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第七章 風雲

十四話 亜人王 四

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 空中から見る戦いは、中々見ごたえがある。
 巻き起こる土煙と、倒れる木々たち、そして雄たけびと悲鳴が混じり合い、濃厚な戦場の匂いがここまで届いて来る。

 敵と対峙する前には、一言くれと言われた。
 本来、ゴブ太君の仕事だと思うのだが、断ろうとしたらゴブ太君が悲しそうな顔をするから受けざるを得なかった。
 だから、こんな事を言ってみた。

「こんな戦いは、早く終わらせて宴を楽しむぞ。それだけの物をお前たちには与えたはずだ。敵を滅ぼし、この地域の支配を盤石にしろ。さすれば、更なる繁栄を手助けしよう」

 ゴブ太君たちが相手だし、これから戦いになるのだから、ノリノリで言ってみた。
 だが、エリシュカには「…………魔王爆誕」とか言われるし、シラールドにも「主……街に帰るのだよな?」と、疑われ、ヴィートには「兄ちゃん……それは流石に」と、珍しく常識的な事言われた。
 良いんだ、ポッポちゃんは「支配なのよ! 滅ぼすのよ!」って同調してくれたし、ユスティーナも「パパ、かっこいい! 闇の勇者だね!」って言ってくれたから俺は生きていける。
 ……あれって、褒めてたよな?

 あの気合の言葉が効いたかは知らないが、ここから見える戦いは、殆ど一方的になってきた。
 前日まで裸の殴り合いをしていたのに、次の日には片方が日本刀を持ってきたら、勝負は簡単に付くだろ? そんな感じで装備の違いは、それほど差を生み出している。
 それに加えて、幹部連中の暴れ具合が凄まじい。だって、攻撃が効いてないから無双状態なんだ。
 俺が与えたマジックアイテムが、飛んできた矢を無効化してるし、放たれた魔法も被害を与えられていない。
 まともな武器を持った敵は、辛うじて斬撃を食らわせていたが、刃は皮膚を切ったぐらいで、逆に怒りを買って首を斬り落とされていた。

 ジェネラルオークになっているボーク君が【風爪槍】を振るうと、射線上にいた敵の身体がずれて落ちる。風の刃を放つらしいが、威力は相当ありそうだ。
 ゴブリンブルーザーに進化したゴブ元君が、ゴブリンとは思えないほどに膨れ上がった筋肉を使って、力任せに【ラースマレット】を打ちおろす。その瞬間、地面が爆ぜて数匹の敵が空に舞い上がった。
 そして、二メートル近いゴブ太君が担いでも、まだ大きく見える巨大な剣が、敵のボスが従えていた角を付けた大きな狼を真っ二つに切り裂いた。
 その瞬間、角付狼は一気に燃え上がり、残されたのは黒い消し炭だけとなった。
 敵のボスへと、風に流れた消し炭を浴び、歯をむき出しにして怒りに震えている。
 反撃にゴブ太君へと放った氷のつららは、俺の渡したアクセサリが速度も威力も失わせ、剣で払われ全てが消えた。

 ゴブ太君が、この森の支配を進めていた時に手に入れたと言う【冥炎の巨剣】は、攻撃特化のかなり強力なアーティファクトだと思える。一度鑑定させて貰った時には、筋力強化と業火という効果が付いていた。
 見た目は巨剣の名の通り、馬鹿でかい剣だ。実際に振ってみたのだが、剣術スキルの恩恵が受けられても、多分普通の人じゃ振り回されると思われる。
 俺のステータスと【穀霊の籠手】の筋力強化があるから、普通の剣と同じように扱えたのだろう。
 そう考えると短期間でこの力を手に入れられる亜人は、恐れられるのも分かる。生存競争激しすぎるけどね。

