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女神と海の至宝
第十八章 帰途 ※
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窓のカーテンは締め切られ、そしてベッドの天蓋布も全て下ろされて、中は限りなく暗闇に包まれていた。
ギルバートの逞しい身体に組み敷かれながら、その下でアイカは一糸纏わず力の入らない身体をゆるゆると揺さ振られ続け、快楽の夢現を漂う。今夜2度目の繋がりは、決して追い上げるためではなく、長く快楽を愉しむための行為だ。
「あ、あっ…、あ、あん、ぁっ……」
言葉は紡げず、薄く開いた口から漏れるのは嬌声だけで、蕩けきった身体は、下腹奥深に収まったギルバートの熱くて太い楔を感じることしか出来ない。頭は真っ白で、時折目尻に溜まった涙が零れるとぺろりと舐め取られた。
一度先に中に出したものがギルバートの楔で搔き回され、ぐちゃぐちゃと卑猥な水音を立てる。
すでに一度果てている筈なのに、身体の中に埋められた楔は存在感を増すばかりだ。
「気持ちいいか?」
聞かなくても分かっているくせに、わざとギルバートは尋ねた。
ギルバートに胸の頂を吸われて、アイカの身体がびくっと跳ねる。と、同時に中にいるギルバートのモノをぎゅっと締め付けてしまう。
ギルバートの触れるところ全てが気持ちいい。まるで全身が性感帯になったようだ。
「あっ!ああっ、そんなに吸っちゃ!」
「でも気持ちいいんだろう?中がまた痙攣しはじめてきた。イきそうなら我慢しなくていい。俺もまだまだ終わるつもりはないしな」
それは許しではなく、怖さをアイカの中で生む言葉だった。
もうギルバートでいっぱいなのにずっと続けるの?
高みに追い上げられては熱が冷めるのを待たず、続けざまに次の快楽を与えられる。最後の方ではずっと絶え間なくイき続けているような快楽に、気持ちいいのか苦しいのか分からなくなってしまう。
アイカが気を失っても、ギルバートは自身が満足するまで抱くのを止めないだろう。
それでもギルバートなら許せてしまう。怖くてもずっとギルバートを抱きしめていたい。
▼
今年のラグナ領見回りは例年より滞在期間が2週間長引くことになった。
理由を問う必要はなかった。税金や収入や雑務など、領主としての仕事が例年より多かったわけではない。単にそれらより優先させられる事件が多く発生したことで、処理が遅れてしまったからからである。
友好国イエニからディアーノ王子が外遊に立ち寄っていただけでも、ギルバートのスケジュールは詰まっていた。そこにアイカの失踪とゼシルの出現が重なって、仕事どころではなくなったし、ラグナの港に早朝出現したクリスタルの船の噂の沈静化や、周辺貴族たちを招いての社交パーティーと贈り物の対応も追い討ちをかけた。
しかし、ラグナ領の仕事が終わらなければアルバには戻れない。いくら将軍であっても自らが治める領地は決して疎かにはできないのだから。
ようやくラグナ領の仕事を終えて、アルバへの帰途についた馬車の中で
「ココ、貴方太ってきてない?」
元はスリムよりの体型だったココだったけれど、抱きかかえようとしたアイカがずしっとした違和感を感じて、じっとココを見つめた。
食べるものを日々探す野良猫だった頃に比べて、この世界にアイカと共に転生してからはグランディ家に戻れば必ずごはんにありつける。だから栄養状態がいいのは確かだが、ふわふわの毛では隠せなくなってきた肉の重み。
じーっと視線をそらさずアイカが見やれば、抱きかかえられたココの視線はそっと横にそれていく。自分が太ってきている自覚はあるらしい。
