10年前に戻れたら…

かのん

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夫との出会い

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不倫ってどこからが不倫だろう





カラダの関係がなくても





ココロだけ





ココロだけ夫以外の人を想うのはやっぱり汚れていることなのだろうか





きょうちゃんに会いたい





ただただ会いたい。



貧しい家庭に産まれた





育ててくれた母親には感謝している






でも周りの友達が綺麗な服を着て






可愛いものを持っていることが羨ましかった




高校を出てすぐ水商売をした





とにかくお金がほしくて…






がむしゃらに働いた







ナンバーワンになったら別の店にいって






またナンバーワンを目指した




『彼氏いるんでしょ?』





よく聞かれるフレーズだが本当に彼氏がいなかった






誰かを愛し、誰かに愛され






そんな経験をしてみたかった




そんな時





夫となる人と店で出会った






お金もち
見た目イケメン
30代ということで落ち着きもあり
お酒もスマートに飲んでいた






誰もがみな、彼と結婚して夜をあがりたがっていた




彼は誰も指名しなかった





いつもフリーだった






私は指名が入っていていつも彼のテーブルにはいけなかった






だけどある日彼から指名が入った






『ナンバーワンの子と話がしてみたい』




「へぇ~君がナンバーワンなんだ。いつも忙しそうだね。君はこの仕事は長いの?」






「え…」






いきなり夜の仕事長いの?と聞かれたのは初めてだった






だいたいかわいいねとかキレイだね、何歳?とかだった







「まだ一年ぐらいです。」







「ふ~ん。彼氏は?」






きた、いつもの質問






「いえ、いません。」






「…うん、そうだね、君はいないね。」






「え!?」





「どうして驚く?本当にいないんだろう?」






「どうして信じるんですか?嘘かもしれないじゃないですか。」






「君は嘘を言っていない。そうだろ?」






“カラン…”






氷が解けてコップに当たりながら周る




彼は私にメモ帳を渡してきた






「今度パーティーがあるんだ。会社の大事なパーティーなんだ。君に一緒に来てもらえないかな?」






「え!?私ですか?あのでもまだ知り合ったばかりでもいいんですか?」






「君に私のパートナーとして来て欲しい。」






ナンバーワンだというと、尻込みする男性が多かった




ここまで初対面でぐいぐい誘ってくる男性はいなかった





それが男性経験がなかった私には魅力的にみえたのだろう






「行きます。」






あの時彼に出会ってなかったら…






どんな人生を送っていたのだろう




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