7 / 99
痛みのあるセックス①
しおりを挟む
「早く子供作ってこの家出ろよ。」
そう言われた気がしたけど気のせいだったのかな?
私はこの家にいたくて子供が欲しいのに、子供連れて出て行くなんて、どうしてそういうこと言うの…?
「………美緒?」
「はっ…!」
カーテンの隙間から朝日の光が差し込んできて眩しい。
いつの間に朝になったの?
「あ、会社ですよね…あっ!」
起き上がろうとしても起き上がれない。
カラダに力が入らなくてすぐにヘナっと倒れこんでしまう。
「ごめんなさい……起きあがれない。」
「ははっ……それだけ誠二のセックスがいいってことか。」
「違います……!」
本当は嘘だけど本当のことなんて言えない。
「本当に俺のほうがいいのか?」
「誠一さん…?」
「なんか…妬けちゃうな。」
「妬いて…くれるんですか?」
「え?」
「妬いて…くれないと思っていました。」
弟と子供ができるまで寝てほしいって誠一さんからのお願いだったし、誠二さんがあんなことを言っていたから……私のことなんてどうでもいいのかもしれないってちょっと思っていた。
「本当は今も会社に行きたくないぐらい妬いているよ…」
「誠一さん……」
「美緒…」
優しく髪の毛を撫でられるだけで、私の心は満たされる。
誠二さんとのセックスは確かにカラダは気持ちがいい。
だけど誠一さんは私の心を満たしてくれる。
「んっ…ん……っ…」
細長い指で頬にかかった髪の毛をかき分けながらそのまま唇を重ねて舌をゆっくりと絡めてくる。
ねっとりと舌を重ねては舌先と舌先をつつきあって、舌が離れると思うと寂しさを感じてまた舌を自分から重ねた。
「寂しい思いをさせて申し訳ない。」
「じゃあ……抱いてほしいです。」
自分から舌を重ねたことも、抱いてほしいと懇願したことも今まではなかった。
誠二さんに抱かれるようになってから積極的に言えるようになった自分に誠一さんも私も驚きが隠せない。
「やっぱり……嫌ですよね?ほかの男に抱かれたカラダなんて…」
「そんなこと……ただもう会社に行かなくてはいけなくて、ごめん。」
「……いいんです。」
そうだよ、仕事だから、私が嫌なんじゃない、そう思わないとこれから先やっていけない。
「じゃあ、行ってくる。」
「ま、待ってください!そのネクタイ…」
「え…?」
「そのネクタイ、誠一さんに合わないです!あっちの紺色のほうが合います!」
「そう…かな?」
「そうです!」
あのネクタイは私が昨日誠二さんとセックスしたときに口に突っ込まれたネクタイだから、絶対誠一さんにしてほしくない。
「美緒が言うなら…じゃあこっちにしておくよ。」
「ありがとうございます……」
お仕置きなんかより、誠一さんに知られるほうが嫌だ。
もうあのネクタイは捨てておこう。
「じゃあ、美緒行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい、誠一さん。」
「誠二、あとは頼むよ。」
「じゃあ、行ってくる。」
「ま、待ってください!そのネクタイ…」
「え…?」
「そのネクタイ、誠一さんに合わないです!あっちの紺色のほうが合います!」
「そう…かな?」
「そうです!」
あのネクタイは私が昨日誠二さんとセックスしたときに口に突っ込まれたネクタイだから、絶対誠一さんにしてほしくない。
「美緒が言うなら…じゃあこっちにしておくよ。」
「ありがとうございます……」
お仕置きなんかより、誠一さんに知られるほうが嫌だ。
もうあのネクタイは捨てておこう。
「じゃあ、美緒行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい、誠一さん。」
「誠二、あとは頼むよ。」
誠一さん、私が知っている優しい誠一さんなら抱き上げてベッドに運んでくれるよね?
どうして私を置いていくの…?
お願いだから、置いて行かないで……
「グスッ……グスッ…」
「何で泣くんだよ…」
「だって誠一さんが…キャッ!」
ベッドから落ちた私を拾い上げてくれたのは誠一さんではなく誠二さんだった。
「やだ…もう嫌だっ……」
ベッドに私を置くとき体が密着してまたカラダを重ねるのかと思って萎縮してしまった。
誠二さんは何も言わず、ただ頭に手を置いてポンポンと撫でて
涙をぬぐって黙って部屋から出て行ってしまった。
「うぅぅ…っ……」
誠二さんが本当にどうしようもないぐらい嫌な人だったらよかった。
誠一さんにしてもらいたいことを全部誠二さんがしてくれるなんて……神様はずるい。
快楽を与えてくれる行為も、頭を優しく撫でてくれる手も、涙をぬぐってくれる指も誠一さんだったら――
そう言われた気がしたけど気のせいだったのかな?
