八月の魔女

いちい汐

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1巻

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   魔女、進路調査に悩む


 すこん、と突き抜けた青空に、真っ白な入道雲がもくもくと湧き上がっている。窓を全開にしても、風はまったく吹いてこない。
 暑い。ただでさえ暑いのに、アブラゼミがジーーーッと鳴くもんだから、まるで暑さの我慢大会をしている気分になる。皆下敷きやノートであおいで、少しでも涼しくしようと躍起になっているけど、効果のほどは推して知るべしだ。
 二年二組二十二番。縁起のいいゾロ目。
 八月一日ほずみゆい。十七歳。八月一日と書いて『ほずみ』と読む。すっきりとうなじが見えるショートボブ。くっきりとした眉。黒目がちな瞳はくりくりとよく動く。

「はい、結」
「ありがと」

 前の席からプリントが回ってきた。一枚抜いて、後ろの席に回す。

「今配ったプリントは、来週の月曜に提出だ。忘れるなよー」

 担任教師が言い終わるのと同時に、終業のベルが鳴り響いた。椅子を動かすけたたましい音と共に、生徒たちが待ってましたとばかりに散っていく。

「ねえねえ、結。大学決まった?」
「え、あ。うーん、まだ……、かな」

 煮え切らない返事には理由がある。同じ帰宅部の千早ちはやに肩を叩かれ、結は曖昧な笑みを返した。

「千早は専門行くんでしょ?」
「うん。せっかく店の土台があるからね。私が美容師デビューしたら、徹底的にあのダサい店を改装するんだ」

 千早の家はお母さんが美容院を経営している。昔からある町の美容院で、お客さんも顔なじみの人が多い。そんな家に育った千早はおしゃれに敏感で、制服のジャケットのボタンを色違いにしたり、髪型も器用にアレンジしたりするのが上手い。

「だいたい、なんで夏休み初っ端から三者面談なのよ。信じらんなーい!」
「だよねー」

 口を尖らせながらも、千早の顔は夢と希望に満ちて輝いて見えた。

「あの、さ」
「んー?」

 グラウンドからは早くも「ファイ・オー、ファイ・オー」と部活動に励む声が聞こえてきた。

「千早は家の跡を継いで美容師になるの、嫌じゃない?」
「ううん、全然。別に親に言われたから美容師になるんじゃないし」
「え、そうなの?」

 頷いた千早の髪は、今日も複雑に編み込まれている。

「私、小さい頃から母親の真似して髪いじったりするの好きだったんだ。お人形とかそういうの。店で使えなくなったロッドとかたくさんあったし。あ、ロッドって、パーマかけるときに髪に巻くプラスチックの……、そう、それそれ」

 五センチほどの長さを指で示すと、うんうんと頷きながら二人して笑った。

「で、中学の誕生日に初めてカットマネキンもらったの。しかも、わざわざ丁寧に箱に入れてリボンかけて。開けてびっくりだよ、生首かって!」

 当時のことを思い出したのか、けらけらと笑う。

「普段は絶対触らせてくれないハサミも貸してくれてさ。そのとき、私やっぱり美容師になりたいって思ったんだ。マネキンの髪は酷いもんだったけど、素人なんだからあたりまえだよね。でも、二度とこんなかわいそうなことはしないって思った。今度はちゃんときれいにしてやるって」

 真面目に答えたのが恥ずかしかったのか、千早はへへへ、と照れた。

「結の髪も私がやったげるからね」
「うん。専属美容師だね」
「カリスマ美容師になって、雑誌に特集組んでもらったり!」
「芸能人のお客さんとか?」

 二人できゃあきゃあ騒ぎながら廊下を歩く。
 千早が眩しかった。生まれながらに敷かれたレールがあるという環境は似ている。だけど、千早は敷かれたレールの上をただ歩いてるんじゃない。自分の意志で未来へ向かって歩き出そうとしている。似ているけど、全然違う。将来の夢も希望も、描くことさえできずにいる自分とは大違いだ。
 笑みを浮かべたまま、結はさっき配られたプリントを、ポケットに押し込んだ。
 進路志望調査。夏休みまであと一週間を切った今日、三者面談のためのプリントが配られた。二年生に進級する際、結は総合コースを選択した。明確な大学進学を目指す特進コースではなく、いわゆる普通科コースで、大学進学を目指す生徒から、千早のように専門学校を志望する生徒もいる。

「ただいまぁー」

 玄関のドアを開けようと手をかけた途端、内側からドアが開いて、結はギョッとして飛びすさった。向こうも驚いたように目を見開いたが、結だとわかると「なんだ、結か」と呟いた。

