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ロミオとジュリエットと時々、神父。
67話
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神父は、まるで品定めするようにわたしを見下ろした。
まるで、警察の嘘発見器にかけられる容疑者みたいな気分。
こげつきそうなほど熱かった身体が、一気に冷えていく。
居心地の悪さに、その場から逃げ出したい。足ががくがくと震える。
織部くんは、わたしと神父の間に壁をつくるようにして、立ちふさがっていた。
「寮長のあなたなら、知っているはずですね。女性の立ち入りは禁止されていることを」
「女性でも面会者が家族。またはそれに準ずる関係であれば、問題ないはずです」
「婚約者ともなれば、そうですね」
さすがに聖職者は、そんなことぐらいで動じたりしないのか。
あまりにも突拍子もない話だから、本気にしていないのかもしれない。
わたしだって、信じられない。婚約者だなんて……。
冗談なの? それとも本気?
真面目すぎる彼のことだから、わたしがいい歳して“初めて”だったことで、責任を感じたのかしら。そう思うと、なんだか悲しくなってくる。
いや、そんな場合じゃない。
これは、高校生相手の淫行。今、まさにわたしは、犯罪者として断罪される立場にあるのだ。
そんな絶体絶命の状態であるはずなのに、頭では理解しているはずなのに……喜んでしまう自分が情けない。
一時の気の迷いかもしれない。
未来のことまで、織部くんを束縛できない。
彼は、まだ高校生でしかなくって、わたしは彼よりも数年、先に生きてしまっている。
もし、わたしが彼と同じ高校生なら、こんなふうに思い悩むこともなかったのかもしれない。
それでも、どうしたらいいのだろう。
今も、この瞬間も、もの狂おしいほど彼が好きで仕方がない。
いつまでこの恋が続くのかと、見えない明日に絶望しながらも、この手で断ち切ることもできずにいる。
そんな切ない気持ちが、きゅうきゅうと胸を締めつけて、苦しい。
突然の訪問者のおかげで、氷水をかけられたように冷めた心と身体が、織部くんの言葉でどうしようもなく熱くなってくる。
彼の気まぐれな一言に惑わされ、心をかき乱されてしまう。
わたしは、織部くんの背中に額を押し当てた。
誰も見ていなければ、このまま、彼にしがみつきたい衝動に駆られる。
心臓の鼓動がいっそう早くなって、身体の奥のほうが潤むのを感じていた。そんな場合でもないのに。
体中の血が頭に昇りつめ、息ができない。
言いようもないやるせなさと、もどかしさに泣きたくなる。
ぬめる内腿を擦り合わせた時、とんでもないことに気がついた。
下着が……ない。
まるで、警察の嘘発見器にかけられる容疑者みたいな気分。
こげつきそうなほど熱かった身体が、一気に冷えていく。
居心地の悪さに、その場から逃げ出したい。足ががくがくと震える。
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「寮長のあなたなら、知っているはずですね。女性の立ち入りは禁止されていることを」
「女性でも面会者が家族。またはそれに準ずる関係であれば、問題ないはずです」
「婚約者ともなれば、そうですね」
さすがに聖職者は、そんなことぐらいで動じたりしないのか。
あまりにも突拍子もない話だから、本気にしていないのかもしれない。
わたしだって、信じられない。婚約者だなんて……。
冗談なの? それとも本気?
真面目すぎる彼のことだから、わたしがいい歳して“初めて”だったことで、責任を感じたのかしら。そう思うと、なんだか悲しくなってくる。
いや、そんな場合じゃない。
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そんな絶体絶命の状態であるはずなのに、頭では理解しているはずなのに……喜んでしまう自分が情けない。
一時の気の迷いかもしれない。
未来のことまで、織部くんを束縛できない。
彼は、まだ高校生でしかなくって、わたしは彼よりも数年、先に生きてしまっている。
もし、わたしが彼と同じ高校生なら、こんなふうに思い悩むこともなかったのかもしれない。
それでも、どうしたらいいのだろう。
今も、この瞬間も、もの狂おしいほど彼が好きで仕方がない。
いつまでこの恋が続くのかと、見えない明日に絶望しながらも、この手で断ち切ることもできずにいる。
そんな切ない気持ちが、きゅうきゅうと胸を締めつけて、苦しい。
突然の訪問者のおかげで、氷水をかけられたように冷めた心と身体が、織部くんの言葉でどうしようもなく熱くなってくる。
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わたしは、織部くんの背中に額を押し当てた。
誰も見ていなければ、このまま、彼にしがみつきたい衝動に駆られる。
心臓の鼓動がいっそう早くなって、身体の奥のほうが潤むのを感じていた。そんな場合でもないのに。
体中の血が頭に昇りつめ、息ができない。
言いようもないやるせなさと、もどかしさに泣きたくなる。
ぬめる内腿を擦り合わせた時、とんでもないことに気がついた。
下着が……ない。
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