 しかし、考えて見ると昨日のヴィートの一撃は、相当数の敵を殺していた。
 更に言えば、最前線で戦う強者を呆気なく消し去っていた。……もうあそこは良いだろう。
 その近くでは、シラールドとヴィートが暴れ回っているし、スノアのブレスが敵を蹴散らし、ユスティーナもエリシュカの保護下で、ゴルゴーンが石化した敵に止めを刺している。
 そうそう、ゴルゴーンのあの不思議な攻撃は、瞳を合わせると石化をさせる魔法だったらしい。
 ただ、魔法なので魔法抵抗がある程度あれば、当たる事はないし、『キュア』などの魔法で解除も出来る。敵が男で魔法抵抗のない奴だったら、まず負けなそうな力だな。

 戦いは一方的になり過ぎて、心配する気も起きてこない。
 唯一の不安要素はユスティーナだが、エリシュカが動く気配をみせていないので問題ない。
 あれはあれで、ユスティーナを可愛がっているので、危険を察知すれば動いてくれる。
 それ以上に、多分ゴブ太君からの指示を受けたであろう、精鋭っぽい亜人数匹が周りを固めていて、あそこだけ謎の防御陣がユスティーナを中心に作られてるのが、ここからでも分かるからな。

 上空での監視を続けながら、戦いの様子を見ていると、ポッポちゃんが「主人! いっぱいきたのよ!」とクルゥっと鳴いた。ポッポちゃんの視線の先に目を向けると、少し遠くに木々を揺らしながら移動する一団が見える。
 位置的にはゴブ太君たちの真後ろだ。だが、心配をしていた奇襲の様子は見せていない。
 もしかしたら、一方的な戦いになり、焦って全軍で駆けつけてきたのか?

 まあ、その辺りの事は、あれを止めてからゆっくりと知る事にしよう。

「あれの進行方向手前に下りる。ポッポちゃんは空の敵と逃げる奴を頼んだよ」

 俺の簡単な指示を聞いたポッポちゃんは「はいはいなのよ!」と、クルゥと凛々しく鳴いた。
 戦闘モードのポッポちゃんも可愛いな。
 地上に降り立った俺がまずした事は、【英霊の杖】でサジを召喚した。
 追加で調教スキルがレベル4になったお蔭で、追加召喚出来るようになったファイヤエレメンタルを呼ぼうかと考えたが、やはり森の中では少しまずいだろう。
 相手の戦力が話に聞いた通りなら、これで足りているはずだ。
 無理ならお仲間に助けてもらう事にして戦いを楽しもう。

 腕を組んでサジと並んで待機していると、目の前に大量の亜人の気配が迫ってきた。
 数は想定通り四百ほど。だが、その大半は進化をしてもいない亜人たちだ。
 少しすると、先頭を走る奴らの様相が見えてきた。
 北の勢力は少し装備が違い、魔獣などの素材を使った武器防具を持っている。
 なかなか切れそうな剣が見えるが、あれでは竜鱗の鎧を着る俺は殺せない。
 分厚そうな鎧も見える。だが、あんな物は俺の武器の前では無意味だろう。
 ダチョウのように見える何かに騎乗している奴もいる。
 あれは中々速度が出そうだな。

 視線の先に波のように亜人が押し寄せる。
 この状況ならば、する事は当然一つだ。
 俺はマジックボックスから鉄の槍を取り出して、助走をつけて投擲する。
 投擲術レベル5ならば、僅かな隙間しかない森の木々の合間を掻い潜り、敵へと到達させる事が出来る。
 俺が投擲を繰り返すたびに敵は減っているが、全体数に比べるとやはり少ない。
 一方的に攻撃が出来るだけ十分なのだが、最近は少し改善が必要かとも思っている。

 そんな事を考えていると、敵が大分近くに迫ってきた。
 サジを先行させ、俺もその後に続いていく。
 北の勢力は見た事のない種族が数多くいる。ラミアや蜘蛛人間に昆虫のような奴が見え、二つの頭を持つエティンや毛むくじゃらの良く判らない奴までいる。
 見ていて飽きないが、見分はこの程度にしておいて、早速叩き潰す事にした。

 敵に突っ込んでいくと、俺らを取り囲むように群がってくる。
 下手に散らばる事もなく、手間が掛からず助かった。
 来る敵、来る敵を、【テンペスト】で爆散させていたのだが、途中で勿体ないと気付き、ルーンメタルの槍に切り替えたり、【アイスブリンガー】を使ったりして殺していく。
 何度か攻撃は食らったが、それも大した事もなく、【グレーターヒール】一発で全快した。