「なんだはないでしょ。おかえりでしょ、お、か、え、り!」

 八月一日あゆむ、十六歳。ひとつ違いの弟だ。どちらかと言えば結は父親似、渉は母親に似ているが、そこは姉弟。並んでみると顔のパーツのあちこちと、背格好までもが似ている。結は身長百五十八センチ。渉はそれに五センチ足したくらいだ。
 今年、結を追うように同じ公立高校に入学した渉は、クラスの男子の中では小さい部類らしく、顔の造りも手伝ってか「渉くん、可愛いー」と女子の人気者だ。

「いいじゃん。私なんて一回も言われたことないし」
「バーカ。可愛いなんて形容詞は男にとっちゃ屈辱でしかないんだよ!」

 鼻の穴を膨らませて怒る渉は、毎日牛乳一リットルを飲み続けている。

「ところで、あんた予備校は?」
「赤本取りに来ただけ」

 渉は持っていた赤本をひらひらと振った。

「ふーん」

 渉は、高校受験のときに通っていた予備校に今も通っているのだ。

「大変だね。まあ、頑張って」

 まったく他人事のようにしか思っていない労いの言葉は、棒読みにしかならない。
 三和土たたきで靴を脱いでいると「三者面談」と渉が言った。
 げ。なんで知ってるの、と振り向いた結に、渉は呆れたように片眉を引き上げた。

「一年のときもあっただろうが、三者面談」

 アホか、とわざとらしい溜息をつく。

「それ、進路調査だろ」

 それ、と渉が指差したのは、結が無意識に触っていたスカートのポケットで、中には小さく折り畳まれたプリントが入っている。

「いい加減決めろよな。間に合わねえぞ」

 重そうなバックパックを背負い直した渉は「じゃあな」と玄関のドアを閉めた。
 結のポケットはますます重くなった。
 ――卒業後の進路志望を、できるだけ具体的に記入してください。
 ――第一志望、第二志望、第三志望……。
 千早には、進学かなぁと濁している。クラスメイトのほとんどは、大学なり専門なりへの進学を志望しているが、結の場合、進学したい大学があるわけじゃない。それどころか、そもそも進学しない可能性が高い。
 結は真っ直ぐリビングへ向かうと、対面キッチンのカウンターにある紙袋の中を覗いた。袋の口を開いただけで、ふんわりとパンのいい匂いがする。チーズとバターと甘いクリームの匂い。結はデニッシュロールを取り出すと口にくわえた。
 美味しー。
 母親の香住かすみは近所のパン屋で、早朝の仕込みのパートをしている。パンの元になる生地を作ったり、成形したりする仕事だ。子どもの頃からパン屋さんになりたかったという香住にとっては、天国のような場所なのだ。おかげで売れ残ったパンや試作品が、こうしてタダでもらえるんだからホクホクだ。
 香住は留守のようだ。この時間ならスーパーにでも行っているのだろう。
 もぐもぐと口を動かしながら、結は二階にある自分の部屋へと上がった。
 部屋のドアを開けると、途端にむっとする熱気に襲われる。どさりと鞄を放り出し、エアコンのスイッチを入れた。うー、と唸りながら部屋の空気を入れ替えるため窓を全開にする。ひしめくように家々が建ち並ぶ住宅街は、どの家もぴっちりと窓が閉められていて、エアコンの吐き出す熱気だけが立ち昇っていた。
 頃合いを見て窓を閉め、甘いデニッシュを食べ終わった唇をぺろりと舐めた。

「はあー、生き返るー」

 エアコンの涼しい風を受けながら、結は制服のままベッドにダイブした。寝転がった状態で、ポケットからプリントを取り出す。すっかりしわになったそれを広げた。

『いいかい、結』

 祖母の声がよみがえる。

『結の名前はむすぶ、という意味だ。あたしらの住んでいる世界と、向こう側の世界を結ぶ役目があるんだよ』
『むこうがわって?』
『目には見えないけれど、すぐ隣にある世界さね。おまえさんにはあたしと同じ魔女の血が流れてる。それを忘れちゃいけないよ』

 魔女の血。結はてのひらをかざしてみた。皮膚の下の静脈が青く透けて見える。
 結の祖母、セツは魔女だ。セツという名前は漢字で書くとちぎり。契約の契でセツ。
 八月一日家に生まれる女の子には、祖母から孫へと代々伝わる不思議な能力があった。それが魔女の血だ。
 口承こうしょうだけで伝えられてきた話によると、その昔妖精王が人間の女性と恋に落ち、男の子と女の子それぞれ一人ずつ子どもをもうけた。けれども、子どもたちは妖精の世界では生きることができず、男の子は死んでしまった。悲しんだ妖精王は、残された女の子に魔法の力を分け与え、こちらの世界に送り届けた。この力を途絶えさせてはならない。そうすれば八月一日家は永遠に栄え、幸せが訪れるだろう――。
 まったくもってバカバカしい話だが、小さい頃からおまえは魔女になるんだと言われ続けてきた結にとって、それはおとぎ話でもなんでもなかった。
 そうして八月一日家に与えられた魔女の血は、なぜか祖母から孫へと伝えられ、そこへ運悪く孫の代に産まれたのが結なのだ。
 はあっと重い溜息を吐き出すと、壁のカレンダーに目が留まった。二ヶ月で一枚めくりのカレンダー。七月末の月曜に大きな丸印。
 毎年、夏休みは祖母の家で過ごす決まりがあった。セツは、結の家から新幹線を途中下車し、電車とバスを乗り継いで三時間半、さらに徒歩で四十分という山奥に住んでいる。そこで結は夏休みの間中、魔法の言葉を覚え、魔女に必要な知識を叩き込まれるのだ。それがこの丸印。
 小さい頃から魔法はあたりまえにあったし、皆にとってもごく普通のことだと思っていた。

