上 下
22 / 35

第二十一話 夜は燃え ※

しおりを挟む
 夕食後、二匹は特に言葉を交わすことなく、銀狐の私室へと向かう。

 背後では、付喪神たちが相も変わらずざわざわと騒がしい。
 輪島の「あまり詮索せんさくするものではありませんぞ!」とたしなめる声がし、銀狐は「それ認めとるんと同じや」と思わず苦笑した。

 貫八がそれとなく手を握ってくる。
いんを結べへんやろ」とやんわりと断りながらも、銀狐の鼓動は間違いなく高鳴っていた。



 ***

  

 いつもの如く、何度も襖を開き、幾度か印を結んだ先。
 銀狐の私室に辿り着くと、貫八は待ち構えていたように浴衣姿の背後から抱きついた。

「もう、ええじゃろう」

 貫八は耳元で囁き、浴衣の前合わせに手を差し入れる。そのまま隆起した胸板を撫で回し、綺麗に割れた腹筋をもさわさわと撫でさする。

「あ……っ」

 甘い声を漏らし、銀狐はするりと自ら浴衣を半脱ぎにする。そのまま、首筋に顔を埋める貫八の頬に手を添えた。

「待っとったんやろ」

 その言葉を皮切りに、貫八は噛み付くようにして銀狐の唇を奪った。
 赤黒い舌で形のいい唇を割り開き、唾液とともに霊力を流し込む。

「ん……っ、濃ぉ……」

 表情を蕩けさせながら、銀狐は指先を押し入れの方に向ける。
 神通力によって布団がひとりでに敷かれ、二匹を迎える準備が整った。

 貫八は唇を離すと銀狐を布団の上に押し倒し、背後から相手の陰茎をまさぐる。

「うぁ、あ……っ」

 気持ち良さそうに喉を鳴らし、銀狐は無意識に脚を開いて腰を高く上げた。
 ニィ、と貫八の口角が上がり、赤黒い舌がぺろりと舌なめずりをする。

「我慢しといて良かったわい」

 そのまま貫八は銀狐の尻たぶを掴み、孔を隠す尾を片手で退かす。
 ひくひくとうごめく孔に指を挿しいれ、内側で曲げて弱い箇所をぐりぐりと弄んだ。

「んぅうっ」
「ええ感じに仕上がっとる」

 縦割れの孔を指先で思う存分堪能し、貫八は自らのそれを宛てがう。

「あぁっ、んぁあっ」

 ずぷりと貫八のそれを受け入れ、銀狐は布団に爪を立てて快楽に悶える。
 妖艶な銀狐の姿を見下ろし、貫八はくく、と喉を鳴らして抽挿を始めた。

「あっ、そこ、あかん……っ」
「ふ……ぐ……っ、銀狐さんの『あかん』は……っ、『ええ』と一緒ぞなもし……っ」
「あほ……っ、んぁあっ、ぁ、く、んぅうううっ」

 またしても弱いところを擦られ、銀狐の隘路あいろが精を欲するように蠢く。

「あぁ! あかん、あかん、ほんまにあかんんん……っ!」

 屹立きつりつに奥まで貫かれ、銀狐は絶叫しながらがくがくと膝を震わせる。
 ぱたぱたと、白い液体が布団の上に散った。

「おお……っ! 尻でいったんか! さすがは銀狐さんじゃあ……!」
「な、にが……『さすが』や……」

 ぐたりと布団に身を預け、銀狐は肩で息をする。布団に散らばる銀髪の上で、狐の耳もぺたんと垂れていた。

「わしがいくまで、もう少しの辛抱ぞな……っ」
「うぁっ、あぁあっ! も、あかん……っ、あかんのにぃ……っ!」
「うぉお……っ、出る……っ! 孕め銀狐ッ!」

 腰を深くに打ち付け、貫八は銀狐の最奥に精を放つ。

「あ……ぁ……こっちも……濃ぉ…………」

 腹の奥に霊力の塊を注がれる感触に身震いしつつ、銀狐は、再び先端から白濁をちょろちょろと吐き出した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話

ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。 βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。 そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。 イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。 3部構成のうち、1部まで公開予定です。 イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。 最新はTwitterに掲載しています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...