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禁断の扉②
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「お義父さん……やめてください。こんなっ……」
「こんなこと馬鹿げているのはわかっている。だけど誠一の代で潰すわけにはいかないんだ。」
それは……私だって同じだ。
誠一さんは家では仕事を持ち込まない人だったけど
一度だけ酔っぱらったとき話をしてくれた。
会社は生きがいだって言ってた。
朝起きて夜寝るまで
会社で過ごす時間が多いし
自分が今生きている証を残せて楽しいって……
「フッ……本当に馬鹿げてるな。」
「俺はお前に頭を下げているわけではない。美緒さんに頭を下げているんだ。」
「そんなこといって……俺のタネも必要なくせに。」
「フンッ!お前もこういう時しか役に立たんのだから、しっかり子作りしろ。お前はいつも私にとってお荷物だったんだ。」
「あなた!誠二にそんな風に言わなくても…」
「こいつは小さい頃から俺に似ていない。一族の誰にも似ていない。」
「似ていないって……三歳で俺を捨てたくせに!!!」
「誠二さん……」
誠二はドアを壊れるんじゃないかというぐらい強く閉めて部屋から出て行ってしまった。
「貴方……そんな言い方しなくてもいいじゃないですか!誠二は寂しい思いをずっとさせてきたじゃないですか!」
「寂しいって……アイツは遠くからでも金がない金がないってお前によくせびっていたじゃないか!俺が何も知らないと思っていたか!」
「だって……誠二があまりにも可哀想で…あなたはいつも誠一だけをかわいがるから。」
「誠一は長男だからだ!長男が会社を継ぐのがこの会社では当たり前なのはお前も知っているだろう!同じ双子で生まれてきたのにアイツは誠一と同じぐらいの能力があるかと思ったら大間違いだった。」
何だかとても変な感じだった。
誠一さんと誠二さんは
ほんの少し生まれる時間が変わっただけで
こんなにも接し方が違ってしまうの?
「やめてください!!」
誠一さんとは違っても誠二さんには誠二さんのいいところがきっとあるのに――
「お義父さん……私頑張りますから。だから、どうか……誠二さんのことも認めてあげてください。もちろん嫁の私がいうのはおかしいのは百も承知です。」
「誠二を…?」
「誠二さん…寂しかったと思います。家族は紗英さんだけだと言っていました。誠一さんと誠二さんの扱いがあまりにも酷いと思います。」
どうしたんだろう、私
嫁の私が何を言っているのだろう…?
だけどあまりにも誠二さんが可哀想で――言わないと気が済まない。
「子供ができたら……誠二さんの子でもあるので認めてもらいたいです。」
「いや、しかしその子は誠一の子として――」
「わかっています。戸籍は誠一さんの子だとしても血は……誠二さんの子です。その時は認めてあげてください。よろしくお願いします!」
いつの間にか、お願いをしているのはお義父さんじゃなくて私になっていた。
立場が逆転してしまったけど
でも、これでいい。
紗英さんだって……きっと誠二さんのことを気にしているはずだ。
“コンコン――”
「誠二さん……」
「…飯食う?」
「……食欲がないんで…」
お義父さんにあんな風に向かってお願いしたら
急に疲れが出てきて何もする気にもなれない。
明日やっと誠一さんが帰ってくるというのに――
「あの話、しようか?」
「え…?」
「明日は兄さんが帰ってくるから…その前に紗英の話してやるよ。それ以上食べないとガリガリになるぞ。」
そうだ……
お義母さんが言っていたことが気になっていたんだ。
同じことってどういうことなんだろう――
「こんなこと馬鹿げているのはわかっている。だけど誠一の代で潰すわけにはいかないんだ。」
それは……私だって同じだ。
誠一さんは家では仕事を持ち込まない人だったけど
一度だけ酔っぱらったとき話をしてくれた。
会社は生きがいだって言ってた。
朝起きて夜寝るまで
会社で過ごす時間が多いし
自分が今生きている証を残せて楽しいって……
「フッ……本当に馬鹿げてるな。」
「俺はお前に頭を下げているわけではない。美緒さんに頭を下げているんだ。」
「そんなこといって……俺のタネも必要なくせに。」
「フンッ!お前もこういう時しか役に立たんのだから、しっかり子作りしろ。お前はいつも私にとってお荷物だったんだ。」
「あなた!誠二にそんな風に言わなくても…」
「こいつは小さい頃から俺に似ていない。一族の誰にも似ていない。」
「似ていないって……三歳で俺を捨てたくせに!!!」
「誠二さん……」
誠二はドアを壊れるんじゃないかというぐらい強く閉めて部屋から出て行ってしまった。
「貴方……そんな言い方しなくてもいいじゃないですか!誠二は寂しい思いをずっとさせてきたじゃないですか!」
「寂しいって……アイツは遠くからでも金がない金がないってお前によくせびっていたじゃないか!俺が何も知らないと思っていたか!」
「だって……誠二があまりにも可哀想で…あなたはいつも誠一だけをかわいがるから。」
「誠一は長男だからだ!長男が会社を継ぐのがこの会社では当たり前なのはお前も知っているだろう!同じ双子で生まれてきたのにアイツは誠一と同じぐらいの能力があるかと思ったら大間違いだった。」
何だかとても変な感じだった。
誠一さんと誠二さんは
ほんの少し生まれる時間が変わっただけで
こんなにも接し方が違ってしまうの?
「やめてください!!」
誠一さんとは違っても誠二さんには誠二さんのいいところがきっとあるのに――
「お義父さん……私頑張りますから。だから、どうか……誠二さんのことも認めてあげてください。もちろん嫁の私がいうのはおかしいのは百も承知です。」
「誠二を…?」
「誠二さん…寂しかったと思います。家族は紗英さんだけだと言っていました。誠一さんと誠二さんの扱いがあまりにも酷いと思います。」
どうしたんだろう、私
嫁の私が何を言っているのだろう…?
だけどあまりにも誠二さんが可哀想で――言わないと気が済まない。
「子供ができたら……誠二さんの子でもあるので認めてもらいたいです。」
「いや、しかしその子は誠一の子として――」
「わかっています。戸籍は誠一さんの子だとしても血は……誠二さんの子です。その時は認めてあげてください。よろしくお願いします!」
いつの間にか、お願いをしているのはお義父さんじゃなくて私になっていた。
立場が逆転してしまったけど
でも、これでいい。
紗英さんだって……きっと誠二さんのことを気にしているはずだ。
“コンコン――”
「誠二さん……」
「…飯食う?」
「……食欲がないんで…」
お義父さんにあんな風に向かってお願いしたら
急に疲れが出てきて何もする気にもなれない。
明日やっと誠一さんが帰ってくるというのに――
「あの話、しようか?」
「え…?」
「明日は兄さんが帰ってくるから…その前に紗英の話してやるよ。それ以上食べないとガリガリになるぞ。」
そうだ……
お義母さんが言っていたことが気になっていたんだ。
同じことってどういうことなんだろう――
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