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生きられなかったあなたへ
しおりを挟む「ここは…」
「私の部屋だ。」
国母と言う単語を聞いて完全固まってしまったディの手を引いて、半ば強制的に連れてきたのは自分の部屋。入るなり物珍しそうに周囲をキョロキョロする姿は小動物の様で可愛らしい。
「フッ」
「えっ?」
「いや、すまない。ディがあまりにも挙動不審なものだから。緊張せずとも何もしないよ。自分の部屋だと思って寛いでほしい。」
本心から言った言葉なんだが、余計に緊張を助長させてしまったらしい。先ほどよりもぎこちない動きで促したソファへ座るディは、そんな姿すら愛らしい。
「ふふふ、そういうところも可愛いね。」
「ふぇっ?」
「あぁ、ごめんね。思わず。さて、早速だけど本題に入ろうかな。」
そう、本題。本当はまだ先に伝えるつもりだったんだが、皇妃もといお母様が暴走したせいで自分が伝えるよりも先に、ディに私の気持ちが伝わってしまうかもしれないと危惧したのだ。
「ディ、本当はまだ言うつもりはなかったのだけれど…私はディディエ=エレクサリア、君が好きだ。ディのことだから気づかなかったと思うけど、1人の男としてディが好きなんだ。」
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