王の宝~元亜光速宇宙移民船の疑似人格電脳は人として生きる夢を見るか~

広海智

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第六章 捕らわれてのち 一

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     一

「歌っている……」
 ソニャーレの呟きに、フェッロは何のことかと耳を澄ませた。確かに、荷馬車が走る音に紛れて、微かに細い歌声が聞こえる。フェッロは、背後から差してきた朝日に目を細めつつ、御者台から荷台を振り向いた。荷台に座ったソニャーレの視線の先で、王の宝は腹に手を当てて横たわったままだ。細い足首の片方には、ソニャーレに固く綱を結びつけられ、荷台に繋がれている。一度水を飲み、その後、用を足すためソニャーレに藪の中へ連れていかれた以外は、殆ど動いていない。歌声は、その王の宝から響いていた。

  スカーバラの市へ行ったことがあるかい?
  和蘭芹、薬用緋衣草、迷迭香に立麝香草、
  そこに住むある人に宜しく言ってほしい、
  彼はかつてぼくの恋人だったから。

  一噎の土地を見つけるように言ってほしい、
  和蘭芹、薬用緋衣草、迷迭香に立麝香草、
  海水と波打ち際の間に、
  そうしたら彼はぼくの恋人。

  羊の角でそこを耕すように言ってほしい、
  和蘭芹、薬用緋衣草、迷迭香に立麝香草、
  それから一面胡椒の実を蒔くようにと、
  そうしたら彼はぼくの恋人。

  革の鎌でそれを刈るように言ってほしい、
  和蘭芹、薬用緋衣草、迷迭香に立麝香草、
  それから欧石南の縄でまとめるようにと、
  そうしたら彼はぼくの恋人。

「一体、どういう意味の歌なんだ?」
 フェッロは難解な歌詞に眉をひそめて、ソニャーレに尋ねた。
「わたしも初めて聴く歌ですから、よく分かりません」
 工作員の少女は切って捨てるように答えたのみだった。
 王の宝は歌い続ける。

  彼がそれをやってできたのなら、
  和蘭芹、薬用緋衣草、迷迭香に立麝香草、
  薄い亜麻布の衣を取りに来るように言ってほしい、
  その時彼がぼくの恋人になるから。

  できないと言うならぼくはこう答えるよ、
  和蘭芹、薬用緋衣草、迷迭香に立麝香草、
  ああ、せめてやってみると知らせてほしい、
  でなければきみは決してぼくの恋人ではないと。

「恋人」というのは、国王アッズーロのことだろうか。王はかつての恋人で、無理難題を示して、もう恋人になるなと言っているのか。それとも、無理難題を乗り越えて、また恋人になってほしいと言っているのか。
「フェッロ殿」
 不意に、ソニャーレが緊張した声を出す。
「厄介な追っ手が来ました。わたしが相手をします。あなたはとにかく国境目指して馬車を走らせて下さい」
「『厄介な追っ手』?」
「元同僚、ですよ」
 淡々と告げて、ソニャーレは荷台の上に立ち上がった。オリッゾンテ・ブルから吹く風に、ソニャーレの結い上げた胡桃色の髪が靡く。国境まではもうすぐだ。眩い日の出を背景に土埃を上げ、騎馬で追ってきたのは、銀髪を襟足で切り揃えた少女。
(あれが追っ手――。ソニャーレの「元同僚」――)
 フェッロは、奥歯を噛み締める。つまりは、レ・ゾーネ・ウーミデ侯の許でともに働いていた相手ということだ。
「戦えるのか?」
 肩越しに問うたフェッロに、ソニャーレは薄い笑みを浮かべて見せた。
「わたしは工作員。あちらは暗殺者。いい勝負になるでしょう」


