遥かなる物語

うなぎ太郎

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第5章

4人での戦い

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それからしばらくの間、僕たちはテルール城に滞在していた。
やがて皇帝陛下から手紙が届き、今後の行動について指示があった。
そこに何とこう書いてあった。「ベルタン侯爵、貴公には、ロベール侯爵、トマ侯爵、デュポン子爵と共に、ペルシマール城を攻略するよう命ずる」

「ラファエル!何の巡り合わせか知らないが、アダンとフィリップとピエールと戦えとよ!大将はアダンだそうだ!」僕が言うと、ラファエルがすぐに近づき、指示の内容を確認する。

「皇帝陛下のご命令なら従うしかありませんね。ペルシマール城は難攻不落の城として有名ですが…」
「あ、そうでは無くて、この3人は学園時代からの親友なんだ。」僕が説明する。

「なるほど、それは驚きですね。」ラファエルが驚いた表情で言った。「その場合、彼らとの深い連携で勝利を掴み取ることが出来るかもしれません。」
「そうだ。」僕は深呼吸をしてから続けた。「彼らとは学園時代からの親友であり、信頼し合い助け合ってきた仲間だ。」

数日後、僕たちはテルール城から少し離れた小さな町に集結した、この町はルヴァリスと言うらしい。
ルヴァリスの町の郊外には、既にロベール軍、デュポン軍が到着し、宿営地が設営されていた。

「とりあえず我がベルタン軍の宿営地を設営するぞ。」
僕は指示を出し、部隊毎のエリアでテント設置作業をさせていった。

「「シャルル!」」
後ろを振り返ると、アダンとフィリップが立っていた。
「久しぶりだな、アダン、フィリップ。元気そうで何よりだ。」

「お前もな。」アダンが肩を叩きながら言った。「こんな形で再会するとは思わなかったが、どうやら運命の巡り合わせってやつか。」
「そのようだな。」フィリップも頷きながら言った。

「そういえばもう9月だな。もうすぐ収穫の季節だ、故郷が心配だな。」僕は言った。
「そうだな、クリスマスまでには帰るって、俺も妻に約束してきちゃったよ。」フィリップが笑いながら言った。
「なんだ、仲間じゃ無いか。僕もだよ」僕が言うと、2人とも爆笑した。

「ピエールは?」アダンが尋ねると、
「今日中には到着するようだな。今さっき早馬が着いて言っていた。立ち話も何だし、俺のテントで話そう。」フィリップがそう言うと、僕たちはフィリップのテントへ向かった。

フィリップのテントに到着すると、テーブルにお茶と軽食が並べられていた。僕たちはその周りに座り、お腹が減っていた僕は早速食事を始めた。
「あ、ピエールが来たみたいだぞ?」アダンが言った。どうやらデュポン軍が到着したらしい。

「やあ3人とも!元気かい?」ピエールが明るい声でテントに入ってきた。
「ピエール!久しぶりだな。」僕たちは彼を迎え、握手を交わした。「無事に到着して何よりだ。」
「待たせたな。」ピエールは笑顔で言い、椅子に座った。「こちらも準備は整っている。作戦の詳細について話そう。」

「よし、早速本題に入ろう。」アダンがテーブルの上に広げられた地図を指差しながら言った。「ペルシマール城の情報を共有しよう。」

全員が地図を見、城の防御体制や周囲の地形について確認した。ピエールが持参した情報によれば、ペルシマール城にはいくつかの新たな防御工事が施されており、特に城壁とその周囲の堀が強化されているということだった。

「我々の戦略としては、まずは城の弱点を探し、それを突くことが重要だ。」僕が提案した。「夜間の攻撃や偵察隊の投入も考慮に入れ、情報収集を徹底しよう。」

「同意だ。」フィリップも頷きながら言った。「また、各軍の連携も忘れずに。特に敵の増援が来る前に、できるだけ早く突破口を開きたい。」

「それに加えて、魔法の使用についても検討が必要だな。」アダンが加えた。
「おっ、魔法と言えば…」3人は一斉に僕を見た。

「任せておけ。僕は炎魔法の訓練を常日頃から行っているからな。上級魔法の技も多く使える。」僕は自信たっぷりに言った。
「それは心強い。」アダンが頷いた。「しかし、ペルシマール城の防御魔法もかなり強化されていると聞いている。上級魔法でも通用するかどうかは未知数だ。」

「確かに。」僕は答えた。「それでは、魔法の専門家であるオーバンの意見を参考にしながら、具体的な魔法戦略を立てるとしよう。」
オーバンはアダンの家来で、魔法使いの資格を持つ魔法のプロだ。

「それじゃあオーバンを呼んでくる。」アダンが立ち上がってオーバンを呼びに行った。
数分後、テントの入り口が開き、オーバンが現れた。彼は白いローブをまとい、冷静な表情で皆に挨拶した。「ご指名ありがとうございます。ペルシマール城の防御魔法について、情報を持参しました。」

「早速、ペルシマール城の防御について教えてくれ。」
「はい。」オーバンはテーブルに置かれた地図を指さしながら説明を始めた。「ペルシマール城の防御魔法は以下の点が強化されています。まず、城壁には強力な結界が施されており、普通の攻撃では突破するのが難しいです。さらに、堀の水には水魔法がかけられており、メガウォーターシールドによって侵入を困難にしています。」

「なるほど。」僕は頷いた。「では、どのような対策が考えられる?」
「まず、結界の破壊には強力な魔力が必要です。」オーバンが言った。「ブレイクエナジーという無力化魔法によって、結界魔法を無効化することが可能です。次に、メガウォーターシールドに対しては、魔法の干渉や逆流を起こすことで、一定の効果を期待できます。例えば、『アクアシールド』を複数重ねることで、その効果を打ち消すことが可能です。」

「なるほど、それならオーバンの専門知識がかなり役立ちそうだな。」アダンがお茶を啜りながら言った。「もし他に注意点があれば教えてくれ。」

オーバンは少し考え込み、続けた。「最後に、城内には強力な魔法使いが数人配置されていると聞いています。これらの魔法使いは闇魔法を使用している可能性もあり、常に城に向けて無力化魔法を放たなければならないような事態も考えられます。しかし人間の魔力には限界があり、その場合は魔法が使える兵士に交代で魔法を放たせるしか無いでしょう。魔法は戦争において最大の脅威であり、魔法のせいで折角立てた作戦がぶち壊されたら泣くに泣けません。」

「そうか、分かった。魔法は侮るべきものでは無いな。今後は魔法対策の専門部隊を設置し、各軍から魔法の得意な兵士を選抜して敵の魔法に対策することにしよう。」アダンが言い、全員が頷いた。

「それでは、各自の準備が整い次第、作戦に向けた最終確認を行おう。ペルシマール城の攻略には、緻密な計画と各軍の協力が不可欠だ。皆、頑張っていこう。」アダンがまとめ、会議は終了した。

会議の後、各軍はそれぞれの準備を進め始めた。ベルタン軍も指示通りに動き、テント内で必要な物資の整理や兵士たちへの指示を行った。魔法の専門部隊を設置し、選抜した兵士たちにはオーバンから指導を受けさせ、結界や水魔法に対する対策を徹底させた。

そしていよいよ、作戦当日がやってきた。全軍が城の周りに集結し、指定された位置に配置された。ベルタン軍も緊張感を持ちながら待機し、作戦開始の合図を待った。

「ピーーーーーー!」
笛の音が響き、僕たちは攻略戦を開始した。

続く
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