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魔王城編

エピローグ

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エピローグ
···············
「大丈夫ですか?」
優しい声がきこえる。
目を覚ますとそこには··········
立派な木が沢山生えており、綺麗な緑色をした大地が広がっていた。
でもあの声の主が見当たらない。
「ここは·····」
近くの水溜まりに顔を近づけると確かに1000年前滅んだ肉体があった。
「もしかして俺…生き返った!?」
周りを見てみるとあちこちやはり綺麗だ。1000年前とは段違いだ。
「俺の城は!?」
周りを見てもどこにもなかった。
「なぜ俺は生き返ったのだ…」
··················································
時間は遡る。
1000年前……
魔王ルベリア・グレイエスは勇者アルシアと1VS1で戦っていた。
「少しはやるようだな」
少し挑発する。
「しかしこの戦争は飽きたな」
と魔王ルベリアはなぜか呆れたように言った。
「飽きただと?」
勇者が問う。
「こんなことしても何の役にも立たないだろ」
「はあ……」
と勇者はため息をついた。
「そんなこと言うの君ぐらいよ」
魔王の頭には?が思い浮かんだ。
「魔王を倒せば世界は救われる!」
「お前は何人の人を殺した!?」
勇者が怒りながら言った。
「俺は1人も殺していない」
「殺したのは俺じゃなく、配下だ」
周りで観戦してた魔王軍幹部4人がこくこくとうなずく。
「確かに魔王様は1人も殺していないな」
「そうだな」
「魔王様は殺し合うのが好きじゃないんだよなぁ」
と周りからきこえる。
すると勇者が
「え?ほんとに殺してないの?」
と疑問を浮かべながら魔王に問う。
「そうだ。本当の話だからな」
「信じたくなければ信じなくても良い」
と言うと勇者は剣を下ろした。
「さすがに周りにも言われたら信用するしかないな」
と勇者は魔王を信用した。
「しかしなんで殺さないんだ?」
勇者がいきなり怖いことを言い出した。
「いきなり怖いことを言うなよ」
少し魔王は勇者を引いてしまった。
そうだな………と少し考える。考えたがまとまった魔王はこう口にした。
「なんか殺すのって怖くね?」
周りがシーーンと静まり返った。
魔王はえ。なんか変なこと言った?と疑問を浮かべた。
すると勇者がこう言った。
「ほんとによくそれで魔王やっていけたね……」
すると魔王は確かに。と思った。
「なんで俺って魔王やってるんだろうな」
勇者が目を細めて呆れたように言う。
「もう魔王やめて、好きなように生きればいいのに。」
その言葉に魔王は興味が湧いたようでニコニコしながら言う。
「そうだな!そうしよう!」
嬉しそうに笑みを浮かべながら手に黒いオーラが纏った。
そうこれこそが魔王ルベリアにしか使えない魔法【触死(タッチオブデス)】だ。そのオーラを纏った手で自分の心臓を貫いた。
「ちょ!?なにしてるのよ!」
勇者が驚きながら言った。
「これで魔王はいなくなるだろ」
「これならもう争うこともなくなる」
「これで俺も1000年後にはおそらく復活して好きなように暮らせる。勇者も英雄となり一石二鳥だ!」
周りが暗い闇色に包まれる。
「生き返ることに成功したら少しは魔王らしく暮らせるかな?」
魔王の優しい声が響く。そして魔王ルベリアは自ら死んでしまった………
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