――「わが配下から離反者を出したとあっては、王に合わせる顔がなくなる。必ず、ソニャーレに追いつき、王の宝を救え」
 パルーデの、珍しく真剣な顔が脳裏を過ぎる。サーレは唇を引き結んで、馬を疾駆させたまま、腰の鞘から剣を抜いた。ソニャーレは、疾走する荷馬車の荷台に立ち、曲刀を抜いて、こちらを見据えている。荷台の囲いは高く、その下半身は見えないが、恐らくソニャーレの足元に、王の宝も捕まっているだろう。
 サーレは荷馬車に馬を寄せ、ソニャーレ目掛けて剣を振るった。
 金属音が響き、火花が散り、剣が弾き飛ばされる。サーレはすぐに馬上で体勢を立て直し、手綱を捌いて、ソニャーレに再び挑む。数合切り結んだが、決着は着かない。予想以上に、手強い。
(さすが、単身テッラ・ロッサから送り込まれていただけのことはある――)
 サーレは片手で手綱を握ったまま、揺れる鞍の上に足を置いた。勝負を掛けるしかない。何度目か、荷馬車に馬を寄せていき、サーレはソニャーレと切り結びながら、荷台に転げ込んだ。
(いた、王の宝……!)
 王の宝ナーヴェは、ぼろぼろの長衣を纏った姿で、荷台の底に横たわっていた。腹を庇うように体を曲げ、片足は綱で荷台に繋がれている。
(状態が思わしくない――)
 顔をしかめながら、サーレはソニャーレの曲刀を剣で受け流した。王の宝が動ける状態ならば、サーレがソニャーレを防いでいる間に逃げろと言えたが、そうもいかないようだ。
(それなら、せめて、この荷馬車を止める――)
 サーレは、ソニャーレの曲刀を躱し、御者台へ向かった。轟音が響いたのは、その直後だった。
 サーレの目が捉えたのは、振り向きざまに鉄砲を撃った青年の姿、そして、己の体から散る血飛沫。サーレは、背中から荷台の中に落ちた。衝撃に一瞬閉じ、開いた目に、朝日を反射する曲刀が映る。
(パルーデ様――)
 覚悟したサーレの視界を、影が覆った。
「殺したら、駄目だ――」
 掠れた声が、間近で言う。青い髪が、さらさらとサーレに掛かる。
「ぼくは逃げないから、彼女は逃がしてほしい」
「そもそも、あなたは逃げられるような状態ではないでしょう」
 呆れたようにソニャーレが応じる。
「取り引きになっていませんよ」
「ぼくは、その気になれば、きみも、フェッロも殺せる」
 硬い声で、王の宝は告げた。サーレを庇いつつ、王の宝は体を起こし、ソニャーレを見上げる。
「王城の庭園で、フェッロの足元の地面を抉ったのはぼくだ。でも、ぼくは、きみも、フェッロも殺したくない。ぼくは、きみ達みんなに、幸せになってほしい。それが、とても難しいことだと分かってはいるけれど、幾ら壊れようとも、やっぱり、ぼくにとって、きみ達はみんな子どもみたいなものだから」
「どこまで真実なのか分かりませんが、わたしはあなたが何かする前に、一瞬であなたの首を刎ねることができます」
 冷酷に、ソニャーレは告げる。
「やはり、取り引きにはなりません」
「ぼくの体は、これ一つではないから、首を刎ねても無駄だよ。それに、きみはそんな無駄なことはしない。ぼくの肉体を生きたままロッソ三世のところへ連れていくほうが、余ほど利益になると知っているから」
 淡々と、王の宝は応じた。ソニャーレの性格を、よく分かっている。取り引きが、成立してしまう。サーレは、懸命に口を開いた。
「駄目です、ナーヴェ様。わたしなど放って、お逃げ下さい。これは、致命傷です。わたしは、もう助からない。それより、どうか、御身大切に。復讐と追憶以外、生きる糧のなかったパルーデ様に、新たな生きる糧を与えたのは、あなた様と王の、絆なのですから。どうか、あなた様は、王の許へ……」
「アッズーロには、きみから伝言を頼むよ」
 優しい声で、きっぱりと告げ、王の宝はサーレの手から剣を取った。身構えたソニャーレには目もくれず、王の宝は剣を使って、長く青い髪を一房切り落とす。
「これをアッズーロに渡して、伝えてほしい。『ぼくはきみが思っているより、しぶといから大丈夫』と」
「しかし……!」
 サーレは反論しようとしたが、意識が遠くなり始めた。
「大丈夫だよ」
 王の宝は、サーレの手に青い髪の束を握らせ、次いで、傷口に触れる。
「きみは助かる。ぼくが助ける。だから、頑張るんだ」
 サーレは、もう一度反論を試みようとしたが、言葉が出る前に、視界が暗くなり、意識が途切れた。


