8 / 10
自由の始まり
従魔と報告
しおりを挟む盗賊のアジトを潰した後、妖狐のタマモを仲間にして
日が暮れる前に街まで戻ってきた
アオヤはそのまま報告のためにギルドを訪れていた。
なお、門番にはタマモの事を聞かれたが従魔にした事を
話すとギルドで従魔登録をした方がいいとの事なので
そのついでに盗賊と薬草採取の報告に来たという訳だ。
ギルドに入るとやはり此方に目を向けられる。
でも今回は俺というよりタマモの方に
視線がいってるような気がする。
まあ何にせよ、とりあえず受付の方に目を向け
フィオナさんのいるカウンターの列へ並び、
順番が来るまでタマモを撫でて時間を潰した。
「あっアオヤ様こんちにわ。
午前中に来られなかったので
今日は来ないと思っていました」
「フィオナさんこんにちわ。
午前中に来るとは言ってなかったと思うんですが」
「いえいえ、午前中は依頼の張り替えがごさいますので
他の皆様は朝早くから来ていますよ?
それでそこにアオヤ様の姿が
なかったもので聞いてみた次第です。
そう言えば装備を揃えたのですね。
白のコートが黒髪に良く似合ってますね」
「そういう事ですか。ありがとうございます。
今日は装備の確認ついでに森に行ってました。」
「そうなんですか。
それよりその子は従魔ですか?
従魔でしたら登録もしておきましょうか」
「お願いします。従魔登録をしにギルドにきたので。
あっ!後、森の近くの街道付近で
盗賊を見つけたので討伐したのですが
どうすればいいですか?一応死体を持ってきてますが」
「分かりました。
それより盗賊ですか?
死体を持ってきてるってどこにですか?」
「どこにって空間魔法にですが…」
「っ!!分かりました。
倉庫の方に行きましょう」
そう言って受付の業務を抜ける事を同僚に告げて
なにやら慌ただしく他の受付嬢が二階へ上がって行くのを
見て内心何かやったかなっと思いながら
案内されるまま、ギルドの奥へ行き併設された
倉庫までやってきた。
するとそこにはいかにも強そうな
めちゃくちゃガタイの良いオッサンが待っていた。
「お前がフィオナの言ってたアオヤか?」
「そうですが…
失礼ですがどちら様ですか?」
「俺はここのギルドマスターのベイルだ。
なんでも空間魔法を使ってるって話を聞いたもんでな
事実なら確かめておく必要があるんだ。
とりあえず盗賊の死体を出してくれ」
そう言われたのでなんで確かめるんだ?
って思いながらも言われた通りにその場に出した。
「本当に空間魔法を使ってるな
よし分かった、盗賊は懸賞金が掛かってないか
調べるから報酬は明日また来てくれや。
とりあえず何で俺が出てきたのかの説明をするから
俺の部屋まで来てくれ」
「分かりました」
この後、特に用事もなかったため了承し
ベイルの後をついてギルドマスターの部屋にきた。
その道中で約束とゴブリンの魔石を換金するために
査定に出した。
「とりあえずまあ座ってくれ
それで話なんだがな、空間魔法ってのは
使える奴が極端に少なくてな。
この王国でも3人しかいないんだ。
だからむやみに使わない方がいいってのと
こっちは私事で悪いんだがお前強いだろ?」
そう言い、真面目な話から
一転して好戦的な笑みを浮かべ
殺気とも言える闘争心を向けてきた。
(この人もしかしてアレな人か?)
