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一章

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 それから二日もすれば普段通りに動ける様になり、王宮での居候いそうろう生活は終わりを迎えた。
 クリスはこのままここに住めばいい、とか言い出したけれどーー陛下にいさめられ、お父様には「こんのエロ餓鬼がきがぁ……! 天誅てんちゅう!!」と抜刀され決闘になり、途中で二人に陛下の雷が落ちた。

 少し残念に思っていたドレスは、処分するか迷って、でも苦い経験に負けたくはなくて……。
 そうして悩んでいたら、クリスが手直しして違うドレスにしてくれるというので、甘えることにした。

 マルガレーテ様達の聴取はまだ続いているそうだ。
 ルミナリク侯爵家からは謝罪と慰謝料の打診があり、そこのところはお父様に全てお任せしている。

 騒動は、終わりへと向かっていた。



 二日ぶりの自室で迎える朝。
 チョコレート色の制服に袖を通し身支度を整えると、朝食を食べ館をでた。

 登院し、そのいつもと変わらない空気にほっとする。

 何だか、だいぶここに来ていなかった気がしますわーー。

 たった一日ではあったがとても忙しないあの日のことを思い、感慨にふけりながら廊下を歩く。
 クララリッサ公爵家の悪事はまだ取り調べ中の為おおやけになってはいなかったが、そこかしこで噂が立っているようだった。
 その騒めきの中、わたくしは教室へと歩みを進める。
 教室のドアを開けると、あいも変わらず机の前には列ができていてーー思わず、微笑んでしまった。

 休み明けの授業はつつがなく午前中が終わり、ベルが鳴った。
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