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その後の話
包まれた愛③
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「え?結婚していない?どうして?」
仕事を終えて、誠一さんとの待ち合わせのカフェに行くと
誠二の近況を教えてくれた。
2人は入籍しているとばかり思っていたけど
結婚していなかっただなんて。
「2人なりのケジメなのかなと思っている」
「そう……」
「だけど、私は結婚して欲しいと思っている、2人に」
「誠一さん……いいの?」
「永一が、一生懸命私の跡を継ごうと頑張っていてくれて、2人が授けてくれた永一が側にいるだけで、幸せなんだ。本当なら、永一の両親は2人なんだから、名乗り出たっていいのに、それは誠二がしたくないと。永一は、きっと自分の父親は俺じゃなく誠二だと気づいている。だけど、何も言わない。あの子は賢いから」
「まだ子供なのに、すごいね、永一君」
「永一の未来を思って、親として名乗りたくないなんて。親って……本当凄いんだな」
「うん、そうだね。でも、誠二も誠一さんに感謝しているよ。大事に育ててくれて、嬉しいと思う」
「だから、せめて2人に罪の意識を少しでも軽くしてあげたいんだ。永一も、2人には結婚して欲しいと願っている」
「永一君も願っているなら、私も応援したいな。何をすればいいの?」
「実は、美緒のドレスを選んでほしいんだ」
「美緒さんのドレス?私が選んでいいの?」
「体型とかが難しくて、サイズが分からなくて」
「分かりました。ドレスを選べばいいんですね。了解です!」
「それと……この結婚式のことを美緒にはサプライズにしたいのだが、誠二には伝えたいんだ」
「そうね、伝えたほうがいいでしょうね」
「円花さんにお願いできないだろうか」
「え?私?」
「私からだと、誠二も遠慮してしまうだろう」
「でも私、思いっきり部外者だけど……」
「部外者ではないよ。円花さんは、誠二とっても、私にとっても、命の恩人だ」
「そんな大げさな」
「大げさなんかじゃない。円花さんが行動してくれたから、今、誠二は生きているんだ。頼む、円花さんしかいないんだ」
「分かりました。誠二と話をしてみます」
「誠二はもう自分で話すことはできないんだ」
「え……そこまで症状が?」
「自分の声の音声を視線で文字をひろって出している。呼吸器をつけたんだ」
「そうなんですね……会いに行きます、必ず」
仕事を終えて、誠一さんとの待ち合わせのカフェに行くと
誠二の近況を教えてくれた。
2人は入籍しているとばかり思っていたけど
結婚していなかっただなんて。
「2人なりのケジメなのかなと思っている」
「そう……」
「だけど、私は結婚して欲しいと思っている、2人に」
「誠一さん……いいの?」
「永一が、一生懸命私の跡を継ごうと頑張っていてくれて、2人が授けてくれた永一が側にいるだけで、幸せなんだ。本当なら、永一の両親は2人なんだから、名乗り出たっていいのに、それは誠二がしたくないと。永一は、きっと自分の父親は俺じゃなく誠二だと気づいている。だけど、何も言わない。あの子は賢いから」
「まだ子供なのに、すごいね、永一君」
「永一の未来を思って、親として名乗りたくないなんて。親って……本当凄いんだな」
「うん、そうだね。でも、誠二も誠一さんに感謝しているよ。大事に育ててくれて、嬉しいと思う」
「だから、せめて2人に罪の意識を少しでも軽くしてあげたいんだ。永一も、2人には結婚して欲しいと願っている」
「永一君も願っているなら、私も応援したいな。何をすればいいの?」
「実は、美緒のドレスを選んでほしいんだ」
「美緒さんのドレス?私が選んでいいの?」
「体型とかが難しくて、サイズが分からなくて」
「分かりました。ドレスを選べばいいんですね。了解です!」
「それと……この結婚式のことを美緒にはサプライズにしたいのだが、誠二には伝えたいんだ」
「そうね、伝えたほうがいいでしょうね」
「円花さんにお願いできないだろうか」
「え?私?」
「私からだと、誠二も遠慮してしまうだろう」
「でも私、思いっきり部外者だけど……」
「部外者ではないよ。円花さんは、誠二とっても、私にとっても、命の恩人だ」
「そんな大げさな」
「大げさなんかじゃない。円花さんが行動してくれたから、今、誠二は生きているんだ。頼む、円花さんしかいないんだ」
「分かりました。誠二と話をしてみます」
「誠二はもう自分で話すことはできないんだ」
「え……そこまで症状が?」
「自分の声の音声を視線で文字をひろって出している。呼吸器をつけたんだ」
「そうなんですね……会いに行きます、必ず」
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