「ハムばっかり食べていると太ると注意しているのに、セバスチャンの目を盗んで食べていただろう?ラグナに戻ったらしばらくハムは禁止だな」
「猫は元々肉食だ。肉を食べて何が悪い?」
「肉を食べるのは構わんが、昼寝ばかりしているから太るんだ」
しばらくハムは禁止だ、と付け加え、ココの反論にもグレンは全く動じることなく言い返す。
そんな3人の様子を微笑ましく見ていたギルバートが、ふとアイカに話しかけた。あまり考えないようにしていたことであり、しかし確認しておかねばならない案件だった。
「ゼシルはこれからどうするとか言っていたか?」
「しばらくディアーノ王子のイエニに行ってみるって言ってたわ」
「じゃあディアーノのプロポーズをゼシルは受けたのか?」
それはそれでカーラ・トラヴィスにとって脅威だ。友好国であることだけが救いだが、海を隔てている分、水や氷を操れるゼシルの力は決して敵に回したくない。
だが人間に対してアイカほど関心を持っている様子ではなかったのに、なぜ?と内心頭をひねる。
「それは保留だそうよ。精霊の女王になってからもずっと海の底で魂を守り続けていたから、地上へ出たのは1000年近く振りで、とりあえず世界を見て回りたいって」
ディアーノがラグナを去る前夜、アイカとゼシルは2人だけでゆっくり話した。ゼシルの昔話から、アイカの前世が人間であったこと、そしてこれからのこと。
(ギルバートはまたゼシルが私を連れ去るんじゃないかって心配していたけど、そんなことないのにね)
仕方なかったとはいえ、無理矢理アイカの魂を海底に連れ去ってしまったことをゼシルからすでに謝罪されていた。そして何か困ったことがあればいつでも相談してほしいと。
どんなに離れていようとも川や海にさえ繋がっていれば、水を介して相手の姿や声を届けてくれるようゼシルが水の精霊たちに頼んだのだ。これまでなら精霊に頼んで光景しか見えなかったが、声も聞こえるとなればリアルタイムで双方向の会話ができる。
最悪、そのままアイカはイエニに行くことだって出来るのだ。お互いに距離は全く関係ないと言えた。そんな会話が2人の間されたなど全く知らないギルバートは、
「だが考えようによっては、アルバについて来られるよりイエニに行ってくれただけマシか」
と、これでしばらくは安心だと頷づいていた。
▼
白い雲が流れる青空の下、大海原を帆を広げた数隻の船が進んでいた。時折、興味を持ったイルカが船の周囲を飛び跳ねる。
そして船団の中で最も大きい船の船首に、青い銀糸を風にふかれるまま自由になびかせ立つ姿があった。藍色のドレスを着て、しかし船が波に大きく揺れようとその姿はぐらつくこともあわてることもない。
「ラグナの次は、フロディティ国のツーリーズ、そのまた次はアニタ国のドナ、そしてイエニになります」
今後の外遊先をにこやかな笑顔を浮かべたディアーノが説明していく。海底にいる間の1000年で世界がどう変わったのか見て回るつもりだというゼシルを、ディアーノがプロポーズは別として誘ったのだ。
(船に最後に残った魂。あれはあの人の魂だった。私は還るべき場所へ還るように言って、その魂がこの男に吸い込まれたというならディアーノは………)
不思議な縁だと思う。女神が生まれるのは千年に一度あるかないかの奇跡だ。そして生まれたばかりの女神が偶然にもラグナへとやってきて、そこに外遊で偶然立ち寄っていたディアーノがいた。
(まるで全てが示し合わせていたような偶然の重なりだわ。これも全てアイカが呼び寄せた奇跡なのかしら)
ギルバートだけでなくアイカ自身も自分が月の女神であることを知らなかったのは、さすがのゼシルも言葉を失った。
