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雨③
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奈々が恭平に近づいてくる
「今日大学休んだから、風邪でも引いているかと思って…連絡がないって教授怒っていたよ。」
「あ…ごめん。大丈夫。」
「これ、今日のノート、あとこれ差し入れ…てか出かけるところだった?体大丈夫なの?」
「いや、えっと…」
“ガチャ…”
「桜君、このTシャツどこに置いておけばいいの…」
ハナも奈々に気づき声が小さくなる
奈々はこの女性が恭平の家で恭平の服を着ていたことが許せなかった
そして恭平がこの女性といちゃついている間の授業のノートを渡しに来たのが惨めになった
「奈々!」
奈々はエレベーターへ走っていった
「早く!」
奈々はエレベーターのボタンを押すが中々来なかった
そうしている間に恭平が追いついた
「奈々、どうした?」
「別に。彼女が来ているなら帰ろうと思っただけ。」
「いや、別に彼女ってわけじゃ…結婚しているし…」
「は?何?不倫でもしているの?恭平、何やっているかわかっているの?」
奈々はエレベーターに乗り込み閉まるボタンを押す
恭平は傷ついた子犬のような顔で奈々をエレベーターの窓越しから見ていた
「恭平…そんな顔しないでよ…」
“ガチャ…”
恭平が玄関のドアを開けるとハナが玄関体育座りで座っていた
「大丈夫だった?」
ハナが心配そうに恭平に聞く
「うん…大丈夫。」
恭平はハナのおでこに自分のおでこをぶつける
「ハナさん、まだ熱あるね。身体大丈夫?」
「うん、私もう帰るね。」
恭平がハナの手首をつかむ
「旦那さん…大丈夫?」
「何とかなるよ。大丈夫。桜君は見送りはいいから勉強してて。いいお医者様になれるよ。」
「でも、熱もあるし心配だよ。せめて近くまで…」
ハナは恭平の口に人指し指を立てる
「今日は本当にありがとう。また明日ね。」
「うん、また明日…」
恭平にとって別れが辛かった
彼女はまた旦那のいる家に帰るのだ
また暴力を振るわれるのだろうか
罵られるのだろうか
体調は大丈夫だろうか
早く明日になればいいのにーーー
だけど花屋のベンチでハナと会うことはもうなかった
「今日大学休んだから、風邪でも引いているかと思って…連絡がないって教授怒っていたよ。」
「あ…ごめん。大丈夫。」
「これ、今日のノート、あとこれ差し入れ…てか出かけるところだった?体大丈夫なの?」
「いや、えっと…」
“ガチャ…”
「桜君、このTシャツどこに置いておけばいいの…」
ハナも奈々に気づき声が小さくなる
奈々はこの女性が恭平の家で恭平の服を着ていたことが許せなかった
そして恭平がこの女性といちゃついている間の授業のノートを渡しに来たのが惨めになった
「奈々!」
奈々はエレベーターへ走っていった
「早く!」
奈々はエレベーターのボタンを押すが中々来なかった
そうしている間に恭平が追いついた
「奈々、どうした?」
「別に。彼女が来ているなら帰ろうと思っただけ。」
「いや、別に彼女ってわけじゃ…結婚しているし…」
「は?何?不倫でもしているの?恭平、何やっているかわかっているの?」
奈々はエレベーターに乗り込み閉まるボタンを押す
恭平は傷ついた子犬のような顔で奈々をエレベーターの窓越しから見ていた
「恭平…そんな顔しないでよ…」
“ガチャ…”
恭平が玄関のドアを開けるとハナが玄関体育座りで座っていた
「大丈夫だった?」
ハナが心配そうに恭平に聞く
「うん…大丈夫。」
恭平はハナのおでこに自分のおでこをぶつける
「ハナさん、まだ熱あるね。身体大丈夫?」
「うん、私もう帰るね。」
恭平がハナの手首をつかむ
「旦那さん…大丈夫?」
「何とかなるよ。大丈夫。桜君は見送りはいいから勉強してて。いいお医者様になれるよ。」
「でも、熱もあるし心配だよ。せめて近くまで…」
ハナは恭平の口に人指し指を立てる
「今日は本当にありがとう。また明日ね。」
「うん、また明日…」
恭平にとって別れが辛かった
彼女はまた旦那のいる家に帰るのだ
また暴力を振るわれるのだろうか
罵られるのだろうか
体調は大丈夫だろうか
早く明日になればいいのにーーー
だけど花屋のベンチでハナと会うことはもうなかった
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