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2巻
2-1
しおりを挟む第一章 里での生活
本当に何日ぶりだろうか、ベッドという文明の利器で寝られたのは。
神様に転生させてもらった俺――ゼンが、異世界のダンジョンで目覚めてから半年強。
なんとか自力でボスを攻略してダンジョン脱出に成功したものの、結局成り行きで森に棲む亜人の群れを率いることになってしまい、俺は長らく文明的な生活から遠ざかっていた。
昨日から俺は森で出会った冒険者の女の子――キャスの家に居候している。
一応、亜人の集落でも屋根付きの住居に暮らしていたが、寝床といえば固い土か木の板の上に毛皮を敷くくらいのものだった。だが、この部屋では藁の上にシーツを敷いたベッドで寝られるのだ。柔らかさが段違いで目覚めがとても良い。
ベッドから体を起こして深く息を吸い込み、背筋を伸ばす。
俺はこの世界での無二の親友である鳩のポッポちゃんの姿を確認する為に、ベッド脇に置いた籠の中を覗き込んだ。
怪我をして片方の羽を失っているのが痛々しいが、今では自力で歩けるくらいにまで回復していた。
「おはよう、ポッポちゃん」
俺は一声かけて立ち上がる。
部屋を出ると、台所から物音が聞こえてきた。既にキャスの母親であるカーラさんは起きているみたいだ。
「カーラさん、おはようございます」
台所に顔を出して朝の挨拶をすませる。
「あらゼン君。おはよう、早いのね。まだ寝てても良いのよ」
「もう目が覚めちゃいましたから。何か手伝う事はありますか?」
「それじゃあ、井戸で水を汲んできてちょうだい。場所は昨日教えたから分かるわよね」
俺はカーラさんから木製のバケツを手渡された。
昨日、物置部屋――今は俺の寝室になっている――の掃除をする時に使ったので、井戸の場所は分かる。だが、ここで俺は一つ思い出した。俺が肌身離さず持っているマジックバッグには大量の水が入っている。この魔法の鞄は見た目以上のサイズの物を収納できる優れ物で、俺が手に入れた素材やら武器やらもこの中に入っているのだ。
一般的には高価な品で、子供の俺が持っていると驚かれるのだが、いつまでもカーラさんに隠しておいても仕方がないだろう。そう判断した俺は、マジックバッグから直接水を注いでバケツを満たした。
「あんた、それマジックバッグかい? えらい物持ってるのねぇ! でもそれ、あんまり他の人に見せたらダメだからね?」
「カーラさんだから見せたんですよ。キャス姉も知ってますから」
カーラさんは水の入ったバケツを受け取ると、早速料理を再開した。
朝飯の準備を手伝っていると、キャスが起きてきた。衣服が乱れた寝起きの格好はとても魅力的なのだが、嫁入り前の娘としてはいかがなものかと思ってしまう。
「キャス! あんたはなんて格好してるんだい。ゼンがいるんだよ!」
カーラさんも俺と同じ考えを抱いたのか、大きな声で注意した。
「何言ってるのよ母さん、ゼン君まだ子供じゃない」
まあ、キャスがそう言う事は分かってたよ。でも俺の目は薄い布に包まれた上半身に釘付けだ。
だが、俺も元おっさんとして色々経験してきている。子供のフリして「キャスお姉ちゃんの格好、どこが変なの?」なんて顔をするのは余裕なんだぜ?