女神の中でも月の女神は一際特別なのだ。月があるからこそ海は満ち引きを繰り返し、人々は闇夜を照らす月に畏敬の念を抱き祈る。その願う心が月の女神の力になる。アイカの力の源は全てこの信仰心によるものであり、アイカ自身が願いの集大成なのだ。
「どれも知らない国だわ」
感慨無さげにゼシルは呟く。
海の底にいた1000年の間に新しく出来た国だろうか。今現在ラグナを治めているのはギルバートのグランディ家でありカーラ・トラヴィスに属する。
(人の国には興味はないけれど、そこに住む精霊たちは気になるところね。精霊と人は別物だけれど、その土地の風土や人が持つ感情に精霊は影響を受けやすい)
本来であれば精霊の声に耳を傾けるのも、精霊たちを統べる女王であるゼシルの役割だった。それをほぼほぼ1000年放置し続けてしまっていた。
すべての精霊に善悪はない。しかし気質や性質はある。アイカの声が聞こえながら助けることはしなかった海底の精霊のように。
「知らない国でよかった」
「どうして?」
「ゼシルが知っている国だと、今更行っても仕方ないでしょう?知らないからこそ知る楽しみがある」
「知る楽しみ……」
ふと、ディアーノの言葉に1000年前の記憶が走馬灯のように走る。朗らかに、しかし
少年のような瞳で男は胸を張って言う。
『なぜ領主である俺自ら危険な海にでるのかと呆れる者たちもいるが、そうじゃない。この海の先には俺の知らないもので溢れている。俺はそれを知りたいんだ』
すでに富も地位も得ているのに船に乗り続ける理由を、あの人はそう言っていた。
『好奇心』それこそが人が持つ優れた性質であり、一歩間違えれば堕ちてしまう悪しき性質でもある。だが好奇心なくして人は前に足を踏み出すことはない。
「人はそれを好奇心というのだったかしら、ディアーノ」
「初めて俺の名前を呼んでくださいましたね」
「そうかしら?」
「ええ」
指摘されて初めてだっただろうか?とゼシルは思案したが、海風に髪を掬われ、どうでもよくなってしまった。
精霊は気まぐれなのだ。いつ気が変わるか分からない。
けれどーー
(気が変わらないでいる間は、あの人の生まれ変わりである貴方の傍にいてあげるわ)
そう心の中でゼシルは囁いた。
ギルバートの逞しい身体に組み敷かれながら、その下でアイカは一糸纏わず力の入らない身体をゆるゆると揺さ振られ続け、快楽の夢現を漂う。今夜2度目の繋がりは、決して追い上げるためではなく、長く快楽を愉しむための行為だ。
「あ、あっ…、あ、あん、ぁっ……」
言葉は紡げず、薄く開いた口から漏れるのは嬌声だけで、蕩けきった身体は、下腹奥深に収まったギルバートの熱くて太い楔を感じることしか出来ない。頭は真っ白で、時折目尻に溜まった涙が零れるとぺろりと舐め取られた。
一度先に中に出したものがギルバートの楔で搔き回され、ぐちゃぐちゃと卑猥な水音を立てる。
すでに一度果てている筈なのに、身体の中に埋められた楔は存在感を増すばかりだ。
「気持ちいいか?」
聞かなくても分かっているくせに、わざとギルバートは尋ねた。
ギルバートに胸の頂を吸われて、アイカの身体がびくっと跳ねる。と、同時に中にいるギルバートのモノをぎゅっと締め付けてしまう。
ギルバートの触れるところ全てが気持ちいい。まるで全身が性感帯になったようだ。
「あっ!ああっ、そんなに吸っちゃ!」
「でも気持ちいいんだろう?中がまた痙攣しはじめてきた。イきそうなら我慢しなくていい。俺もまだまだ終わるつもりはないしな」
それは許しではなく、怖さをアイカの中で生む言葉だった。
もうギルバートでいっぱいなのにずっと続けるの?
