【R18】どうか、私を愛してください。

かのん

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その後の話

包まれた愛③

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「え?結婚していない?どうして?」


仕事を終えて、誠一さんとの待ち合わせのカフェに行くと
誠二の近況を教えてくれた。
2人は入籍しているとばかり思っていたけど
結婚していなかっただなんて。


「2人なりのケジメなのかなと思っている」


「そう……」


「だけど、私は結婚して欲しいと思っている、2人に」


「誠一さん……いいの?」


「永一が、一生懸命私の跡を継ごうと頑張っていてくれて、2人が授けてくれた永一が側にいるだけで、幸せなんだ。本当なら、永一の両親は2人なんだから、名乗り出たっていいのに、それは誠二がしたくないと。永一は、きっと自分の父親は俺じゃなく誠二だと気づいている。だけど、何も言わない。あの子は賢いから」


「まだ子供なのに、すごいね、永一君」


「永一の未来を思って、親として名乗りたくないなんて。親って……本当凄いんだな」


「うん、そうだね。でも、誠二も誠一さんに感謝しているよ。大事に育ててくれて、嬉しいと思う」


「だから、せめて2人に罪の意識を少しでも軽くしてあげたいんだ。永一も、2人には結婚して欲しいと願っている」


「永一君も願っているなら、私も応援したいな。何をすればいいの?」


「実は、美緒のドレスを選んでほしいんだ」


「美緒さんのドレス?私が選んでいいの?」


「体型とかが難しくて、サイズが分からなくて」


「分かりました。ドレスを選べばいいんですね。了解です!」




「それと……この結婚式のことを美緒にはサプライズにしたいのだが、誠二には伝えたいんだ」


「そうね、伝えたほうがいいでしょうね」


「円花さんにお願いできないだろうか」


「え?私?」


「私からだと、誠二も遠慮してしまうだろう」


「でも私、思いっきり部外者だけど……」


「部外者ではないよ。円花さんは、誠二とっても、私にとっても、命の恩人だ」


「そんな大げさな」


「大げさなんかじゃない。円花さんが行動してくれたから、今、誠二は生きているんだ。頼む、円花さんしかいないんだ」


「分かりました。誠二と話をしてみます」


「誠二はもう自分で話すことはできないんだ」


「え……そこまで症状が?」


「自分の声の音声を視線で文字をひろって出している。呼吸器をつけたんだ」


「そうなんですね……会いに行きます、必ず」


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