『結ちゃんとあそぶとうそつきになるよ』

 そうじゃないと知ったとき、結は幼稚園不登園におちいった。まだまだ魔法の魔の字も使えない頃だ。
 女の子たちは日曜日の朝に放送されるアニメ『キラキラ☆マジカルリンリン』に夢中で、誰がどのキャラクターの役をするか毎日真剣に悩んでいたのに、『あたしのおばあちゃん、まほうつかいだよ』と言った途端嘘つき呼ばわりだ。魔法はテレビの中から出てはいけないものと知った、最初のできごとだった。
 あれから十二年が経ち、結も多少の力を発揮できるようになった。
 今、結の顔の上ではプリントが宙に浮いている。ずぼら以外のなにものでもなかったが、この程度の魔法なら無意識のうちにできてしまう。香住に見つかったらお小言は確実だが。
 結は、枕元の黄色い熊のぬいぐるみを抱え込むと、ごろりと横を向いた。
 両親は、結がこのまま魔女になると信じきっている。渉は結の気持ちを少しは理解してくれているようだが、「好きなようにすれば? 結の人生なんだし、今どきお家のためのスケープゴートだとか、ないない」と軽い。なんだかんだ言いながら、どうせ最終的には魔女になるんだろうと、優柔不断な結の性格を知ってのことだ。
 自分にも確かに流れている魔女の血。魔法の力は向こう側、すなわち妖精の世界に依存する。光と影は対になっていて、どちらがいい悪いの区別はない。善悪の判断は人間世界のものであって、向こうの世界では意味のないものだからだ。そんな現実を教えるためか、結が中学生になると、セツは依頼主との相談の際には隣にいるようにと命じていた。
 宝くじの当選番号を教えてほしい。そんな欲にまみれた依頼もあった。
 誰彼を殺してほしい。死んだ人間を生き返らせてほしいなど、恐ろしいものまで。世界各国の要人からそうした依頼が飛び込んでくることも珍しくなかった。
 眉をひそめたくなるような願いも、魔法の力の前では病気を治してほしいという願いと違いはない。判断ジャッジするのは魔女だ。世界は光と影の危うい均衡の上に成り立っていて、魔女はその狭間で生きている。
 もうすぐ夏休み。またあの深い森の中で、長い魔法の時間が始まる。
 だがその前に進路調査と三者面談だ。志望とは、こころざしがあるかどうかだ。しかし結には、これというこころざしもない。進学したいわけでも、どこかに就職したいわけでもない。このまま魔女になってもいいんだろうか……くらいには悩んでいる。もし、魔女以外の別の選択をしたとしても、家族はびっくりするだろうけど、最後は結の希望を尊重してくれそうな気がする。

『ははは。会社が倒産するのは困るけど、結が自分の進みたい道を諦めてしまう方がもっと困るよ』

 そう言って。問題は、そんな選択肢すら自分にはないことだ。

「あーっ、もお!」

 じたばたと足をばたつかせていると「ただいまー」と香住の声が聞こえた。

「結ー、アイス買ってきたわよー」
「わっ、食べる食べる!」

 結はガバリと跳ね起きた。ドタドタと階段をフルスピードで下りていく。

「ガリゴリくんあるー?」

 主の去った部屋で、宙に浮いていたプリントがカサコソと形を変えていく。

「あるわよ。ソーダ味と醤油煎餅しょうゆせんべい味」
「えーっ、なにそれ。私ソーダ味。あ、でも醤油煎餅しょうゆせんべい味もちょっとちょうだい」

 紙飛行機に姿を変えたプリントが、机の上まで飛んでいきポトリと落ちた。



   魔女と魔女の弟子


 バスを下りると、立ち昇る熱気と共に、盛大な蝉時雨せみしぐれが頭の上に落ちてきた。

「あつ……」

 あっという間に全身から汗が噴き出してくる。こめかみを伝う汗を拭いながら空を見上げると、真っ青な空と山並みに立ち昇る積乱雲に、かすかな眩暈めまいがした。アスファルトの道の先に、逃げ水が揺れている。
 キャリーバッグのキャスターに小石を絡ませながらしばらく歩き、脇道に入る。ここから先は一本道だ。左右に生い茂る木々が濃い影を落としている。暴力的なまでの陽の光に慣れた目は、一瞬なにも見えなくなった。ぎゅっと目をつむり、一、二、三……。十数えてからそっと目を開けた。ひんやりとした空気に、ほっと胸を撫で下ろす。緑の葉の隙間から、きらきらと零れる陽射しが波紋のように道を照らしていた。