 群れの七割を殺し尽くした頃になると、ようやく敵のボスがやってきた。
 開始から終始、後方に控えていたので、もしかしたら逃げるのではないかと思っていたが、群れのボスとして俺と対峙する事にしたらしい。
 話し合いの一つでもしようと思っていたのだが、敵さんにそのつもりはないようで、またがった魔獣を俺にけしかけて、轢き潰そうとしているみたいだ。
 だが、その魔獣の突進は子供の頃に何度も味わっている。
 今の俺ならば、その魔獣――キマイラの突進なんて避けるまでもない。
 真正面から対峙して【アイスブリンガー】の一振りで、キマイラの突進を止めた。
 正確に言えば、キマイラが俺を避けたと言える。
 キマイラが死から逃れた代償は、地面に転がった切り落とされ氷づけにされた前足だった。

 キマイラが地面に激しく激突する。
 その衝撃で、敵のボスが投げ飛ばされたが、流石ボスだけあって華麗に着地をして地面に降りた。
 俺にその姿を晒した敵のボスは、全身を白い毛を生やし、驚くほどまともな装備に身を包んだ、猿人のような奴だ。一瞬獣人の一種かと思ったが、合わせた瞳からは知性よりも狂気を感じさせる。
 とても人間の言葉をしゃべるような存在には見えなかった。
 そいつが地面に倒れたキマイラに、俺へと攻撃しろとけしかけている。
 キマイラも腕一本失ったぐらいでは、戦意を喪失しないのだろう、背中に生えた翼を使ってバランスを取り、力を溜めると大きく飛び上がって俺に襲い掛かってきた。
 馬鹿正直に突っ込んでくるキマイラに、柄を持ちかえた【アイスブリンガー】を投擲する。
 刃を向けたまま真っすぐに飛んでいった【アイスブリンガー】は、ガードをした前足を貫き、そのままライオンの頭部へと深く突き刺さった。そして、氷結の効果が現れて、キマイラの頭部を一気に凍らせた。
 力を失ったキマイラは、その勢いのまま地面に転がる。だが、まだ二つの頭は残っていて、俺の方を厳しく睨んでいた。俺はすかさずルーンメタルの槍を投擲して、尻尾の先に付いている蛇の頭を切り落とす。続いて取り出した槍を、今度はヤギの頭に投擲しようと思ったのだが、少し試したい事が出来たのでやめた。

 武器を地面に突きさして、地面に横たわるキマイラの体に近付く。
 すると、最後に残ったヤギの頭が口の中に炎を溜めているのが見えた。
 その次の瞬間、俺へと向かってあの炎の弾が撃ちだされた。
 俺は一瞬身に着けている、対物理、対魔法の効果を持つアクセサリに目をやってから、魔法抵抗の障壁を展開した。
 炎の弾が直撃した。球体状に俺を包み込む魔法抵抗で作り出した障壁が、威力の半分以上を失わせ、更に内部に入り込んだ残りの炎は、アクセサリの効果で打ち消される。

 ランク的に言えば、キマイラはドラゴンの下に相当する程の魔獣だ。
 だが、そいつが持つ必殺の攻撃は、最早俺には届かない。
 実験は済んだ。
 俺は速やかに驚愕の表情を浮かべているキマイラに止めを刺してやった。

「ははは、俺も強くなりすぎたなっ!」

 過去に手こずった相手が楽に倒せた事に、思わず笑いが出てしまう。
 そして、その笑いは周りで俺を取り囲んでいた亜人たちの逃亡を引き起こした。

「結構逃げるな。サジ、ポッポちゃん、ゴブ太君の方向へ向かう奴だけ排除してくれ。後は逃がす」

 もうこれだけ群れが壊滅していれば、背後を突く形にならない限り逃がすべきだろう。
 逃げた奴らは後にゴブ太君が回収して群れに引き込めばいい。
 キマイラの姿を見て、ポッポちゃんが下りて来ていたので、ついでに指示を出しておいた。

