魔法小学生。

夕凪 伽夜

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10話♥魔法小学生の現実。

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やよいさんは話終えると、めいなさんは怒りに狂っていた。
「ただそれだけで…ただそれだけで殺したんですの…?」
やよいさんはあぁそうさ、と答えると一瞬のすきで
「お前も母親と同じにしてやるっ!!」
指輪を向けた。
(!!)
「ブロック。」
やよいさんは腕を固められ、何も出来なくなってしまった。
「あーあ…もう少しだったのに。」
すると片方の手でナイフを取り出した。
「私はもう生きちゃいけない、取り返しのつかない事をしたから。だから今それをここで償う」
そう言うと、やよいさんは自分の心臓に自ら刺した。
「お母さん…お父さん…今逝くね…」
そしてやよいさんは死んだ。
「…自分で殺したかったのだけど、今回ばかりは仕方ないわ…」
めいなさんは歯を食いしばって、悔しんでいた。
「えぇ…危なかったしね、それより怪我はない?」
めいなさんはうなづいた。
「でもこれで母親の仇はとれたと思いますわ、ありがとうございます。さゆり、はなみさん。」
めいなさんは心の底から安堵して、泣いていた。さゆりさんはめいなさんの背中を優しくさすっていた。

「用も済んだし、もう帰ろうか!」
あの後、やよいさんは可哀想だけどそのままあの場所で。自分で腹を刺しているので自殺とさして取り扱ってもらえるよう、すぐその場から離れた。
「もうすぐ…次の日になりますわね…」
(ガサガサ)
「ん…?」
めいなさんは何かの気配を感じ、公園の奥の方を見ていた。
「何か光っているわ…」
めいなさんは公園の奥の方に近づいていった。
「ん?どうした?」
次の瞬間、めいなさんは突然体内で爆発した、お腹が爆発したせいでボロボロになっている。
「がっ…はッ……」
私はめいなさんの所へ行った。
「めいなさんっ!!大丈夫ですかっ!?」
私は泣き叫びながらめいなさんに必死に応答を求めた。
「っ!奥の方から誰か来るぞ!!」
すると公園の奥の方から出てきたのは、あのいじめっ子だった。
「よぉ、はなみ、あの時はどぉも。」
さゆりさんがあの時、石化させたはずの渡辺奈乃火はそこにいた。
「なぜ!?あの時、石化させたはずじゃ…!??!」
すると奈乃火ちゃんはニヤリと笑った
「そんなこたぁどうでもいい…死ねっ!」
すると奈乃火ちゃんは目を合わせようと、さゆりさんに走って近づいてきた。
「マジカルハートっ!!!」
私は耐えきれず、魔法を使ってしまった。だが、そんな魔法はあっけなく避けられてしまった。
「がはッ!!ッ!!」
するとさゆりさんは何故か血を吐いた、それも大量に。
「ようやく来たか…」
さゆりさんはどんどん衰えていく、私はどうしたらいいかわからなかった。
「さゆりさん…!!なんでっ…!?」
すると奈乃火ちゃんは急に笑い始めた。
「お前知らないのか?w魔法小学生は小学生限定なんだよ」
つまり…
「小学生じゃなくなったら終わりなんですか…?そんなこと…」
そしたらさゆりさんの寿命は…
「いつまで夢見てんだアホ、こいつはもう死ぬんだよ、小学生じゃねーからなっ!!」
時刻は午前1時、ちょうど次の日になった。
「ごっ…めん…な…さい…はなみ…ちゃん」
さゆりさんは最後の力を振り絞って声を出す。
「さゆりさん!!知ってたんですか…?そんなッ!!嫌です…こんな…」
これから…これからもっといっぱい喋ってこれからもっといっぱい…それなのに…私達は小学生で人生を終えるの…?
「そんなの嫌だあッ!!!」
さゆりさんは力なく、倒れてゆく。
「もういい…お前ら全員ぶっ殺してやる!!」
奈乃火ちゃんと目が合う、もうここで死んでもいいと思った。ここでさゆりさんと死ねるなら私はそれでいい…。
短い間だけど最後は幸せな人生だった…
「ブロ…クッ!!」
え…?
「なにっ?!」
空中で奈乃火ちゃんの魔法が固まった。
「生き…て…はなみ…ちゃんっ!!」
さゆりさんは涙を流しながら、私のポケットに何かを入れた。
「ファンタスティックブック!!」
すると私達はバリアで守られた。
「ともっち先輩…!!」
そこにはともえさんの姿があった。
「くそっ!!」
奈乃火ちゃんは逃げてしまった、公園にはお腹がぐちゃぐちゃになってしまっためいなさんと、ぐったりしているさゆりさんが倒れている。
「私はあっちの方の人を見てくる、はなみはそいつの傍にいろ」
そう言ってともえさんはめいなさんの様子を見に行った。

「…冷たい。」
ともえさんはめいなさんの手首を持った。
「だめだ…死んでる…」
めいなさんは手遅れだった、私はさゆりさんの頬を触った。
「冷たい…なぁ…」
目を閉じて安らかに眠っているさゆりさんはとても冷たかった、でももうあの頃の面影はなかった。
「うぅ…嫌だよっ…そんな…うわああああああああぁぁ!!」
声が枯れるほど泣きじゃくった、ともえさんは黙って私の背中をさすってくれた、それはまるでさゆりさんのように。
「辛いのはわかる…でも…」
ともえさんは私のポケットを指差した。
「あいつが最後の力を振り絞って渡した手紙…きっとあいつの事がわかると思う。」
(!!)
そうだ、最後にさゆりさんは私のポケットに手紙らしきものをいれたんだ。
「もう今日は疲れただろ?腕の傷もひでえし、はなみはもう帰りな」
今は腕の傷なんてどうでもよかった、とにかくさゆりさんを守るために行動していた私にとっては。
「でも!さゆりさんとめいなさんはどうするんですか!!」
死んでしまったなんて信じたくなかった、でも目の前には冷たくなって、瞳に1つの光もない二人がいて…現実を突きつけられた。
「救急車を呼んで運んでもらう、とにかくお前はお母さんに気付かれないうちに帰れ。」
そうだ…私はお母さんに気付かれないようにこっそり抜け出して来たんだ…!
「はっはい…」
私は公園を去った、最後に見えたのはピクリとも動かなくなったさゆりさんの姿だった。
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