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隣にいる私を見て…
不器用な愛③
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「美優の友達は…?」
「え?」
「あの子のことはどうするんだ?」
「親友さえ辞めたいって言われたよ。俺が中途半端に愛に接してしまったから……愛を傷つけてしまった。俺わかったよ…美優の時は兄さんに負けたくなくて独占したくて…それが愛だと思ってた。」
兄さんに渡したくない、その思いだけで動いていたんだーー
「愛は……隣にいるのが当たり前で、居心地がよくて…だけど親友さえ辞めたいって言われて気づいたよ。失う怖さをーー美優の時とは違う感情だってことも。」
「でお前は諦めるのか?」
「…諦めない。愛にちゃんと自分の気持ちを伝えたい。愛の顔を見てちゃんと……今から会いに行く。」
「今からって……あなた正気なの?窓も外を見なさいよ!あんなにマスコミがいるのよー!?」
「……それでも、今伝えに行きたいんです。昨日みたいに後回しにしたら後悔するから。」
「だからって……巧?どこに行くの?」
「行くぞ、ヒロ。」
「兄さん?」
「俺について来い。」
「え?」
「巧、裏から行くの?裏だってすぐ回り込まれて後をつけられるわよ…」
兄さんはいつも自信で満ち溢れていて憧れていた
兄さんがいつも自信があるのは自分を信じているから
目の前のことにいつも真剣に立ち向かうから
そして優しいからーー
だから絶対周りを責めない
傷ついていいのは自分だけでいいって思ってる。
そんな兄さんに美優が惚れるのは当たり前だ
俺だって女だったら惚れそうだーー
「ヒロ……俺が外に出て10秒たったら外に出てこい。いいな?振り返らず走るんだ。」
手に持っていたサングラスと帽子を俺につけながら、語りかけてくる巧の目は、サングラス越しでも目力はすごい。
巧の青い目は冷たい目だと思ってたけど
この近さでみて初めて気づいた
ブルーの目にうつる自分が嫌だったんだ
自信がない自分を思い知らされるブルーの目が怖かったんだ
「兄さん……何するつもりなの?」
俺の質問には答えず、ただニッコリと笑う巧の優しい笑顔
俺はこんな優しい人になんてことしたんだろうーー
「兄さん、何でそんなに優しくしてくれるの…?」
サングラスしててよかった……
目には涙で溢れてて溢れそうだからーー
「俺はお前に感謝してるよ?過去があるから今があるんだ。美優とも恋に落ちたのだって過去があるからーーあのまま3人で過ごしたってどうなってたかなんてわからない。だからお前はもう自分を責めるな。」
「兄さん……ッ」
「今は俺だって帰る場所がある。だからお前も帰る場所に帰れ。手放すなよ…」
「兄さん…?」
「お誕生日おめでとう、ヒロ。1日遅れだけど、今年は言えてよかったよ。」
「え?」
「あの子のことはどうするんだ?」
「親友さえ辞めたいって言われたよ。俺が中途半端に愛に接してしまったから……愛を傷つけてしまった。俺わかったよ…美優の時は兄さんに負けたくなくて独占したくて…それが愛だと思ってた。」
兄さんに渡したくない、その思いだけで動いていたんだーー
「愛は……隣にいるのが当たり前で、居心地がよくて…だけど親友さえ辞めたいって言われて気づいたよ。失う怖さをーー美優の時とは違う感情だってことも。」
「でお前は諦めるのか?」
「…諦めない。愛にちゃんと自分の気持ちを伝えたい。愛の顔を見てちゃんと……今から会いに行く。」
「今からって……あなた正気なの?窓も外を見なさいよ!あんなにマスコミがいるのよー!?」
「……それでも、今伝えに行きたいんです。昨日みたいに後回しにしたら後悔するから。」
「だからって……巧?どこに行くの?」
「行くぞ、ヒロ。」
「兄さん?」
「俺について来い。」
「え?」
「巧、裏から行くの?裏だってすぐ回り込まれて後をつけられるわよ…」
兄さんはいつも自信で満ち溢れていて憧れていた
兄さんがいつも自信があるのは自分を信じているから
目の前のことにいつも真剣に立ち向かうから
そして優しいからーー
だから絶対周りを責めない
傷ついていいのは自分だけでいいって思ってる。
そんな兄さんに美優が惚れるのは当たり前だ
俺だって女だったら惚れそうだーー
「ヒロ……俺が外に出て10秒たったら外に出てこい。いいな?振り返らず走るんだ。」
手に持っていたサングラスと帽子を俺につけながら、語りかけてくる巧の目は、サングラス越しでも目力はすごい。
巧の青い目は冷たい目だと思ってたけど
この近さでみて初めて気づいた
ブルーの目にうつる自分が嫌だったんだ
自信がない自分を思い知らされるブルーの目が怖かったんだ
「兄さん……何するつもりなの?」
俺の質問には答えず、ただニッコリと笑う巧の優しい笑顔
俺はこんな優しい人になんてことしたんだろうーー
「兄さん、何でそんなに優しくしてくれるの…?」
サングラスしててよかった……
目には涙で溢れてて溢れそうだからーー
「俺はお前に感謝してるよ?過去があるから今があるんだ。美優とも恋に落ちたのだって過去があるからーーあのまま3人で過ごしたってどうなってたかなんてわからない。だからお前はもう自分を責めるな。」
「兄さん……ッ」
「今は俺だって帰る場所がある。だからお前も帰る場所に帰れ。手放すなよ…」
「兄さん…?」
「お誕生日おめでとう、ヒロ。1日遅れだけど、今年は言えてよかったよ。」
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