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54.「庭の雑草は能力でどうにでもなるんだよなあ……」
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「怪異喰」対策プランAは、「怪異」としての核である「無念」や「後悔」、「執着」などを解いて、「怪異喰」に捕食されるのを防ぐ……というものだった。
だけど、このままじゃ雲行きが怪しい。
ゴードンやレイラちゃんは何とかなりそうだけど、エドマンドの無念を何とかするのには途方もない時間がかかりそうだし、アルバートに至ってはあの変態の執着をどうにかできるとは到底思えない。リナ? リナは……よくわかんないけど……。
そうなると、プランBが必要になってくる。
「怪異喰」が訪れた後の未来がゲームと同じなら、すぐに捕食を始めるわけじゃない。……つまり、彼女が自分のことを「怪異」だと気付く前に対策を立てれば、何とかなる……かもしれない!
……と、いう感じの内容をニコラスとゴードンに話したところ……
「じゃあゴードン√目指させたら手っ取り早いねぇ。ヒヒッ」
「俺ルート……ルート? 何だそれ」
「絶対やだ」
「でも、熟知してるんじゃないのかい? ヒヒヒッ」
「そ、そうなんスか、お嬢……!」
「本当にやめて」
そりゃね???
前世はゴリゴリの夢女だったし、ゴードンには「主人公」に振り向いて欲しかったよ???
でも今のわたしはチェルシーなんだから、当然のことながら「チェルシー」だけを見てて欲しいよね。他の女に目移りするゴードンなんて考えたくもない。
「そもそもわたしはゴードン√のゴードンより、アルバート√のゴードンのが好きなんだよね!」
まあ、これにも前世の趣味が大いに関わってくるけど……
ゴードン√のゴードンは言わずもがな、エドマンド√のゴードンなんかほぼチェルシーの彼氏だし、夢女子的にはかなりキツいものがある。レイラ√はエドマンドの好感度上げなきゃだから、どちらにせよエドマンド√に確定する直前のゴーチェルイチャイチャタイムを見る羽目になる。どっちも今のわたしからするとめちゃくちゃご褒美なんだけどさ!
対し、アルバート√のゴードンはアルバートと反りが合わないからか「主人公」に頻繁に忠告してくれるうえ、そんなにチェルシーと一緒にいない。要するに、思う存分ゴードン単体を推しまくれるってワケ。
「だいぶ拗らせてるねぇ、キミ」
「だからルートって何スか」
拗らせてるのは否定できないし、ゴードンに乙女ゲームの概念を説明するのもだいぶ面倒そう……どう答えるべきかなあ……
うん? ちょっと待てよ?
エドマンド√とレイラ√はゴーチェルがイチャイチャしてたから、前世はちょっと苦手……?
じゃあそっち目指せばいいじゃん。
「よし、エドマンド√かレイラ√目指そう。途中まで共通だし」
「ヒヒッ、何を考えたのかだいたい想像できちゃったよ。面白いねぇ、キミ」
「だからルートって何スかぁ!?」
うるせー!
わたしはゴードンとイチャイチャしたいんだ!!! 悪いか!!!
「……ところで。彼、ゴードン√でも最後は主人公じゃなくてチェルシーを選ぶじゃないか。それはダメなのかい?」
「それまでの過程で情緒が持たないの。わかる?」
「ヒッ……ヒヒヒヒッ、恋って難儀だねぇ、ヒヒヒヒヒヒッ」
なんかニコラスのツボに入っちゃったよ。
「ルート……根っこ……? って、もしかしてあれスか。誰が庭の雑草抜き担当か決める話ッスかね」
ゴードンは……なんか、うん、ごめんね……?
だけど、このままじゃ雲行きが怪しい。
ゴードンやレイラちゃんは何とかなりそうだけど、エドマンドの無念を何とかするのには途方もない時間がかかりそうだし、アルバートに至ってはあの変態の執着をどうにかできるとは到底思えない。リナ? リナは……よくわかんないけど……。
そうなると、プランBが必要になってくる。
「怪異喰」が訪れた後の未来がゲームと同じなら、すぐに捕食を始めるわけじゃない。……つまり、彼女が自分のことを「怪異」だと気付く前に対策を立てれば、何とかなる……かもしれない!
……と、いう感じの内容をニコラスとゴードンに話したところ……
「じゃあゴードン√目指させたら手っ取り早いねぇ。ヒヒッ」
「俺ルート……ルート? 何だそれ」
「絶対やだ」
「でも、熟知してるんじゃないのかい? ヒヒヒッ」
「そ、そうなんスか、お嬢……!」
「本当にやめて」
そりゃね???
前世はゴリゴリの夢女だったし、ゴードンには「主人公」に振り向いて欲しかったよ???
でも今のわたしはチェルシーなんだから、当然のことながら「チェルシー」だけを見てて欲しいよね。他の女に目移りするゴードンなんて考えたくもない。
「そもそもわたしはゴードン√のゴードンより、アルバート√のゴードンのが好きなんだよね!」
まあ、これにも前世の趣味が大いに関わってくるけど……
ゴードン√のゴードンは言わずもがな、エドマンド√のゴードンなんかほぼチェルシーの彼氏だし、夢女子的にはかなりキツいものがある。レイラ√はエドマンドの好感度上げなきゃだから、どちらにせよエドマンド√に確定する直前のゴーチェルイチャイチャタイムを見る羽目になる。どっちも今のわたしからするとめちゃくちゃご褒美なんだけどさ!
対し、アルバート√のゴードンはアルバートと反りが合わないからか「主人公」に頻繁に忠告してくれるうえ、そんなにチェルシーと一緒にいない。要するに、思う存分ゴードン単体を推しまくれるってワケ。
「だいぶ拗らせてるねぇ、キミ」
「だからルートって何スか」
拗らせてるのは否定できないし、ゴードンに乙女ゲームの概念を説明するのもだいぶ面倒そう……どう答えるべきかなあ……
うん? ちょっと待てよ?
エドマンド√とレイラ√はゴーチェルがイチャイチャしてたから、前世はちょっと苦手……?
じゃあそっち目指せばいいじゃん。
「よし、エドマンド√かレイラ√目指そう。途中まで共通だし」
「ヒヒッ、何を考えたのかだいたい想像できちゃったよ。面白いねぇ、キミ」
「だからルートって何スかぁ!?」
うるせー!
わたしはゴードンとイチャイチャしたいんだ!!! 悪いか!!!
「……ところで。彼、ゴードン√でも最後は主人公じゃなくてチェルシーを選ぶじゃないか。それはダメなのかい?」
「それまでの過程で情緒が持たないの。わかる?」
「ヒッ……ヒヒヒヒッ、恋って難儀だねぇ、ヒヒヒヒヒヒッ」
なんかニコラスのツボに入っちゃったよ。
「ルート……根っこ……? って、もしかしてあれスか。誰が庭の雑草抜き担当か決める話ッスかね」
ゴードンは……なんか、うん、ごめんね……?
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