扶蘇

うなぎ太郎

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第2章

繰り広げられる陰謀

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始皇帝は臨終間際に、扶蘇を後継者に指名した。扶蘇は以前から皇太子に立てられており、始皇帝の長男であるから当然のことだった。

しかし、趙高は扶蘇の弟である、胡亥を皇帝にしようとしていた。胡亥はまだ幼く、自分の思うように出来ると考えたからである。趙高は、最大の協力者であり、秦の丞相である李斯に協力を依頼した。李斯もまた始皇帝に同行していた。

李斯は、趙高の陰謀にすっかり感心し、同意してしまった。そして、趙高と李斯は始皇帝の遺詔を握り潰し、偽の詔を作成した。それは扶蘇を廃して胡亥を後継者とし、扶蘇には自決を命じる、というものだった。

扶蘇たちが始皇帝の死を知ってから数日後、趙高と李斯が、始皇帝の遺体と共に急ぎ帝都・咸陽に帰還した。二人はまず、胡亥の邸宅へ向かい、陰謀の同意を得ようとした。胡亥は本心では兄が皇位を継ぐべきと考えたにも関わらず、幼少で政治のことを理解していなかったため承諾してしまう。二人に抵抗すれば排除されるかもしれないという恐怖もあった。

まもなく勅使が東宮へ向かった。勅使は扶蘇の目の前で偽の詔を読み上げ、扶蘇に廃位を宣告し、自決を命じた。扶蘇は絶望のあまり涙を流した。そして、一人で部屋に入り、短剣で自決しようとした。

その時であった。扉が開き、蒙恬が部屋に入ってきた。蒙恬の姿を見て、扶蘇の心に一筋の光が差し込んだ。
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