「さて、もうお前を守ってくれる奴らはいないようだが、どうする? 裏切りの代償としては、その命を貰うつもりだが、最後の抵抗ぐらいは見せるか?」

 俺から視線を離さずに、牙をむき出しに睨み付ける猿人に、キマイラに止めを刺したルーンメタルの槍で肩を叩きながら問い掛ける。
 一度裏切り行為をしたこいつを、説得して仲間に引き入れる気はない。
 俺が刃を向けると、猿人が慌てたように腰に付けていた剣を引き抜いた。
 湾曲した剣、多分カトラスだろう。マジックアイテムではないようだが、かなりの業物のような感じがする。

 相手の用意が出来たなら、もう遠慮はいらない。飛び込んで攻撃を開始する。
 完全に相手が格下だが、殺し合いにそんな事は関係ない。
 俺は遠慮なく槍で何度も体を貫き、遂には武器を落とさせ、身動きが取れないよう両足を貫いた。
 そして、最後に心臓辺りを貫いて、この戦いを終わらせた。

「ふぅ、っと、この腕輪かな?」

 地面に倒れ動かなくなった猿人から、身に着けていた腕輪を剥ぎ取る。
 これが件のアーティファクトのはずだ。

 名称‥【天与調教師】
 素材‥【金 銀】
 等級‥【伝説級レジェンダリー
 性能‥【支配】
 詳細‥【狩猟の神のアーティファクト。打ち倒した獣一体の使役を行える】

 キマイラはあの猿人より何倍も強かった。だが、猿人に従っていた。それはこのアーティファクトの力があったからだ。
 話に聞く限り、群れでキマイラに襲い掛かり、最後にこのアーティファクトを持つ猿人が支配を行ったらしい。
 余り強力なアーティファクトとは言えないかもしれないが、少なくとも何のスキルも持たない子供でも、やり方によっては先程のキマイラなどを使役出来ると考えると、面白いアーティファクトだと思える。

 ゴルゴーンからの情報は間違いないなかった。
 正確な情報を話してくれたあの娘には、後で褒美をやろう。
 そう言えば、ゴルゴーンが俺に完全に逆らう気を失ったのは、ドラゴンの存在を知ってからだった。キマイラよりも上の存在を従えているのが分かったから、その気になってくれたんだな。
 少し汚れてしまっているが、【天与調教師】をそのままマジックボックスに回収して、他にも何かないかと辺りを見回して気が付いた。

 視線を地面に向けてみれば、足の踏み場もないほどに、亜人や魔獣の血肉に溢れ、もう少し視線を上げてみれば、辺りの木々に吹き飛ばされた死骸が絡まっている。
 周りに散らばる死骸を改めて見ると、一体どれほどの数を殺したのか、自分でも把握が出来ないほどだった。

「まあ、俺の敵になったんだから諦めて成仏してくれ」

 罪悪感があるかと聞かれれば全くないと答えるだろう。
 俺がこれを阻止しなければ、その代わりに多くの仲間が死ぬ。それに、俺だって命をかけて戦ったんだ。唯一詫びるべき事と言えば、苦戦もしなかったって事だな。

「ぐっ……自分で考えといて恥ずかしいな」

 どこぞの強者のようなセリフが、自分から湧き出てしまった事に、顔が赤くなり苦い笑いが出てしまった。

 ちょうどその時ポッポちゃんが戻ってきた。
 追撃は終わったようで、「いっぱい倒したのよ!」とクゥゥと鳴きながら俺に急降下してきた。
 それを、腕を差し出して迎え入れようとしたのだが、急に方向転換をされてしまう。
 何だと思ってポッポちゃんを見つめていると、俺から少し離れた場所でホバリングをしながら「主人、まっかでばっちいのよ!」と鳴いている。
 そういえば、地面に溢れている血反吐は俺にも降り掛かっている。
 自分の身体を見てみれば、返り血で汚れ、得体の知れない物体が鎧に引っかかったりもしていた。