そんなハプニングを挟みつつ、朝食の用意が整った。
ちなみに、食卓で毎食のパンを提供するのは俺の役目になった。というのも、俺にはダンジョンで手に入れた【無尽蔵のパン袋】があるからだ。手を突っ込めばいくらでもパンが出てくるのでお金はかからないし、味もこの世界の基準では結構美味しい部類に入るらしい。
もし生活費に困ったら、最終手段としてパン屋をやって食いつなぐ事も出来そうだな。
朝食の片づけも終わり、俺は外に出て村を見て回る事にした。これから暫くこの家を拠点として生活する上で、色々必要になる物を集めるのだ。
そもそも俺は、サバイバル生活を送っていた頃に自作した毛皮の服を身に纏ったままの格好だ。あまり文明的とは言えないので、これも早めに解決したい。
「行ってきます!」
「気を付けるのよ」
出発の挨拶をすると、カーラさんから何気ない一言が返ってくる。
思えばこういうやり取りも久々で、なんだか嬉しくなってしまう。
ドアを開けると、雲一つない空が広がっていた。子供の頃の夏休みを思い出させるような太陽の強い日差しに、いても立ってもいられなくなって、俺は家から飛び出した。
村の中心部へと向かう道を走り続けていると、畑仕事に向かう村の男が俺に気付いて、手を振って「転ぶなよ」と声をかけてくれた。
その後も会う人会う人と道すがら挨拶を交わしていく。誰も余所者の俺を不審がらないのは、村長が事前に説明でもしたからだろうか?
流石に村の子供達は、俺を見て「誰だアイツ」みたいな顔をしていたが、知らない同年代の子供がいたら、この反応は無理もないか。
今俺がいるのは、シーレッド王国の北西部にあるブロベック村という所らしい。
この村はそれほど大きくないので、数分も走ればすぐに村の中心に辿り着く。レベルアップで強化された俺の脚力なら、十分もあれば村を一周出来るんじゃないだろうか。
村の中心部には商店が集まっているが、まだ比較的早い時間なので、開いていない店も多い。ただ、中には朝から開店している店もあり、定食屋のような食事処もその一つだ。
朝飯はさっき食べたばかりだが、俺は肉が食べたい育ち盛り。メニューが気になるので少し覗いてみる。
店の中には冒険者風の男女が、雑談をしながら食事を取っている姿があった。
入り口から店を覗き込んでいると、店員の女性に声をかけられた。
「お腹空いてるの? 朝は大銅貨四枚で食べられるけど、お金はある?」
大銅貨四枚だと四百円くらいか。妥当なところだし、注文してみるかな。
「お肉が食べたいんですけど、何か出ますか?」
「ごめんなさいね、お肉は昼か夜になっちゃうの」
女性店員が申し訳なさそうに頭を下げた。
肉が出ないなら用はないので、一言礼を言って立ち去る。すると、店員がこんな事を言ってるのが聞こえてきた。
「あの格好だと、やっぱり肉しか食べないのかしら?」
俺の野生児丸出しな姿を見た素直な感想というわけだ。後日ここに来て、あの店員に肉以外を食うところを見せてやろう。
定食屋を後にした俺は、村の中心部にある円状に開けた場所に移動した。
適当に座れる場所を見つけて、店が開くまで村の様子を観察する事にする。
この付近に数件の店がある事は、キャスに教えてもらっていた。
食堂に雑貨屋、食料店に居酒屋、そして冒険者ギルドだ。中心部を少し外れた所には、鍛冶屋や裁縫店などもあり、この村でも冒険者として必要な物は一通り揃えられるとの事だ。
だが小さい村だけあって、鍛冶屋は武器よりも、農具や鍋などの日用品を作ったり手入れしたりする事が多いらしい。裁縫店も新しい服を売るよりは、古くなった服を繕い、着られなくなった服を仕立て直すなど、地域密着型の営業をしているようだ。
