【R18】アムール

かのん

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もう一度、あなたに恋をする。

公開処刑

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「巧…いらっしゃい!」



巧は実家に顔を出していた。



「…また来てくれて嬉しいわ。」



「母さん…」



「何?」



「…」



巧は言葉を続けず黙ってしまった。



「お茶のみましょう。こっちに来て。」



“カチャッ…”



巧にコーヒーを楓が入れてくれた。



「…美味しい。」



「本当?あなたがコーヒーが好きだって雑誌で読んで…入れれるように練習したのよ、ふふ。」



はにかみながらコーヒーを飲む楓はとても一般人のようには見えなかった。



「母さんは、後悔してない?」



「え?」



「芸能界を引退したこと。」



「後悔してないわ。」



巧と同じブルーの瞳で、真剣な表情で言ってきた。




「私が一番後悔しているのはあのクリスマスの日…あれ以上に後悔することはないわ。」


「母さん…」



楓が巧の手に両手を乗せてきた。



「巧…いえルイ…私はあなたの母親で家族よ。もう一人じゃない。お父さんもヒロもいるわ。美優ちゃんだって…私はいつだってあなたの味方よ。もちろんみんなも…あなたがどんな道にいっても応援するわ。」



「…母さん、俺芸能界を――」



“バンッ…”



ドアを勢いよくヒロが開け、愛も中に入ってきた。



「ヒロ…どうしたの急に…」



「兄さん、美優が!!」



“カチャンッ…”



カップが倒れ母親がいれたコーヒーがテーブルにこぼれた。



「美優が…どうした?」



「巧君、ごめんなさい。どうしよう…私が行っていれば…」



愛が震えながら泣き出した。



「おい!どうした!?」



「実はこの間中学の同窓会があって…その時にあった武田君とこの間みんなで遊んで…そこでゲームに負けたらデートしてって武田君が…」



「それで…?」



「美優迷ってたけど、妹の誕生日プレゼントに付き合ってほしいって言われて…今日私も誘われたけどバイトでいけなくて…だけど早く終わったから電話したんだけど繋がらなくて…」



「愛から連絡あって…武田に妹はいない。一人っ子なんだよ。しかもその武田は中学のときから自分の思い通りにならないと暴力振るったり、ナイフで刺したり、強姦したり…」



「強姦…?」



「男の間じゃ有名な話なんだけど、女の子の前と態度が違って…しかも全部父親がもみ消すんだ。病院の跡取りだから…」



「美優は今どこにいる?そいつと一緒なのか!?」



ヒロが携帯を巧に見せてきた。



「美優!?」



携帯には美優が椅子に座らされて意識を失っている姿が映し出された。



【今から俳優日向巧の女をヤリます!】というテロップまで流れていた。



武田の姿はまだ映し出されていなかった。



「兄さん!!」




「待って送るから!場所はわかるから!」



「わかるのか!?」



「多分だけど…武田の家だと思う。前乱暴にされた女の子が俺に相談してくれたことがあって。」



ヒロの車に巧とヒロが乗り込んだ。



「武田は…本当に危険な奴なんだ。今はネットに依存しているみたいで、美優とのことも色々書き込んでいたみたい。色んな人に注目されるのが快感みたい。」



「そんなことが…」



「兄さんはいつも注目されているから…アイツも寂しいんだよ。ずっと親に放っておかれてさ。だけどこんなことして言い訳じゃないけど。」



巧はヒロの携帯の動画の美優をずっと見つめていた。




「美優!?」



動画の向こうの美優が目が覚めたみたいで、目を少しづつ開けているのがわかった。



【姫がお目覚めー!】



新しいテロップが流れた。



「美優!!」



美優の顔がどんどん青ざめて恐怖に怯えているのが動画からも伝わってきた。



縛り付けられた椅子を一生懸命動かし、動かしすぎて手首か足首は血が滲んでいた。



美優の声なども聞こえず、男の声も聞こえない。



音は聞こえないけど美優が服を破かれ泣き叫んでいる声が画面越しに伝わってきた――



「…ッ」



巧みが握っているヒロの携帯がミシミシと音が鳴った。



「兄さん、ここ!」



武田の家に着き、巧はシートベルトを外す。



「何人いるかわからないから、俺もッ――」



“ドサッ…”



「ごめんな、ヒロ…」
















「大事な弟をそんなところに連れていけねぇよ――」







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