 このままでは美しいポッポちゃんの羽が汚れるのは間違いない。
 俺は急いで血の海と化した戦場後から移動して『サモンウォーター』で頭から何度も水を被る。
 そして、最後にポッポちゃんに体中を見てもらい、汚れが落ちた事を確認して貰ってから、肩に乗ってきたポッポちゃんの頬ずりを受けたのだった。

「じゃあ、ユスティーナたちの所へいこうか。頼んだよポッポちゃん!」

 こうして北の勢力とやらは、七割近くを失って、残りはどこかに逃げていった。
 力に自信のあった奴らは、ほぼ全て俺に向かってきていたので、残りの弱い亜人が残った形だ。
 そいつらは、後でゴブ太君たちが吸収でもすれば良いはずだ。
 そんな事を考えながら、ポッポちゃんに運ばれていくと、もう一つの戦場が見えてきた。
 だが、少し様子がおかしい。
 既に戦いは終わっているのか、動きがほとんど見られない。
 段々と近づいていくと、何が行われているかが分かった。
 見た感じではほとんど数を減らさなかったこちら側が、惨敗し少数となった敵を包囲していたのだ。

 更に近づいてユスティーナの近くに降り立つと、スノアから降りたユスティーナがこちらに向かって駆けてきた。

「パパッ! レベル上がったよ!」

 笑顔のユスティーナは俺の目の前まで迫り、後一歩という所で急ブレーキを掛けた。

「やだ、パパ、びしょびしょだよ!」
「ポッポちゃんの次は、ユスティーナかよ……」

 流石ポッポちゃんの娘だ。見てる視点が似てる気がするぞ。
 ちょっとショックを受けながら、ゆっくり近づいてきたユスティーナと手を繋ぎ、ゴブ太君の下へと向かう。するとそこでは、息も絶え絶えの敵ボスとその群れの奴らを取り囲む、ゴブ太君たちの姿があった。

「何でやらないの?」

 最前列にいたゴブ太君に背後から声を掛けると、隙なく敵を睨みつけていた顔を、一瞬で穏やかな物にしてこちらを振り返った。
 そして、「王の判断を待っていました」とギィと鳴いては、再度敵のボスへと視線を向かわせた。

「ゴブ太君が決めるべきだと思うけど、説得して駄目なら殺して君の力にしなよ。一応交渉材料としては、北の勢力は消したから、どう転んでもあいつらの勝ちはないって事かな」

 ゴブ太君の丸太のような腕を、ペチッと叩きながらそう言ってみると、ゴブ太君が俺を見ながら瞳をうるませ始めた。

「な、何?」

 幾ら何でも俺だって、こんな厳つい亜人に涙目で見られたら動揺ぐらいする。
 自然と後ろに下がりそうになる身体を何とか維持していると、ゴブ太君が俺を見つめながら「ゴブシンからの報告で聞いていましたが、御身お一人で成した戦果に感動で……クッ」と、戦場には似つかない涙を流していた。

「パパ、ゴブちゃん何で泣いてるの?」
「感動……したんだってさ……」
「はえー、戦いに勝ったから感動するんだー、怖いのに可愛い!」
「そうだね……」

 泣き顔から立ち直ったゴブ太君が、また厳しい戦士の顔に戻り、敵のボスへと近づいてく。
 ポッポちゃんにユスティーナを任せ、俺もそれに続いて話を聞くだけ聞く事にした。
 簡単な内容としては、群れのボスとして絶対に支配には加わらない。
 生き残った奴らは群れを率いる力もない者だから、吸収してくれ。
 自分を逃せばまた戦いになる。
 との事だった。
 北の勢力に関しては、元から敵でありこの戦いの後は、どの道倒すべき相手だったので、どうでも良いと言われてしまい。ちょっとだけ悲しくなった俺だった。

 その後、何度かの会話の後、交渉は完全に決裂し、後はゴブ太君に任せる事になった。
 俺はこの後に起こる事をユスティーナには見せないように、少し離れた場所へと誘導して、固まって集まっていたシラールドたちの下へと向かった。

************************************************
次回から二日に戻します。
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