キャス曰く、なんでもやるから腕は良いとの事だが、新品や本格的な品物が欲しいならば、馬車で一日掛かる街に出るしかないらしい。
日本で都会暮らしをしていた俺にとって、ここはかなり不便に感じる環境だと思い知った。
暫く往来を眺めてボーっとしていると、目的の雑貨屋の扉に営業中の看板が出た。
入店すると、すぐに店員のおばちゃんに声を掛けられた。子供が来て驚いたのか、俺の服装に驚いたのかは分からないが、困惑気味である。
「あんた……お客さんかい?」
もし俺が店員でも、こんな格好をしたガキが朝から来たら警戒の一つはするだろうな。
「はい、色々買いに来ました」
「ならいいけど……」
とりあえず店内を物色していく。この村で揃えられるものはそう多くないが、最低限の生活用品はここでも手に入ると聞いている。現代日本と比べれば品物の質は低いのだが、それでも数々の雑貨に目を奪われた。
俺は欲しいと思った物を、手当たり次第店のカウンターに載せていく。
「坊や、お金は大丈夫なのかい?」
次々積まれていく品物を見て、おばちゃんは心配そうな表情を浮かべる。まあ子供の買い物にしては金額もでかいし、当然だろう。
俺はマジックバッグから大銀貨を一枚取り出して、カウンターに置いた。
少なくとも俺が現金を持っている事が分かって安心したのか、おばちゃんは商品の計算を始めた。その後更に数点追加して会計を頼んだ。
「これじゃあ少しばかりお金が足りないねえ」
おばちゃんにそう言われたので、俺は大銀貨をもう一枚差し出す。
「あと、これを入れる袋もください。何か大きい袋ありますか?」
するとおばちゃんは、店の奥から大きな袋をいくつか持ってきて会計に含めてくれた。枚数の確認なんてしない、アバウトさが素敵です。
「銀貨四枚と大銅貨二枚のお返しだね。これ全部持てるのかい?」
流石に量が多いので、おばちゃんは俺が運べるかどうか心配なようだ。
俺の体がすっぽり入るくらい大きな袋に品物を詰め込むと、肩に担いでジャンプをしてみせる。
大丈夫だと判断したのか、おばちゃんは笑顔で頷き、おまけにリンゴを一つつけてくれた。
一度荷物を置きにキャスの家に戻った俺は、家で使うものを残して、それ以外は全てマジックバッグに収納した。まだまだ時間はたっぷりあるので、俺は再び外に出る。
次の行き先はコリーンちゃんの家。
コリーンちゃんは人攫いに遭ったところを森で助けたのがきっかけで、暫く集落で保護していた小さな女の子だ。彼女の母親であるフラニーは、家事の傍ら裁縫店を営んでいると聞いて、服を作ってもらう為に伺うと事前に約束していたのだ。
コリーンちゃんの家は、木とレンガで作られた、この村でもよくあるタイプの家だった。
玄関の扉の脇に小さな看板が出ていて、母屋が店舗を兼ねていることが分かる。
「こんにちはー」
「あら、ゼン君。コリーン! お兄ちゃん来たわよ」
店先で俺を出迎えたフラニーが気を利かせて、コリーンちゃんを呼んでくれた。
コリーンちゃんはすぐに姿を現して、俺を見るなり走って突っ込んでくる。俺が受け止めて抱きかかえてあげると、とてもご満悦の様子だ。
「服を何着かと、下着も数枚欲しいのですが、すぐにもらえます?」
俺はコリーンちゃんをあやしながら、早速用件を切り出した。
「そうねー、古着を直した物なら、サイズを合わせるだけですぐ渡せるのがあるけど……新品だと日数は掛かるし、高いからお薦めしないわ。下着は作り置きがあるから、今すぐにでも渡せるわよ」
おぉ、下着が穿けるなんて、俺の文明レベルが飛躍的に上がるぞ!
