はぐれ妖怪の隠れ里にて、狐は執着に抱かれる ～化かし狸と釣られ狐 ～

登場人物紹介その2

　・前回までのあらすじ
　流れで銀狐の屋敷に転がり込んだ貫八と、拒絶しきれず押し切られてしまった銀狐。
　未いまだ素直になれない銀狐に対し、貫八は目論もくろみ通り外堀を埋め、周囲から「銀狐の伴侶はんりょ」として認められていく。

　銀狐の姉、金狐の突然の来訪を経て、二人の絆はより深まった（と、少なくとも周りからは見られている）。
　しかし、銀狐の胸の内では、過去の出来事が暗い影を落としているようで……？
　
　……果たして、銀狐は「狐の嫁入り」を阻止できるのか。はたまた、本気で阻止する気はあるのか……


　・登場人物一覧
　玉葛たまかずら銀狐ぎんこ(妖狐)
　素直になれない割に流されやすい受け。京都弁。
　嫌味だが面倒見はいいので、里の面々からはなんやかんやで慕われている。
　周囲には隠しているが、過去に酷い怪我を負っており、片目が見えず片足が悪い。
　
　息子・雪狐との死別をかなり気に病んでいるようで、自分からは彼の名を口に出さない。

　
　刑部ぎょうぶ貫八ぬきはち(化け狸)
　素直に見せかけて計算高い腹黒攻め。伊予弁。
　どす黒い執着心と千年拗こじらせた激重感情を抱えてはいるが、銀狐への愛は本物である。
　化・け・る・能力はさほど強くないものの、化・か・す・能力は高飛車な金狐に認められるほど高い。

　雪狐とも面識があり、銀狐が昏睡こんすい状態だった時期に世話をしていたこともあるが、そのことを銀狐には話していない。

　　
　吉野よしの(かまいたち)
　ヘタレかつ鈍感なかまいたち。奈良弁。
　いつも銀狐に振り回されていたが、貫八にも振り回されるようになった。
　高尾に惚れているが、踏み出す勇気がない。

　
　高尾たかお(鴉天狗)
　片翼の鴉天狗。ぽんこつイケメン女子。
　嘘や隠し事ができない性格だが、自分では上手く隠せていると思っている。
　なお、吉野の恋心にはおそらく気付いていない。

　
　玉葛金狐きんこ（妖狐）
　ゴージャスでファビュラスな銀狐の姉。
　非常に高飛車な性格で、権力のある男以外に興味はない。
　能力も高く、ゆえにこだわりも強い。
　一部界隈では狐界のファッショニスタと呼ばれているとか、なんとか。

　　
　玉葛雪狐せっこ（半妖）
　銀狐の息子。
　詳細を知るものは誰もが口をつぐんでいるが、少なくとも銀狐は「父」ではなく「母」に当たるらしい。
　父親は陰陽師の誰かだとされているが……？

　　
　輪島わじま(割れ茶碗の付喪神つくもがみ)
　屋敷で働く下級付喪神のリーダー格。主に食事を担当しているが、それ以外でもよく駆り出されている。
　銀狐とはそれなりに古い付き合いであり、彼の苦労や努力を間近で見てきた存在でもある。

　
　中津なかつ(折れ箒の付喪神)
　銀狐の屋敷にて、主に掃除を担当している付喪神。
　怠惰な性格で、よく仕事をサボっては銀狐や輪島に叱られている。

　
　佐野さの（割れ鏡の付喪神）
　銀狐の屋敷にて、主に衣装関係を担当している付喪神。
　中津に負けず劣らず、下手をすれば中津以上に怠け者である。
　
　
　相馬そうま(抜け首)
　首が身体から抜け出るという体質を活かし、里の見張り役をしている。
　今のところはただの首ポロ担当。


こちらはミドリさんに描いていただいたイメージイラストです。
ミドリさん、誠にありがとうございます！