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その後の話
離れられない2人
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「誠二!大丈夫?」
ホテルで休んでいると急に誠二の呼吸が荒くなっていく。
脚も立つことができず倒れてしまった。
「誠二…救急車呼ぶから!」
「待って……大丈夫だから。」
「大丈夫じゃない…大丈夫じゃないから!」
「円花…俺はこのままでもいいんだ。美緒にも会えた。永一にも…永一のことはきっと大丈夫。昨日母さんと話をしたから……っ」
「……そんなこと言わないでよっ……最期の別れみたいにっ…」
「円花のおかげだよっ……円花…お願いがあるっ…」
「何?何でもするよ!」
「俺の部屋にあるものを全部捨ててって言って……この間できなかったからっ
……」
「分かった、分かったからっ……もう、喋んなくていいからっ…」
誠二を残してくるのは気がかかりで仕方なかった。
だけど、誠二がそうしてくれと……
仕方なく誠一さんご夫婦の家へ行った。
「すごーい!豪邸みたいに綺麗!」
「円花さん……」
「急にごめんなさい。でも連絡先知らなくて…」
「そうよね。お茶いれるわね。」
「いいんです。私急いでて…あの誠二の部屋ってどこですか?」
「え…誠二さんの部屋ですか?」
「誠二がこの家に置いてある私物を取りに行ってほしいって言われて……」
「あ……それならこっちです。」
案内された誠二の部屋。
誠二がたった5日間しか過ごしていない部屋。
だけど10年経ったというのにいまだに掃除がされている。
そっか……美緒さんはずっと誠二の帰りを待っていたんだ。
本当は絵を処分してくれればそれでいいって言われたけど
怪しまれないように数枚ある服をボストンバッグに詰める。
「じゃあ、ここの部屋にある絵は捨てちゃってください。」
きっと私がそういっても、美緒さんは処分しないだろう。
この表情を見ればわかる。
「あ、それとこれを……」
「お披露目会…?」
「誠二さんのお父様が私を紹介してくださるらしくて…お義姉さんも来てください。」
「円花さん、おめでとうございます。誠二さんをよろしくお願いします」
微笑みながらお祝いの言葉をくれたけど
この人にはこの言葉がよく似合う。
『儚い』
消えそうで守りたくなる女性。
だけど、芯はしっかりしていて……
甘えたくもなる。
「永一…お帰りさない。こちら誠二さんの婚約者の円花さん。」
「こんにちは!可愛い!!!誠二にそっくり!」
「……え?」
ついつい本当の言葉がでてしまった。
本当に可愛くて、誠二にそっくりだ。
だけどその言葉をいったために
美緒さんの表情がどんどん凍り付いていった。
「誠二さんって…誰?」
「お父様の弟さんよ。弟といっても双子だから同い年だけど」
「僕はあったことある?」
「……ううん、でも今度ご飯食べるときに会えるよ」
「もしかしてこの部屋の人?」
「ええ…そうよ」
「僕、この部屋が大好きなんだ!僕を温かく包み込んでくれるような感じがするんだ」
そっか……この子は何も知らないんだ。
誠二が本当の父親だってことを。
会ったこともないけど
でも、誠二のことを本能でわかるんだ。
ホテルで休んでいると急に誠二の呼吸が荒くなっていく。
脚も立つことができず倒れてしまった。
「誠二…救急車呼ぶから!」
「待って……大丈夫だから。」
「大丈夫じゃない…大丈夫じゃないから!」
「円花…俺はこのままでもいいんだ。美緒にも会えた。永一にも…永一のことはきっと大丈夫。昨日母さんと話をしたから……っ」
「……そんなこと言わないでよっ……最期の別れみたいにっ…」
「円花のおかげだよっ……円花…お願いがあるっ…」
「何?何でもするよ!」
「俺の部屋にあるものを全部捨ててって言って……この間できなかったからっ
……」
「分かった、分かったからっ……もう、喋んなくていいからっ…」
誠二を残してくるのは気がかかりで仕方なかった。
だけど、誠二がそうしてくれと……
仕方なく誠一さんご夫婦の家へ行った。
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「円花さん……」
「急にごめんなさい。でも連絡先知らなくて…」
「そうよね。お茶いれるわね。」
「いいんです。私急いでて…あの誠二の部屋ってどこですか?」
「え…誠二さんの部屋ですか?」
「誠二がこの家に置いてある私物を取りに行ってほしいって言われて……」
「あ……それならこっちです。」
案内された誠二の部屋。
誠二がたった5日間しか過ごしていない部屋。
だけど10年経ったというのにいまだに掃除がされている。
そっか……美緒さんはずっと誠二の帰りを待っていたんだ。
本当は絵を処分してくれればそれでいいって言われたけど
怪しまれないように数枚ある服をボストンバッグに詰める。
「じゃあ、ここの部屋にある絵は捨てちゃってください。」
きっと私がそういっても、美緒さんは処分しないだろう。
この表情を見ればわかる。
「あ、それとこれを……」
「お披露目会…?」
「誠二さんのお父様が私を紹介してくださるらしくて…お義姉さんも来てください。」
「円花さん、おめでとうございます。誠二さんをよろしくお願いします」
微笑みながらお祝いの言葉をくれたけど
この人にはこの言葉がよく似合う。
『儚い』
消えそうで守りたくなる女性。
だけど、芯はしっかりしていて……
甘えたくもなる。
「永一…お帰りさない。こちら誠二さんの婚約者の円花さん。」
「こんにちは!可愛い!!!誠二にそっくり!」
「……え?」
ついつい本当の言葉がでてしまった。
本当に可愛くて、誠二にそっくりだ。
だけどその言葉をいったために
美緒さんの表情がどんどん凍り付いていった。
「誠二さんって…誰?」
「お父様の弟さんよ。弟といっても双子だから同い年だけど」
「僕はあったことある?」
「……ううん、でも今度ご飯食べるときに会えるよ」
「もしかしてこの部屋の人?」
「ええ…そうよ」
「僕、この部屋が大好きなんだ!僕を温かく包み込んでくれるような感じがするんだ」
そっか……この子は何も知らないんだ。
誠二が本当の父親だってことを。
会ったこともないけど
でも、誠二のことを本能でわかるんだ。
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