「なら、下着を五枚に古着を三着ください。それとは別に、新品で二着作ってください」
「……新品だと結構しちゃうけど大丈夫? もちろん、ゼン君には値引きするけど」
フラニー一家はコリーンちゃんの救出の為に、冒険者ギルドを介して依頼を出していた。
元々キャスがこの依頼を受けていたのだが、彼女は実質的にコリーンちゃんを助けたのは俺だと言って譲らなかった。その為、俺は今日の夜にでも報酬の半分を受け取る予定だ。
俺にとっては棚ぼたみたいなものなので、どうせならその金は全部この店で使おうと思っている。村の皆からもお金を出してもらったらしいが、それでも一家の負担は大きいだろうしね。報酬を払ったせいでコリーンちゃんが貧しい暮らしをするとしたら、俺としても忍びない。未来のナイスバディーを育てる為にも、良い物を食べてもらわないといけないからね。
そういえば実際にいくら貰えるか分からないから、新品はまた明日来た時に頼むか。
「じゃあ、今日は古着と下着をください」
「分かったわ、サイズを測るからちょっと待っててね」
フラニーはメジャー片手に俺の体のサイズを紙に書いている。書かれた数字を見る限り、この世界の長さの単位はメートル法だと分かった。
今さらながら気が付いたが、俺は会話だけでなくこの世界の文字も問題なく理解出来るようだ。頭の中に文字を浮かべる事も出来るので、きっと書く方も問題ないだろう。
サイズの計測が済むと、フラニーは店の奥から下着を一枚持ってきて、そのまま俺に穿かせようとした。流石にそれは恥ずかしいので、丁重にお断りして自分で穿いたが。
久しぶりの下着はトランクスタイプで、紐を締めればやさしく俺の股間を守ってくれる。
フラニーが古着のサイズ調整をしてくれる間、俺はコリーンちゃんと遊んで待っていた。
服の代金も忘れずにカウンターに置いておく。この金はコリーンちゃんを誘拐した犯人が持っていた金で、俺が亡骸から頂いておいた物だ。他人の金で買い物をするのは少し悪い気もするが、どの道死者には必要ない物だ。俺が有効的に使った方が経済も回るというものだろう。
今回の買い物で使った分を除くと、残りは大銀貨五枚と少しなので、日本円にすれば五万程度。現金の手持ちは少し心許ないが、換金できそうな物は結構持っているから、それほど心配はない。問題はどう売るかだけどね。
「お待たせ、ゼン君」
コリーンちゃんの相手をしている間に、昼を少し回っていたようだ。フラニーが仕立て終わった洋服を持って店の奥から出てきた。
渡されたのは、子供服が一着と、大人サイズの服を直したものが二着。
話を聞くと、子供用の服なんてわざわざ店で作るのは、貴族や一部の金持ちくらいのものらしい。たいていの子供は親の古着の丈を詰めて着るのが普通なのだそうだ。
コリーンちゃんの服も少し大きいところを見ると、裁縫屋の子供でもぴったりサイズの服はないのだろう。
今回は俺の為に子供サイズのとっておきを出してくれたようで、なんだか悪い気もする。しかし、明日には新品の服を注文する予定だし、有難く頂いておこう。
服の代金と一緒に夕食用のパンをいくつかフラニーに渡して、店を後にする。
早速家に戻って服を着てみる事にした。
膝丈の半ズボンは紺色で、揃いのベストも同じ色。白いシャツの襟元にはフリルがついている。どこぞのお坊ちゃんが着るような見た目でちょっと落ち着かないが、サイズは見事に俺の体にフィットしていた。
「ふはは、俺の文明度が凄まじく上がっていくのを感じるぞ!」
ポッポちゃんも「主人、似合ってるのよ!」と俺を褒めてくれた。
午後はこの村の周辺を探索しようと思う。探索といっても、北側の森で動物を狩ってくるのが俺の目的だ。それ以外、村の周囲には畑しかないし。
キャスの家庭では親父さんが大分前に亡くなっていた。村の中でもそこまで貧しいわけではないが、とても裕福とは言えず、中流の底辺という感じらしい。そんなわけで、彼女の家の食卓に肉が並ぶ事は少ない。具体的にはキャスが狩りをしてこない限り出ないのだが、キャスに任せるより自分で取ってくる方が確実というわけだ。