 それは奇跡の業に見えた。
 王の宝は、髪を切るついでのように、手の親指を、剣で傷つけていた。その親指を、サーレの出血し続ける脇腹に当て、まるで祈るように、目を閉じる。その直後から出血の勢いが収まっていき、見る見る傷の状態が改善していくのが分かった。
(これが、王の宝の力……!)
 ソニャーレは、目を瞠った。王の宝とは、一体何者なのだろう。神ウッチェーロに特別に愛された巫女なのだろうか。
(信じたくはないが、わたしやフェッロを殺せるという話も、本当かもしれない……)
 ソニャーレは、新たな警戒心を持って、王の宝を見下ろした。
 暫くして王の宝は目を開くと、纏っているぼろぼろの長衣の片袖を引き裂いて包帯を作り、サーレの腹に巻いた。
「あんまり清潔ではないけれど、ないよりはましだから、ごめん、サーレ」
 呟いて、王の宝は顔を上げる。
「ソニャーレ、サーレを下ろしてくれるかな? 下ろして、地面に寝かせておくだけでいい。多分、すぐに迎えが来るから。逆に、サーレを残しておかないと、きみ達は新たな追っ手に悩まされることになるよ」
「サーレで追っ手を足止めしろ、ということですか」
「有り体に言えば、そうだね」
 寂しげに微笑んだ王の宝に、ソニャーレは顔をしかめると、まずは床に置かれていた剣を荒野へ放り、次いで意識のない元同僚を抱き上げた。その手に握らされた青い髪が風に飛ばされないよう注意しながら、荷台の囲いに足を掛け、走り続ける荷馬車から跳び下りた。轍跡の砂埃を避け、サーレを寝かせると、走って荷馬車に追いつき、御者台へ跳び乗った。複雑な顔をしたフェッロと目が合ったが、ソニャーレは何も言わず、そのまま荷台へ戻った。
「ありがとう」
 王の宝は、座ったままソニャーレを見上げて微笑み、礼を言うと、元のように横になり、瞼を閉じた。その顔色は、土気色に近い。完全に状態が悪化している。
(サーレに何かを与えて弱ったように見える……)
 まさか、「ぼくにとって、きみ達はみんな子どもみたいなものだから」という、あの言葉も本当なのだろうか。
 小さく息を吐いて、ソニャーレは荷台の床に座り、王の宝の上半身を、自らの膝の上に抱え上げた。硬い床の振動から、少しは守れるだろう。ぐったりとした王の宝は、微かに目を開けてソニャーレの顔を見上げ、ありがとう、と口の動きだけで礼を述べて、力なく目を閉じた。


