天使に恋をした。

かのん

文字の大きさ
上 下
2 / 17

誕生日

しおりを挟む
「雅さん、すいません、指名入っているんですけど。」





「あぁ…じゃあ剛呼んできてくれる?」






「あ、はい。」





「俺さ、指名入ったから他のテーブルにいかないといけなくて…」



「そうなんだ。ありがとう、ホストクラブに連れてきてくれて。私帰るね。」





「待って!俺の友達呼んだから。そいつはいい奴だから。もう少しここにいて。」





「うん…わかった。」





「剛です。初めまして。」



「あ、剛、ちょっと。」





「あの子どうしたの?」





「あの子今日誕生日みたいで…お祝いしてあげたくてさ。でも俺今指名入ったから、相手していてくれない?わりぃ。」





「分かった。でもお前がお客にお祝いとか今までなかったよな~」





「え!?いやそんなことないよ。した…はず。」



「はいはい、他の男が手を出さないように見張っておきますよ!」





「剛///」





剛は手をあげてフリフリしながらテーブルへ向かう。





(だけど誕生日を祝うってどうやって…定番のでもいいのかな?)





雅はスタッフに指示を出す。








「真莉亜、20歳のお誕生日おめでとう。」









雅はひざまづき、真莉亜の手の甲にキスをする。





「キャーー羨ましい!」
「私もされたい!」





周りのお客さんたちが騒ぐ。





「王子様みたい…」






真莉亜がポツリと呟く。



「そう、ココでは王子様になるよ。エセ王子でごめんね。」





雅が真莉亜の耳元でささやく。





真莉亜はクスっと笑った。


グラスにシャンパンが注がれてキラキラ光っていく。





「あ、これお金足りるかな?」





「俺からの誕生日プレゼント。」





「本当!?ありがとう、雅君。」






雅は顔が赤くなりそうだったのですぐ顔をそらした。



(今はホスト、ホスト、ホスト…)





自分の気持ちを抑えるので必死だった。





「すごい綺麗~」
「キラキラしてこんなのみたことない!」





周りの女性達もシャンパンタワーの美しさに惚れ惚れしている。



「さぁ当店ナンバーワンの雅からシャンパンタワーをプレゼントされたお姫様一言!」





“シーーーン…”






「あ、えっと真莉亜さんでしたよね?感想は??」





マイクで仕切っているスタッフが恐る恐る聞いてくる。





「あ、えっと真莉亜は…」



「綺麗です。とっても…」





「え?」






「肌にキラキラゆれる感覚が伝わってきて、自分のためにこんな美しいものを見せてくれた雅君に感謝してます。ありがとう。こんな素敵な誕生日生まれて初めてだよ!」



確かに彼女の白い肌にはシャンパンがキラキラと揺れているのが映っていた。





「20歳のお誕生日おめでとう!」




たくさんの人に祝ってもらえて真莉亜は幸せそうだった。





彼女の誕生日をお祝いできたことは嬉しかった。





その隣に自分がいれたことも嬉しかった。



だけど真莉亜の誕生日が来るたびに胸が締め付けられるよ。





俺が隣にいたかったけど…真莉亜ごめんね。





全部俺のせいだ。ごめん
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?

石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。 ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。 ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。 「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。 小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。 扉絵は汐の音さまに描いていただきました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...