せっかく人里に出たんだから、毎日豆と野菜だけの食事なんて寂しい。肉料理を食べられるなら努力は惜しまないつもりだ。
ほどなくして、村の門が目に入ってきた。魔獣や亜人対策用に村の周囲を囲っている木製の外壁には、東西に出入りの為の門がある。左右に武装した門番が立っているが、日中は扉が開いていて、通行は自由だ。
「坊主、どこに行くんだ? ん……? どこの子だ?」
門番のおっさんが笑顔で俺に行き先を尋ねてくるが、見知らぬ子供に疑念を抱いているようでもある。
「昨日この村に来ました。キャス姉の家にお世話になってます」
「あー、あの子供か。獣みたいな格好してるって聞いてたけど、綺麗な服を着てるじゃねえか」
そうだろ? どこから見ても良いところのお坊ちゃんだ。裸足である事以外は。
「そこの森まで行ってきます。奥まで入らないから心配いりません」
「森に行くのか? あそこは亜人も獣もいるんだぞ。子供じゃ危ないから、遊びに行くなら他にしなさい」
まあ、こうなるよな。心配してくれるこのおっさんの気持ちは嬉しいが、外に出してもらえないんじゃ困る。
「ゴブリンくらいなら倒せるので大丈夫ですよ。それに、本当に奥までは行きませんから」
「そう言われてもなあ。どうやって坊主がゴブリンを倒すんだ? まさか素手でやるとは言わないよな」
こうなったら見せるしかねえな。俺はマジックバッグの中から青銅のナイフを取り出して、村の外壁に向かって投擲した。
俺のいきなりの行動に門番のおっさんは驚いていたが、壁に深く刺さったナイフを見て納得してくれたようだ。
「ほ~、投擲術なんて珍しいスキル持ってるんだな。人のスキルにケチつけるのもなんだが、金掛かってしょうがないぞ、そのスキルは」
どうやらこのスキルの使い手は珍しいらしい。武器を投げて使い捨てにするなんて勿体ない事を普通はしたいと思わないからだ。
もちろん回収すれば武器の再利用は可能だが、毎回それが出来るとは限らない。
それに、普通なら剣や槍一本で済むところを、投擲術では大量の武器を持つ必要がある。ナイフの一本や二本投げたところで、オーガをはじめ、俺が森で戦ったキマイラなどは、狩る事が出来ないからだ。
よって、投擲術を使う者はあまりおらず、特に新人冒険者からは不人気のスキルとの事である。
上級冒険者になると稼ぎによってはマジックバッグが手に入るので、武器の運搬は問題がなくなるが、それでも使い捨てにするほど武器は安くない。尚且つその頃には、もう自分のスキルの方向性が決まってしまっているので、わざわざ苦労して一から投擲術を取得する者もいない。そんな事情で投擲術はますます珍しいスキルになってしまったのだそうだ。
俺はその全てをクリア出来るので、問題なく使えているのだが。
門番のおっさんに愛想笑いで応え、門の外に出る。
村の壁を囲むように畑があり、そのさらに外側に広がる大草原には所々高い木が生えているのが見える。
村から東西にまっすぐ延びる道を進み、途中の分かれ道を北側に折れれば、俺が亜人と生活していた深い森が現れる。その背後には高い山脈がそびえていた。
あの山脈をこうやって外から見ると、案外近そうな気がしてくるのが不思議だ。
道は森の中まで続いており、普段から村の人がこの森に入っているのだと分かる。
俺は動物の気配を探して、探知スキルを展開しながら道を進む。
森に入ってすぐに、二つの小さな気配を感じた。隠密スキルでこちらの気配を消して近付くと、ホーホーと鳴く小型の七面鳥みたいな鳥が地面を突いていた。
隠密スキルのお蔭で、向こうには全く気付かれていない。
ゆっくり歩きながらナイフを取り出して、確実に当たる射程に入ったところで投擲。
俺も随分狩りに慣れたもので、一撃で鳥の首を飛ばした。これに驚いた一羽が逃げてしまったが、次は違う肉を取るつもりなので良しとする。獲物の足を持って血抜きをしていく。
数時間森の中で探索を行い、食べられるキノコや果物なども採りながら、三羽の鳥とイノシシ一頭を仕留めたところで、今回の狩りは終了する事にした。
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