『ほら。あそこに妖精がいる。あれは性悪だからね。気をつけないと道に迷わされるよ』

 セツの声が脳裏をよぎる。木漏れ日の中、いくつもの小さな丸い光が踊るように跳ねていた。妖精たちだ。目を凝らすと、ぼんやりと小さな輪郭が見える。姿かたちは様々で、人に似て非なるものたち。小さな光は道を進むにつれ増えてきた。この先にはセツの家が一軒あるだけだ。
 車一台がぎりぎり通れる程度の道にもかかわらず、きちんとアスファルトで整備されているのは、セツの顧客に有力者がいるからだ。最初はぶつぶつと文句を言っていたセツだったが、一面雪で埋もれてしまう冬場にも行商の車が立ち寄ってくれるようになってからは、文句を言わなくなった。
 ガタゴトとキャリーバッグを引きずりながら歩くこと四十分。不意に視界が開けた。

「ついたー」

 ふぅ、と大きな溜息をつくと「ウォン!」と犬の声が聞こえた。左右に広がる畑のあぜ道を、まっしぐらに走ってくる。真っ赤に熟したトマトに、ナスやキュウリ。手入れの行き届いた畑には、今が盛りの夏野菜がどっさりと実り、はち切れんばかりのスイカがごろごろと転がっている。

「タフィー!」
「ウォン!」

 両手を広げると、体高が結の股下ほどある大型犬が飛んでくる。
 衝撃に備えて結は足を踏ん張った。

「ウォン、ウォン!」
「うぎゃっ!」

 タフィーが立ち上がると、結の身長など余裕で超えてしまう。そんな巨体を支えるなど無理な話で、尻餅をついた結の身体を抱きしめたまま、タフィーは結の顔中を舐めまわした。熱烈歓迎だ。
 タフィーはバーニーズの血をひくミックスのオス犬で、もふもふとした黒い長毛、鼻すじから胸元は白く、目の上に麻呂みたいな丸い眉があるのがご愛敬だ。当時小学生だった渉が拾ってきたのだが、香住が大の犬恐怖症だったために家では飼えなかった。仕方なく、結は大泣きする渉の手を引いてセツのところまで連れてきたのだ。家出か誘拐かと、警察を巻き込んでの大騒動も、今となってはいい思い出になっている。

「わ、わかったってば。タフィー、久しぶりだね」

 ちぎれんばかりに尻尾を振るタフィーに解放されたのは、顔中よだれまみれになってからのことだ。今頃はセツも結の到着に気づいているだろう。
 クロップドパンツについた土埃をはらいながら、結は一年ぶりの家を見上げた。

「わあ。今年もきれいに咲いてるなあ」

 真っ先に目に飛び込んできたのは、雪のように白い花をつけたつる薔薇ばらだ。結の祖父がセツのために自ら手掛けた広さ八畳ほどのガーデンハウスに、壁一面、屋根まで覆いつくす勢いで生い茂っている。木骨作りを模したガーデンハウスは、うっとりするほどロマンティックだ。対して、すぐ裏手に棟続きの母屋おもやは純日本風。黒い瓦屋根、磨き上げられて黒光りしている柱や床。ジーンジーンと時を知らせる柱時計には、昭和の匂いが漂っている。

「おばあちゃーん! こんにちはー!」

 ホーホケキョ、とウグイスが鳴いた。ここでは別段珍しいことじゃない。夏の高原地帯ではウグイスの谷渡りなどと呼ばれていて、この後にケッキョケキョと続く。

「おばあちゃん?」

 縁側から部屋の中を覗いたが、セツの姿は見当たらない。

「勝手口かなあ」

 首をかしげながら家の裏手へと歩いていくと「誰だ?」と低い声がして、結はぎくりと身体を強張らせた。
 浅黒く焼けた肌に、麦わら帽子。タオルを首にかけ、竹籠には洗ったばかりの野菜がある。一瞬、親戚の大学生が夏休みで遊びに来ているのかと思った。
 あれ? でも、そんな親戚いたっけ?

「あ、あんたこそ誰っ」


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いちい汐作品
コマドリは窓辺で愛を謳う』 連載中 R-18 TL
4/4 カトル・カール ~ヒグラシの鳴く~』 シリーズ①完結 異能 ライト文芸
感想 2

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