高みに追い上げられては熱が冷めるのを待たず、続けざまに次の快楽を与えられる。最後の方ではずっと絶え間なくイき続けているような快楽に、気持ちいいのか苦しいのか分からなくなってしまう。
アイカが気を失っても、ギルバートは自身が満足するまで抱くのを止めないだろう。
それでもギルバートなら許せてしまう。怖くてもずっとギルバートを抱きしめていたい。
▼
今年のラグナ領見回りは例年より滞在期間が2週間長引くことになった。
理由を問う必要はなかった。税金や収入や雑務など、領主としての仕事が例年より多かったわけではない。単にそれらより優先させられる事件が多く発生したことで、処理が遅れてしまったからからである。
友好国イエニからディアーノ王子が外遊に立ち寄っていただけでも、ギルバートのスケジュールは詰まっていた。そこにアイカの失踪とゼシルの出現が重なって、仕事どころではなくなったし、ラグナの港に早朝出現したクリスタルの船の噂の沈静化や、周辺貴族たちを招いての社交パーティーと贈り物の対応も追い討ちをかけた。
しかし、ラグナ領の仕事が終わらなければアルバには戻れない。いくら将軍であっても自らが治める領地は決して疎かにはできないのだから。
ようやくラグナ領の仕事を終えて、アルバへの帰途についた馬車の中で
「ココ、貴方太ってきてない?」
元はスリムよりの体型だったココだったけれど、抱きかかえようとしたアイカがずしっとした違和感を感じて、じっとココを見つめた。
食べるものを日々探す野良猫だった頃に比べて、この世界にアイカと共に転生してからはグランディ家に戻れば必ずごはんにありつける。だから栄養状態がいいのは確かだが、ふわふわの毛では隠せなくなってきた肉の重み。
じーっと視線をそらさずアイカが見やれば、抱きかかえられたココの視線はそっと横にそれていく。自分が太ってきている自覚はあるらしい。
「ハムばっかり食べていると太ると注意しているのに、セバスチャンの目を盗んで食べていただろう?ラグナに戻ったらしばらくハムは禁止だな」
「猫は元々肉食だ。肉を食べて何が悪い?」
「肉を食べるのは構わんが、昼寝ばかりしているから太るんだ」
しばらくハムは禁止だ、と付け加え、ココの反論にもグレンは全く動じることなく言い返す。
そんな3人の様子を微笑ましく見ていたギルバートが、ふとアイカに話しかけた。あまり考えないようにしていたことであり、しかし確認しておかねばならない案件だった。
「ゼシルはこれからどうするとか言っていたか?」
「しばらくディアーノ王子のイエニに行ってみるって言ってたわ」
「じゃあディアーノのプロポーズをゼシルは受けたのか?」
それはそれでカーラ・トラヴィスにとって脅威だ。友好国であることだけが救いだが、海を隔てている分、水や氷を操れるゼシルの力は決して敵に回したくない。
だが人間に対してアイカほど関心を持っている様子ではなかったのに、なぜ?と内心頭をひねる。
「それは保留だそうよ。精霊の女王になってからもずっと海の底で魂を守り続けていたから、地上へ出たのは1000年近く振りで、とりあえず世界を見て回りたいって」
ディアーノがラグナを去る前夜、アイカとゼシルは2人だけでゆっくり話した。ゼシルの昔話から、アイカの前世が人間であったこと、そしてこれからのこと。
(ギルバートはまたゼシルが私を連れ去るんじゃないかって心配していたけど、そんなことないのにね)
仕方なかったとはいえ、無理矢理アイカの魂を海底に連れ去ってしまったことをゼシルからすでに謝罪されていた。そして何か困ったことがあればいつでも相談してほしいと。
どんなに離れていようとも川や海にさえ繋がっていれば、水を介して相手の姿や声を届けてくれるようゼシルが水の精霊たちに頼んだのだ。これまでなら精霊に頼んで光景しか見えなかったが、声も聞こえるとなればリアルタイムで双方向の会話ができる。