 国境の山のこちら側、風が吹き渡る荒れ野に、銀髪の少女がぽつんと倒れている。ルーチェは馬に拍車をかけ、急いで少女の許へ行った。
「サーレ!」
 呼んでも返事はなかったが、細身の少女の腹には包帯がしてあり、微かな呼吸も見て取れた。
(一体、誰が……)
 馬から降り、同僚を抱き起したルーチェは、零れ落ちた青い髪に目を瞠った。風に飛びそうになる長い髪の房を急いで掴み、まじまじと見つめる。本物だった。
(じゃあ、手当てして下さったのは、ナーヴェ様……!)
 間違いなく、王の宝はここまで来たのだ。そうでなければ、辻褄が合わない。敵には、サーレを手当てする理由などないのだから。
(ナーヴェ様の足取りは掴めた。でも――)
 ルーチェは眼前に聳える国境の山を見つめた。そこへ続く荒野には、荷馬車も人も見えない。
(サーレをこのままにして、追ってはいけない……。それに、ナーヴェ様は、既に国境の向こう……)
 ルーチェは、サーレを抱えて騎乗した。現状では、サーレを救うため、そして報告のため、レ・ゾーネ・ウーミデ侯領経由で王都へ行くことが最上だろう。
(ナーヴェ様、申し訳ありません……!)
 山の向こうへ、ぺこりと頭を下げて、ルーチェは馬首を巡らせた。
 荒涼とした国境地帯を抜け、田園地帯を通り、レ・ゾーネ・ウーミデ侯城へ戻ったルーチェは、一先ずサーレをパルーデに預けた。手当てはしてあったが、傷はかなり酷い。
「おまえは、その王の宝の髪を持って、王都へ急げ」
 パルーデは、ルーチェの正体を知ってか知らずか、命じる。
「サーレも、回復し次第、わたくしが王都へ連れていくと、陛下に伝えよ」
 サーレをパルーデの寝台に寝かせたピーシェも、振り向いて、力強く頷いてくれた。ピーシェから働きを認められたのは、初めてかもしれない。
「はい!」
 ルーチェは青い髪を握り締めて返事をすると、パルーデの部屋を出て、玄関先に待たせた愛馬の許へ急いだ。御者のフォルマッジョが水と飼い葉を与えてくれていた愛馬ヴィーノは、よく走った。昨夜からほぼ休みなく走らせ続けているが、ルーチェの気持ちを汲むかのように、足を休めない。そのお陰で、日が沈む前に王都へ辿り着くことができた。
「レ・ゾーネ・ウーミデ侯よりの使者である! 火急の用件につき、すぐに陛下に謁見を賜りたい!」
 ルーチェは、いつものような隠密行動ではなく、正々堂々と城門で名乗り、愛馬を衛兵に預けて王城の玄関へと走った。玄関を守る近衛兵達が、やや身構えたが、ルーチェが短衣の懐に入れていた青い髪の束を示すと、一人が王城内へ知らせに走ってくれた。
 王の間で待ち構えていた王は、ルーチェを見るなり、王座から階段を下りてきた。通常ではあり得ないことだ。
「陛下、まずはこれを」
 ルーチェが両手で差し出した青い髪の束を、王は掴み、一瞬見入ってから目を上げた。
「どこにあった?」
「レ・ゾーネ・ウーミデ侯領からテッラ・ロッサ王国へ至る国境手前の荒野です。クリニエラ山脈の北の端に当たります。負傷して意識のない従僕が持っておりました。その従僕は、レ・ゾーネ・ウーミデ侯の配下で、侯より、ヴルカーノ伯の追っ手として派遣されておりました。従僕の負傷は、鉄砲に拠るものと見受けられ、白い、長衣の袖と思われる布で包帯がされておりました」
「つまり、王の宝がテッラ・ロッサへ連れていかれた、ということだな?」
「そう推測されます」
 ルーチェの肯定を受けて、王は周囲に控えた大臣達を振り向いた。
「ヴァッレ、そなたの配下に連絡を取り、最優先で王の宝の所在を突き止めさせよ」
「畏まりました」
 外務担当大臣が一礼し、足早に王の間から出ていった。次に、王は軍務担当大臣を見た。
「ムーロ、直ちに国境沿いの警備を強化せよ。商人であれ、旅人であれ、全て身元を厳重に改めた上で通せ。そして、われが命じたならば、即刻テッラ・ロッサを攻められるよう、軍備を整えよ」
「御意のままに」
 一礼した軍務担当大臣の脇から、道路担当大臣が進み出た。
「陛下、短気はなりませんぞ。今、戦を起こすは、愚策中の愚策」
「分かっておる!」
 王は怒鳴る。
「そのようなことすれば、最初にナーヴェが危険に晒されよう! 全てはナーヴェを――王の宝を救ってからだ」
「それは、困難でございましょう」
 重々しく、財務担当大臣が発言する。
「どうか、王の宝を失った場合のこともお考え頂きたく。テッラ・ロッサには、そうする理由が、充分にございます」
 王は、冷ややかに財務担当大臣を睨んだ。だが、怒鳴りはしない。
「それも分かっておる。なれど、まずは王の宝救出を最優先する方針に異議はなかろう?」
「お分かり頂けているなら、異存はございません」
 財務担当大臣は恭しく一礼した。
 王の宝は、ルーチェに視線を戻した。
「おまえは暫し客間にて体を休めよ。後で、もう少し話を聞く。大臣達は、三十分後に会議室へ集合。今回の件について対策を練る」
「「仰せのままに」」
 王の間に残っていた大臣達が一斉に頭を下げ、ルーチェもそれに倣った。
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