「強いかどうかは分かりませんが
そこそこはヤレると思いますよ」
「何がそこそこだよ。
さっきの死体、首に一撃で仕留めてるじゃねーか
あんなもんそこそこでできるかよ。
しかも他に真新しい傷もないしな。
後、敬語じゃなくていいぞー」
「それはたまたまですよ。
この刀が業物なだけです
敬語についてはおいおいって事で。
慣れると自然になくなると思うので」
「まあそういうことにしといてやる。
話は以上だ。あー後盗賊退治したから
ランクをCまで上げておくぞー。
C rankの条件が人を殺せるかどうかだからな」
因みに、フィオナさんはお茶を出したら受付業務に戻った。
その話で終わりだそうなので部屋を出て、
薬草と魔石の金を受け取り、ギルドカードを渡して
ランクが変わってるのを確認と従魔の証を受け取り
タマモに付けてギルドを出る前に
フィオナさんに声をかけた。
「それでは帰りますね。
あと、様付けは落ち着かないので
もっとラフな感じで呼んでください。」
「分かりました。アオヤくんで大丈夫ですか?」
「えぇ大丈夫です
それではまた明日」
宿に戻ってきたアオヤたちは
女将に従魔ができた事を話して追加でお金がいるかを
聞いたところ他の部屋やこちらが世話する必要がなければ
そのままで大丈夫とのことだ。
食事に関してはその都度払えば問題ないらしい。
とりあえず2人分の食事と追加のお金を渡して、
持ってきてもらう。今日はオークステーキだ。
タマモも喜んでいるだろう。
機嫌よく鳴いて食べているしな。
食事を終えて鍵を受け取り部屋へと戻ってきた。
「さて、タマモ
明日はギルドに寄ってから外で鍛錬しよう。
盗賊のおかげで金はあるからな。」
「キュッ!」
そうなのだ。
あの盗賊たちかなり溜め込んでたみたいで、
金貨10枚と銀貨87枚銅貨4枚も持っていたので
しばらくは働かなくて大丈夫ではある。
それなら鍛錬とタマモの実力を見たいので
明日はその時間にあてるつもりなのだ。
最後に浄化を掛けて横になり、
タマモもアオヤの横に入って丸くなり
一緒に眠った。
翌朝6時頃に目が覚めるとタマモを起こして
朝食を取り、宿の延長手続きをしてギルドに向かった。
「おはようございますアオヤくん、タマモちゃん」
「おはようございますフィオナさん。
昨日の件で来ました。」
「キュッ!」
「はい。残念ながら盗賊に懸賞金は
掛かっていませんでした。
ですので人数分の討伐報酬で金貨3枚です。」
「そうでしたか、分かりました。
ありがとうございます。
すいません、今日は鍛錬しようと思ってたのですが
どこかいい場所はないですか?」
「それならギルドの修練場を使ってはどうです?
最近の人はほとんど使わないので
空いてると思いますが。」
そう言われたので使う事を伝えて
昨日の施設の反対側に移動した。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
テイマーは死霊術師じゃありませんっ!
さんごさん
ファンタジー
異世界に転生することになった。
なんか「徳ポイント」的なのが貯まったらしい。
ついては好きなチートスキルがもらえるというので、もふもふに憧れて「テイム」のスキルをもらうことにした。
転生と言っても赤ちゃんになるわけではなく、神様が創った新しい肉体をもらうことに。いざ転生してみると、真っ暗な場所に歩く骸骨が!
ひぃぃい!「テイム!テイム!テイム!」
なんで骸骨ばっかり!「テイム!テイムテイム!」
私は歩く。カタカタカタ。
振り返ると五十体のスケルトンが私に従ってついてくる。
どうしてこうなった!?
6/26一章完結しました
この作品は、『三上珊瑚』名義で小説家になろうにも投稿しています
私は普通を諦めない
星野桜
ファンタジー
前世で日本の大学生(アイドルオタク)だった佐藤瑠奈は、強い魔力を持った王族が治める王国の小さな村で生まれた。初めて見た魔法に感動して、期待に胸膨らませていたけど、現実を知る。平民に対するひどい差別と偏見、厳しい暮らし、保証のない生活、こんなのいや!
私、自分にとっての普通を取り戻したい!
そんな不満をぶつけるように、数ヶ月だけ一緒にいたなんか偉そうな男の子にいろいろ言った結果、その子は実は王太子だった。
昔出会った偉そうなお坊ちゃんが王子様系王太子殿下となって再び現れ、王太子妃になって欲しいと言われる。普通の生活を手に入れるために婚約者となった瑠奈と、そんな瑠奈をどうしても手に入れたい最強王太子。
前世の知識を武器に世界の普通を壊していく。
※小説家になろう様で公開中の作品です。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
スライム2体しかテイムできませんでした。
ジミー凌我
ファンタジー
ある日下校中に人違いで殺された主人公の灯仙多(あかりせんた)。
かわいそうに思った神様が転生先を選ばせてくれたので、魔物をテイムさせて戦わせる文化がある世界へ転生させてもらえることに。
一度に何体テイムできるか、どんな魔物をテイムできるか、楽しみに転生を果たした。
しかし、テイム能力は低く、スライム2体しかテイムすることができなくて……
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう!〜公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ〜
西園寺わかばEX
ファンタジー
転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。
どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。
- カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました!
- アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました!
- この話はフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる