マッチより涙を売れば稼げるよ

「マッチは、マッチはいりませんかー?」
マッチに目をくれる者など、誰一人としておらず、少女の声は、虚しく寒空に吸い込まれていく。
寒さと辛さと寂しさに耐えかねて、少女は売り物用のマッチを一本擦る。
ぽわっと小さく火が燃えて、暖かく輝き出す。

目をこらすと、小さな炎の奥には、ぼんやりと人影が見えた――
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,838 位 / 193,838件 現代文学 8,632 位 / 8,632件

あなたにおすすめの小説

花の心

有箱
現代文学
子ども兵士として、日々戦う僕と君――アルルテ。 彼女は、この地にいながら“花”というものが好きだった。実物は知らないけれど。 ラジオ番組や本を眺め、一度でいいから本物を見たいと夢見ている。 だが、僕らにとって、死は逃れられない運命だった。

短編集「愛愛旋風」他

川崎メロン味
現代文学
「恋・愛」をテーマにした9つの短編をお送りします。

二色短編集 2019~2020

二色燕𠀋
現代文学
やんごとなき散文集。やっぱり情緒がアレ。 ジャンル?わからん。もう自戒とかある。 「メクる」「小説家になろう」掲載。

まにときり

Kyrie
BL
ひよこのまにとこねこのきりは大のなかよし。 * Twitterのフォロワーさんたちとのやりとりでできあがった、童話風なお話。 * 他サイトにも掲載。 * 表紙 かじったっけさん https://twitter.com/kajittakke 表紙について ブログ https://etocoria.blogspot.com/2018/06/novel-cover-manikiri.html

名前のないその感情に愛を込めて

にわ冬莉
現代文学
幼い頃の記憶。 古びた鳥居と、小さな男の子。 その山で出会ったヒトは、ヒトならざる者だった。

寂しい中で、いつも生きてる〜沼津平成の励まし短編集〜

沼津平成
現代文学
沼津平成の励まし短編集です。

きみのオムレツはあいのあじ

有箱
現代文学
私たちにとって、オムレツは定番中の定番メニューだ。しかし特別なメニューでもある。 そんな我が家は片親家庭だ。 けれど、一人娘には寂しい思いをさせないよう、精一杯愛して育ててきた。 娘にとって十分であるかは、ちょっと不安だったりするけどね。 ……さてさて、今日も二人、ふわとろな幸せを頬張りましょう。

ほもむかしばなし

halsan
BL
混迷を迎えたこの時代こそ「温故知新」すなわち古きを訪ね新しきを知るべし。 僭越ながら我らガチホモが先人たちの伝奇に隠された真実を語り伝えてしんぜよう。