私はこの家にいたくて子供が欲しいのに、子供連れて出て行くなんて、どうしてそういうこと言うの…?
「………美緒?」
「はっ…!」
カーテンの隙間から朝日の光が差し込んできて眩しい。
いつの間に朝になったの?
「あ、会社ですよね…あっ!」
起き上がろうとしても起き上がれない。
カラダに力が入らなくてすぐにヘナっと倒れこんでしまう。
「ごめんなさい……起きあがれない。」
「ははっ……それだけ誠二のセックスがいいってことか。」
「違います……!」
本当は嘘だけど本当のことなんて言えない。
「本当に俺のほうがいいのか?」
「誠一さん…?」
「なんか…妬けちゃうな。」
「妬いて…くれるんですか?」
「え?」
「妬いて…くれないと思っていました。」
弟と子供ができるまで寝てほしいって誠一さんからのお願いだったし、誠二さんがあんなことを言っていたから……私のことなんてどうでもいいのかもしれないってちょっと思っていた。
「本当は今も会社に行きたくないぐらい妬いているよ…」
「誠一さん……」
「美緒…」
優しく髪の毛を撫でられるだけで、私の心は満たされる。
誠二さんとのセックスは確かにカラダは気持ちがいい。
だけど誠一さんは私の心を満たしてくれる。
「んっ…ん……っ…」
細長い指で頬にかかった髪の毛をかき分けながらそのまま唇を重ねて舌をゆっくりと絡めてくる。
ねっとりと舌を重ねては舌先と舌先をつつきあって、舌が離れると思うと寂しさを感じてまた舌を自分から重ねた。
「寂しい思いをさせて申し訳ない。」
「じゃあ……抱いてほしいです。」
自分から舌を重ねたことも、抱いてほしいと懇願したことも今まではなかった。
誠二さんに抱かれるようになってから積極的に言えるようになった自分に誠一さんも私も驚きが隠せない。
「やっぱり……嫌ですよね?ほかの男に抱かれたカラダなんて…」
「そんなこと……ただもう会社に行かなくてはいけなくて、ごめん。」
「……いいんです。」
そうだよ、仕事だから、私が嫌なんじゃない、そう思わないとこれから先やっていけない。
「じゃあ、行ってくる。」
「ま、待ってください!そのネクタイ…」
「え…?」
「そのネクタイ、誠一さんに合わないです!あっちの紺色のほうが合います!」
「そう…かな?」
「そうです!」
あのネクタイは私が昨日誠二さんとセックスしたときに口に突っ込まれたネクタイだから、絶対誠一さんにしてほしくない。
「美緒が言うなら…じゃあこっちにしておくよ。」
「ありがとうございます……」
お仕置きなんかより、誠一さんに知られるほうが嫌だ。
もうあのネクタイは捨てておこう。
「じゃあ、美緒行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい、誠一さん。」
「誠二、あとは頼むよ。」
「じゃあ、行ってくる。」
「ま、待ってください!そのネクタイ…」
「え…?」
「そのネクタイ、誠一さんに合わないです!あっちの紺色のほうが合います!」
「そう…かな?」
「そうです!」
あのネクタイは私が昨日誠二さんとセックスしたときに口に突っ込まれたネクタイだから、絶対誠一さんにしてほしくない。
「美緒が言うなら…じゃあこっちにしておくよ。」
「ありがとうございます……」
お仕置きなんかより、誠一さんに知られるほうが嫌だ。
もうあのネクタイは捨てておこう。
「じゃあ、美緒行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい、誠一さん。」
「誠二、あとは頼むよ。」
誠一さん、私が知っている優しい誠一さんなら抱き上げてベッドに運んでくれるよね?
どうして私を置いていくの…?
お願いだから、置いて行かないで……
「グスッ……グスッ…」
「何で泣くんだよ…」
「だって誠一さんが…キャッ!」
ベッドから落ちた私を拾い上げてくれたのは誠一さんではなく誠二さんだった。
「やだ…もう嫌だっ……」
ベッドに私を置くとき体が密着してまたカラダを重ねるのかと思って萎縮してしまった。
誠二さんは何も言わず、ただ頭に手を置いてポンポンと撫でて
涙をぬぐって黙って部屋から出て行ってしまった。
「うぅぅ…っ……」
誠二さんが本当にどうしようもないぐらい嫌な人だったらよかった。
誠一さんにしてもらいたいことを全部誠二さんがしてくれるなんて……神様はずるい。
快楽を与えてくれる行為も、頭を優しく撫でてくれる手も、涙をぬぐってくれる指も誠一さんだったら――
0
お気に入りに追加
388
あなたにおすすめの小説

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。



会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる