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JapanSecretService
JSSとは
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『バタン』
悠希が局長室を出て行った。
悠希も随分たくましくなったな、と久保典子は1人だけ残った局長室で思っていた。
久保典子にとって、桧山悠希は息子のような存在である。
彼が孤児になった12歳の時に出会い、それ以降手塩にかけて育ててきた。
MI6やCIA含め、諜報部の人間は長生きできない迷信がある。
悠希を大切にしたいという想いから、久保は彼を情報部に置き、大切にしてきた。
しかし彼は、運動神経や臨機応変できる頭脳、射撃技能含む格闘術等、すべてにおいて群を抜くスキルを持っている。
センスの塊だ。
情報部でも彼はスキルを発揮し、諜報部員の手助けをすることができていたが、JSSや国のためを思うと、彼はやはり諜報部にいるべきなのだ。
母であり、久保は局長だ。
局長である以上、人事もしっかりやらなければならない。
頑張れ、生きて帰れ。
局長として諜報部へ、そして母として願う久保だった。
JSSとは、JapanSecretServiceの略である。
日本語では日本秘密諜報局。
諜報というのは特定の相手の情報を盗んだり、企みを阻止したりすることを言う。
簡単に言えばスパイだ。
JSSの前は、疾風という諜報機関が日本にはあった。
もちろん国民の知ることのない組織だ。
スパイ自体は冷戦時代が黄金期で、資本主義と共産主義のスパイたちが、お互いにお互いの動向を探ったり、時に邪魔をしたりしていた。
大きな戦争はなくとも、国民の知らないところでスパイ同士が静かな戦争をしていたのだ。
疾風もアメリカと連携して、主に中国を相手に諜報活動をしていた。
そして、1991年に冷戦が終結。
諜報機関の見直しが迫られた。
度重なる会議の末に、疾風は一度解体された。
平和な日々が訪れると思っていた。
しかしその後、日本でサリンを使ったテロ事件が起こる。
このとき、日本を含める何カ国もの国々が、これからの時代は相手が国ではなくテロ組織なのだと悟った。
一度解体された疾風は日本秘密諜報局として生まれ変わることになる。
諜報組織はイギリスにMI6、アメリカにCIAとあり、世界的にも有名だが日本の場合、JSSは秘密機関。
横浜ランドマークタワーのJSSも表向きはベイサイド運輸というカモフラージュがある。
大々的に捜査できない事件や、調査を行う。
解決のためなら、手段は選ばない。
悠希が局長室を出て行った。
悠希も随分たくましくなったな、と久保典子は1人だけ残った局長室で思っていた。
久保典子にとって、桧山悠希は息子のような存在である。
彼が孤児になった12歳の時に出会い、それ以降手塩にかけて育ててきた。
MI6やCIA含め、諜報部の人間は長生きできない迷信がある。
悠希を大切にしたいという想いから、久保は彼を情報部に置き、大切にしてきた。
しかし彼は、運動神経や臨機応変できる頭脳、射撃技能含む格闘術等、すべてにおいて群を抜くスキルを持っている。
センスの塊だ。
情報部でも彼はスキルを発揮し、諜報部員の手助けをすることができていたが、JSSや国のためを思うと、彼はやはり諜報部にいるべきなのだ。
母であり、久保は局長だ。
局長である以上、人事もしっかりやらなければならない。
頑張れ、生きて帰れ。
局長として諜報部へ、そして母として願う久保だった。
JSSとは、JapanSecretServiceの略である。
日本語では日本秘密諜報局。
諜報というのは特定の相手の情報を盗んだり、企みを阻止したりすることを言う。
簡単に言えばスパイだ。
JSSの前は、疾風という諜報機関が日本にはあった。
もちろん国民の知ることのない組織だ。
スパイ自体は冷戦時代が黄金期で、資本主義と共産主義のスパイたちが、お互いにお互いの動向を探ったり、時に邪魔をしたりしていた。
大きな戦争はなくとも、国民の知らないところでスパイ同士が静かな戦争をしていたのだ。
疾風もアメリカと連携して、主に中国を相手に諜報活動をしていた。
そして、1991年に冷戦が終結。
諜報機関の見直しが迫られた。
度重なる会議の末に、疾風は一度解体された。
平和な日々が訪れると思っていた。
しかしその後、日本でサリンを使ったテロ事件が起こる。
このとき、日本を含める何カ国もの国々が、これからの時代は相手が国ではなくテロ組織なのだと悟った。
一度解体された疾風は日本秘密諜報局として生まれ変わることになる。
諜報組織はイギリスにMI6、アメリカにCIAとあり、世界的にも有名だが日本の場合、JSSは秘密機関。
横浜ランドマークタワーのJSSも表向きはベイサイド運輸というカモフラージュがある。
大々的に捜査できない事件や、調査を行う。
解決のためなら、手段は選ばない。
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