最悪、そのままアイカはイエニに行くことだって出来るのだ。お互いに距離は全く関係ないと言えた。そんな会話が2人の間されたなど全く知らないギルバートは、
「だが考えようによっては、アルバについて来られるよりイエニに行ってくれただけマシか」
と、これでしばらくは安心だと頷づいていた。
▼
白い雲が流れる青空の下、大海原を帆を広げた数隻の船が進んでいた。時折、興味を持ったイルカが船の周囲を飛び跳ねる。
そして船団の中で最も大きい船の船首に、青い銀糸を風にふかれるまま自由になびかせ立つ姿があった。藍色のドレスを着て、しかし船が波に大きく揺れようとその姿はぐらつくこともあわてることもない。
「ラグナの次は、フロディティ国のツーリーズ、そのまた次はアニタ国のドナ、そしてイエニになります」
今後の外遊先をにこやかな笑顔を浮かべたディアーノが説明していく。海底にいる間の1000年で世界がどう変わったのか見て回るつもりだというゼシルを、ディアーノがプロポーズは別として誘ったのだ。
(船に最後に残った魂。あれはあの人の魂だった。私は還るべき場所へ還るように言って、その魂がこの男に吸い込まれたというならディアーノは………)
不思議な縁だと思う。女神が生まれるのは千年に一度あるかないかの奇跡だ。そして生まれたばかりの女神が偶然にもラグナへとやってきて、そこに外遊で偶然立ち寄っていたディアーノがいた。
(まるで全てが示し合わせていたような偶然の重なりだわ。これも全てアイカが呼び寄せた奇跡なのかしら)
ギルバートだけでなくアイカ自身も自分が月の女神であることを知らなかったのは、さすがのゼシルも言葉を失った。
女神の中でも月の女神は一際特別なのだ。月があるからこそ海は満ち引きを繰り返し、人々は闇夜を照らす月に畏敬の念を抱き祈る。その願う心が月の女神の力になる。アイカの力の源は全てこの信仰心によるものであり、アイカ自身が願いの集大成なのだ。
「どれも知らない国だわ」
感慨無さげにゼシルは呟く。
海の底にいた1000年の間に新しく出来た国だろうか。今現在ラグナを治めているのはギルバートのグランディ家でありカーラ・トラヴィスに属する。
(人の国には興味はないけれど、そこに住む精霊たちは気になるところね。精霊と人は別物だけれど、その土地の風土や人が持つ感情に精霊は影響を受けやすい)
本来であれば精霊の声に耳を傾けるのも、精霊たちを統べる女王であるゼシルの役割だった。それをほぼほぼ1000年放置し続けてしまっていた。
すべての精霊に善悪はない。しかし気質や性質はある。アイカの声が聞こえながら助けることはしなかった海底の精霊のように。
「知らない国でよかった」
「どうして?」
「ゼシルが知っている国だと、今更行っても仕方ないでしょう?知らないからこそ知る楽しみがある」
「知る楽しみ……」
ふと、ディアーノの言葉に1000年前の記憶が走馬灯のように走る。朗らかに、しかし
少年のような瞳で男は胸を張って言う。
『なぜ領主である俺自ら危険な海にでるのかと呆れる者たちもいるが、そうじゃない。この海の先には俺の知らないもので溢れている。俺はそれを知りたいんだ』
すでに富も地位も得ているのに船に乗り続ける理由を、あの人はそう言っていた。
『好奇心』それこそが人が持つ優れた性質であり、一歩間違えれば堕ちてしまう悪しき性質でもある。だが好奇心なくして人は前に足を踏み出すことはない。
「人はそれを好奇心というのだったかしら、ディアーノ」
「初めて俺の名前を呼んでくださいましたね」
「そうかしら?」
「ええ」
指摘されて初めてだっただろうか?とゼシルは思案したが、海風に髪を掬われ、どうでもよくなってしまった。
精霊は気まぐれなのだ。いつ気が変わるか分からない。
けれどーー
(気が変わらないでいる間は、あの人の生まれ変わりである貴方の傍にいてあげるわ)
そう心の中でゼシルは囁いた。
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