【R18】アムール

かのん

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もう一度、あなたに恋をする。

ダブルデート

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「え?巧くんと距離おくの?」



「うん…」



「……いいの?」



「……」



「でもさ、巧くんにはちょっと失望したよ…まさか沙織さんと…」



「巧はしてないって信じたいけど何も言わなくて…」



「何も言わないってさ、不安になるよね?」



「うん…」



「あ、武田くんから連絡あったよ!」



「え…何て?」



「今度4人で遊ぼうって。向こうが色々計画してくれるみたいだよ♪」



「そっか…」



「あんまり乗り気じゃないの?」



「巧と色々あった今、男の子と遊びにいくのってどうなのかなって思ってきちゃって…」



「ただの中学の友達と遊ぶだけだって。二人きりってわけでもないし。」



「…そうだよね。」



「美優はさ、武田君のこと思ってるの?」



「え!?何急に…」



「いや、武田君何も言わないけど美優のこと気になってんじゃないかな~と思って。」



「そんなことないよ…」



「だけどさ、前よりよくなったとはいえ、巧君とはデートとかもしづらかったでしょ?」



確かに巧とデートすれば周りからジロジロと見られていた。



「普通の男の子とお付き合いするのも考えてみたら?」











巧以外の男の子…?










――ダブルデート当日



「ごめん!待たせちゃった?」



「大丈夫。美優可愛いじゃん。」



「え?あ、ありがとう。」



巧にも可愛いって今までたくさん言ってもらった。



「可愛い」って言葉は同じなのに



武田に言われて嬉しいのに




巧に言われる「可愛い」と何かが違う



何かが足りない――



「美優!ごめ~ん!」



愛が最後に遅れてやってきた。



「じゃあ、メンバー揃ったし行こうか。」



「行こう、行こう!」



愛がハイテンションで乗り気じゃない美優を引っ張っていった。



「おぉ!ボーリングとか久しぶり!」



愛は靴やボールを必死に選んでいる。



「美優は?ボーリング好き?」




「私は中学のとき家族でやったきり…武田君はよくするの?」



「俺はよくするけど…彼氏とあんまりこういうデートとかしない?」



「え……うん、しない…かな。」



巧とこんなにも人に見られるようなデートなんて考えたこともなかった。



二人でこの間街を歩いただけでも緊張したのだから…



「なんかもったいないな…俺なら楽しいデートいっぱいしてあげれるのに。」



「え…?」



「じゃあさ、まずは俺とゲームしない?美優はガーターなしレーン、俺は普通のレーンで、美優は5ゲーム、俺は2ゲーム。」








「俺が負けたら美優の言うこと何でも聞くよ。美優が負けたら今度俺と二人でデートしよ♪」





「え…」



「美優やってみなよ。ハンデ結構あるから大丈夫だよ!」



愛が横から会話に入ってきた。



「でももし負けたら……」



美優が深刻に考えて俯きだす。



「俺さ、妹いるんだけど、妹の誕生日プレゼント探ししてほしんだよね。だからそんな深刻に考えないでさ。」



「…うん、わかった。」



「よし、じゃあ始めよう!」


初心者に近い美優はガーターなしのレーンでやっても、武田にかなわなかった。。。



武田は全部ストライクだった。



「武田君、すごいね!ストライクなんて私だしたことないよ…」



「でも美優はセンスあると思うよ。ほら、あそこ、あそこを見て投げるときはこうやってまっすぐ…ね?やってみて。」



武田が美優の背後から近づき、背中に体を密着させ、色々と教えてきてくれた。



(オンナなんてみんなこうやってカッコいいところ見せて、こうやって密着して教えれば大体みんな顔を赤らめて…)



武田が美優の顔を覗き込むと、美優はいつもと変わらない表情で、顔も赤くはなっていなかった。



「ん?どうしたの武田君?」



「あ…いや…」(チッ…相変わらず手ごわいな)



美優が武田が言ったとおりに投げるとストライクが出た。



「すごい!ありがとう武田君!」



“ドキッ…”



本当に嬉しそうに笑顔で感謝の言葉を述べてくる美優が可愛かった。



(イヤイヤイヤイヤ・・・)



武田は自分の心を落ち着かせるためにタバコを吸いに外の喫煙所に出た。
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