けるのではないか?
「だったら先に行ってもらおうか。ココアにブレスレット型に変身してもらえばソラと二人になるからノアに乗せて行ってもらおう。ノア、それでいいか?」
「おお! 妾が我が主の役に立てるのかえ? 喜んで引き受けるのじゃ」
話が決まったので、すぐに片付けを終わらせ、ノアに乗って空へと飛び立った。
片付けと言っても小屋を収納するだけ。本当に便利だ。小屋の購入は大正解だったな。
ノアに龍の姿に戻ってもらって、私とソラがその背に飛び乗った。ココアは私の腕にブレスレットになって巻きついている。
ノアを仲間にして四人になった私達は、西を目指して飛び立った。
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